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執事のプレゼント
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私はとりあえず、何か言い訳をすることにした。だがしかし、見られてしまっては言い訳のしようもない。私が見事に詰んだところで、アルが意地悪に笑う。僕がお嬢様とジンス様の関係を知らないとでも?……もしかして、ジンス兄様とのことを1から10まで知られていたりするのだろうか。私の顔色は赤くなったり青くなったり忙しい。
そんな私の近くに、ベッドサイドにやって来ると、アルは私の髪に触れた。アヴァンゲート家の象徴のような、金色の髪。アルの指が優しく梳いていく。
「お嬢様の髪は、お綺麗ですね」
「……アルの漆黒の髪も素敵。でも、アル?こういう会話がしたいんじゃないわよね?」
「えぇ、そうですね。このシチュエーションですから」
いつも通りの、裏の無いスキンシップ。裏の無い会話。しかし、シチュエーションはいつも通りなんかじゃない。
アルは私のベッドに腰掛けると、ランタンをベッドサイドテーブルに置いて、私に左手の薬指を見せた。薄闇に浮かぶアルの青白い肌、薬指に巻かれた深紅のリボン。その意図を測りかねて、私はアルの顔を見た。眉を八の字にして、困り顔で微笑むアルは、カッコいいというより美しかった。その唇が私の名前を呼ぶ。
「……リリーお嬢様、お誕生日おめでとうございます」
「え、」
「え、じゃないですよ、え、じゃ。もう日付、変わりましたよ?」
──今年のプレゼントは、僕です。アルはそう言って、リボンの巻かれた薬指を私の唇に当てた。貰ってくれますよね?と問われ、貰わないって言ったら?と返すと、悲しくて過量服薬しちゃいます、と遠回しに脅された。貰わないわけないのに。アルだって、私のことは何でも分かっているくせに。でも……今までこんなこと無かったのに、どうして?今日は私の17歳の誕生日、特別な日ではあるけれど、でも、去年、16歳の誕生日は普通のプレゼントを貰って終わった。今年と去年、何が違うの?
そんな私の近くに、ベッドサイドにやって来ると、アルは私の髪に触れた。アヴァンゲート家の象徴のような、金色の髪。アルの指が優しく梳いていく。
「お嬢様の髪は、お綺麗ですね」
「……アルの漆黒の髪も素敵。でも、アル?こういう会話がしたいんじゃないわよね?」
「えぇ、そうですね。このシチュエーションですから」
いつも通りの、裏の無いスキンシップ。裏の無い会話。しかし、シチュエーションはいつも通りなんかじゃない。
アルは私のベッドに腰掛けると、ランタンをベッドサイドテーブルに置いて、私に左手の薬指を見せた。薄闇に浮かぶアルの青白い肌、薬指に巻かれた深紅のリボン。その意図を測りかねて、私はアルの顔を見た。眉を八の字にして、困り顔で微笑むアルは、カッコいいというより美しかった。その唇が私の名前を呼ぶ。
「……リリーお嬢様、お誕生日おめでとうございます」
「え、」
「え、じゃないですよ、え、じゃ。もう日付、変わりましたよ?」
──今年のプレゼントは、僕です。アルはそう言って、リボンの巻かれた薬指を私の唇に当てた。貰ってくれますよね?と問われ、貰わないって言ったら?と返すと、悲しくて過量服薬しちゃいます、と遠回しに脅された。貰わないわけないのに。アルだって、私のことは何でも分かっているくせに。でも……今までこんなこと無かったのに、どうして?今日は私の17歳の誕生日、特別な日ではあるけれど、でも、去年、16歳の誕生日は普通のプレゼントを貰って終わった。今年と去年、何が違うの?
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