1 / 1
こうして悪役令嬢はバッドエンド回避した。
しおりを挟む
「寄生させやすくしてあげますわよ、
わたくし、なんて優しいのでしょう。」
お父様の愛人の娘でしかないこの少女は、我が家に寄生していると考えていましたの。自分だって親の庇護下でしか生きられないのに可笑しいですわよね。だからわたくしは、よくこの言葉を投げていましたの。
オホホホホ、そんな風に高らかに笑いながら、
美少女な義妹の頭の上に泥水かけていた時、
ふと全てわかりましたの。わたくしの立場もこれからの未来も全て理解し見てしまったのよ。
そして手に取っていたバケツかなんかを落として、意識を失いましたわ。
12歳の時の出来事でしたの。
★
要約するとテンプレート通りに転生したわたくしは、突然地球人だった頃の記憶を思い出しましたの。
そしてわたくしはこの世界のヒロインである、義妹のことを原作通りに虐めてしまっていたのよ!
とりあえずは記憶を思い出したのが、学園に入学する3年前、つまりゲーム終了の6年前であることに感謝したわ。
この世界は、
『ゴールデンウィート:白百合の君のために世界を回す』という名の粘っこい乙女ゲームの世界ですの。
なぜわかったかって、わたくしの名前とリリーの名前とこの世界は名前がゴールデンウィートだからですのよ。
ゴールデンウィート、ゴールドウィート、金麦。飲みたいですわね。
冗談はさておき設定の説明をしますわ。
主人公であるリリー(デフォルトネーム)は、妾腹の娘であるために、家族から酷い扱いを受ける、中でも義姉からの虐めては目に余るものがあるという設定でしたの。義姉がわたくしローズですわ。中々色気のある美人ですのよ。
これが後々に困ったことを招きますのよ。もちろん美人であることがではなく、虐めていたことがですわ。
リリーは学園に入学することで、その心の美しさから様々な貴公子たちから愛されますの。そして最終的に誰か1人を選び結婚し、その後実家や義姉からの扱いがリリーの婚約者に露呈、リリーを悲しませないように秘密裏にザマァする話ですわ。
ザマァでは、ただ『君の家族は反省しているようだ、とってもね。』だとか『ローズは結婚したみたいだよ。』とか『結婚祝いに相続権を君に渡すみたいだ。』とか。
ただその一言でしか語られないが、確実に何かありましたわよね。と思ったものですわ。
ところでザマァってわかりやすい言葉ですわね。
因みに攻略対象は5人いますのよ。
身分は様々ですけれども、みんな顔と頭がよくて、けれども性格は違くて、最初は誰を選ぶのかとても迷った記憶がありますわ。
もちろん最後は最推しができましたわ!
リリーが誰と恋愛しても、悪役令嬢はわたくしですの。そしてどのルートに入っても、どのエンディング迎えてもわたくしや家族の身が危ないのよ。どうすれば家族と己を守れるのか考えた結果は、義妹のリリーを最大限甘やかすことでしたわ。
そしてこれは、義妹を甘やかしてバッドエンドを回避しようともがき続けた、わたくしの物語ですのよ。
転生したのに語尾がデスマス調で気持ち悪いって?
可笑しいですわね、わたくし正真正銘のお嬢様に生まれ変わりましたのよ。お嬢様ライフを最大限楽しむに決まっていますわ。
★
「リリー?、おはよう!
