73 / 76
答え
しおりを挟む
私は笑いながら言う。
「エヴェレット様は私を好きでないのは分かっています。しかし、私のこの想いは本物です」
エヴェレットは止まったままだ。
「エヴェレット様、ですから、私相手でもあまり距離感を間違えてはダメですよ。勘違いしてしまいます」
ちゃんと笑顔を作れているだろうか。胸が途轍もなく痛い。ズキリとした胸を押さえ、私は立ち上がる。スカートの裾を持ち、頭を下げる。
「エヴェレット様、ありがとうございました。その、エリーとは交流を続けるつもりですが、エヴェレット様にこれ以上言い寄ったりしませんので」
「…そうか」
エヴェレットは立ち上がり、私に問いかける。
「距離感を間違えるなと言ったな」
「?、はい」
「勘違いするからと。好きでなければ、距離を取れと」
「は、はい。そう、言いました」
「では、その意があったら距離を詰めても良いのか?」
「そ、それは、い、良いのではないでしょうか…」
好きな人にアピールすることは悪い事ではない。誰でも、好きな人とはお近づきになりたいものだ。
「そうか」
すると、エヴェレットはコチラにズイッと近づく。私は後退りしようとするが、その前にエヴェレットが背中に手を回してそれを出来なくする。
「エ、エヴェレット様、」
「何だ?」
「あの、きょ、距離を、」
「お前が言ったんだろ、その意があれば、距離を詰めて良いと」
「……え?」
今度は私が止まっていると、エヴェレットはため息をつく。
「お前、いくらなんでも鈍感すぎないか?」
「え、あの、」
「お前が好きだ、レイア」
真っ直ぐな瞳で言われる。私は少し考えた後、体が一気に熱くなる。血が全てが蒸発してしまいそうだ。心臓が煩く鼓動して、全身に力が入らない。
「え、えゔぇれっと、さま、」
「大好きなんだ。お前だから距離を詰める。他の奴にはこんな事しない。恥ずかしいことだが、お前の反応が可愛くて悪戯だってしてしまう」
エヴェレットは少し目を伏せてバツが悪そうに言う。
「か、、かわ…」
「誰だって、好きな奴が照れてる姿なんて可愛いと思うだろ。しかも、自分のことで顔を赤くしているなんてこれ以上嬉しいことなんてない」
エヴェレットは少し耳を赤くしながら吐き捨てるように言う。
「レイア、俺の婚約者になってくれるか?」
「こ、婚約者!?」
すごいステップを飛ばした気がする。婚約者ってもっとステップを踏むものじゃないのか?いやでも、縁談を持ってきてそれを受けたら婚約者って感じだから、いいのか?ん?よく分からない。
「婚約者と言っても、ただの男女の付き合いだ。すぐに籍を入れる訳じゃない」
「で、でも、籍を入れる前提でお付き合いをするのですよね?」
「そうだが?」
「エ、エヴェレット様は私とご結婚したいと思うのですか?」
「お前は違うのか?」
「えっ!?い、いえ…」
エヴェレットと結婚なんて想像ができないが、好きな人とそこまでの関係になれたらどれほど嬉しいだろうか。しかし、
「私は、誰かを愛することも、愛されたことも無いのです。そんな私で、良いのですか?」
エリーのことは好きだ。しかしそれは恋愛感情とは違うし、家族に向けるような愛では無い。こんな私よりも、ずっとエヴェレットに似合う素敵な女性はいるはずだ。
「これから知れば良い。俺が全て教える」
「えっ」
サラリとエヴェレットは言う。何でそんなことを言ってしまえるのか。
「で、でも!エヴェレットが思っているより私は面倒くさいですし、その、途中で嫌になるかも…」
「それでも良い。お前の全てを教えてくれ。俺の全てを教えるから」
エヴェレットは私の耳に髪をかけ、優しい顔で言う。愛のこもった瞳で私を見つめて微笑む。
「はぅ…」
