悪役令嬢ですが、ヒロインが大好きなので助けてあげてたら、その兄に溺愛されてます!?

柊 来飛

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検診

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 また椅子に座り、エヴェレットは私の体を見る。
 私の前で片膝を立て、私の足をじっと見る。何だかとても恥ずかしい。

「あ、あの…」

「何だ」

 エヴェレットは私の足から目を離さず返事をする。これがまだタイツを履いているなら良いのだが、運動をするということで今日はタイツではなく、短い靴下を履いてきてしまった。
 つまり、今私は生足を見られていることになる。ここだけ聞くと、犯罪チックな感じになってしまうが、今回は決してそんなことではないから誤解しないでほしい。

「そ、そんなに見られると、恥ずかしいです…」

「よく見ないと駄目だろう」

「そ、それはそう…なんですけど」

 私の言葉は届かず、エヴェレットは私の足を自分の足の上に乗せる。
 何だか、ガラスの靴を履く時のシンデレラになった気分だ。
 私の足首を掴み、慎重な手つきで足を見て行く。指が足の上を滑り、くすぐったい。

「ふ、ふぁ、」

 つい声が出てしまう。「我慢しろ」と言われたが、くすぐったいものはくすぐったい。

 エヴェレットの手はふくらはぎから太ももへ移って行く。外側はまだ良いのだが、内腿を触られるとビクリと肩が跳ねてしまう。

「ん、んんっ、エ、エヴェレット様っ、も、そこはだ、大丈夫ですので、」

「………確かに、足は…大丈夫そうだな…」

 相変わらず目を離さずにぶつぶつと言う。心配してくれているのに、声を上げてしまって申し訳ない。

「じゃ、じゃあもう…」

「腕を見てないだろ」

「だ、大丈夫です!ほら!どこも傷なんて…」

 パッと腕を前に出しエヴェレットに見せる。が、それがいけなかった。
 片方の腕をガシリと掴まれた後、本当に隅々まで見られた。
 な、何でそんなに見るのだろう。一目見れば分かるのに。
 エヴェレットは私の手首を掴むと、ボソリと一言言う。

「細い…」

「?、エヴェレット様?」

「………なんでもない。ほら、顔を見せろ」

「え!?」

 か、顔!?顔なんて怪我してないぞ!?だって私はエリーの前には出たけれど、反射的に自分の頭は守っていたし、落ちてきたサーベルの角度的にも当たってないはずだ。

「顔は怪我してません!なので見る必要は…」

 私は両腕で顔を隠すが、いとも簡単に腕は振り払われてしまう。
 端麗な顔がすぐ目の前にある。後少しで鼻の先が触れそうだ。
 キリッとしたアーモンド型の瞳に私の姿が映っている。
 見つめていると、その碧眼の瞳に吸い込まれそうになる。

「いいから。後、首の傷も確かめておきたい」

 首…、首の傷なら、そうか。昨日のガーゼから変えてないから、私も今どうなっているか知らない。でも多分、結構ふさがっている気がする。

「ガーゼ外すぞ。新しいのに変える」

「それなら私1人でも…」

「俺がやった方が早い」

 私が次の言葉を言おうとする間に、エヴェレットは首のガーゼを外して状態を見る。
 傷近くを触られる。痛くはないが、くすぐったい。

「んっ…、」

「痛くないか」

「だ、大丈夫です。ただ、少し、くすぐったい…です、」

「痛くないなら大丈夫だな」

 くすぐったいと言った私の言葉は華麗に無視され、新しいガーゼを貼られる。
 エヴェレットはそのガーゼを指でなぞり、そして止まる。

「……?エヴェレット様…?」

 どうしたのだろうか。私が問いかけると、エヴェレットは少しの沈黙の後、神妙な声色で口を開いた。



 「レイア。少し、聞いて欲しいことがある」
 




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