今日も今日とてお目目が可愛らしいわ。」
ニッコリ笑顔で義妹に挨拶することから、1日は始まる。
義妹のリリーは、たぶん世界で1番の美少女だ。
少なくともわたくしは、リリーよりもかわいい生き物を見たことがない。
特にそのお目目が可愛い。くりりんとして垂れ目がちで、睫毛がびっちりと生えていてお人形さんのようだわ。
「おはようございます。ローズお義姉様。」
伏目がちに挨拶するリリーはどこか怯えているようで、加護欲をそそる。
だけれども、それをしてしまってはわたくしが悪役に見えてしまう。
「あらリリー、あなたの素敵な笑顔が見たいですわ。」
そういうとリリーは遠慮がちにニコリとした。
「さすが妾腹の娘、マナーなってないわね。」「ローズ様の顔に泥を塗ってるのよ。」
使用人たちがコソコソ話すのが聞こえた。
「そんなことないわよ。
リリーはまるで物語のお姫様やヒロインのようにかわいいのよ。これだけでいいわ。
みんなも優しくして!」
そういうと、使用人たちがバツ悪そうな顔しながら散っていった。
「ローズお義姉様、ありがとうございます。」
瞳を潤ませながら感謝の言葉を述べるリリーを見て、わたくしは満足していましたの。
こんな可愛らしい生き物があんなことを企むだなんて思っていなかったわ。
まさか結果的に身分すら失うことをしてしまうなんて。
★
それは卒業パーティーの3日前でしたわ。
そしてこれがあの恐ろしい断罪に繋がりましたの。
その前に学校でのわたくしたちのことを話ましょうかを
学校が始まって1年もした頃、
自然とリリーはヒロインで、わたくしは悪役令嬢と呼ばれるようになりましたわ。
リリーは気に入ってないようでしわ。ただわたくしはピッタリな名前だと気に入りましたわ。
わたくしたちは、どんな名前を周りにつけられようとも可能な限り2人で行動していましたの。まるで双子のようでしたの。愛らしいリリーといることができて幸せでしたわ。
けれども、しばらくしてリリーがぼんやりとすることが増えましたの。
わたくしピンと来ましたのよ。これは恋なんだってことがわかりましたのよ。
相手が誰だかは、聞いても聞いても教えてくれませんでしたのよ。けれども、その視線から誰が相手なのかわかりましたのよ。
だからわたくしはリリーの恋を応援するために、奮起いたしましたわ。
しばらくするとリリーは交際し始めたみたいで、わたくしは安心してわたくしも恋をしてそして別れて、また新しく恋して婚約しましたの。
実はこの婚約者、前世での最推しでしたの。無理だとずっと思っていたわ、けれども婚約できて幸せでしたわ。これ以上にないくらい幸せでしたの。
わたくしが婚約するまでの期間、リリーの黒い噂を何度も聞きましたの。
どうやら複数の男を誑し込んでいると、だから一応リリーに何度か注意しましたわ。
「噂は噂であるし、信じていないけれども、あなたのためにも気をつけて。」
と。
この頃はもうリリーは一緒に行動していなったわ。何故だか避けられるようになってしまっていたのよ。
焦ったわ。バッドエンド迎えてしまうのではないのかって、焦ったわ。
リリーの黒い噂はお父様やお母様の耳にも入ってしまい、大変なことになりましたわ。けれども、わたくしお父様やお母様の怒りが義妹に向かないようになかなか頑張りましたわ。
ところでわたくしの婚約者は攻略対象の1人でしたけれども、リリーに確認してもリリーの恋人ではないと言われましたし、密偵に調べさせてもそんな過去は出ませんでしたわ。
この時、安心しましたのよ。人の恋人を間違えて寝取ってしまっては大変なことになりますからね。
過去の恋人については、攻略対象ではなかったですし、婚約者も見て見ぬ振りをしているからとりあえず触れないわ。
★
断罪に繋がるその事件は、婚約者とその囲いと一緒に歩いていた昼下がりに発生しましたのよ。
「ローズお義姉様!」
遠くからわたくしのことを呼ぶリリーの声に嬉しくなりましたの。
実はその時しばらくリリーと会話できなかったから、心から嬉しく思ったの。会話できなかったのは、リリーの黒い噂で注意したのが原因だったのかしら。
わたくしの喜びの中には、卒業間近に笑顔のリリーを見て、安堵感も含まれていたのかもしれないわ。
「リリー!久しぶりね。」
近くに来たリリーにそう話しかけた瞬間、肩から強く押されて、わたくしは階段から転落しましたのよ。
この時わたくしは、ただ何も分からなかったわ。
何も理解できなかった。6年間愛しんだのに結果は階段から突き落とされること?
ただそんなことが脳内くるくると回ったわ。
幸いわたくしは、大した怪我をしなかったわ。
けれども、人が多くいた場所でわたくしを突き落としたリリーは罪に問われることになってしまいましたの。
★
「リリー、貴様はこの優しいローズのことを階段から突き落としたな。国外追放だ。」
わたくしの婚約者である第3王子の言葉をただただ失意の中聞いていましたわ。
わたくしのバッドエンドは避けられましたわ。
けれどもリリー。わたくしのこの6年はなんでしたの?無駄でしたの?
