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憧れの君は遠くから見つめてたいの
変態妄想1ヶ月後
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前方にアレンくんがいる、回れ右駆け足!
不要な接触回避!
私は1ヶ月前に、憧れの人とのとんでもない行為を"妄想"してしまってから避けている。
私は設定としても、本心としてもアレンくんのことを崇拝している。基本的には、挨拶しないなんて許されない。
アレンくんの自尊心を上げ続けると決めた以上、例えどんなに想定外の出来事が起こり困惑していたとしても挨拶する。
そう私はアレンくんのプロのファンだから。別の言い方をすれば危なくないストーカー。
ただ最近はちょっと避けている。
もちろん避けきれないこともあるが。
「やっほー」
アレンくんに小さく手を振る。
例えば、この様に。
駆け足をして避け、かなり惑った末に逃げ込んだ自習室にアレンくんが居たのだ。しかも入ってすぐの席に座っていたせいですぐに気付かれた。
これではファンクラブ失格だ。アレンくんの行動パターンを読めてないなんてダメダメだ。
前まではかなり予想できていたはずなのに…。
多分、否、確実に1ヶ月前の密室に閉じ込められて、エロ漫画級に感じながら致してしまう妄想してしまってからこうなってる。
小さい声で挨拶すると席から立ち、私の所へと向かって来た。スタスタという足音だけが聞こえる。
テスト期間中ではない昼休みの自習室には人があまり居ない。
「自習しに来たの?」
近くで聞こえてきた美しいテノールボイスに一瞬蕩けそうになる。
反射的にアレンくんの顔を見上げる。
輝く様な琥珀色の瞳に癖知らずなキャラメル色の髪、縁取った様な睫毛、薄桃色の形の良い艶やかな唇、血色は良いが透き通る様なきめ細やかな肌、身体182cmなのに程よく鍛えられた肉体に長くしなやかな足、そして細く美しい指の美青年がいる。
「アレンくん、改めてやっほー、今日も世界一素敵だね」
まさに神の最高傑作だと思う。
苦笑いされてしまった…が、その顔も素敵
…じゃなくて質問に答えないと!
「そ、そう自習!」
アレンくんのことを見たら緊張して、しばらく彷徨った末に落ち着くために、とりあえず自習室に入ってしまったなんて言えない。咄嗟に嘘をついてしまったが、私の手に勉強道具は無い。
「へー、そうなんだ」
アレンくんの視線が、前で左手で右手首を掴んでる私の手元に注がれる。何も持ってないのバレちゃった。
「嘘、本当は友達探してた!」
嘘を重ねて、落ち着かないのを誤魔化すようにキョロキョロと見回した。アレンくんの前ではいつでも挙動不審だ、だからきっと大丈夫と気持ちを落ち着かせた。
「いた?」
当たり前だが、探してる人なんていない。
そしてこのテスト期間でも無い時期に自習室に籠る友人もいない。
「ううん、いない!じゃ探しに戻るね」
これ以上一緒に居たらさらに不審な行動をする気がした早めに切り上げる。
「待って」
止められた。
「どうしたのアレンくん?」
振り向いた時の、いつもと同じだけど、いつもの様に真剣な顔にものすごくドキドキしてしまう。
美の化身のアレンくんは、色っぽいから1月前の"妄想"がすぐにフラッシュバックしてしまう。
私は服の上からでもわかる、程よい筋肉がついた彼の胸板に手を当てて…。
「俺から見た右の目の下に睫毛」
なんというか、甘美なことを想像してしまっていたから、とても安心してしまった。
睫毛が落ちてるなんて別にたいして仲良くない間柄でも言う。
パッパッパと顔をはたいた。
「これで大丈夫?」
「大丈夫」
うなづくアレンくんにいつも通りウットリしたが、気をしっかりしないといけない。今度こそ私はアレンくんから離れることができた。
ホッと胸をなでおろす。
「バイバイ、頑張ってねアレンくん」
そういうと彼は私に手を振って勉強の続きを始めた。
手を振っただけなのに美しい。
その手すら彫刻として後世に残したい。
不要な接触回避!
