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宿屋の娘は美男美女に付き合ってほしい
13 初ギルド
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カランカラン
「ようこそ……って、リリー様でしたか!マリアちゃんを呼んできますね!」
「ミィちゃん、私はここにいるから大丈夫だよ」
話し合いから二日経って、何時も私が宿の受付にいる時間にそこにいるのは、バイトから正式な受付に昇格したミィちゃんだった。
「じゃあ、行ってきます!」
「行ってらっしゃいませ!」
今日私が行くのは宿の向かいにある冒険者ギルド。
昨日、使える魔法を試してみたところ、さすがはゲームシステムと言うべきか、問題なく使うことができた。そのため、早速だがパーティーで依頼を受けることになったのだ。
この世界で「冒険者やってます」というのは、日本で「探偵やってます」というのと同じような感じの印象だ。仕事の内容に違いはあるけど、要は自営業の『何でも屋』に近い。
この世界では魔物なんかの脅威が多いから、ごつい人と物騒な依頼が多いだけなのだ。
そして、ギルドはそんな自営業者同士の情報共有や取引、自分に合わない仕事の斡旋みたいなことを、冒険者の代わりにしてくれる組織だ。
国営ではないが国とのつながりが強く、『上級冒険者』などの国から与えられる称号も、ギルドでの評価が大いに関係するらしい。
役所みたいに小綺麗なギルドに入ると、体格のいい人達からの、結構な視線が突き刺さった。
まあ、冒険者には知り合いも多いし、うちの宿から出す依頼なんて無かったから私はこのギルドに入ったことがなかったですしね。それに一番の理由はリリーさんと一緒にいることだろうし、無視してもいいですね。
「二人は……あ、いましたね」
「遅かったな」
「何言ってるんですか、ラスターさん。時間ぴったりじゃないですか」
「そうだよラスター。女の子二人を待たせるわけにはいかないし、俺たちが早く来ただけなんだから」
休憩所で待ち合わせしていたテオさんとラスターさんと合流し、早速受ける依頼を探す。
「まずは、掲示板を見に行こうか」
「ああ、あそこですね」
ギルドに入って右手に掲示板があった。一階と中二階に分かれていて、そこに依頼が貼られた板が掛けられている。
「下の掲示板が個人で受けられる依頼、上の掲示板が複数人で受ける依頼なんだ。左にあるものほど難易度が高くなる」
「なるほど。目的に合った依頼が探し易いんですね」
「うん。でも、下の掲示板の討伐依頼はパーティーで受けることもあるから、結局はどっちも見ないとだね」
「……あれ?討伐依頼ってないんですか?」
上の掲示板に行くと、討伐依頼はなかった。
思わず首を傾げた私に声を掛けたのは、ラスターさんだった。
「討伐依頼は大体下の掲示板だ」
「ああ、“個人でも受けられる依頼”だからですか」
「マリアちゃん、討伐依頼受けたかったの?」
「いえ、そういうイメージがあっただけで、受けたいというわけでは……」
「ああ、なるほどね」
ラスターさんは不思議そうな顔をしているけれど、リリーさんは分かってくれたようだ。ゲームのイメージが。
「あとは……これかな?三人とも、この中だったらどれが良い?」
私たちがしゃべっている間に掲示板を見ていたテオさんがいくつかの依頼書を持ってきてくれた。
内容は、護衛依頼が二つと討伐依頼、素材調達の依頼だった。
「調査員の護衛依頼も持ってきてみたけど、初めてでは少し難しいかな」
「一番簡単なのはこっちの素材調達だな。場合によっちゃあ、お嬢は何もせずに終わっちまうが」
「こっちの討伐依頼は緊急かあ。ニルフェットの群れなら簡単だし、実践にもちょうどいいわね」
「残りは……素材収集の護衛、ですか?『持ってこい』じゃないんですね?」
「採取に知識とか経験が必要なものは、どうしても護衛依頼になりやすいんだ」
「なるほど」
「マリアちゃんはどの依頼が気になる?」
「討伐依頼と採取の護衛ですかね」