「いつ追放してくださりますか?」
そういうリリーは初めてみるような美しい笑顔でしたわ。ただ物凄く怖くもありましたの。正直ゾッとしましたわ。
「そ、そうやってお前は男を誑し込むんだろ!今すぐ追放してやる!捕らえろ!」
王子や他の攻略対象たちの声を聞いてぼんやり、やはり黒い噂を真実でしたの。と思いましたわ。
リリーが連れ去られる時、やはりリリーが可愛かったしリリーを引き止めようと手を伸ばしましたの。
けれどもできなかった。伸ばしたわたくしの手をリリーが弾きましたの。
「私の自由を奪わないでローズ。」
その強い言葉にわたくしは衝撃を受けましたわ。
リリーにとって追放は自由を得るための術だったのね。
つまりわたくしの、この6年は全て無駄でしたのよ!
★
あれから1年、わたくしは今日結婚しましたの。
追放されてからリリーがどうなったのか、わたくしに知る由はなかったわ。密偵もお父様も婚約者も知っているようですけれども。
「死亡届は出てない。」
わたくしにとっては、お父様のその言葉が全てでしたわ。
知りたいとは思いましたわ、けれども怖くてそれ以上は聞けませんでしたの。
ただリリーが自滅することで、わたくしはバッドエンドを免れたことだけが事実ですわ。
「ローズ、優しいね。またあの娘のことを思い出しているのかい?焼けてしまうね。」
婚約者から夫になった愛しい人は、そういうとわたくしに口づけを落とした。
この口付けをきっかけにわたくしは、
前世も昔つまりリリーも全て忘れることにしましたの。
リリーはあの時に「私の自由を奪わないでローズ。」と言ったのよ。わたくしだって、前世やゲーム縛られて生きる必要はないのよ。
わたくしだって愛する人と自由に生きてもいいのよ。
わたくし、なんて優しいのでしょう。」
お父様の愛人の娘でしかないこの少女は、我が家に寄生していると考えていましたの。自分だって親の庇護下でしか生きられないのに可笑しいですわよね。だからわたくしは、よくこの言葉を投げていましたの。
オホホホホ、そんな風に高らかに笑いながら、
美少女な義妹の頭の上に泥水かけていた時、
ふと全てわかりましたの。わたくしの立場もこれからの未来も全て理解し見てしまったのよ。
そして手に取っていたバケツかなんかを落として、意識を失いましたわ。
12歳の時の出来事でしたの。
★
要約するとテンプレート通りに転生したわたくしは、突然地球人だった頃の記憶を思い出しましたの。
そしてわたくしはこの世界のヒロインである、義妹のことを原作通りに虐めてしまっていたのよ!
とりあえずは記憶を思い出したのが、学園に入学する3年前、つまりゲーム終了の6年前であることに感謝したわ。
この世界は、
『ゴールデンウィート:白百合の君のために世界を回す』という名の粘っこい乙女ゲームの世界ですの。
なぜわかったかって、わたくしの名前とリリーの名前とこの世界は名前がゴールデンウィートだからですのよ。
ゴールデンウィート、ゴールドウィート、金麦。飲みたいですわね。
冗談はさておき設定の説明をしますわ。
主人公であるリリー(デフォルトネーム)は、妾腹の娘であるために、家族から酷い扱いを受ける、中でも義姉からの虐めては目に余るものがあるという設定でしたの。義姉がわたくしローズですわ。中々色気のある美人ですのよ。
これが後々に困ったことを招きますのよ。もちろん美人であることがではなく、虐めていたことがですわ。
リリーは学園に入学することで、その心の美しさから様々な貴公子たちから愛されますの。そして最終的に誰か1人を選び結婚し、その後実家や義姉からの扱いがリリーの婚約者に露呈、リリーを悲しませないように秘密裏にザマァする話ですわ。
ザマァでは、ただ『君の家族は反省しているようだ、とってもね。』だとか『ローズは結婚したみたいだよ。』とか『結婚祝いに相続権を君に渡すみたいだ。』とか。
ただその一言でしか語られないが、確実に何かありましたわよね。と思ったものですわ。
ところでザマァってわかりやすい言葉ですわね。
因みに攻略対象は5人いますのよ。
身分は様々ですけれども、みんな顔と頭がよくて、けれども性格は違くて、最初は誰を選ぶのかとても迷った記憶がありますわ。
もちろん最後は最推しができましたわ!
