こんなサポキャラはいかがですか?

紫野

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国軍少佐期

6 和ノ国です

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 ペトラは戦争の短期収束への協力には同意したが、私たちがユナを連れて和ノ国に行くことには反対した。それはもう、盛大にごねたのだ。

「ユナは私の部下だ。他国にやるわけには……」
「他国で仕事をする部下もいるでしょう。今回の件は転生者であるユナにしか頼めないことなのですよ」
「隠密を2人貸そう。ユナの力が必要であれば、通話機で会話をすれば良い」

 …………

 とまあ、他国の代表だから怒鳴ったりとかはできないけど、隣で交渉するアリアは爆発寸前だった。
 最終的には、「私の力は信用できないですか?」というユナの悲しそうな顔を見て何も言えなくなったようだったが、この人が代表で大丈夫なのか?と思ってしまったのは仕方のないことだった。



「はー、やっと和ノ国に入ったわ!ペトラって実際に会うともの凄く面倒臭い男だったわね」

 再び馬車に乗り込み、今度は転移魔方陣も使って和ノ国に入ると、アリアは大きくのびをした。

「そんなこと言ったらだめだよ。確かにペトラ様は過保護だし面倒臭いけど、思ったよりも優しい人だよ」
「それはあなた相手だからよ」
「うん?でも、ゲームよりも恐いところを見ないよ?」
「それはあなたの前だからよ」
「もしかして、なぞなぞでもしてる?」

 私は突っ込むつもりがないのでスルーしている。この2人相手に突っ込みを始めると、私の体力が持たないからね。
 私は気にしない。きーこーえーなーいー。


「まあ、そんなことはどうでもいいわ。問題は、“アカネ”がを止めてくれるかどうかよ」
「そういえば、アカネもサポキャラだったね。攻略したらまずいの?」

 アリアが強引に変えた話題に、ユナが疑問を口にした。

「そうね。アカネは忍でしょう?」
「うん」
「“異世界人の戦乙女”である主人公と、ただの兵隊、それも平民出身であるアカネは根本的に立場が違うのよ」


 (無自覚でも)攻略が許されたユナと、私たちが攻略を阻止しようとしているアカネの最大の違いは、その恋愛が国に及ぼす影響の大きさだ。
 自由主義の国の代表が部下に恋心を抱いていようが、そこまで大きな問題にはならない。
 しかしがっつり身分制度がある和ノ国で、身分ある相手、平民が攻略しようとする色目を使うなど、よほど特別な事情が無い限り話にならない。下手をしたら国家転覆を図った罪に問われるだろう。
 和ノ国の攻略対象は3人。皇太子である“イズナ”と、その部下2人だ。部下はともかく“イズナ様”の攻略は無理、というより、したらアカネの立場が悪くなる可能性がある。


「主人公であれば許されることが、私たちに許されるとは限らない。主人公と同じ言動をしたって、立場が違えば受け取り方も変わってくるわ」

 一息吐いて、アリアは独り言のように呟いた。

「問題は、アカネがそれを理解してくれるかどうかね」

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