抜けるような青空

笠原久

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第四章

旅路8

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 ふたりは下山したときと同じように移動した。

 リックがシュゼットを抱きかかえて走る。ただし、今度はペースを考えて、できるだけゆっくりと走ることになった。

 最初から飛ばしていてはバテてしまうだろう、という判断からだったが、リックはこのシュゼットの指示に懐疑的だった。走りながら、

「多少の疲れなら、魔術で回復しちゃっても大丈夫なんじゃないの? あとでしっかり休息をとれば反動だって……」

「もちろん魔術も併用するわ。けど、それとは別に体力を温存して、しっかり休むべきなのよ。魔術による疲労回復は強力だけど、濫用は命を縮めるから。前にも言ったように、頼りすぎれば急死しかねないし、それでなくても負担が大きいの。リンデル地方に着いた途端、過労でぶっ倒れてたら世話ないでしょう?」

「それは……そうだね」

 リックはうなずいた。

 それで、できるだけ速度を抑えて――当人の感覚で言えば、散歩するような速さで――走っていた。

 だが、それでも人間であるシュゼットからすれば、とんでもないほどの高速移動だった。

 なにせ人間の全力疾走よりもはるかに速いのだ。

 あまりにも速いので、もう少しペースを落としてもいいんじゃない? とシュゼットは提案したが、リックは大丈夫と言って聞かなかった。

 魔術で大雑把な速度を測ったかぎりでは、馬の全力疾走と大差ない速度で走っている。リックはまだ子供で、しかも自分を抱きかかえている。

 本当にこのペースで大丈夫なのかと、彼女は若干の不安を感じずにはいられなかった。

 しかしそれは杞憂だったようで、日が暮れる頃になってもリックは速度を落とさず走っていた。

 さすがに全身から汗を流し、息も荒くなってはいるが、疲労困憊で倒れそうというほどではない。

 ふたりはその日も、前日と同じように近場のクニークルスの里を訪問した。

 シュゼットが浮遊島で買ったみやげ物の一部を差し出して一晩の宿を得る。

 空挺手とフェーレースの組み合わせは目立ったが、疎んじられるというほどのこともない。旅の途中で、明日には発たせてもらうと告げると、何も聞かれずに休むことができた。

 翌朝には発ち、また次の目的地に向けて走る。

 日が昇ると同時に朝食を食べ、途中で二時間ほど昼休憩をとってから、また日が暮れるまで移動を繰り返す。

 昼食はクニークルスの里には決して近寄らず、できるだけ里から遠く離れた森のなかで取った。

 シュゼットが広域に及ぶ簡易的な探知結界を張って、その中央に魔女の家を出した。

 そうして家のなかにいても、誰かが――あるいは何かが近づいてきても、すぐに対応できるようにしておいた。

 里に近づかない理由は単純で、地上の民との接触を抑えるためだった。

 シュゼットは内心で、魔女の夜会は本腰を入れてロゼールたちを捜していないはずだ、と考えてはいたが、これはあくまでも推測にすぎない。

 それが正しいという保証はどこにもなかった。加えて、こちらはフェーレースと空挺手の組み合わせだ。

 妙な邪推をする輩がいないとも限らない。警戒しておくに越したことはなかった。

 ましてや二時間ほどの長い小休止だ。わざわざ人目につくところへ行く必要はない。

 幸い、食料は十分にあるのだから、魔女の家で昼食をとってしまえばいい。

 シュゼットはそう考え、リックに提案して実行に移した。が、リックはこの対応に首をかしげていた。

「それなら、夜も魔女の家で寝たらいいんじゃないの?」

 食後のジュースを飲みながらリックが言った。シュゼットはコーヒーだ。

「前からちょくちょく疑問に思っていたんだけれど、リックって地上で過ごした経験はどれくらいあるの?」

「どれくらいって……わりとしょっちゅう降りてたよ? だいたい朝方に来て、暗くなったら魔女の家に戻って――」