リリーが誰と恋愛しても、悪役令嬢はわたくしですの。そしてどのルートに入っても、どのエンディング迎えてもわたくしや家族の身が危ないのよ。どうすれば家族と己を守れるのか考えた結果は、義妹のリリーを最大限甘やかすことでしたわ。
そしてこれは、義妹を甘やかしてバッドエンドを回避しようともがき続けた、わたくしの物語ですのよ。
転生したのに語尾がデスマス調で気持ち悪いって?
可笑しいですわね、わたくし正真正銘のお嬢様に生まれ変わりましたのよ。お嬢様ライフを最大限楽しむに決まっていますわ。
★
「リリー?、おはよう!
今日も今日とてお目目が可愛らしいわ。」
ニッコリ笑顔で義妹に挨拶することから、1日は始まる。
義妹のリリーは、たぶん世界で1番の美少女だ。
少なくともわたくしは、リリーよりもかわいい生き物を見たことがない。
特にそのお目目が可愛い。くりりんとして垂れ目がちで、睫毛がびっちりと生えていてお人形さんのようだわ。
「おはようございます。ローズお義姉様。」
伏目がちに挨拶するリリーはどこか怯えているようで、加護欲をそそる。
だけれども、それをしてしまってはわたくしが悪役に見えてしまう。
「あらリリー、あなたの素敵な笑顔が見たいですわ。」
そういうとリリーは遠慮がちにニコリとした。
「さすが妾腹の娘、マナーなってないわね。」「ローズ様の顔に泥を塗ってるのよ。」
使用人たちがコソコソ話すのが聞こえた。
「そんなことないわよ。
リリーはまるで物語のお姫様やヒロインのようにかわいいのよ。これだけでいいわ。
みんなも優しくして!」
そういうと、使用人たちがバツ悪そうな顔しながら散っていった。
「ローズお義姉様、ありがとうございます。」
瞳を潤ませながら感謝の言葉を述べるリリーを見て、わたくしは満足していましたの。
こんな可愛らしい生き物があんなことを企むだなんて思っていなかったわ。
まさか結果的に身分すら失うことをしてしまうなんて。
★
それは卒業パーティーの3日前でしたわ。
そしてこれがあの恐ろしい断罪に繋がりましたの。
その前に学校でのわたくしたちのことを話ましょうかを
学校が始まって1年もした頃、
自然とリリーはヒロインで、わたくしは悪役令嬢と呼ばれるようになりましたわ。
リリーは気に入ってないようでしわ。ただわたくしはピッタリな名前だと気に入りましたわ。
わたくしたちは、どんな名前を周りにつけられようとも可能な限り2人で行動していましたの。まるで双子のようでしたの。愛らしいリリーといることができて幸せでしたわ。
けれども、しばらくしてリリーがぼんやりとすることが増えましたの。
わたくしピンと来ましたのよ。これは恋なんだってことがわかりましたのよ。
相手が誰だかは、聞いても聞いても教えてくれませんでしたのよ。けれども、その視線から誰が相手なのかわかりましたのよ。
だからわたくしはリリーの恋を応援するために、奮起いたしましたわ。
しばらくするとリリーは交際し始めたみたいで、わたくしは安心してわたくしも恋をしてそして別れて、また新しく恋して婚約しましたの。
実はこの婚約者、前世での最推しでしたの。無理だとずっと思っていたわ、けれども婚約できて幸せでしたわ。これ以上にないくらい幸せでしたの。
わたくしが婚約するまでの期間、リリーの黒い噂を何度も聞きましたの。
どうやら複数の男を誑し込んでいると、だから一応リリーに何度か注意しましたわ。
「噂は噂であるし、信じていないけれども、あなたのためにも気をつけて。」
と。
この頃はもうリリーは一緒に行動していなったわ。何故だか避けられるようになってしまっていたのよ。
焦ったわ。バッドエンド迎えてしまうのではないのかって、焦ったわ。
リリーの黒い噂はお父様やお母様の耳にも入ってしまい、大変なことになりましたわ。けれども、わたくしお父様やお母様の怒りが義妹に向かないようになかなか頑張りましたわ。
ところでわたくしの婚約者は攻略対象の1人でしたけれども、リリーに確認してもリリーの恋人ではないと言われましたし、密偵に調べさせてもそんな過去は出ませんでしたわ。
この時、安心しましたのよ。人の恋人を間違えて寝取ってしまっては大変なことになりますからね。
過去の恋人については、攻略対象ではなかったですし、婚約者も見て見ぬ振りをしているからとりあえず触れないわ。
★
断罪に繋がるその事件は、婚約者とその囲いと一緒に歩いていた昼下がりに発生しましたのよ。
「ローズお義姉様!」
遠くからわたくしのことを呼ぶリリーの声に嬉しくなりましたの。
実はその時しばらくリリーと会話できなかったから、心から嬉しく思ったの。会話できなかったのは、リリーの黒い噂で注意したのが原因だったのかしら。
わたくしの喜びの中には、卒業間近に笑顔のリリーを見て、安堵感も含まれていたのかもしれないわ。
「リリー!久しぶりね。」
近くに来たリリーにそう話しかけた瞬間、肩から強く押されて、わたくしは階段から転落しましたのよ。
この時わたくしは、ただ何も分からなかったわ。
何も理解できなかった。6年間愛しんだのに結果は階段から突き落とされること?
