落ちこぼれ、どん底に落とされて覚醒する〜奈落の底に落とされ、最強の肉体を手に入れる〜

七転大起

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12話 魔王

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赤紫のクリスタルを全て吸収した俺は、体から溢れてくる力に自分で驚いていた。

「この力があれば、なんでも出来そうだ……」

筋肉質なその体には赤黒い幾何学的なものと不規則な線が入り乱れ、見るものを引き付け、圧倒するようなオーラがあった。

そうして、力を確かめるように己の手のひらを開閉してると、突如その空間に穴が開く。

「だ、だれじゃ!!ワシの力を吸収したバカモノは!?」

穴から現れたのは、長い白髪に、半透明の俺と同じような模様を青い体に付けた幼女だった。

「誰だ?」

「我は魔王だ!魔物よ、ひれ伏すがいい!」

魔王と名乗る幼女がそう言うと、突然、体にものすごい重圧がかかる。辛うじて立っているのが限界で、俺はすぐさまその幼女が敵であると認識した。
やがて、立つこともままならなくなり、膝を着き、頭を地に着ける。
本当に魔王だったのか……!?

「よしよし。これで妾の力が……ん?あれ?」

頭上で魔王がなにかしているようだが、頭が下がっているので見えない。

「何!?我の力が、完全に適合しているだと!?それに、この反応、一応人間でもあったのか……」

すると、重圧が解けたので、魔王から急いで距離をとる。

「本当に厄介なことをしてくれたのう……お主」
「悪いな。この力は渡せない……」

そう言うと魔王は余裕な笑みを浮かべながら、こんなことを言い始める。

「なあお主、我に使われてみてるのはどうじゃ?」
「使う……だと?」
「見たところ、人間であった頃は呪いか何かで力を奪われたのじゃろう?」
「……」
「お主の復讐、手伝ってやろう。見たところ、縁のある復讐者は、勇者の陣営、聖剣士の素質があるらしいしのう」
「な、何故それを!?」
「まあ、元々お主の力だったようじゃが、お主もワシの力を奪った。同類じゃ」
「ッ……」

俺が魔王の様子を伺っていると。魔王は急に自分の手を、どこからか現れたナイフで切り裂いた。

「何を……!?」
「飲め」

俺は必死に抵抗しようとするが、体が動かなくなる。そして、口の中に魔王の体液を注がれる。

「うぐぅ……ぐはぁっ」

途端に、魔王との回路が通ったような感覚があった。今まで体の中で暴れそうなほどの力が漲っていたのが、急に統率が取れて、制御できるようになった。

「魔法に関しては、我が直々に教えてやろう」
「……」

ひとまず、強くなれるのなら利用しない手は無い。俺は一時的に魔王に従うことにした。

それから、赤紫のクリスタルがあった場所で、ひたすら魔王から魔法の手ほどきを受けた。
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