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憧れの君は遠くから見つめてたいの
図書館2
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え!?!?!?
な、なんですと!?!?!?
遂に私は幻聴まで聞こえるようになったのか。
多分、きっと、これは気のせいですね、アレンくんに誘われたとか夢ですね。
だってあり得ない。あってはいけないこと。
「ははは、本日も美しいですね!
アレンくんさすが神に愛されてるよ!
ではでは、またね!」
と笑い声が出てきてしまった。
そして困惑して、お馴染みの定型文。
何がなんだかわからない。
リリアナ混乱しています。
回れ右。駆け足。
とは、いきませんよね。
だいたいここは図書館だし、学校だし走ったら注意される。走ったらバタバタと騒がしくなるし。他の生徒に申し訳ない。
うむ、回れ右早歩き。
これなら平気ですね。
って現実逃避辞めないと。
それとアレンくんから本を取り返してない。
もう1度くるっと向きを変えてアレンくんの手にある本を取ろうとしたが、ひょいと上に移動した。
え!?!?!?
なんですか!?!?!?
こんな日に限ってコミュニケーション取ろうとしますね。私は1人でエッチな夢や妄想についての調べものをしたいのに邪魔されてる。アレンくん、君はとてつもなく美しく傅きたくなる。けれども、最近の私は妙だから今は接触したくないのです。
それにアレンくんは私のことをシカトして、虫ケラを見るような目で蔑む。それがデフォルトではなかったのですか?
まあ、そこまで酷くは無かった。流石に普通盛りから大盛りにしてしまった。ファミリーレストランのライスで例えてる。
ただ私は、少なくともアレンくんの前では自分の存在感は薄く感じてたよ。
もう半透明人間。立ち位置お化け。
リリアナお化け、リリアナアレンくん褒め褒めお化け。
ここ1ヶ月ぐらい変だよ。アレンくん。
私も変なんですけどね。私は元から変か。
エッチ妄想って、もしかして妄想した相手と妄想された相手と仲良くなるお呪いか何かなのか。多分違う。だってアイドルのファンは別にアイドルと仲良くなってない。
枕営業とか何だとか妙に悲しいものを耳にすることはあるけど、でも大半は違う。
アイドルに対して何も知らないのに彼女や彼らのことを貶すようなことを考えてしまった。人として最低である。
色々煩雑なことを考えてしまった。
とりあえずまずは本を取り返します。
もう1度取ろうと手を伸ばす。
けど、届かない。
伸ばす。届かない。伸ばす。届かない。
ジャンプする。その場で跳ねる。跳ねながら手を伸ばす。ダメダメダメダメダメ。
1人振り回されて、なんだか悔しい。
そしに司書さんが多分そろそろ注意しに来てしまう。図書館で飛び跳ねる女とか見苦しすぎる。
ここは私が大人になろう。落ち着こう。
深呼吸をして、アレンくんの顔を見上げると満面の笑みを浮かべていた。
ムッと目を見つめる。
やっぱり悔しい。
本当に本当に悔しい。
でも、こんな素敵男子が私に意地悪をするなんてご褒美でしかない。爽やかな少女漫画にもなりそうな場面。ほんのりトキメイてしまうよ。
はっ!
こんな感情も持つなんて、ファン失格。私はアレンくんの崇拝者なんだ。距離を取らないと。
しかもアレンくんのこと睨んでしまった。
やることはただ1つ。アレンくんのことを褒めて距離を取る。彼の前から去る。お馴染みの行動をするだけ。
「そ、そんなに読みたいならアレンくんに譲るよ!アレンくんは世界で1番素敵だからその本はアレンくんに読まれた方が嬉しいと思う。
またね!」
今度こそ必ずそのまま図書館から出ようと、ひらひらと手を振った後しっかりとした足取りで歩き始めた。
「待って待って、
一緒に魔族について調べない?
って誘ったのにリリアナさん返事くれてないよ」
リリアナさん
ドキドキドキドキドキドキ
心臓が変な音を立てる。
やっぱり誘いは幻聴じゃなかった。
そして、初めて名前呼ばれた。
全身が熱くなっていく、なんだこの感覚は、まるで"性行為"の時のよう。
熱い熱い熱い。
フルフルと頭を左右に揺らした。
しっかりして、私。
それよりもどう断ればいい。
思い付いた。
「勉強もそうだけど、調べ物も、1人でした方が集中出来るから効率良くない?」
キリッとした表情をする。
勘弁してください、心の底から思う。
憧れの人であり、邪な思いを抱いてはいけないのに見かける度に濡れちゃいそうになる人と共同作業とか色んな意味で拷問だ。
そんな状態での調べ物とか、アレンくんのこと襲ってしまわないか不安でならない。無意識のうちにキスとかしてしまうかも知れない。
私、別にレイプしたい願望とかないです。
男性がレイプされることをメイル・レイプと言うらしいけど、とりあえずこんな美しい青年に消えない傷を残したいとは思わない。別に彼が美しい青年でなくても、他者に対して性的な嫌がらせはしたくない。
それに襲わなくても、指一本触れなくても、触れないからこそ酷く消耗しそうだ。
一緒に調べ物は良くない。
何が何でも断ろう。アレンくんの危なくないストーカーとしての地位を保つためにもこれ以上関わってはいけない。
調べ物なんてしたらアレンくんの知らなかった面も知ってしまう。
アレンくん情報は必要最低限、交流も必要最低限。コミュニケーションは挨拶程度に留める。全て必要最低限。
うんうん、とまた自己完結した。
な、なんですと!?!?!?
遂に私は幻聴まで聞こえるようになったのか。
多分、きっと、これは気のせいですね、アレンくんに誘われたとか夢ですね。
だってあり得ない。あってはいけないこと。
「ははは、本日も美しいですね!
アレンくんさすが神に愛されてるよ!
ではでは、またね!」
と笑い声が出てきてしまった。
そして困惑して、お馴染みの定型文。
何がなんだかわからない。
リリアナ混乱しています。
回れ右。駆け足。
とは、いきませんよね。
だいたいここは図書館だし、学校だし走ったら注意される。走ったらバタバタと騒がしくなるし。他の生徒に申し訳ない。
うむ、回れ右早歩き。
これなら平気ですね。
って現実逃避辞めないと。
それとアレンくんから本を取り返してない。
もう1度くるっと向きを変えてアレンくんの手にある本を取ろうとしたが、ひょいと上に移動した。
え!?!?!?
なんですか!?!?!?
こんな日に限ってコミュニケーション取ろうとしますね。私は1人でエッチな夢や妄想についての調べものをしたいのに邪魔されてる。アレンくん、君はとてつもなく美しく傅きたくなる。けれども、最近の私は妙だから今は接触したくないのです。
それにアレンくんは私のことをシカトして、虫ケラを見るような目で蔑む。それがデフォルトではなかったのですか?
まあ、そこまで酷くは無かった。流石に普通盛りから大盛りにしてしまった。ファミリーレストランのライスで例えてる。
ただ私は、少なくともアレンくんの前では自分の存在感は薄く感じてたよ。
もう半透明人間。立ち位置お化け。
リリアナお化け、リリアナアレンくん褒め褒めお化け。
ここ1ヶ月ぐらい変だよ。アレンくん。
私も変なんですけどね。私は元から変か。
エッチ妄想って、もしかして妄想した相手と妄想された相手と仲良くなるお呪いか何かなのか。多分違う。だってアイドルのファンは別にアイドルと仲良くなってない。
枕営業とか何だとか妙に悲しいものを耳にすることはあるけど、でも大半は違う。
アイドルに対して何も知らないのに彼女や彼らのことを貶すようなことを考えてしまった。人として最低である。
色々煩雑なことを考えてしまった。
とりあえずまずは本を取り返します。
もう1度取ろうと手を伸ばす。
けど、届かない。
伸ばす。届かない。伸ばす。届かない。
ジャンプする。その場で跳ねる。跳ねながら手を伸ばす。ダメダメダメダメダメ。
1人振り回されて、なんだか悔しい。
そしに司書さんが多分そろそろ注意しに来てしまう。図書館で飛び跳ねる女とか見苦しすぎる。
ここは私が大人になろう。落ち着こう。
深呼吸をして、アレンくんの顔を見上げると満面の笑みを浮かべていた。
ムッと目を見つめる。
やっぱり悔しい。
本当に本当に悔しい。
でも、こんな素敵男子が私に意地悪をするなんてご褒美でしかない。爽やかな少女漫画にもなりそうな場面。ほんのりトキメイてしまうよ。
はっ!
こんな感情も持つなんて、ファン失格。私はアレンくんの崇拝者なんだ。距離を取らないと。
しかもアレンくんのこと睨んでしまった。
やることはただ1つ。アレンくんのことを褒めて距離を取る。彼の前から去る。お馴染みの行動をするだけ。
「そ、そんなに読みたいならアレンくんに譲るよ!アレンくんは世界で1番素敵だからその本はアレンくんに読まれた方が嬉しいと思う。
またね!」
今度こそ必ずそのまま図書館から出ようと、ひらひらと手を振った後しっかりとした足取りで歩き始めた。
「待って待って、
一緒に魔族について調べない?
って誘ったのにリリアナさん返事くれてないよ」
リリアナさん
ドキドキドキドキドキドキ
心臓が変な音を立てる。
やっぱり誘いは幻聴じゃなかった。
そして、初めて名前呼ばれた。
全身が熱くなっていく、なんだこの感覚は、まるで"性行為"の時のよう。
熱い熱い熱い。
フルフルと頭を左右に揺らした。
しっかりして、私。
それよりもどう断ればいい。
思い付いた。
「勉強もそうだけど、調べ物も、1人でした方が集中出来るから効率良くない?」
キリッとした表情をする。
勘弁してください、心の底から思う。
憧れの人であり、邪な思いを抱いてはいけないのに見かける度に濡れちゃいそうになる人と共同作業とか色んな意味で拷問だ。
そんな状態での調べ物とか、アレンくんのこと襲ってしまわないか不安でならない。無意識のうちにキスとかしてしまうかも知れない。
私、別にレイプしたい願望とかないです。
男性がレイプされることをメイル・レイプと言うらしいけど、とりあえずこんな美しい青年に消えない傷を残したいとは思わない。別に彼が美しい青年でなくても、他者に対して性的な嫌がらせはしたくない。
それに襲わなくても、指一本触れなくても、触れないからこそ酷く消耗しそうだ。
一緒に調べ物は良くない。
何が何でも断ろう。アレンくんの危なくないストーカーとしての地位を保つためにもこれ以上関わってはいけない。
調べ物なんてしたらアレンくんの知らなかった面も知ってしまう。
アレンくん情報は必要最低限、交流も必要最低限。コミュニケーションは挨拶程度に留める。全て必要最低限。
うんうん、とまた自己完結した。
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