ただそんなことが脳内くるくると回ったわ。
幸いわたくしは、大した怪我をしなかったわ。
けれども、人が多くいた場所でわたくしを突き落としたリリーは罪に問われることになってしまいましたの。
★
「リリー、貴様はこの優しいローズのことを階段から突き落としたな。国外追放だ。」
わたくしの婚約者である第3王子の言葉をただただ失意の中聞いていましたわ。
わたくしのバッドエンドは避けられましたわ。
けれどもリリー。わたくしのこの6年はなんでしたの?無駄でしたの?
「いつ追放してくださりますか?」
そういうリリーは初めてみるような美しい笑顔でしたわ。ただ物凄く怖くもありましたの。正直ゾッとしましたわ。
「そ、そうやってお前は男を誑し込むんだろ!今すぐ追放してやる!捕らえろ!」
王子や他の攻略対象たちの声を聞いてぼんやり、やはり黒い噂を真実でしたの。と思いましたわ。
リリーが連れ去られる時、やはりリリーが可愛かったしリリーを引き止めようと手を伸ばしましたの。
けれどもできなかった。伸ばしたわたくしの手をリリーが弾きましたの。
「私の自由を奪わないでローズ。」
その強い言葉にわたくしは衝撃を受けましたわ。
リリーにとって追放は自由を得るための術だったのね。
つまりわたくしの、この6年は全て無駄でしたのよ!
★
あれから1年、わたくしは今日結婚しましたの。
追放されてからリリーがどうなったのか、わたくしに知る由はなかったわ。密偵もお父様も婚約者も知っているようですけれども。
「死亡届は出てない。」
わたくしにとっては、お父様のその言葉が全てでしたわ。
知りたいとは思いましたわ、けれども怖くてそれ以上は聞けませんでしたの。
ただリリーが自滅することで、わたくしはバッドエンドを免れたことだけが事実ですわ。
「ローズ、優しいね。またあの娘のことを思い出しているのかい?焼けてしまうね。」
婚約者から夫になった愛しい人は、そういうとわたくしに口づけを落とした。
この口付けをきっかけにわたくしは、
前世も昔つまりリリーも全て忘れることにしましたの。
リリーはあの時に「私の自由を奪わないでローズ。」と言ったのよ。わたくしだって、前世やゲーム縛られて生きる必要はないのよ。
わたくしだって愛する人と自由に生きてもいいのよ。
21
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
王子好きすぎ拗らせ転生悪役令嬢は、王子の溺愛に気づかない
エヌ
恋愛
私の前世の記憶によると、どうやら私は悪役令嬢ポジションにいるらしい
最後はもしかしたら全財産を失ってどこかに飛ばされるかもしれない。
でも大好きな王子には、幸せになってほしいと思う。
悪役令嬢に転生しましたが、全部諦めて弟を愛でることにしました
下菊みこと
恋愛
悪役令嬢に転生したものの、知識チートとかないし回避方法も思いつかないため全部諦めて弟を愛でることにしたら…何故か教養を身につけてしまったお話。
なお理由は悪役令嬢の「脳」と「身体」のスペックが前世と違いめちゃくちゃ高いため。
超ご都合主義のハッピーエンド。
誰も不幸にならない大団円です。
少しでも楽しんでいただければ幸いです。
小説家になろう様でも投稿しています。
乙女ゲームに転生した悪役令嬢! 人気が無い公園で出歯亀する
ひなクラゲ
恋愛
私は気がついたら、乙女ゲームに転生していました
それも悪役令嬢に!!
