憧れの君と密室に閉じ込められたけど性愛じゃないから逃げないで!

真冬のラズビ

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憧れの君は遠くから見つめてたいの

この夢は。

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=====

「ア、アレンくん・・・まっ、待って!!!」

体内が大きく揺れて、何かが駆け巡る。
力強く、規則的に、そして早い。
何かに支配される、怖い、でも気持ち良い。

不降り飛ばされてしまいそうで必死にしがみつく。
絶対に振り飛ばされたくない、まだまだこのまま感じたい。

目の前がちかちかする。まるで花火のよう。
口の中が涎が溜まる、媚薬みたく甘かった。

中枢神経だけでなく末端神経まで届いたそれは何だったのか。
今思えば、きっとそれは濁流のように流れる血液で、音は心臓のそれだった。
その影響で感覚は全身が研ぎ澄まされ、アレンくんに与えられる快楽を1つ残らず拾い上げるようだった。

「うるさい、待たない」
少し息が荒いアレンくんはそのまま動き続けた。

余裕のなさが普段のアレンくんとは違って、それが愛しく思えた。
彼の過去の経験は何一つ知らないが、なぜか私は確かな優越感に浸った。

アレンくんの余裕を奪い去ったのは私で、今アレンくんはきっと私だけを見ている。

多分この姿のアレンくんのことを知っている人はいない。
こんなに感じたのも、見たのも、見られたのも私だけ。

そう確信した。
今まで考えもしなかった、女としての薄暗い感情が全身に広がり

「もっと」

気づいたらそう呟いていた。
ほんの少し甘えるような濡れた声だった。

アレンくんが息をのんだのを合図にさらに激しさを増した。

=====

ハッと目が覚める。

またこの夢だ、何度見るんだろう。
数えてないが、場面を変えて10回以上は見た気がする。
言い表せないような寂しさに、切なさに強く自分の体を抱きしめた。


この夢がアレンくんに1カ月前にした妄想が忘れられない理由の1つだ。
1番の理由だ。9割方この夢のせいで忘れることができないと言ってもいい。

余りにも甘美で、目覚めた後は必ず物足りなさを紛らわせるように自分を抱きしめる。
いくら自分自身を抱きしめても、物足りなさも、寂しさも補えない。

これは夢、現実じゃない、現実にならない、なってはいけない。
私はアレンくんのファンの1人だから弁える。弁えて見せる。

目覚めると必ず自分にこう言い聞かせる。
そうでもしないと知らない感情に支配されそうになる。

夢と現実をちゃんと区別しないといけない。


ため息をつきながら、そっと下半身に触れる。

また酷く濡れている。

汚れてしまった下着が不愉快でトイレに向かった。
最近この夢を見ることは多いし、目覚めるたびに濡れて不愉快なのに、
何で昨日はおりものシートを付けずに寝てしまったんだろう。

正直なところ情緒的なこの夢は何度見ても飽きることはない、
しかしこれは憧れの人に対する失礼な夢で許されるものではなく、
同時に抱かれた男が目覚めても隣にいないという寂しい気持ちを抱かせる残酷な夢。

複数の感情が複雑に混ざり合い、やがて汚く黒く変化する。

全てを洗い流すように、丁寧に石鹸で手を洗った。


汚れているはずなのに
流れていく泡は、白く、

綺麗に見えた。
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