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誤解
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約束の7時半になると、ドアがノックされる。
「リリー嬢、お召し物を持ってきました。サイズは大丈夫でしょうか?」
ユニコーンから渡された服を広げてみると、私がいつも着ている服よりは大きかったが、寝巻きだからこのくらいが丁度良いだろう。
「はい。ありがとうございます」
「では、お風呂場まで案内したします」
ユニコーンも服を持っていたので、同時に入ってしまうのだろう。
お風呂場に着くと、ユニコーンもこちらに入ってくる。
「えっ、、あっ、ユニコーン様」
「リリー嬢、どうされましたか?」
「いえ、、あ、あの…。も、もうここまででも…」
ここは女湯だし、いくら頼まれたからと言ってここまでついてくるのは私のみならず、本人も気まずいだろう。
「……やはり、ですね」
「?、な、、何の事でしょうか…?」
ユニコーンは自分の服をロッカーに押し込むと、服を脱ぎ始める。
「ユッ、ユニコーン様!?」
バッと上の服を脱ぐと、胸には包帯が巻かれていた。いわゆる、晒しというものだ。
「………え?」
「申し訳ありません、リリー嬢。実は私、女なのです」
眉を下げて謝罪をするユニコーンに目に、私は瞬きひとつして、この状況をようやく理解する。
「う、わあああ!!」
私は目を手で覆い隠して後ろを向く。
「す、、すみません!!!見てないです!!いや、見ました!見ましたけど、見てないです!すみません!!気づかなくて!!」
「いえ。私も、敢えてあのような格好をしているのです。分からなくて当然です。言うのが遅くなり、申し訳ありません」
ノロノロと振り返ると、そこには背の高い、スレンダーな女性がいた。
いや、声は男性にしては高い方だと思った。でも、女性にしては低いし、背は男性の中でも高い。それに、男装されていたのか。通りで少しブカブカな服だったのだ。体のラインが分からないようにしているのだろう。
厳格な性格なのになぜ服はキッチリとしていないのか、疑問を持つべきだった。
「さあ、リリー嬢。誤解も解けたことですし、入りましょう。お背中流します」
そう言って、ユニコーンはどんどん服を脱いでいく。私が1番上の服を脱ぎ終わるころには全て脱ぎ終わっていた。
私も全て服を脱ぎ終わると、一緒に浴場に入る。ここにいるのは私とユニコーンだけで、貸切状態だ。
ユニコーンが私の背中を流し、私もユニコーンの背中を流す。
髪を一纏めにして湯に浸かると、一気に緊張が解ける。
「はあああ~」
「リリー嬢、今日はお疲れでしょう。ゆっくり休んでください」
ユニコーンはこのときでもキッチリとしている。油断も隙もない。いつ休んでいるのだろうか。
先程まで気づかなかったが、言われてみれば女性の顔立ちをしている。
体も鍛えられてはいるが、線は細く、女性特有のしなやかさと柔らかさを持っている。白い肌に漆黒の髪が映え、随分と色めかしい。
その姿に見惚れていると、ユニコーンはコホンとわざとらしく咳をする。
「…あの、リリー嬢、そんなに見られると、居た堪れません…」
「す、すみませんっ、あまりに綺麗だったので…」
思わず本心を口にすると、ユニコーンは上品に笑う。
「リリー嬢の方がお綺麗ですよ」
「そ、そんなこと…」
こんなことをサラリと言ってしまえるユニコーンはさぞかしモテるだろう。
「これでは、リーダーがリリー嬢を気にかけるのも無理ありませんね」
「エヴェレット様は、いつもそうではないのですか?」
「いえ。少なくとも、あんなに他人を気にかけていたのは初めて見ました。リリー嬢はリーダーにとって、特別な存在なのですね」
特別な、存在。
私は、誰かにとって、そんな存在になれているのだろうか。
もしそうだとしたら、それはとても嬉しい。
「そういえば、ユニコーン様が女性だということは、エヴェレット様は知っていらっしゃるのですか?」
「ええ。そうではないと、リリー嬢の世話を私には任せません。リーダーの他には、ペガサスと、後は上の者が知っていますね。私の性別を知らない者の方が多いですが」
「ペガサス様も知っているのですね…。ペガサス様とは、仲はよろしいのですか?」
「………良い奴だとは思っています。しかし、いい加減なところが目立ちます。秘密も守れないし、すぐ顔に出るし」
聞くと、ユニコーンとペガサスは同期で、かなりの時間を一緒に過ごしてきたらしい。
私は気になっていたことを聞く。
「……そ、その、ユニコーン様は、エヴェレット様のこと、好きですか?その、恋人にしたいとか、その意味で」
「?、いえ。リーダーのことは尊敬していますが、その目で見たことは無いです。もしかして、リリー嬢…」
「ご、誤解です!私なんかがエヴェレット様をなんて、そんな…」
ブクブクと顔半分を湯に沈める。
そうだ、私なんかが、エヴェレットに。