ゲーム通りだとこの後、王子と婚約させられ、数年後には婚約破棄&追放が待っているわ
なんとかしないと…
私を選ばなかったくせに~推しの悪役令嬢になってしまったので、本物以上に悪役らしい振る舞いをして婚約破棄してやりますわ、ザマア~
あさぎかな@コミカライズ決定
恋愛
乙女ゲーム《時の思い出(クロノス・メモリー)》の世界、しかも推しである悪役令嬢ルーシャに転生してしまったクレハ。
「貴方は一度だって私の話に耳を傾けたことがなかった。誤魔化して、逃げて、時より甘い言葉や、贈り物を贈れば満足だと思っていたのでしょう。――どんな時だって、私を選ばなかったくせに」と言って化物になる悪役令嬢ルーシャの未来を変えるため、いちルーシャファンとして、婚約者であり全ての元凶とである第五王子ベルンハルト(放蕩者)に婚約破棄を求めるのだが――?
モブ転生とはこんなもの
詩森さよ(さよ吉)
恋愛
あたしはナナ。貧乏伯爵令嬢で転生者です。
乙女ゲームのプロローグで死んじゃうモブに転生したけど、奇跡的に助かったおかげで現在元気で幸せです。
今ゲームのラスト近くの婚約破棄の現場にいるんだけど、なんだか様子がおかしいの。
いったいどうしたらいいのかしら……。
現在筆者の時間的かつ体力的に感想などを受け付けない設定にしております。
どうぞよろしくお願いいたします。
他サイトでも公開しています。
転生悪役令嬢は冒険者になればいいと気が付いた
よーこ
恋愛
物心ついた頃から前世の記憶持ちの悪役令嬢ベルティーア。
国の第一王子との婚約式の時、ここが乙女ゲームの世界だと気が付いた。
自分はメイン攻略対象にくっつく悪役令嬢キャラだった。
はい、詰んだ。
将来は貴族籍を剥奪されて国外追放決定です。
よし、だったら魔法があるこのファンタジーな世界を満喫しよう。
国外に追放されたら冒険者になって生きるぞヒャッホー!
婚約破棄?王子様の婚約者は私ではなく檻の中にいますよ?
荷居人(にいと)
恋愛
「貴様とは婚約破棄だ!」
そうかっこつけ王子に言われたのは私でした。しかし、そう言われるのは想定済み……というより、前世の記憶で知ってましたのですでに婚約者は代えてあります。
「殿下、お言葉ですが、貴方の婚約者は私の妹であって私ではありませんよ?」
「妹……?何を言うかと思えば貴様にいるのは兄ひとりだろう!」
「いいえ?実は父が養女にした妹がいるのです。今は檻の中ですから殿下が知らないのも無理はありません」
「は?」
さあ、初めての感動のご対面の日です。婚約破棄するなら勝手にどうぞ?妹は今日のために頑張ってきましたからね、気持ちが変わるかもしれませんし。
荷居人の婚約破棄シリーズ第八弾!今回もギャグ寄りです。個性な作品を目指して今回も完結向けて頑張ります!
第七弾まで完結済み(番外編は生涯連載中)!荷居人タグで検索!どれも繋がりのない短編集となります。
表紙に特に意味はありません。お疲れの方、猫で癒されてねというだけです。
醜いと蔑まれている令嬢の侍女になりましたが、前世の技術で絶世の美女に変身させます
ちゃんゆ
恋愛
男爵家の三女に産まれた私。衝撃的な出来事などもなく、頭を打ったわけでもなく、池で溺れて死にかけたわけでもない。ごくごく自然に前世の記憶があった。
そして前世の私は…
ゴットハンドと呼ばれるほどのエステティシャンだった。
とある侯爵家で出会った令嬢は、まるで前世のとあるホラー映画に出てくる貞◯のような風貌だった。
髪で顔を全て隠し、ゆらりと立つ姿は…
悲鳴を上げないと、逆に失礼では?というほどのホラーっぷり。
そしてこの髪の奥のお顔は…。。。
さぁ、お嬢様。
私のゴットハンドで世界を変えますよ?
**********************
『おデブな悪役令嬢の侍女に転生しましたが、前世の技術で絶世の美女に変身させます』の続編です。
続編ですが、これだけでも楽しんでいただけます。
前作も読んでいただけるともっと嬉しいです!
転生侍女シリーズ第二弾です。
短編全4話で、投稿予約済みです。
よろしくお願いします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる