冒涜的な古の戦い

フェンネル

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正義の狂信者

正義の狂信者 春崎文

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ここはコンクリートが剥き出しになっている牢屋。
そこに一人の女性がいた。
春崎文(はるさきあや)元警部補。
テロリストの取引を阻止するため無実の30人を殺した犯人。
そんな文の元に1人の人間がやって来た。
「久しぶりだな、文」
「所長・・・」
文の前、鉄格子を挟んだ先にいるのは海藤早十(かいどうはやと)副総監。
数年前までは特別科の所長だった男だ。
「なんのようです」
「看守さんに聞かなかったか?仮釈放だよ」
「・・・」
「君には事件を追って貰いたい」
海藤は鉄格子の間から資料を渡す。
18時22分失踪事件。 
「・・・これは」
「集団失踪事件の資料だ。新初台駅発の18時22分の電車が丸々消えた。消えたのは旧初台駅と言われているが正直分かっていない。そして、その生存者が発見された。川城奈美、白石和美の2名だ」
「事情聴取は」
「昨日行った。そして、川城奈美は事情聴取中に殺されている」
「・・・担当したのは」
「君の同期だ。薬谷真千(くすりやまち)、君もよく知ってるだろ」
「その彼女は」
「取り押さえようとして自殺した」
「・・・そうですか」
文は立ち上がり牢屋を出る。
「良いでしょう。やりましょう」



「文、これを持って行きたまえ」
「・・・私は警官ではない。そんなものは」
「君の監視を兼ねて後輩をつける。これでいいかな?」
「・・・わかりました」
文は海藤から拳銃を受け取りホルスターにしまい海藤に背を向け歩き出した。
そして文が見えなくなってから海藤の携帯に電話がかかって来た。
「海藤だ。森川君か。あぁ、今後輩君の所に行ったよ。あぁ、武装してきたんだが、なんの襲撃も無かったよ」
その時、海藤は右肩を撃たれた。
「ぐっ!」
海藤が右肩を押さえる前に3発の銃弾が海藤の体を射ぬいた。
「ぐっ、かは、そ、うか、やつらは、文、を、ここに、出させるために、わた、しを、およが、せ、文、気を、つけろ、やつらは・・・」
何かをいいかけた瞬間、海藤の頭を銃弾が吹き飛ばした。
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