悪役令嬢ですが、ヒロインが大好きなので助けてあげてたら、その兄に溺愛されてます!?

柊 来飛

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食事場

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 食事場に着くと、少し時間が空いただけなのに、先程とは比べ物にならないくらい混んでいた。

「ひ、人が多いですね…」

「まだ空いてるほうだぞ」

 これで空いている方なのか。混んでいる時はどんな感じなのだ。その名の通り、箱詰め状態なのだろうか。

「ほら!ここは戦場ですよ、早い者勝ちなんです!お肉が無くなっちゃう!」

 ペガサスはもうすでにお盆とお皿を手に持っている。私もそれを手にして、順番に回る。

 ペガサスは先に行き、その付き添いでユニコーンも行ってしまった。私は今エヴェレットと一緒だ。

「何が欲しい?取るぞ」

「えっと…。あ、あのサラダが欲しいです」

 エヴェレットは身長があるため腕も長い。
 ヒョイっと軽々しくサラダを取ってくれる。

「他は?」

「んー…。エヴェレット様のお勧めはありますか?」

「そうだな…。俺は普通に白米が好きだ。ここの米は美味しい」
 
 随分とシンプルな回答が来た。しかし、それだけ美味しいのだろう。

「じゃあ私もお米食べます」

「ん、じゃあ米に合うおかずを探すか」

 一通り終わり、何処に座ろうかと見渡すと、もうペガサスとユニコーンは席についていた。丁度隣が空いていたので、そこに私とエヴェレットも座る。

「やっぱりリーダーは白米なんですね!レイアお嬢さんも白米…って、りょ、量どうしたんですか…?ぐ、具合でも悪いんですか?」

 私の料理は、サラダと量が少なめの白米と味噌汁。そして、小さめの焼き魚に漬物だ。

「これがコイツの通常だ。いや、今回は多いんだっけか」

 エヴェレットは大盛りの白米に味噌汁、そして、数個の大きい揚げ物と生姜焼きだ。

「は、はい。昨日の夜から何も食べていませんでしたから、とても楽しみです」

「は?お前、昨日の夜何も食ってないのか?食ってないのに外出て襲われて、そのままなのか?」

「あっ、」

 まずい!非常にまずい!!食べてないことサラっと言っちゃった!
 エヴェレットは、最近私を気にかけてくれる。食事も抜くなと散々言われたのに。
 なのに、食事を抜かした、しかも昨日からずっと!
 そんなこと知られたら言われるか分からない!

「ち、違うんです。昨日の夜は食欲が無くて。それで、朝は食べる時間なかったし、昼は事情聴取だったから…」

「今日の2食は分かる。俺も食べてないからな。だが、昨日からなのか?昨日から何にも口にしてないと?」

「い、今、口にします」

「いつか本当に栄養失調で死ぬぞお前…」

 エヴェレットが頭を大きく抱える。ペガサスもすごく心配してくれている。
 そこに入ってきたのはユニコーンだった。

「まぁ、リリー嬢は女性の中でも小柄な方です。それに、多く食べ過ぎても体に悪いですからね。自分の好きに食べればよろしいかと、私は思います」

 ユニコーンが助太刀をする。エヴェレットとペガサスは、それもそうだという顔になるが、やはり納得言っていない様子だ。これだけの量で足りる私の体を、本当に理解できないのだろう。

「いや、レイアお嬢さんがそれで良いなら良いんですけど…。やっぱり少な過ぎますよ」

 そう言うペガサスは、白米にパン、パスタにステーキ、スープにグラタンなど、様々な料理を大盛りによそっている。
 一方、助太刀してくれたユニコーンは、多めのサラダにササミの料理。そして冷やしうどんだ。私よりは多いが、エヴェレットとペガサスに比べたら格段に少ない。
 もしかしたら、ユニコーンはこちら寄りなのかもしれない。それでも多いけど。

 美味しいご飯を食べていると、段々と人が集まってきて、騒がしくなってきた。これは料理人も大変だろうな。
 そう思っていると、何やら大きな声が聞こえてくる。

「おーう、ならよ、ここは正々堂々ジャンケンでどっちがこれ取るか決めようぜ!」

「望むところだ!」

 何やら料理をかけたジャンケンらしい。何だか給食みたいだ。

「ここは食事場。みんなが集まり分け隔てなく、楽しく交流する場所だ。そんなところで殴り合いの喧嘩なんて御法度だ。だから、ここでは何かを決める時はジャンケンがルールなんだ」

「そうなんですね…」

 ガタイの良い人たちが拳を握り、ギラギラと目を光らせやる事が、ジャンケンとは。とても拍子抜けするが、微笑ましい。

「だあああ負けたああああ!」

「よっしゃあああ!!」

 とても楽しそうだ。そういえば、エヴェレット達はジャンケンをやったことがあるのだろうか。
 それが伝わったのか、エヴェレットは口を開く。

「俺はあるぞ。白米を賭けてな」

「俺もありますよ!俺の場合はステーキです!」

「私は無いですね。すぐに譲ってしまうので」

 ペガサスやユニコーンは大体想像が付いたが、エヴェレットもやったことがあるのか。しかも白米。それだけ白米が好きなんだ。

 ご飯をお腹いっぱい食べ終わると、時間は午後6時半を差していた。

「早いがもうそろそろ風呂も開くだろう。アルフィー、レイアを頼むぞ」

「了解、リーダー」

 アルフィーは軽い敬礼をすると、私を部屋まで送ってくれた。

「リリー嬢、今晩のお風呂はいつお入りになりますか?その時間にお召し物を持って伺います」

「えっと……。じゃあ、7時半で」

「かしこまりました」

 そう言って、アルフィーは去っていく。何だか相手が男性だと気恥ずかしいな。

 そう思いながらも、アルフィーの心遣いに感謝をしながら私は時間を潰した。
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