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甘美な

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アレンくんはその言葉で、上着を脱いでネクタイを緩めた。そして私は器用にパンツを脱ぎ捨てて、下着のホックを外した。

恥ずかしいけどそれよりもこの熱をどうにかしたい。抱かれたい、抱かれたくて仕方がない。

「ミルクティーは媚薬で、炭酸飲料も男用の精力剤か…」
そう呟くように言うと、上半身裸になってズボンも完全に緩め恐らく彼のソレを取り出した。彼の美しい身体を見るのに夢中で彼のソレまで見ることは出来なかった。ただ均等についた美しい筋肉にウットリとそっと手を沿わせると、アレンくんは急ぐように私の足を束にして上げる間にソレを入れて、前後に動かし始めた。

「あっ、擦れて…るふぁっ」
熱が発散される気がした。あまりにも気持ちよくてシーツをギューっと強く掴んだ。

「下着っ…いつ脱いだ?」
アレンくんが前後に動きながら聞いてきた。

「ふぁっ抱くっ…って言われ…た時っ」
私はアレンくんの一挙一動に気を配ってたのに、気付いてなかったんだと少し傷付いたが、好きでもない何とも思ってない寧ろ軽蔑すらした女子のことを抱いてくれてる時点でありがたいから気にしないことにした。

「そう、入れても?」
そう言うとアレンくんは突然動きを止めた。

もどかしい、もっと欲しい。動いて欲しい。
そして中が寂しくて寂しくてしょうがない。

「入れて…お願い中にもお願いっ…!」
下ネタは言ってもこんな言葉を吐くのは初めてだった。あまりにも恥ずかしくて顔を覆う。

ふふっと笑い声が聞こえて、足首を束ねていた手で私の両手を1つに縫い上がられた。

「恥ずかしっ!!」
そう言ってアレンくんのことを見上げると愉快そうな表情をしていて、その危うい魅力に体が震えた。

いつも以上に色っぽく美しいアレンくんにボーッと見惚れていると、彼はそのまま顔を近づけて口付けてきた。

しばらく唇と唇を合わせるだけだったが
「口開けて」
と言われるがままに開けると激しく口付けられた。
まるで全て食べられてしまいそうだった。

彼の熱い舌に戸惑っていると、身体がこじ開けられる感覚がした。
「…うっ!!!!」
驚きのあまりぐもったような声を出して、いつの間にか自由になっていた手でアレンくんの肩をポンポンと叩いた。

「どうした」
そう言いつつも先に進められていく。

「あっ…やっ…だって…熱いのっ大きいっの奥に」
さっきの口付けて呼吸ができなかったのもあって、荒く息をしていたら上手く説明できなかった。

「力抜いて、それとキスは鼻で呼吸して」
そう言うと私の首に噛み付くようなキスを落とし初め、同時に一気に奥まで進められた。
キスも知らなかった私には大人過ぎる未知の世界が、開けたのが怖くて強く抱きしめてしまった。

「アレンくんっ慣れってるっの?」
ゆっくり息を吐いて聞いてみた。

「どうかな」
それだけ言うと、初めはゆっくり、次第に速く動き始め、私は振り落とされないようにしっかりと抱き締めた。
時々奥まで来ると「アッアッ」と声が出ただけで、友達が言うように喘ぎ声が止まらないなんてことはなかった。
ただアレンくんの吸い付くようなきめ細やかな肌は私のと合うみたいで、何だがあの甘い痺れに襲われた。

「そろそろっ、出すっ…!」
余裕なさそうにアレンくんは言うと更に速く動いて、私はその汗の滲んだ額を見たらまた感じてしまった2人同時に果てた。

アレンくんはゴロッと私の横に横たわった。

激しい睡魔とともに熱が徐々に冷めていく感じがした。
コンドームは結局使わなかったが、この部屋では大丈夫な場合が多いからきっと平気だ。そう思うことにした。
それとせっかく鼻呼吸実践しようとしたのに、キス出来なかった…またしたかったなと思いつつもそれよりももっと

名前呼ばれたいと

「ねぇ、アレンくん…私の名前呼んで…」
薄れゆく意識の中でそれだけ言った気がする。
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