リリーさんに聞かれたのでそう答えたら、それを聞いたテオさんが提案してきた。
「それなら、護衛依頼を受けないかな?」
「ようこそ……って、リリー様でしたか!マリアちゃんを呼んできますね!」
「ミィちゃん、私はここにいるから大丈夫だよ」
話し合いから二日経って、何時も私が宿の受付にいる時間にそこにいるのは、バイトから正式な受付に昇格したミィちゃんだった。
「じゃあ、行ってきます!」
「行ってらっしゃいませ!」
今日私が行くのは宿の向かいにある冒険者ギルド。
昨日、使える魔法を試してみたところ、さすがはゲームシステムと言うべきか、問題なく使うことができた。そのため、早速だがパーティーで依頼を受けることになったのだ。
この世界で「冒険者やってます」というのは、日本で「探偵やってます」というのと同じような感じの印象だ。仕事の内容に違いはあるけど、要は自営業の『何でも屋』に近い。
この世界では魔物なんかの脅威が多いから、ごつい人と物騒な依頼が多いだけなのだ。
そして、ギルドはそんな自営業者同士の情報共有や取引、自分に合わない仕事の斡旋みたいなことを、冒険者の代わりにしてくれる組織だ。
国営ではないが国とのつながりが強く、『上級冒険者』などの国から与えられる称号も、ギルドでの評価が大いに関係するらしい。
役所みたいに小綺麗なギルドに入ると、体格のいい人達からの、結構な視線が突き刺さった。
まあ、冒険者には知り合いも多いし、うちの宿から出す依頼なんて無かったから私はこのギルドに入ったことがなかったですしね。それに一番の理由はリリーさんと一緒にいることだろうし、無視してもいいですね。
「二人は……あ、いましたね」
「遅かったな」
「何言ってるんですか、ラスターさん。時間ぴったりじゃないですか」
「そうだよラスター。女の子二人を待たせるわけにはいかないし、俺たちが早く来ただけなんだから」
休憩所で待ち合わせしていたテオさんとラスターさんと合流し、早速受ける依頼を探す。
「まずは、掲示板を見に行こうか」
「ああ、あそこですね」
ギルドに入って右手に掲示板があった。一階と中二階に分かれていて、そこに依頼が貼られた板が掛けられている。
「下の掲示板が個人で受けられる依頼、上の掲示板が複数人で受ける依頼なんだ。左にあるものほど難易度が高くなる」
「なるほど。目的に合った依頼が探し易いんですね」
「うん。でも、下の掲示板の討伐依頼はパーティーで受けることもあるから、結局はどっちも見ないとだね」
「……あれ?討伐依頼ってないんですか?」
上の掲示板に行くと、討伐依頼はなかった。
思わず首を傾げた私に声を掛けたのは、ラスターさんだった。
「討伐依頼は大体下の掲示板だ」
「ああ、“個人でも受けられる依頼”だからですか」
「マリアちゃん、討伐依頼受けたかったの?」
「いえ、そういうイメージがあっただけで、受けたいというわけでは……」
「ああ、なるほどね」
ラスターさんは不思議そうな顔をしているけれど、リリーさんは分かってくれたようだ。ゲームのイメージが。
「あとは……これかな?三人とも、この中だったらどれが良い?」
私たちがしゃべっている間に掲示板を見ていたテオさんがいくつかの依頼書を持ってきてくれた。
内容は、護衛依頼が二つと討伐依頼、素材調達の依頼だった。
「調査員の護衛依頼も持ってきてみたけど、初めてでは少し難しいかな」
「一番簡単なのはこっちの素材調達だな。場合によっちゃあ、お嬢は何もせずに終わっちまうが」
「こっちの討伐依頼は緊急かあ。ニルフェットの群れなら簡単だし、実践にもちょうどいいわね」
「残りは……素材収集の護衛、ですか?『持ってこい』じゃないんですね?」
「採取に知識とか経験が必要なものは、どうしても護衛依頼になりやすいんだ」
「なるほど」
「マリアちゃんはどの依頼が気になる?」
「討伐依頼と採取の護衛ですかね」
リリーさんに聞かれたのでそう答えたら、それを聞いたテオさんが提案してきた。
「それなら、護衛依頼を受けないかな?」
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