主従恋愛

桜屋敷 櫻子

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prologue:お兄様の教え

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 ジンス兄様は私をベッドへと座らせた。そして、それは当然のことのように、キスをしてきた。しかし、実家にいた頃にされていたような、いわゆる、ディープなキスではなかった。どちらかと言うと、親愛のキスに近いのではないだろうか。しかし、ジンス兄様はそれも当然のことのように、私のスカートの中に手を入れた。

 思わず、ビクッとしてキスを中断してしまった。いきなりそっちを触られたことは無い。戸惑う私の耳元で、ジンス兄様が囁く。リリー、1人でシたこと、無いよね?その問いかけに、私は頷いた。顔は赤いかもしれない。私が1人でシたことが無いのは当然だ。だって、ジンス兄様が禁じていたのだから。


 「言いつけを守って、イイコだね。1人ですることを覚えちゃったら、誰かとする悦びが減っちゃうからさ。リリーの為、リリーの為」

 「……今日、最後までするんですか?」

 「シないよ。リリーの処女はアル君にあげるから。それに……0.1には収まらないからさ」


 ジンス兄様の「シない」という言葉はそのまま受け取れるが、0.1という言葉の意味が分からない。でも、私が抱いた気持ちのほとんどは安堵だった。私も、初めてはアルに捧げたかった。アルが私のことを「ご主人様」や「お嬢様」としてしか見ていなかったとしても、諦められるほどの恋愛感情ではなかった。

 スカートの中のジンス兄様の手は、私のショーツをするりと脱がせた。最後までシないとしても、何かはされる。しかし、ジンス兄様は私のそこに触れなかった。その代わり、私の脚を大きく開いた。一言、もう濡れちゃってるから始めようか、とだけ言って。始める……?こんな恥ずかしい格好で、何を?


 「あの、兄様……?」

 「僕からの誕生日プレゼントは、なんと、1人えっちの解禁です」

 「え……?」


 それは、一体どういう気持ちの変化?ジンス兄様は私の脚と脚の間に息を吹き掛け、吐息の当たる距離で呟いた。いつまで経ってもアル君はリリーに手を出さない。これ以上の禁欲は可哀想だもん……。その、可哀想、は心からの言葉だろうか。裏は無いのだろうか。我が兄ながら、疑わずにいられない人格の持ち主であることが悲しい。
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