でも…。少し、安心した。
何故だろうか。
その想いの名前を、今の私は知らなかった。
「リリー嬢、お召し物を持ってきました。サイズは大丈夫でしょうか?」
ユニコーンから渡された服を広げてみると、私がいつも着ている服よりは大きかったが、寝巻きだからこのくらいが丁度良いだろう。
「はい。ありがとうございます」
「では、お風呂場まで案内したします」
ユニコーンも服を持っていたので、同時に入ってしまうのだろう。
お風呂場に着くと、ユニコーンもこちらに入ってくる。
「えっ、、あっ、ユニコーン様」
「リリー嬢、どうされましたか?」
「いえ、、あ、あの…。も、もうここまででも…」
ここは女湯だし、いくら頼まれたからと言ってここまでついてくるのは私のみならず、本人も気まずいだろう。
「……やはり、ですね」
「?、な、、何の事でしょうか…?」
ユニコーンは自分の服をロッカーに押し込むと、服を脱ぎ始める。
「ユッ、ユニコーン様!?」
バッと上の服を脱ぐと、胸には包帯が巻かれていた。いわゆる、晒しというものだ。
「………え?」
「申し訳ありません、リリー嬢。実は私、女なのです」
眉を下げて謝罪をするユニコーンに目に、私は瞬きひとつして、この状況をようやく理解する。
「う、わあああ!!」
私は目を手で覆い隠して後ろを向く。
「す、、すみません!!!見てないです!!いや、見ました!見ましたけど、見てないです!すみません!!気づかなくて!!」
「いえ。私も、敢えてあのような格好をしているのです。分からなくて当然です。言うのが遅くなり、申し訳ありません」
ノロノロと振り返ると、そこには背の高い、スレンダーな女性がいた。
いや、声は男性にしては高い方だと思った。でも、女性にしては低いし、背は男性の中でも高い。それに、男装されていたのか。通りで少しブカブカな服だったのだ。体のラインが分からないようにしているのだろう。
厳格な性格なのになぜ服はキッチリとしていないのか、疑問を持つべきだった。
「さあ、リリー嬢。誤解も解けたことですし、入りましょう。お背中流します」
そう言って、ユニコーンはどんどん服を脱いでいく。私が1番上の服を脱ぎ終わるころには全て脱ぎ終わっていた。
私も全て服を脱ぎ終わると、一緒に浴場に入る。ここにいるのは私とユニコーンだけで、貸切状態だ。
ユニコーンが私の背中を流し、私もユニコーンの背中を流す。
髪を一纏めにして湯に浸かると、一気に緊張が解ける。
「はあああ~」
「リリー嬢、今日はお疲れでしょう。ゆっくり休んでください」
ユニコーンはこのときでもキッチリとしている。油断も隙もない。いつ休んでいるのだろうか。
先程まで気づかなかったが、言われてみれば女性の顔立ちをしている。
体も鍛えられてはいるが、線は細く、女性特有のしなやかさと柔らかさを持っている。白い肌に漆黒の髪が映え、随分と色めかしい。
その姿に見惚れていると、ユニコーンはコホンとわざとらしく咳をする。
「…あの、リリー嬢、そんなに見られると、居た堪れません…」
「す、すみませんっ、あまりに綺麗だったので…」
思わず本心を口にすると、ユニコーンは上品に笑う。
「リリー嬢の方がお綺麗ですよ」
「そ、そんなこと…」
こんなことをサラリと言ってしまえるユニコーンはさぞかしモテるだろう。
「これでは、リーダーがリリー嬢を気にかけるのも無理ありませんね」
「エヴェレット様は、いつもそうではないのですか?」
「いえ。少なくとも、あんなに他人を気にかけていたのは初めて見ました。リリー嬢はリーダーにとって、特別な存在なのですね」
特別な、存在。
私は、誰かにとって、そんな存在になれているのだろうか。
もしそうだとしたら、それはとても嬉しい。
「そういえば、ユニコーン様が女性だということは、エヴェレット様は知っていらっしゃるのですか?」
「ええ。そうではないと、リリー嬢の世話を私には任せません。リーダーの他には、ペガサスと、後は上の者が知っていますね。私の性別を知らない者の方が多いですが」
「ペガサス様も知っているのですね…。ペガサス様とは、仲はよろしいのですか?」
「………良い奴だとは思っています。しかし、いい加減なところが目立ちます。秘密も守れないし、すぐ顔に出るし」
聞くと、ユニコーンとペガサスは同期で、かなりの時間を一緒に過ごしてきたらしい。
私は気になっていたことを聞く。
「……そ、その、ユニコーン様は、エヴェレット様のこと、好きですか?その、恋人にしたいとか、その意味で」
「?、いえ。リーダーのことは尊敬していますが、その目で見たことは無いです。もしかして、リリー嬢…」
「ご、誤解です!私なんかがエヴェレット様をなんて、そんな…」
ブクブクと顔半分を湯に沈める。
そうだ、私なんかが、エヴェレットに。
でも…。少し、安心した。
何故だろうか。
その想いの名前を、今の私は知らなかった。
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