「ああ、ごめんなさい。そういう意味で訊いたわけじゃないの」

 うっかり失念していて、シュゼットは苦笑いせざるを得なかった。リックは意味がわからなかったようで、いぶかしげに首をかしげた。

「地上で夜を過ごしたことがあるか、という意味で訊いたのよ」

 しかし、こんな質問をしたところで、魔女とともに生きるフェーレースに理解できるはずがなかったのだ。

 魔女は気流の境界線に干渉し、自由に浮遊島と地上を行き来できる存在だ。ならば夜、どこで過ごすか訊くなど、愚問以外の何物でもない。

「ロゼールは――アンフィーサもでしょうけど、夜は浮遊島に戻っていたんでしょう?」

「うん、確かに戻ってたよ」

「やっぱりね。じゃ、知ってるわけ――」

 言いかけて、シュゼットは庭へ飛び出した。リックも慌てて追ってくる。

「どうしたのさ!?」

「何か入ってきたわ」

「何か? 何かって――?」

 シュゼットは魔女の家から見える森の光景に目をこらした。

 だが、距離が離れすぎていて対象を視認できない。もともと森のなかであるため、木々が折り重なっていて視界が悪いのだ。

 シュゼットはそのまま外へ出ると「すぐ家をしまうように」と、ついて来たリックに言った。

 リックは怪訝な顔をしながらも、指示どおりに魔女の家を小さくした。ふところに収めてから、どういうこと? とシュゼットに訊く。

「耳をすませば聞こえるんじゃない?」

 どうやら気を抜いていると、あの超人的な聴力は発揮できないらしい。シュゼットは不思議そうに猫耳を動かすリックを見ていた。

 リックはすぐにハッとした顔になった。

「これ……変異種?」

「とりあえず仕留めましょうか。このままじゃ安心して休めないわ」

 シュゼットは変異種がいる方角へゆっくりと歩き出した――探知結界のおかげで、どの辺りをどのぐらいの速度で移動しているのか、手に取るようにわかる。

 歩く速度から察するに、それほど大きくはないだろう。

 そうしてしばらくのあいだ、背の高い雑草と下生えに苦戦しながら歩いた。

 やがて森のなかを動く変異種を見つける。

 体長も見た目もヒョウそっくりの姿をしていたが、本物と違って体毛が一切なかった。皮膚はカエルのようで、足にも爪はなく、口のまわりに小さく細かい牙がいくつも生えていた。

 リックは反射的に身構え、飛びかかる姿勢を見せた――が、リックが攻撃するよりも早く、シュゼットが変異種を仕留めた。

 土中から岩でできた鋭い槍のようなものを噴出させて、一瞬で変異種を串刺しにしたのだ。

 巨大な石槍に持ち上げられて、変異種の体が浮き上がる。じたばたとあがくように四本の足が痙攣した。

 やがて動かなくなり、変異種の体は黒い靄のようなものに変わって雲散霧消する。跡形もなく消え去った。

「帰りましょうか」

 シュゼットが微笑してリックを見た。

「攻撃するの、すごく早かったね?」

「当たり前じゃない。いつでも撃てるように準備しておいたんだもの」

 位置はわかっていた。攻撃しなかったのは、単に目標が本当に変異種なのかどうか確認できなかったからだ。

 シュゼットが張った探知結界は、あくまでも簡易的なもの。

「何か」が入ってきたことと、その「何か」の位置と移動速度はわかっても、姿形や魔力の強さなどはいっさいわからない。

 まかり間違って地上の民を攻撃してしまったら、一悶着どころの話ではなくなる。

 だからこそ慎重に慎重を期して、リックが変異種だと断言しても攻撃せず、あえて接近して目標を確かめてから攻撃したのだ。

「質問に答えるとね、こういうことがあるからクニークルスの里に泊まるのよ」

「え?」

「わたしに、なぜ夜のあいだも魔女の家で休まないのか、って訊いたでしょ?」

 ウインクして言うと、ああ、とリックは思い出したように尻尾をピンと立てた。

「理由は、ここが地上だからよ。浮遊島なら、たとえ森や山のなかで過ごそうと変異種に襲われる心配はないわ。せいぜい野生の肉食獣とかに遭遇すると面倒だとか、そういう程度のこと。でも、ここは違う」