その顔にわたしは思わず下を向く。口からは意味を持った言葉にならない言葉が流れ出るだけだ。
「レイア、お前の気持ちは?」
下を向いたままじゃ不敬だ。せめて目をみて言おうと視線を上げる。息を吸って、一音一音確かめるように言葉を紡ぐ。
「……わ、私も、エヴェレット様が好きです。こ、、こんな私で良いのなら、喜んで、その申し出、お受けします」
しっかり目をみて言うと、エヴェレットは嬉しそうに目を細める。
「ああ、こんなに嬉しい日は初めてだ」
エヴェレットは私を優しく抱きしめる。私もおずおずとエヴェレットの背中に手を回す。
「これからよろしく、俺の婚約者」
「エヴェレット様は私を好きでないのは分かっています。しかし、私のこの想いは本物です」
エヴェレットは止まったままだ。
「エヴェレット様、ですから、私相手でもあまり距離感を間違えてはダメですよ。勘違いしてしまいます」
ちゃんと笑顔を作れているだろうか。胸が途轍もなく痛い。ズキリとした胸を押さえ、私は立ち上がる。スカートの裾を持ち、頭を下げる。
「エヴェレット様、ありがとうございました。その、エリーとは交流を続けるつもりですが、エヴェレット様にこれ以上言い寄ったりしませんので」
「…そうか」
エヴェレットは立ち上がり、私に問いかける。
「距離感を間違えるなと言ったな」
「?、はい」
「勘違いするからと。好きでなければ、距離を取れと」
「は、はい。そう、言いました」
「では、その意があったら距離を詰めても良いのか?」
「そ、それは、い、良いのではないでしょうか…」
好きな人にアピールすることは悪い事ではない。誰でも、好きな人とはお近づきになりたいものだ。
「そうか」
すると、エヴェレットはコチラにズイッと近づく。私は後退りしようとするが、その前にエヴェレットが背中に手を回してそれを出来なくする。
「エ、エヴェレット様、」
「何だ?」
「あの、きょ、距離を、」
「お前が言ったんだろ、その意があれば、距離を詰めて良いと」
「……え?」
今度は私が止まっていると、エヴェレットはため息をつく。
「お前、いくらなんでも鈍感すぎないか?」
「え、あの、」
「お前が好きだ、レイア」
真っ直ぐな瞳で言われる。私は少し考えた後、体が一気に熱くなる。血が全てが蒸発してしまいそうだ。心臓が煩く鼓動して、全身に力が入らない。
「え、えゔぇれっと、さま、」
「大好きなんだ。お前だから距離を詰める。他の奴にはこんな事しない。恥ずかしいことだが、お前の反応が可愛くて悪戯だってしてしまう」
エヴェレットは少し目を伏せてバツが悪そうに言う。
「か、、かわ…」
「誰だって、好きな奴が照れてる姿なんて可愛いと思うだろ。しかも、自分のことで顔を赤くしているなんてこれ以上嬉しいことなんてない」
エヴェレットは少し耳を赤くしながら吐き捨てるように言う。
「レイア、俺の婚約者になってくれるか?」
「こ、婚約者!?」
すごいステップを飛ばした気がする。婚約者ってもっとステップを踏むものじゃないのか?いやでも、縁談を持ってきてそれを受けたら婚約者って感じだから、いいのか?ん?よく分からない。
「婚約者と言っても、ただの男女の付き合いだ。すぐに籍を入れる訳じゃない」
「で、でも、籍を入れる前提でお付き合いをするのですよね?」
「そうだが?」
「エ、エヴェレット様は私とご結婚したいと思うのですか?」
「お前は違うのか?」
「えっ!?い、いえ…」
エヴェレットと結婚なんて想像ができないが、好きな人とそこまでの関係になれたらどれほど嬉しいだろうか。しかし、
「私は、誰かを愛することも、愛されたことも無いのです。そんな私で、良いのですか?」
