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その家に着いたのは夕方だった。
そこは、母親の現在の夫が投資用に持っていた住宅で、裁判の途中、都内のマンションを売り払って一家でそこに移り住んでいた。そのマンションを売った金で彼女の夫は優秀な弁護士を妻のために雇い、結局、彼女は人身売買の罪状では証拠不十分で無罪になり、保護責任者遺棄罪はすでに時効が成立していた。著名な大学教授が関わっていた為メディアでは大きく扱われたが、被害者のプライバシーを守る為に、その母親である彼女も匿名でしか報道されなかった。彼女は何も罪に問われなかった。
それでも裁判の途中、彼女は都内のマンションを売り払わざるを得ず、生活が大きく変わった。今は大阪で心機一転、静かに穏やかに暮らしている。過去の未熟さ故の過ちを反省し、社会的制裁も受けている、と涙ながらに語った。それが情状酌量の要素として裁判の結果に何か影響を与えたのかは分からない。
彼はそれを、裁判で証言をする為に用意された別室のモニターで見ていた。母親の顔は覚えておらず、ただ、静かで穏やかな暮らし、という言葉がいつまでも頭の中で繰り返された。
夕方の青く暮れていく町を、彼はひたすら歩いた。どこの家もゆったりとした大きな造りで、手入れされた庭があり、ピカピカ光る、おじ様が乗っていたような車がガレージに数台停まっていた。一所に留まっていたら不審に思われると感じた彼は、その町をぐるぐると歩きながら、ここには静かで穏やかな暮らしがきっとたくさんあるんだ、と思った。この町で暮らしている自分を想像してみた。優しい両親がいて、休日にはショッピングモールの映画館に行く。そんな小さな頃を、空想しながら歩いた。
すっかり日が暮れた頃に、彼は何度目かに母親の住んでいる家の前に戻ってきた。さっきは無かったシルバーの車が、ガレージに停まっていた。それまで暗かった家に灯りが灯っていた。
彼は家の反対側の歩道の並木の影から、その家を見つめた。30分、そこで家を見つめ続けて、彼はその場を後にした。
駅前のインターネットカフェの個室で、彼はリュックから包丁を取り出し、薄く自分の腿の皮膚を切った。痛みと、流れる血が、彼に正気を保たせた。そうしないと、あの家に入って何か酷いことをしてしまいそうだった。
翌日の朝早く、また彼はあの家の前に行き、並木に隠れてその家を眺めた。1時間くらいしたら、家から母親と、制服を着てランドセルを背負った男の子が出てきた。彼はスマホでその男の子の写真を撮った。2人はシルバーの車に乗ってどこかに行った。それから1時間ほど、彼はまた町をぐるぐると彷徨いた。そしてインターネットカフェに帰った。そして、撮った写真の制服をスマホで検索し、その男の子の通う小学校を突き止めた。あの家から車で30分ほどの所にある小学校だった。彼はそこにタクシーで行き、学校の前の公園でその学校を眺めて過ごした。眺めながらずっと、自分がその男の子で、その小学校に通っている毎日を空想した。彼は毎日その公園に行き、小学校を眺めた。そしてその男の子が、月曜日と水曜日の放課後、学校からほど近い塾に歩いて行く事を知った。その小学校の生徒の多くがその塾に行っていて、彼らは集団で騒ぎながら塾への道を歩いていたが、その男の子はいつも、騒ぐ集団の後ろを黙ってついて歩いていた。
ある日、彼が男の子をじっと見ていると、ふと男の子もこちらをじっと見つめている事に気付いた。目が合ったとき、彼は焦って逃げようとしたが身体が動かなかった。男の子は集団から離れて公園に入り、真っ直ぐ彼の前に来た。
「何か、用?」
「あ、あの、僕、君の親戚なんです。覚えてないですか?偶然見かけて、懐かしくって…あの……少し話す時間は…な、無いですよね。」
何を喋っているのか自分でも分からなかったが、勝手に口から言葉が出た。目の前の男の子が自分の弟なのだと、彼はもはやコントロールできない自分の言動に怯えながら思った。
「いいよ。」
「え?あ、あそう?えーと、どこか…」
「いいよ、行こう。」
男の子は自ら彼の手を取り、公園から出て大きな通りまで出た。
「どこに行くの?」
男の子は手を繋いだまま彼を見上げた。
「あ、えと、あの…と、とりあえずタクシー…」
数十分後、彼は男の子と2人、大阪駅にほど近いホテルの一室にいた。まあまあ広さのあるツインのその部屋のベッドにちょこんと腰掛けた男の子は、戸口でぼうっと立ち尽くす彼を見上げて言った。
「おにいさんって、誘拐犯?」
「え?あ、そ、そうです。誘拐犯。ほら、包丁もある。」
彼は慌ててそう答え、リュックをあさって包丁を取り出して彼に見せた。男の子はチラリと包丁を見やり、それからまた彼の目を見た。男の子が怖がらないよう、彼はすぐに包丁をリュックにしまい、それから困ったようにまた立ち尽くした。
「お腹、空きましたか?何か食べますか?」
彼は言った。
「あ、テレビ!テレビを見ますか?」
男の子は黙って彼を見た。彼はテレビをつけ、それからルームサービスのメニューを男の子に渡した。男の子はメニューをじっくりと眺め
「オムライス。それからチョコレートケーキと紅茶。」
と言った。彼はルームサービスに電話をし、オムライスとチョコレートケーキ、紅茶、それから少し考えてわかめうどんを頼んだ。
そしてベッドの脇のダイニングセットに向かい合って座り、2人で食事をした。
「あの、名前は?名前は何ですか?」
「大野蒼」
「あおくん…」
「……おにいさん、僕のこと殺すの?」
「殺す!?ま、まさか!そ、そんな事しません!!」
彼は自分が殺すと脅されたかのような青い顔で首をブンブンと振った。
変な人だな、と蒼は思った。小学生の自分に敬語で話すのもおかしいし、攫われた僕より攫ったこの人の方がよっぽど怯えてるみたいだ。
「殺さないなら、どうして誘拐したの?」
「え?あ、えーと…」
彼は困った。自分がなぜ彼を連れてここに来たのか、自分でもさっぱり分からなかったからだ。自分と違って売られなかったこの弟を、一目見てみたいと思ったのだけど、見てどうするかは考えていなかった。彼が欲してやまなかったピカピカのランドセルを持った弟を目の前にして、でも彼は憎しみの感情が全く湧かないのだった。むしろ、彼の中に煮えたぎっていた燃えるような激情が、今は静かにおさまって凪いでいた。そして、目の前の弟に対して、不思議な、泣きたくなるような、温かな気持ちを抱いていた。この子とただ話をしたい。
「身代金?」
「え?ああ、そ。そう。身代金です。今、仲間が身代金をあなたのご両親に。」
「そっか。身代金、貰えると良いね。」
「う、うん。……あ、あの。お、お母さんは……お母さんは優しい?」
蒼はその質問を、まるで聞こえなかったかのようにまるっと無視した。彼は再度聞き返すことができず、そのまま2人は黙って食事に戻った。テレビでは沖縄の観光情報が流れていて、やたらテンションの高い芸能人がすごーいすごーいを連発しながら沖縄の観光地を巡っていた。
「沖縄行きたいな。海、入ったことないから。」
「沖縄……僕も海に入ったことはないです。」
言いながら、彼は少し嬉しかった。弟と自分のささやかな共通点。
目の前の弟は自分に似ているのだろうか。目の前でチョコレートケーキを食べる弟の顔をチラチラと見ながら考えたが、彼は自分の顔がどんな顔かがまず分からないのだった。
「寝ても良い?」
ケーキを食べ終わった蒼が尋ねた。
「もちろん。寝てください。」
蒼は紅茶をゴクリと喉を鳴らして飲み、ティッシュで口を拭いてからベッドに入り、10分も経たないうちにスースーと寝息を立てて寝た。
彼はしばらく弟の寝顔を見ていたが、電気を消して自分も隣のベッドに潜り込んで寝た。
次に目を覚ましたのは、もう日が昇ってからだった。久しぶりにぐっすり眠った。
隣を見ると、弟は、ベッドに寝たまま目を開けて天井を見ていた。その目から涙が流れているのを見て、彼は慌てて起き上がった。
「ごめん。ごめんなさい。家に帰りたいですよね。すぐに家まで送ります。タクシー呼ぶから、少し待って。」
「違う。家に帰りたくて泣いたんじゃない。」
「え?帰りたくないのですか?」
「……帰りたくない。」
「どうして?お父さんとお母さん、優しくないですか?」
「……いや、別に。でも、身代金、貰ってないでしょ、まだ。身代金貰うまでは一緒にいてあげるよ。そのかわり、海に行きたいな。」
「でも……な、泣いてました。」
「家が恋しくて泣いたんじゃないよ。僕ね、学校でいじめられてるの。誰も僕とは口をきかない。僕の持ち物は誰も触らない。学校に行きたくないんだ。だから、身代金貰うまではおにいさんと一緒にいてあげるよ。」
「学校で…」
彼は騒ぐ子供達の後ろを黙って付いて歩く、少し俯いた蒼の姿を思い出した。
「海に行きましょう。沖縄はきっと難しいけど、飛行機を使わない所なら行けます。そうしよう。」
彼がそう言うと、蒼はパッと顔を輝かせた。
そこは、母親の現在の夫が投資用に持っていた住宅で、裁判の途中、都内のマンションを売り払って一家でそこに移り住んでいた。そのマンションを売った金で彼女の夫は優秀な弁護士を妻のために雇い、結局、彼女は人身売買の罪状では証拠不十分で無罪になり、保護責任者遺棄罪はすでに時効が成立していた。著名な大学教授が関わっていた為メディアでは大きく扱われたが、被害者のプライバシーを守る為に、その母親である彼女も匿名でしか報道されなかった。彼女は何も罪に問われなかった。
それでも裁判の途中、彼女は都内のマンションを売り払わざるを得ず、生活が大きく変わった。今は大阪で心機一転、静かに穏やかに暮らしている。過去の未熟さ故の過ちを反省し、社会的制裁も受けている、と涙ながらに語った。それが情状酌量の要素として裁判の結果に何か影響を与えたのかは分からない。
彼はそれを、裁判で証言をする為に用意された別室のモニターで見ていた。母親の顔は覚えておらず、ただ、静かで穏やかな暮らし、という言葉がいつまでも頭の中で繰り返された。
夕方の青く暮れていく町を、彼はひたすら歩いた。どこの家もゆったりとした大きな造りで、手入れされた庭があり、ピカピカ光る、おじ様が乗っていたような車がガレージに数台停まっていた。一所に留まっていたら不審に思われると感じた彼は、その町をぐるぐると歩きながら、ここには静かで穏やかな暮らしがきっとたくさんあるんだ、と思った。この町で暮らしている自分を想像してみた。優しい両親がいて、休日にはショッピングモールの映画館に行く。そんな小さな頃を、空想しながら歩いた。
すっかり日が暮れた頃に、彼は何度目かに母親の住んでいる家の前に戻ってきた。さっきは無かったシルバーの車が、ガレージに停まっていた。それまで暗かった家に灯りが灯っていた。
彼は家の反対側の歩道の並木の影から、その家を見つめた。30分、そこで家を見つめ続けて、彼はその場を後にした。
駅前のインターネットカフェの個室で、彼はリュックから包丁を取り出し、薄く自分の腿の皮膚を切った。痛みと、流れる血が、彼に正気を保たせた。そうしないと、あの家に入って何か酷いことをしてしまいそうだった。
翌日の朝早く、また彼はあの家の前に行き、並木に隠れてその家を眺めた。1時間くらいしたら、家から母親と、制服を着てランドセルを背負った男の子が出てきた。彼はスマホでその男の子の写真を撮った。2人はシルバーの車に乗ってどこかに行った。それから1時間ほど、彼はまた町をぐるぐると彷徨いた。そしてインターネットカフェに帰った。そして、撮った写真の制服をスマホで検索し、その男の子の通う小学校を突き止めた。あの家から車で30分ほどの所にある小学校だった。彼はそこにタクシーで行き、学校の前の公園でその学校を眺めて過ごした。眺めながらずっと、自分がその男の子で、その小学校に通っている毎日を空想した。彼は毎日その公園に行き、小学校を眺めた。そしてその男の子が、月曜日と水曜日の放課後、学校からほど近い塾に歩いて行く事を知った。その小学校の生徒の多くがその塾に行っていて、彼らは集団で騒ぎながら塾への道を歩いていたが、その男の子はいつも、騒ぐ集団の後ろを黙ってついて歩いていた。
ある日、彼が男の子をじっと見ていると、ふと男の子もこちらをじっと見つめている事に気付いた。目が合ったとき、彼は焦って逃げようとしたが身体が動かなかった。男の子は集団から離れて公園に入り、真っ直ぐ彼の前に来た。
「何か、用?」
「あ、あの、僕、君の親戚なんです。覚えてないですか?偶然見かけて、懐かしくって…あの……少し話す時間は…な、無いですよね。」
何を喋っているのか自分でも分からなかったが、勝手に口から言葉が出た。目の前の男の子が自分の弟なのだと、彼はもはやコントロールできない自分の言動に怯えながら思った。
「いいよ。」
「え?あ、あそう?えーと、どこか…」
「いいよ、行こう。」
男の子は自ら彼の手を取り、公園から出て大きな通りまで出た。
「どこに行くの?」
男の子は手を繋いだまま彼を見上げた。
「あ、えと、あの…と、とりあえずタクシー…」
数十分後、彼は男の子と2人、大阪駅にほど近いホテルの一室にいた。まあまあ広さのあるツインのその部屋のベッドにちょこんと腰掛けた男の子は、戸口でぼうっと立ち尽くす彼を見上げて言った。
「おにいさんって、誘拐犯?」
「え?あ、そ、そうです。誘拐犯。ほら、包丁もある。」