私は1ヶ月前に、憧れの人とのとんでもない行為を"妄想"してしまってから避けている。
私は設定としても、本心としてもアレンくんのことを崇拝している。基本的には、挨拶しないなんて許されない。
アレンくんの自尊心を上げ続けると決めた以上、例えどんなに想定外の出来事が起こり困惑していたとしても挨拶する。
そう私はアレンくんのプロのファンだから。別の言い方をすれば危なくないストーカー。
ただ最近はちょっと避けている。
もちろん避けきれないこともあるが。
「やっほー」
アレンくんに小さく手を振る。
例えば、この様に。
駆け足をして避け、かなり惑った末に逃げ込んだ自習室にアレンくんが居たのだ。しかも入ってすぐの席に座っていたせいですぐに気付かれた。
これではファンクラブ失格だ。アレンくんの行動パターンを読めてないなんてダメダメだ。
前まではかなり予想できていたはずなのに…。
多分、否、確実に1ヶ月前の密室に閉じ込められて、エロ漫画級に感じながら致してしまう妄想してしまってからこうなってる。
小さい声で挨拶すると席から立ち、私の所へと向かって来た。スタスタという足音だけが聞こえる。
テスト期間中ではない昼休みの自習室には人があまり居ない。
「自習しに来たの?」
近くで聞こえてきた美しいテノールボイスに一瞬蕩けそうになる。
反射的にアレンくんの顔を見上げる。
輝く様な琥珀色の瞳に癖知らずなキャラメル色の髪、縁取った様な睫毛、薄桃色の形の良い艶やかな唇、血色は良いが透き通る様なきめ細やかな肌、身体182cmなのに程よく鍛えられた肉体に長くしなやかな足、そして細く美しい指の美青年がいる。
「アレンくん、改めてやっほー、今日も世界一素敵だね」
まさに神の最高傑作だと思う。
苦笑いされてしまった…が、その顔も素敵
…じゃなくて質問に答えないと!
「そ、そう自習!」
アレンくんのことを見たら緊張して、しばらく彷徨った末に落ち着くために、とりあえず自習室に入ってしまったなんて言えない。咄嗟に嘘をついてしまったが、私の手に勉強道具は無い。
「へー、そうなんだ」
アレンくんの視線が、前で左手で右手首を掴んでる私の手元に注がれる。何も持ってないのバレちゃった。
「嘘、本当は友達探してた!」
嘘を重ねて、落ち着かないのを誤魔化すようにキョロキョロと見回した。アレンくんの前ではいつでも挙動不審だ、だからきっと大丈夫と気持ちを落ち着かせた。
「いた?」
当たり前だが、探してる人なんていない。
そしてこのテスト期間でも無い時期に自習室に籠る友人もいない。
「ううん、いない!じゃ探しに戻るね」
これ以上一緒に居たらさらに不審な行動をする気がした早めに切り上げる。
「待って」
止められた。
「どうしたのアレンくん?」
振り向いた時の、いつもと同じだけど、いつもの様に真剣な顔にものすごくドキドキしてしまう。
美の化身のアレンくんは、色っぽいから1月前の"妄想"がすぐにフラッシュバックしてしまう。
私は服の上からでもわかる、程よい筋肉がついた彼の胸板に手を当てて…。
「俺から見た右の目の下に睫毛」
なんというか、甘美なことを想像してしまっていたから、とても安心してしまった。
睫毛が落ちてるなんて別にたいして仲良くない間柄でも言う。
パッパッパと顔をはたいた。
「これで大丈夫?」
「大丈夫」
うなづくアレンくんにいつも通りウットリしたが、気をしっかりしないといけない。今度こそ私はアレンくんから離れることができた。
ホッと胸をなでおろす。
「バイバイ、頑張ってねアレンくん」
そういうと彼は私に手を振って勉強の続きを始めた。
手を振っただけなのに美しい。
その手すら彫刻として後世に残したい。
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