エリーのことは好きだ。しかしそれは恋愛感情とは違うし、家族に向けるような愛では無い。こんな私よりも、ずっとエヴェレットに似合う素敵な女性はいるはずだ。
「これから知れば良い。俺が全て教える」
「えっ」
サラリとエヴェレットは言う。何でそんなことを言ってしまえるのか。
「で、でも!エヴェレットが思っているより私は面倒くさいですし、その、途中で嫌になるかも…」
「それでも良い。お前の全てを教えてくれ。俺の全てを教えるから」
エヴェレットは私の耳に髪をかけ、優しい顔で言う。愛のこもった瞳で私を見つめて微笑む。
「はぅ…」
その顔にわたしは思わず下を向く。口からは意味を持った言葉にならない言葉が流れ出るだけだ。
「レイア、お前の気持ちは?」
下を向いたままじゃ不敬だ。せめて目をみて言おうと視線を上げる。息を吸って、一音一音確かめるように言葉を紡ぐ。
「……わ、私も、エヴェレット様が好きです。こ、、こんな私で良いのなら、喜んで、その申し出、お受けします」
しっかり目をみて言うと、エヴェレットは嬉しそうに目を細める。
「ああ、こんなに嬉しい日は初めてだ」
エヴェレットは私を優しく抱きしめる。私もおずおずとエヴェレットの背中に手を回す。
「これからよろしく、俺の婚約者」
363
あなたにおすすめの小説
有能女官の赴任先は辺境伯領
たぬきち25番
恋愛
お気に入り1000ありがとうございます!!
お礼SS追加決定のため終了取下げいたします。
皆様、お気に入り登録ありがとうございました。
現在、お礼SSの準備中です。少々お待ちください。
辺境伯領の当主が他界。代わりに領主になったのは元騎士団の隊長ギルベルト(26)
ずっと騎士団に在籍して領のことなど右も左もわからない。
そのため新しい辺境伯様は帳簿も書類も不備ばかり。しかも辺境伯領は王国の端なので修正も大変。
そこで仕事を終わらせるために、腕っぷしに定評のあるギリギリ貴族の男爵出身の女官ライラ(18)が辺境伯領に出向くことになった。
だがそこでライラを待っていたのは、元騎士とは思えないほどつかみどころのない辺境伯様と、前辺境伯夫妻の忘れ形見の3人のこどもたち(14歳男子、9歳男子、6歳女子)だった。
仕事のわからない辺境伯を助けながら、こどもたちの生活を助けたり、魔物を倒したり!?
そしていつしか、ライラと辺境伯やこどもたちとの関係が変わっていく……
※お待たせしました。
※他サイト様にも掲載中
我儘令嬢なんて無理だったので小心者令嬢になったらみんなに甘やかされました。
たぬきち25番
恋愛
「ここはどこですか?私はだれですか?」目を覚ましたら全く知らない場所にいました。
しかも以前の私は、かなり我儘令嬢だったそうです。
そんなマイナスからのスタートですが、文句はいえません。
ずっと冷たかった周りの目が、なんだか最近優しい気がします。
というか、甘やかされてません?
これって、どういうことでしょう?
※後日談は激甘です。
激甘が苦手な方は後日談以外をお楽しみ下さい。
※小説家になろう様にも公開させて頂いております。
ただあちらは、マルチエンディングではございませんので、その関係でこちらとは、内容が大幅に異なります。ご了承下さい。
タイトルも違います。タイトル:異世界、訳アリ令嬢の恋の行方は?!~あの時、もしあなたを選ばなければ~
折角転生したのに、婚約者が好きすぎて困ります!
たぬきち25番
恋愛
ある日私は乙女ゲームのヒロインのライバル令嬢キャメロンとして転生していた。
なんと私は最推しのディラン王子の婚約者として転生したのだ!!
幸せすぎる~~~♡
たとえ振られる運命だとしてもディラン様の笑顔のためにライバル令嬢頑張ります!!