彼は慌ててそう答え、リュックをあさって包丁を取り出して彼に見せた。男の子はチラリと包丁を見やり、それからまた彼の目を見た。男の子が怖がらないよう、彼はすぐに包丁をリュックにしまい、それから困ったようにまた立ち尽くした。
「お腹、空きましたか?何か食べますか?」
彼は言った。
「あ、テレビ!テレビを見ますか?」
男の子は黙って彼を見た。彼はテレビをつけ、それからルームサービスのメニューを男の子に渡した。男の子はメニューをじっくりと眺め
「オムライス。それからチョコレートケーキと紅茶。」
と言った。彼はルームサービスに電話をし、オムライスとチョコレートケーキ、紅茶、それから少し考えてわかめうどんを頼んだ。
そしてベッドの脇のダイニングセットに向かい合って座り、2人で食事をした。
「あの、名前は?名前は何ですか?」
「大野蒼」
「あおくん…」
「……おにいさん、僕のこと殺すの?」
「殺す!?ま、まさか!そ、そんな事しません!!」
彼は自分が殺すと脅されたかのような青い顔で首をブンブンと振った。
変な人だな、と蒼は思った。小学生の自分に敬語で話すのもおかしいし、攫われた僕より攫ったこの人の方がよっぽど怯えてるみたいだ。
「殺さないなら、どうして誘拐したの?」
「え?あ、えーと…」
彼は困った。自分がなぜ彼を連れてここに来たのか、自分でもさっぱり分からなかったからだ。自分と違って売られなかったこの弟を、一目見てみたいと思ったのだけど、見てどうするかは考えていなかった。彼が欲してやまなかったピカピカのランドセルを持った弟を目の前にして、でも彼は憎しみの感情が全く湧かないのだった。むしろ、彼の中に煮えたぎっていた燃えるような激情が、今は静かにおさまって凪いでいた。そして、目の前の弟に対して、不思議な、泣きたくなるような、温かな気持ちを抱いていた。この子とただ話をしたい。
「身代金?」
「え?ああ、そ。そう。身代金です。今、仲間が身代金をあなたのご両親に。」
「そっか。身代金、貰えると良いね。」
「う、うん。……あ、あの。お、お母さんは……お母さんは優しい?」
蒼はその質問を、まるで聞こえなかったかのようにまるっと無視した。彼は再度聞き返すことができず、そのまま2人は黙って食事に戻った。テレビでは沖縄の観光情報が流れていて、やたらテンションの高い芸能人がすごーいすごーいを連発しながら沖縄の観光地を巡っていた。
「沖縄行きたいな。海、入ったことないから。」
「沖縄……僕も海に入ったことはないです。」
言いながら、彼は少し嬉しかった。弟と自分のささやかな共通点。
目の前の弟は自分に似ているのだろうか。目の前でチョコレートケーキを食べる弟の顔をチラチラと見ながら考えたが、彼は自分の顔がどんな顔かがまず分からないのだった。
「寝ても良い?」
ケーキを食べ終わった蒼が尋ねた。
「もちろん。寝てください。」
蒼は紅茶をゴクリと喉を鳴らして飲み、ティッシュで口を拭いてからベッドに入り、10分も経たないうちにスースーと寝息を立てて寝た。
彼はしばらく弟の寝顔を見ていたが、電気を消して自分も隣のベッドに潜り込んで寝た。
次に目を覚ましたのは、もう日が昇ってからだった。久しぶりにぐっすり眠った。
隣を見ると、弟は、ベッドに寝たまま目を開けて天井を見ていた。その目から涙が流れているのを見て、彼は慌てて起き上がった。
「ごめん。ごめんなさい。家に帰りたいですよね。すぐに家まで送ります。タクシー呼ぶから、少し待って。」
「違う。家に帰りたくて泣いたんじゃない。」
「え?帰りたくないのですか?」
「……帰りたくない。」
「どうして?お父さんとお母さん、優しくないですか?」
「……いや、別に。でも、身代金、貰ってないでしょ、まだ。身代金貰うまでは一緒にいてあげるよ。そのかわり、海に行きたいな。」
「でも……な、泣いてました。」
「家が恋しくて泣いたんじゃないよ。僕ね、学校でいじめられてるの。誰も僕とは口をきかない。僕の持ち物は誰も触らない。学校に行きたくないんだ。だから、身代金貰うまではおにいさんと一緒にいてあげるよ。」
「学校で…」
彼は騒ぐ子供達の後ろを黙って付いて歩く、少し俯いた蒼の姿を思い出した。
「海に行きましょう。沖縄はきっと難しいけど、飛行機を使わない所なら行けます。そうしよう。」
彼がそう言うと、蒼はパッと顔を輝かせた。
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