64 / 132
止められない想い
動画
しおりを挟む
学校に登校すると、何だかチラチラと見られる。何だろうか。
教室に入ると、クラスに居た子達が此方に向かってくる。男女どちらとも居て、何だか神妙な顔つきだ。
「あ、あの、烏坂さんっ。その、荷物置いたらで良いからさ、ちょっとこっち来てくれない?」
クラスの男子にそう言われる。僕は頷いて、荷物を置いてすぐにその子の元に向かった。その子の元には、今クラスにいる子たち全員が集まっている。
「そのさ、昨日告白された?」
「えっ、なっ、…何で知って…」
「やっぱり。ねぇ、この動画知ってる?」
告白されたこと自体は別に隠す気も無いので認めるが、本当に何故知っているのだろう。男の子はスマホを操作して、僕にスマホ画面を見せる。そこには、昨日の罰ゲームでの告白場面が映っていた。
しかし、映っていたのは前半だけで、後の罰ゲームだと言うことは有耶無耶にされていた。
「その…昨日この動画が回ってきてさ。いや、俺は保存はしたけど回してないよ?ただ、その……結構、この学年に回ってるらしくてさ」
「うん。私の方にも来たし、ここにいる人全員に来てる」
「そう…なんだ、」
なんでこの動画を回したのだろうか。もしも僕が告白を受けたのなら、罰ゲームの告白を真に受ける奴とか、そういうので馬鹿に出来る。
しかし、今回は僕は振ったのだ。振られた動画を出してどうするのだ?
「それで……。俺、この動画を直接撮ってた?奴に貰ったんだけど…。ここまでしか撮ってないけど、後で烏坂さんが酷い振り方してたって聞いて……」
「………あー、そういうこと…」
ここで僕の嘘のことを流して、僕を孤立させようとしているのか。そもそも、僕は昔から孤立してたし、あの事件の噂によく根の葉もない尾鰭がついたものだ。
「でも、でもさ!烏坂さん、アイツと仲良かった…?アイツは本気で告白したって言ってたけどさ、なんか…。これ……、適当というか…、照れてる?感じでもないし…」
「私は信じないよ。夕ちゃんがそんなことするわけないでしょ」
「そうそう。だから今日烏坂さんが来る前に集まったみんなで聞こう思ってて。どんな感じだったの?いや、ごめん。プライバシーだよね。でも、これが嘘だったら言って欲しい」
真っ直ぐな目で見られる。
言ったところで、信じてくれるのだろうか。僕には証拠がない。それに、言われたことも事実だ。でも…。みんななら…。
「………振った、のは事実」
僕が口を開くと、みんなはスマホの操作一つしない。
「でね、それ、罰ゲームだったらしくって。僕、それに気づいたから振ったんだ。いや、気づいてなくても、多分振ってたけど」
「罰ゲームだったの!?マジで!?」
「ほら言ったじゃん!きっと罰ゲームだよって!!夕ちゃんと特に仲良くないでしょアイツ!」
「えっと、それでねっ。その人凄い女子から人気でしょ?だから、断られるって思ってなかったらしくって。断ったら、色々言われちゃった」
「その……、な、何て言われたか、聞いても……?」
「施設育ちのくせにとか、チョロそうだから選んだのに、図太いとか。顔と体は良いって言われたんだけどね」
僕は自嘲的な表情で言う。すると、男子たちは慌てて、女子たちは怒りの声を上げる。
「まっ、烏坂さん!!それあんま言わない方がいい!顔はともかく、身体が良いはやばい!!」
「信じらんない!!!何アイツ!?気にしなくて良いからね!?顔と身体は良いのにとか、付き合ったら無理やりヤる予定とかだったじゃないの!?断って正解だよそれ!」
「?、え?体、駄目なの?や、やるって?」
僕が疑問の声を上げると、みんなは目を見合わせる。そして、気まずそうに口を開く。
「えー、あー、その……。身体が良いは…す、スタイル?そう、スタイルが良いってこと!!」
「ヤるはアレだよ、えっと……。ほら、男子、パス」
「いやそれは女子同士のお前が言えよ!俺ら嫌だよ!!別にここで言っても気にしないから!!教えてあげなよ!」
「スタイルが良い…。それ、僕結構言っちゃってるんだけど、駄目…なのか」
「あ、、いや、その…。ただのスタイルが良いとかじゃなくて、その……」
僕がまだ疑問に思っていると、さっき話していた女の子が僕に耳打ちする。
「体が良いの体は〈身体〉が良いってことで、それは性的な今でいいってこと。だから、スタイルが良いも含まれるけど、ただ単にアイツは、夕ちゃんの身体がエッチだなって思ってる」
僕はそれを聞いてゾワリと何かが背中を駆け上がる。無理やり、とさっき言っていた。それが本当なら、僕が前体験したようなことが起こる可能性があったのか?