 シュゼットはサッと手を振って、自分が出した石の槍を消してみせた。

「今の変異種は小物だったからよかったけど、もしかしたらもっと強い――それこそ呪術を使うような大物と遭遇する危険もあるの。しかも一晩に何度もね。起きているときならまだいいけれど、眠っているときに襲われたら最悪よ? 断続的な睡眠を強いられて、とてもじゃないけどまともに休めないわ」

「だから、それでクニークルスの里に?」

「地上の民の里なら、どこでもいいんでしょうけどね。フェーレースでもカニスでも、あるいはカペルやアウィスでも。彼らだって、変異種を警戒して常に見張りを立てているはずだから」

 あるいは魔女のように空のうえに逃げてしまうか。

「ロゼールやアンフィーサが浮遊島へ行く理由も、結局これよね。いえ、リックが知らなかったところを見ると、ロゼール自身も地上で寝るとどうなるか、把握していなかったのかもしれないけど――とにかく危険なのよ、地上は。正直に言えば、里を離れて移動すること自体、結構危ない行為でもあるのよね」

 旅の途中で強力な変異種に襲われ、命からがら逃げてきた、あるいは逃げきれずに殺されてしまった、という空挺手の噂はよく耳にする。

 遺跡に行ったら、先人の死体と持ち物が見つかった……などという話を聞かされたこともある。

「それなら、お昼もクニークルスの里に行ったほうが……」

「二時間程度の休憩なら大丈夫よ。ちゃんと探知結界を張って、不意打ちされないように警戒していれば、ね……。問題なのは、こっちが眠って疲労を回復しようとしているときに襲われることだわ。あるいは魔女の家そのものが破壊されてしまうこと。この家は居住者の許可がなければ立ち入れない場所だけれど、外部から攻撃を仕掛けて家自体を壊すことはできるはずでしょう?」

「んと、たぶん……」

 リックは自信なさげに答えた。

「大人数での旅なら、そういった事態を防ぐために、交代で寝ずの番をすることもできるんでしょうけど……ふたりしかいない現状じゃ、それも叶わないわ。いえ、仮に集団で旅してたとしても、やっぱり危ないのよ。変異種に数の暴力で襲われたら、いつかは力尽きてしまうんだから」

 結局のところ、シュゼットが考えた現状で打てる最善手がこれだった。

 リックの足なら、五日ほどでリンデル地方まで行けるだろう。

 目的の遺跡に着くまでは、地上の民との接触を最小限に抑えこみ、着いてからは近場の里を順にめぐる形で宿泊して時間を稼ぐ。

 そのあいだに、ロゼールに呪いをかけた呪言種を仕留めるのだ。

「そういえば、そろそろ訊いておきましょうか。正確な遺跡の位置を。リンデル地方にあるっていう話だけれど、具体的な場所は?」

「えっと、巨人の森って知ってる? ものすごく大きな木や草が生えてる――」

「噂には。行ったことはないけれどね」

 昔から大きかったわけではなく、ここ数十年で急激に成長したらしい。

 空挺手のあいだでもちょっとした話題になっていて、巨人でも住み着いたんじゃないか? という軽口がよく飛び出してくる。

 それで巨人の森と通称されるようになったのだ。

「でも、あんなところに遺跡があったなんて話は聞いたことがないんだけれど……?」

「そうなの? でも、魔女の夜会では話題になってたよ?」

「ああ、追われる前に聞いたのね?」

 好奇心で遺跡探索なんてやろうとしたのかしら? とシュゼットは内心で首をひねった。

「空挺手たちのあいだでは話題になっていなかったの?」

「うーん……。ひょっとしたら、話題になってたのかもしれないわね」

 シュゼットは苦笑いで言った。

「わたしはあまりほかの空挺手と話さないから。噂も、他人がしているのを盗み聞きするような場合が多いのよ」

 シュゼットが話を聞く相手は、もっぱら浮遊島の宿の主人だ。

「そういえば、シュゼットって仲間とかいないの? 一緒に遺跡にもぐったり……」

「いないわ。空挺手によっては何人かで組んで、地上に降りる連中もいるけど、わたしは基本的にずっとひとりでやってるの。言ったでしょ? ひとりで生きてきたって」

「そっか……」

 少し心配そうにリックはうつむいた。シュゼットはほほえむ。

「いいのよ。今はあなたがいるから」

「これからは、だよ。ずっと一緒にいればいいって、僕は本気だよ?」

 真剣な顔でリックは言った。

「あ、でも結婚するとかそういう意味じゃないからね?」

「わかってるわよ。ありがと――でも、ロゼールが『絶対に嫌だ』って言ったら、どうするつもりなの?」

 え? とリックはぽかんとする。シュゼットは笑う。

「あなたは説得してみせるって言ってたけど――でも、ロゼールが、わたしと一緒に暮らすのは絶対に嫌だと拒否したら……どうする? 可能性は高いでしょう? あの子からすれば、わたしは知らないあいだにリックのそばにいる女なんだから。普通に考えれば、嫌がるのが当たり前で――」

「そんなことないよ!」

 リックは大声で首を振った。

「ロゼールは、自分を助けてくれた人を嫌いになったりなんかしない!」

 シュゼットはきょとんとした。リックはハッとした様子でうつむいた。

「ご、ごめん……。大きな声出して」

「別に気にしてないけど。でも――」

「ロゼールは大丈夫だよ。シュゼットを受け入れてくれる。それにもし、本当にロゼールが嫌だって言っても――」

 リックは、はっきりと告げた。

「僕は、シュゼットとはずっと会うよ。そりゃロゼールに『絶対イヤだ』って言われたら、僕が折れざるを得ない。でも」

 リックはまっすぐにシュゼットの目を見つめた。

「遺跡に行くなら付き合うし、それ以外の時だって、僕はシュゼットが望めばいつだって会いに行くから。これくらいなら、反対されたって押し通してみせるよ。一緒に住むのがダメだって言われても、僕は必ず」

「そう、ありがとう」

 シュゼットは優しくほほえんで、リックの頭を撫でた。

 リックは目を閉じて、心地よさそうにしていた。ふたりは穏やかな顔で、互いにほほえみを浮かべていた。

「それじゃ、そのロゼールを救うためにも、早いところ巨人の森へ行きましょうか」

 リックは撫でられながらうなずいた。

 ふたりは休憩を終えると、また先へ進み出した。

 大河や森や山を迂回しながら平原を進み、夜はクニークルスの里に泊まって、朝になったら南にむけて出発する。その繰り返しだった。

 リックの移動速度は、シュゼットが予想していたよりもはるかに早く、浮遊島で買ったみやげ物はだいぶあまってしまいそうだった。

 当初の予想では、途中でみやげ物が足りなくなり、代わりに労働力を提供して宿と食事を得るつもりだった。

 ただ、そうなった場合、空挺手とフェーレースの二人組だから、警戒されて仕事が得られないのではないかと危惧していた。

 しかし、どうやらそんな心配は無用だったらしい。というよりも、フェーレースの身体能力を本当に甘く見すぎていたのだと反省させられた。

 地上に降りて六年……シュゼットは、自分の地上の民への理解もかなり進んだと思っていたのだが、ただのうぬぼれだったようだ。

 やっぱり話で聞くのと実際に見てまわるのとじゃ段違いね、などとしたり顔で語っていた過去の自分が恥ずかしい。六年も経っているというのに、未だにフェーレースの能力さえ、ろくすっぽ知らないのだ。

 反省した彼女は、宿で休む時間を利用して赤光石しゃっこうせきの生成に取り組んだ――まだまだ自分の知らないことがたくさんある。

 ならば、ロゼールに呪いをかけた呪言種に対しても最大限、警戒してかかるべきだろう。ひょっとしたらシュゼットの知らない摩訶不思議な能力を使ってくる可能性もあるのだ。

 力の源泉となる赤光石は多ければ多いほどいい。シュゼットは時間の許すかぎり赤光石を作った。

 リンデル地方に入り、巨人の森の近くまでやって来たとき、シュゼットの持つ赤光石の数は軽く三十を超えていた。
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