※主人公は婚約者が好きすぎる残念女子です。
※気分転換に笑って頂けたら嬉しく思います。
短めのお話なので毎日更新
※糖度高めなので胸やけにご注意下さい。
※少しだけ塩分も含まれる箇所がございます。
《大変イチャイチャラブラブしてます!! 激甘、溺愛です!! お気を付け下さい!!》
※他サイト様にも公開始めました!
悪役令嬢ですが、当て馬なんて奉仕活動はいたしませんので、どうぞあしからず!
たぬきち25番
恋愛
気が付くと私は、ゲームの中の悪役令嬢フォルトナに転生していた。自分は、婚約者のルジェク王子殿下と、ヒロインのクレアを邪魔する悪役令嬢。そして、ふと気が付いた。私は今、強大な権力と、惚れ惚れするほどの美貌と身体、そして、かなり出来の良い頭を持っていた。王子も確かにカッコイイけど、この世界には他にもカッコイイ男性はいる、王子はヒロインにお任せします。え? 当て馬がいないと物語が進まない? ごめんなさい、王子殿下、私、自分のことを優先させて頂きまぁ~す♡
※マルチエンディングです!!
コルネリウス(兄)&ルジェク(王子)好きなエンディングをお迎えください m(_ _)m
2024.11.14アイク(誰?)ルートをスタートいたしました。
楽しんで頂けると幸いです。
※他サイト様にも掲載中です
【完結済】私、地味モブなので。~転生したらなぜか最推し攻略対象の婚約者になってしまいました~
降魔 鬼灯
恋愛
マーガレット・モルガンは、ただの地味なモブだ。前世の最推しであるシルビア様の婚約者を選ぶパーティーに参加してシルビア様に会った事で前世の記憶を思い出す。 前世、人生の全てを捧げた最推し様は尊いけれど、現実に存在する最推しは…。 ヒロインちゃん登場まで三年。早く私を救ってください。
転生先がヒロインに恋する悪役令息のモブ婚約者だったので、推しの為に身を引こうと思います
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
【だって、私はただのモブですから】
10歳になったある日のこと。「婚約者」として現れた少年を見て思い出した。彼はヒロインに恋するも報われない悪役令息で、私の推しだった。そして私は名も無いモブ婚約者。ゲームのストーリー通りに進めば、彼と共に私も破滅まっしぐら。それを防ぐにはヒロインと彼が結ばれるしか無い。そこで私はゲームの知識を利用して、彼とヒロインとの仲を取り持つことにした――
※他サイトでも投稿中
(本編完結)無表情の美形王子に婚約解消され、自由の身になりました! なのに、なんで、近づいてくるんですか?
水無月あん
恋愛
本編は完結してます。8/6より、番外編はじめました。よろしくお願いいたします。
私は、公爵令嬢のアリス。ピンク頭の女性を腕にぶら下げたルイス殿下に、婚約解消を告げられました。美形だけれど、無表情の婚約者が苦手だったので、婚約解消はありがたい! はれて自由の身になれて、うれしい! なのに、なぜ、近づいてくるんですか? 私に興味なかったですよね? 無表情すぎる、美形王子の本心は? こじらせ、ヤンデレ、執着っぽいものをつめた、ゆるゆるっとした設定です。お気軽に楽しんでいただければ、嬉しいです。
前世で私を嫌っていた番の彼が何故か迫って来ます!
ハルン
恋愛
私には前世の記憶がある。
前世では犬の獣人だった私。
私の番は幼馴染の人間だった。自身の番が愛おしくて仕方なかった。しかし、人間の彼には獣人の番への感情が理解出来ず嫌われていた。それでも諦めずに彼に好きだと告げる日々。
そんな時、とある出来事で命を落とした私。
彼に会えなくなるのは悲しいがこれでもう彼に迷惑をかけなくて済む…。そう思いながら私の人生は幕を閉じた……筈だった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる