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7話 逃亡した先に……
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穴に続く道から飛び出してきた魔物は、巨大なワニだった。クリスタルが発光し、ワニの体から煙が吸収されていくが、ワニは物ともしない様子でこちらに向かってくる。
「まずいな……」
こちらに大口を開けて向かってくるワニの側面に素早く回り込もうとするが、ワニは体を素早くしならせ、口先を動かし、僕に食らいつく。
すんでの所でワニの口が閉じないよう、両腕で抑え込むことに成功する。
「力は互角ってところか……って、うわあッ」
ワニは力を抑え込まれたことに腹を立てたのか、そのまま体を前進させてきた。このままでは壁にぶつかる。そう思い、僕は敢えて抑えていたワニの口を、腕が挟まれないように思い切り力任せに閉じさせ、そのまま上に乗るようにしてワニのくちばしにしがみついた。
壁に激突するワニ。その衝撃で、僕も壁に身を投げ出される。僕が体制を崩している内に、ワニは素早く壁から嘴を抜き、こちらに向かってくる。
「クソ……一旦逃げるか」
ワニは再び大口を開けて突進してくる。その時、ワニが出てきた反対側の通路から、別の魔物がゆっくりと這い出てくる。甲羅から頭と手足を出し、ゆっくりと動くそれは、亀そのものだった。
僕は、すぐさまその亀の方に方向転換し、走り出す。そして、亀が反応するより先に、その横を通り抜け、少しした所で後ろを振り返る。すると、ワニが亀の甲羅に齧りついているところだった。
甲羅に微塵も傷がついていないあたり、しばらく追ってこないだろうと踏んだ僕は、そのまま走り抜ける。
しばらく走っていると、別の大きな広場に出た。見たことない魔物は沢山いるが、隠れる場所も多かったので、一先ずそこに隠れた。
岩場の陰から、広場の中心を除くと、そこでも魔物が争っていた。
僕が今まで食らってきたのと同じ魔物の集団と、少し大きめな熊の魔物だった。そして、僕はあるものを見つける。魔物同士が争っている後に、虹色に輝く宝箱がある。
僕は思わず唾を飲み込む。あれを魔物に気づかれないように手に入れられないだろうか。僕は忍足で、岩陰から岩陰へと身を移し、少しずつ近づいていく。そして、宝箱の後ろの岩陰までたどり着いた頃には、熊の魔物が圧勝し、ミノタウロスのような体と、いろんな生物の頭を持った魔物たち、ミノタウロスもどきの集団の死体を食べ始めた。今がチャンスかもしれない。そう思った矢先、あることが気になる。熊の魔物が、死体から出てきた魔石までガリガリと音を立てながら食べていたのだ。
魔物の習性的には、魔物は魔物の死体を食べ、魔石は残すと言われている。だから冒険者にとって、魔物同士で争ってくれれば、魔石だけ手に入れられるとして喜ばれるのだが……。
最下層の魔物は違うのだろうか。そんなことを考えながら、ゆっくりと宝箱の前まで来たその時、熊が急に後ろを振り返った。
「しまった!」
熊の魔物が食事を中断し、威嚇するように雄叫びを上げた。
「まずいな……」
こちらに大口を開けて向かってくるワニの側面に素早く回り込もうとするが、ワニは体を素早くしならせ、口先を動かし、僕に食らいつく。
すんでの所でワニの口が閉じないよう、両腕で抑え込むことに成功する。
「力は互角ってところか……って、うわあッ」
ワニは力を抑え込まれたことに腹を立てたのか、そのまま体を前進させてきた。このままでは壁にぶつかる。そう思い、僕は敢えて抑えていたワニの口を、腕が挟まれないように思い切り力任せに閉じさせ、そのまま上に乗るようにしてワニのくちばしにしがみついた。
壁に激突するワニ。その衝撃で、僕も壁に身を投げ出される。僕が体制を崩している内に、ワニは素早く壁から嘴を抜き、こちらに向かってくる。
「クソ……一旦逃げるか」
ワニは再び大口を開けて突進してくる。その時、ワニが出てきた反対側の通路から、別の魔物がゆっくりと這い出てくる。甲羅から頭と手足を出し、ゆっくりと動くそれは、亀そのものだった。
僕は、すぐさまその亀の方に方向転換し、走り出す。そして、亀が反応するより先に、その横を通り抜け、少しした所で後ろを振り返る。すると、ワニが亀の甲羅に齧りついているところだった。
甲羅に微塵も傷がついていないあたり、しばらく追ってこないだろうと踏んだ僕は、そのまま走り抜ける。
しばらく走っていると、別の大きな広場に出た。見たことない魔物は沢山いるが、隠れる場所も多かったので、一先ずそこに隠れた。
岩場の陰から、広場の中心を除くと、そこでも魔物が争っていた。
僕が今まで食らってきたのと同じ魔物の集団と、少し大きめな熊の魔物だった。そして、僕はあるものを見つける。魔物同士が争っている後に、虹色に輝く宝箱がある。
僕は思わず唾を飲み込む。あれを魔物に気づかれないように手に入れられないだろうか。僕は忍足で、岩陰から岩陰へと身を移し、少しずつ近づいていく。そして、宝箱の後ろの岩陰までたどり着いた頃には、熊の魔物が圧勝し、ミノタウロスのような体と、いろんな生物の頭を持った魔物たち、ミノタウロスもどきの集団の死体を食べ始めた。今がチャンスかもしれない。そう思った矢先、あることが気になる。熊の魔物が、死体から出てきた魔石までガリガリと音を立てながら食べていたのだ。
魔物の習性的には、魔物は魔物の死体を食べ、魔石は残すと言われている。だから冒険者にとって、魔物同士で争ってくれれば、魔石だけ手に入れられるとして喜ばれるのだが……。
最下層の魔物は違うのだろうか。そんなことを考えながら、ゆっくりと宝箱の前まで来たその時、熊が急に後ろを振り返った。
「しまった!」
熊の魔物が食事を中断し、威嚇するように雄叫びを上げた。
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