「それで、、、ヤるって言うのは、性的な行為のことだよ。授業で習ったような」
そこまで聞いて僕はようやく理解した。とても触れ辛いデリケートな話だ。そりゃみんな気まずい。
「ご、ごめん…。僕、本当に何も知らなくて。ちゃ、ちゃんと授業は聞いてるよ?その…避妊しなさいとか、ちゃんとした関係を持ってから、とか。でも、そういうのは、経験がなくて…」
「待って!言わないで良いよ!うん!」
みんなから盛大なストップが入る。僕がアワアワしていると、パンと男子が手を叩く。
「とにかく!烏坂さんはただ振っただけで、酷いこと言ったのはアイツだった。おーけ?そうだよね、烏坂さん」
「う、うん…」
「わかった!何か聞かれたらそう答えてね、俺らもそうするから。後、言われたこと気にしなくて良いよ。少なくとも、俺らはそんなこと思ってないし」
「あ、ありがとう」
このクラスの人はみんな優しい。僕は本当に人に恵まれている。僕を本当に知ってくれる人がいる。それは、とても心強かった。
教室に入ると、クラスに居た子達が此方に向かってくる。男女どちらとも居て、何だか神妙な顔つきだ。
「あ、あの、烏坂さんっ。その、荷物置いたらで良いからさ、ちょっとこっち来てくれない?」
クラスの男子にそう言われる。僕は頷いて、荷物を置いてすぐにその子の元に向かった。その子の元には、今クラスにいる子たち全員が集まっている。
「そのさ、昨日告白された?」
「えっ、なっ、…何で知って…」
「やっぱり。ねぇ、この動画知ってる?」
告白されたこと自体は別に隠す気も無いので認めるが、本当に何故知っているのだろう。男の子はスマホを操作して、僕にスマホ画面を見せる。そこには、昨日の罰ゲームでの告白場面が映っていた。
しかし、映っていたのは前半だけで、後の罰ゲームだと言うことは有耶無耶にされていた。
「その…昨日この動画が回ってきてさ。いや、俺は保存はしたけど回してないよ?ただ、その……結構、この学年に回ってるらしくてさ」
「うん。私の方にも来たし、ここにいる人全員に来てる」
「そう…なんだ、」
なんでこの動画を回したのだろうか。もしも僕が告白を受けたのなら、罰ゲームの告白を真に受ける奴とか、そういうので馬鹿に出来る。
しかし、今回は僕は振ったのだ。振られた動画を出してどうするのだ?
「それで……。俺、この動画を直接撮ってた?奴に貰ったんだけど…。ここまでしか撮ってないけど、後で烏坂さんが酷い振り方してたって聞いて……」
「………あー、そういうこと…」
ここで僕の嘘のことを流して、僕を孤立させようとしているのか。そもそも、僕は昔から孤立してたし、あの事件の噂によく根の葉もない尾鰭がついたものだ。
「でも、でもさ!烏坂さん、アイツと仲良かった…?アイツは本気で告白したって言ってたけどさ、なんか…。これ……、適当というか…、照れてる?感じでもないし…」
「私は信じないよ。夕ちゃんがそんなことするわけないでしょ」
「そうそう。だから今日烏坂さんが来る前に集まったみんなで聞こう思ってて。どんな感じだったの?いや、ごめん。プライバシーだよね。でも、これが嘘だったら言って欲しい」
真っ直ぐな目で見られる。
言ったところで、信じてくれるのだろうか。僕には証拠がない。それに、言われたことも事実だ。でも…。みんななら…。
「………振った、のは事実」
僕が口を開くと、みんなはスマホの操作一つしない。
「でね、それ、罰ゲームだったらしくって。僕、それに気づいたから振ったんだ。いや、気づいてなくても、多分振ってたけど」
「罰ゲームだったの!?マジで!?」
「ほら言ったじゃん!きっと罰ゲームだよって!!夕ちゃんと特に仲良くないでしょアイツ!」
「えっと、それでねっ。その人凄い女子から人気でしょ?だから、断られるって思ってなかったらしくって。断ったら、色々言われちゃった」
「その……、な、何て言われたか、聞いても……?」
「施設育ちのくせにとか、チョロそうだから選んだのに、図太いとか。顔と体は良いって言われたんだけどね」
僕は自嘲的な表情で言う。すると、男子たちは慌てて、女子たちは怒りの声を上げる。
「まっ、烏坂さん!!それあんま言わない方がいい!顔はともかく、身体が良いはやばい!!」
「信じらんない!!!何アイツ!?気にしなくて良いからね!?顔と身体は良いのにとか、付き合ったら無理やりヤる予定とかだったじゃないの!?断って正解だよそれ!」
「?、え?体、駄目なの?や、やるって?」
僕が疑問の声を上げると、みんなは目を見合わせる。そして、気まずそうに口を開く。
「えー、あー、その……。身体が良いは…す、スタイル?そう、スタイルが良いってこと!!」
「ヤるはアレだよ、えっと……。ほら、男子、パス」
「いやそれは女子同士のお前が言えよ!俺ら嫌だよ!!別にここで言っても気にしないから!!教えてあげなよ!」
「スタイルが良い…。それ、僕結構言っちゃってるんだけど、駄目…なのか」
「あ、、いや、その…。ただのスタイルが良いとかじゃなくて、その……」
僕がまだ疑問に思っていると、さっき話していた女の子が僕に耳打ちする。
「体が良いの体は〈身体〉が良いってことで、それは性的な今でいいってこと。だから、スタイルが良いも含まれるけど、ただ単にアイツは、夕ちゃんの身体がエッチだなって思ってる」
僕はそれを聞いてゾワリと何かが背中を駆け上がる。無理やり、とさっき言っていた。それが本当なら、僕が前体験したようなことが起こる可能性があったのか?
「それで、、、ヤるって言うのは、性的な行為のことだよ。授業で習ったような」
そこまで聞いて僕はようやく理解した。とても触れ辛いデリケートな話だ。そりゃみんな気まずい。
「ご、ごめん…。僕、本当に何も知らなくて。ちゃ、ちゃんと授業は聞いてるよ?その…避妊しなさいとか、ちゃんとした関係を持ってから、とか。でも、そういうのは、経験がなくて…」
「待って!言わないで良いよ!うん!」
みんなから盛大なストップが入る。僕がアワアワしていると、パンと男子が手を叩く。
「とにかく!烏坂さんはただ振っただけで、酷いこと言ったのはアイツだった。おーけ?そうだよね、烏坂さん」
「う、うん…」
「わかった!何か聞かれたらそう答えてね、俺らもそうするから。後、言われたこと気にしなくて良いよ。少なくとも、俺らはそんなこと思ってないし」
「あ、ありがとう」
このクラスの人はみんな優しい。僕は本当に人に恵まれている。僕を本当に知ってくれる人がいる。それは、とても心強かった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
屈辱と愛情
守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
俺様上司に今宵も激しく求められる。
美凪ましろ
恋愛
鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。
蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。
ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。
「おまえの顔、えっろい」
神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。
――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。
敏腕SEの優しすぎる独占愛
春咲さゆ
恋愛
仕事も恋愛も、兎に角どん底の毎日だった。
あの日、あの雨の夜、貴方に出逢うまでは。
「終わらせてくれたら良かったのに」
人生のどん底にいた、26歳OL。
木崎 茉莉 ~kisaki matsuri~
×
「泣いたらいいよ。傍にいるから」
雨の日に現れた、30歳システムエンジニア。
藤堂 柊真 ~Todo Syuma~
雨の夜の出会いがもたらした
最高の溺愛ストーリー。
ダブル シークレットベビー ~御曹司の献身~
菱沼あゆ
恋愛
念願のランプのショップを開いた鞠宮あかり。
だが、開店早々、植え込みに猫とおばあさんを避けた車が突っ込んでくる。
車に乗っていたイケメン、木南青葉はインテリアや雑貨などを輸入している会社の社長で、あかりの店に出入りするようになるが。
あかりには実は、年の離れた弟ということになっている息子がいて――。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる