2 / 24
2話 優しい人たち
しおりを挟む
「おいおい。噂に聞いてたけど、まさか本当にこんな使えないやつがいるとはな」
「それな。マジでウケるんだけど」
「ガキにしても、見た目がマシなら、風俗で働けたかもしれねぇのによ。こいつ、この見た目だもんな」
「力もない、頭も悪い、見た目も悪い、こりゃ確実にいつかの垂れ死ぬぜ」
「あ、あの、いつまでこの荷物もってればいいですか?」
「あ?俺がいいって言うまでに決まってんだろ」
「見ろよこいつ!もう足がブルブル震えてやがるぜ!」
「ダァーハッハッハ」
冒険者ギルドの一角。そこで、僕は雇われて、芸のようなことをやらされていた。芸と言っても、僕をおちょくるだけおちょくって、散々おもちゃにして笑うだけなんだけど。
彼らが言う通り、僕は、力も、知能も、見た目の良さすら弟に吸収されてしまった。体も、3年前の追放され、何もかも吸収された8歳の時の枯れ木のような体から、身長も体重も見た目すらも変化していない。付いたあだ名は、腐った枯れ枝。棒切れ。そして、最弱。
何をしても全くもって成長性が見られないことから、僕は、興味本位で連れ回されることが多く、この町一帯では、もはや名物のようになっていた。
道行く、自分より年下の子供たちからは石を投げられることもしばしば。大人たちからは鼻を摘まれ、また、物乞いからは有名になった僕へのあてつけのように、嫌がらせを受ける。唯一の僕の居場所となっている冒険者ギルドでは、毎日過酷な暴力ショーが開催され、それに何とか耐える、時には耐えきれず大怪我をして、無理やりポーションで直されて何も無かったことにされ、金を握らされて黙らせられる。そんな、尊厳が一切無いような日々を送っていた。
僕の噂を聞きつけ、この前大陸でも名のある高名な鑑定士が、僕を見に来てくれたこともあった。何か呪いがかけられてるのではないかと。
結果、僕が返って無能であることが周知されるだけに終わり、扱いはますます酷くなるだけであった。
この前も、有名な冒険者一行が、僕を見て、
「見ろ。あれが選ばれなかった人間と言うやつだ」
「私だったらとっくのとうに自殺してるわ」
「生き恥を晒してまで、よく生きてられるな。一思いに殺してやった方がいいんじゃないか?」
なんて会話をされ、僕はあまりの恐怖に尿を漏らしたこともあった。あの時の周りのバカにするような喧騒は、今でも忘れられない。その出来事は、最強と最弱の会合として、お笑いとして吟遊詩人に語り継がれる程になっている。
もはや、僕は生きるだけの価値がないのかもしれない。そんなことを思い始めた矢先のことだった。
「君、一緒に奈落のダンジョンに行かないか?」
いつも僕に対して静観を決め込んでいる、最近そこそこ有名になり始めているパーティ、銀狼の血が、話しかけてきた。
「な、奈落って、世界屈指の巨大で最難関レベルのダンジョンじゃないですか!!」
「ああ。僕達も最近行けるようになったんだが、もしかしたら、君を強くするアイテムが見つかるかもしれない」
「で、でも……」
「一生そのまま過ごすつもりなのか?」
「うっ……」
思い返してみると、酷い思い出しかない。それも全て、僕に力が無かったことが原因だ。生きる価値が無いと最近思い始めた矢先の事だったので、僕は、意を決してついていくことに決める。
「あ、あの。僕は何も出来ないし、守ってもらうだけですけど
、よろしくお願いします」
「ああ。よろしく」
「よろしくね。フォードくん」
バカにしてこないのは彼らくらいのものだったので、口々に挨拶して握手をしてくる彼らを、僕は完全に信用しきっていた。ひとまずその場では別れ、何故か明日の夜、人気のない裏路地で待ち合わせすることになった。そして翌日の夜、集合し、奈落のダンジョンへ向かうことになった。
この時は、あんなことになるなんて、僕は想像ずらしていなかった。
「それな。マジでウケるんだけど」
「ガキにしても、見た目がマシなら、風俗で働けたかもしれねぇのによ。こいつ、この見た目だもんな」
「力もない、頭も悪い、見た目も悪い、こりゃ確実にいつかの垂れ死ぬぜ」
「あ、あの、いつまでこの荷物もってればいいですか?」
「あ?俺がいいって言うまでに決まってんだろ」
「見ろよこいつ!もう足がブルブル震えてやがるぜ!」
「ダァーハッハッハ」
冒険者ギルドの一角。そこで、僕は雇われて、芸のようなことをやらされていた。芸と言っても、僕をおちょくるだけおちょくって、散々おもちゃにして笑うだけなんだけど。
彼らが言う通り、僕は、力も、知能も、見た目の良さすら弟に吸収されてしまった。体も、3年前の追放され、何もかも吸収された8歳の時の枯れ木のような体から、身長も体重も見た目すらも変化していない。付いたあだ名は、腐った枯れ枝。棒切れ。そして、最弱。
何をしても全くもって成長性が見られないことから、僕は、興味本位で連れ回されることが多く、この町一帯では、もはや名物のようになっていた。
道行く、自分より年下の子供たちからは石を投げられることもしばしば。大人たちからは鼻を摘まれ、また、物乞いからは有名になった僕へのあてつけのように、嫌がらせを受ける。唯一の僕の居場所となっている冒険者ギルドでは、毎日過酷な暴力ショーが開催され、それに何とか耐える、時には耐えきれず大怪我をして、無理やりポーションで直されて何も無かったことにされ、金を握らされて黙らせられる。そんな、尊厳が一切無いような日々を送っていた。
僕の噂を聞きつけ、この前大陸でも名のある高名な鑑定士が、僕を見に来てくれたこともあった。何か呪いがかけられてるのではないかと。
結果、僕が返って無能であることが周知されるだけに終わり、扱いはますます酷くなるだけであった。
この前も、有名な冒険者一行が、僕を見て、
「見ろ。あれが選ばれなかった人間と言うやつだ」
「私だったらとっくのとうに自殺してるわ」
「生き恥を晒してまで、よく生きてられるな。一思いに殺してやった方がいいんじゃないか?」
なんて会話をされ、僕はあまりの恐怖に尿を漏らしたこともあった。あの時の周りのバカにするような喧騒は、今でも忘れられない。その出来事は、最強と最弱の会合として、お笑いとして吟遊詩人に語り継がれる程になっている。
もはや、僕は生きるだけの価値がないのかもしれない。そんなことを思い始めた矢先のことだった。
「君、一緒に奈落のダンジョンに行かないか?」
いつも僕に対して静観を決め込んでいる、最近そこそこ有名になり始めているパーティ、銀狼の血が、話しかけてきた。
「な、奈落って、世界屈指の巨大で最難関レベルのダンジョンじゃないですか!!」
「ああ。僕達も最近行けるようになったんだが、もしかしたら、君を強くするアイテムが見つかるかもしれない」
「で、でも……」
「一生そのまま過ごすつもりなのか?」
「うっ……」
思い返してみると、酷い思い出しかない。それも全て、僕に力が無かったことが原因だ。生きる価値が無いと最近思い始めた矢先の事だったので、僕は、意を決してついていくことに決める。
「あ、あの。僕は何も出来ないし、守ってもらうだけですけど
、よろしくお願いします」
「ああ。よろしく」
「よろしくね。フォードくん」
バカにしてこないのは彼らくらいのものだったので、口々に挨拶して握手をしてくる彼らを、僕は完全に信用しきっていた。ひとまずその場では別れ、何故か明日の夜、人気のない裏路地で待ち合わせすることになった。そして翌日の夜、集合し、奈落のダンジョンへ向かうことになった。
この時は、あんなことになるなんて、僕は想像ずらしていなかった。
1
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
魚夢ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
至れり尽くせり!僕専用メイドの全員が溺愛してくる件
こうたろ
青春
普通の大学生・佐藤健太は目覚めると、自宅が豪華な洋館に変わり10人の美人メイドたちに「お目覚めですか、ご主人様?」と一斉に迎えられる。いつの間にか彼らの“専属主人”になっていた健太は戸惑う間もなく、朝から晩までメイドたちの超至れり尽くせりな奉仕を受け始める。
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
クラス転移したからクラスの奴に復讐します
wrath
ファンタジー
俺こと灞熾蘑 煌羈はクラスでいじめられていた。
ある日、突然クラスが光輝き俺のいる3年1組は異世界へと召喚されることになった。
だが、俺はそこへ転移する前に神様にお呼ばれし……。
クラスの奴らよりも強くなった俺はクラスの奴らに復讐します。
まだまだ未熟者なので誤字脱字が多いと思いますが長〜い目で見守ってください。
閑話の時系列がおかしいんじゃない?やこの漢字間違ってるよね?など、ところどころにおかしい点がありましたら気軽にコメントで教えてください。
追伸、
雫ストーリーを別で作りました。雫が亡くなる瞬間の心情や死んだ後の天国でのお話を書いてます。
気になった方は是非読んでみてください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる