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止められない想い
18歳の誕生日
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夏が過ぎて秋が来た。
秋は好きだ。母が好きな季節だったし、夕焼けも綺麗。前はそれだけの理由だったが、今は一つ増えた。
それは、
「夕、ハッピーバースデー」
「うわぁ!!」
急に後ろから声をかけられる。いつもはドアを開けたらそこにいる形式だったため、不意を突かれた。
「ふふふ、サプライズ大成功」
にんまりと口角を上げて彩葉が言う。その顔が、ドヤ顔の猫の顔みたいで可愛くて笑ってしまう。
「夕、プレゼント」
そう言って彩葉はプレゼントをくれる。彩葉は一年生から三年生までずっとプレゼントをくれた。秋限定のお菓子が多くて、中には人気でなかなか手に入らないお菓子もあった。今回も、その例だ。
「あれ、これ人気のやつじゃん!」
「近くのコンビニに売ってたよ。まだ沢山あった」
彩葉は淡々と言う。最初は僕に変な気を使わせないように嘘をついていると思っていたが、なかなか手に入らなかった時は普通にそのことを話したので、特に嘘はついていない。
「ありがとう、彩葉」
「私も貰ってるからお互い様」
僕もクラスメイトの誕生日にはプレゼントをあげている。
僕は最初、何で僕なんかにプレゼントをくれるのかが不思議でたまらなかったが、今ならわかる。
ただ単純に嬉しいのだ。誰かの記念日が。プレゼントをあげて、喜ぶ顔が。
ただ、それだけ。それだけだか、それにはどんな宝石も叶わない価値がある。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「ただいま」
「先生!おかえりなさい!」
僕はエプロン姿のまま先生を出迎える。先生の手にはケーキの箱が。
「誕生日おめでとう、烏坂」
「はい!!」
ケーキの箱を受けってすぐに冷蔵庫の中に入れる。ケーキの種類は、夕飯後のお楽しみだ。
ご飯を食べていると、先生が口を開く。
「そういや、もう18なのか」
「はい、18歳になりました!」
僕は今日18歳になった。もう選挙にも行けるし、クレジットカードも作れる。世間的にはもう大人なのだ。
「もう大人の仲間入りです!」
「めでたいことだな」
そう言って先生はワインを飲む。いつも夕飯時は飲まないのだが、僕が今日くらいは好きに食べて飲んで欲しいと言った。
すると、先生は「バースデーガールの言うことなら」と、貰ったと言っていたワインを取り出した。
何だか梱包から高そうなワインだった。ワインの種類については何も分からないが、赤ワインだ。それだけしか分からない。
「ワインと先生、似合いますね」
「何だそれ」
先生は顔を顰めるが、本当に似合っている。大人の余裕というか、色気というか。着ている服はただの白のワイシャツで、上二つのボタンは空いているのに、すごく上品に見える。
いや、先生に似合わないものの方が少ないのだが。
「烏坂、手を出してくれ」
「はい?」
「誕生日プレゼントだ」
ポンと手に置かれたのは小さな細長い箱。とても綺麗な箱で、細かい絵が描かれている。蓋を開けると、何なら見覚えはある形が見える。
「こ、これって…」
「18で、大人の仲間入りなんだろ?」
僕の手元には、口紅があった。
「か、買ったん、ですか?」
「盗むわけねぇだろ、捕まるぞ」
いや、先生が窃盗したとかそんなことを思ったわけではない。
こんな大きな男の人が女性の化粧品売り場にいたら、さぞかし目立つだろう。いや、彼女へのプレゼントを選んでるとして見られているから別に良いのか?僕、先生の彼女じゃないけど。
「初めて手に取りました…。凄い、凄いですね…、」
この口紅、僕でもわかる。高いやつだ。梱包から凄かったし、本体も凄い。細かいところまで手を抜いていないデザインで、口紅本体にも細かくデザインがされている。使うのが勿体無いくらいだ。
色は真っ赤な赤色。よく見る色だ。とても綺麗。それしか感想が出てこない。
「後で塗って先生に見せますね」
「楽しみにしている」
今はご飯中だからか塗るのは控えた方がいいだろう。僕は口紅を箱に戻すと、先生は僕をじっと見る。
「せ、先生?」
「もう、18なのか。早いな、時の流れは」
先生はしみじみと言う。
「そうでしょうか?僕は遅いと感じます」
先生と会って、本当色々なことがあった。前の僕では考えられないなど、目の回る生活で、とても楽しかった。こんな生活が待っているなんて、出来るなんて、昔の僕が知ったらどんな反応をするのだろうか。
ずるいと思うだろう。羨ましいとか言って、怒って、悲しむかな。いや、意外と冷たい反応もしそうだ。そもそも、信じなさそうだ。
昔の自分を俯瞰して考える。思えば、僕はすごく変わった。それは、先生の影響だ。
「烏坂」
「何でしょうか?」
「ー生まれてきてくれて、ありがとう」
母以外に、初めて言われた言葉。
こんな僕でも、生まれた意味はあったのだ。
「お前が居たから、今の俺がある」
先生は優しく笑う。その顔は本当に穏やかで、その瞳に嘘は無い。
先生は、何か愛しいものを見る顔で、僕を見ていた。
秋は好きだ。母が好きな季節だったし、夕焼けも綺麗。前はそれだけの理由だったが、今は一つ増えた。
それは、
「夕、ハッピーバースデー」
「うわぁ!!」
急に後ろから声をかけられる。いつもはドアを開けたらそこにいる形式だったため、不意を突かれた。
「ふふふ、サプライズ大成功」
にんまりと口角を上げて彩葉が言う。その顔が、ドヤ顔の猫の顔みたいで可愛くて笑ってしまう。
「夕、プレゼント」
そう言って彩葉はプレゼントをくれる。彩葉は一年生から三年生までずっとプレゼントをくれた。秋限定のお菓子が多くて、中には人気でなかなか手に入らないお菓子もあった。今回も、その例だ。
「あれ、これ人気のやつじゃん!」
「近くのコンビニに売ってたよ。まだ沢山あった」
彩葉は淡々と言う。最初は僕に変な気を使わせないように嘘をついていると思っていたが、なかなか手に入らなかった時は普通にそのことを話したので、特に嘘はついていない。
「ありがとう、彩葉」
「私も貰ってるからお互い様」
僕もクラスメイトの誕生日にはプレゼントをあげている。
僕は最初、何で僕なんかにプレゼントをくれるのかが不思議でたまらなかったが、今ならわかる。
ただ単純に嬉しいのだ。誰かの記念日が。プレゼントをあげて、喜ぶ顔が。
ただ、それだけ。それだけだか、それにはどんな宝石も叶わない価値がある。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「ただいま」
「先生!おかえりなさい!」
僕はエプロン姿のまま先生を出迎える。先生の手にはケーキの箱が。
「誕生日おめでとう、烏坂」
「はい!!」
ケーキの箱を受けってすぐに冷蔵庫の中に入れる。ケーキの種類は、夕飯後のお楽しみだ。
ご飯を食べていると、先生が口を開く。
「そういや、もう18なのか」
「はい、18歳になりました!」
僕は今日18歳になった。もう選挙にも行けるし、クレジットカードも作れる。世間的にはもう大人なのだ。
「もう大人の仲間入りです!」
「めでたいことだな」
そう言って先生はワインを飲む。いつも夕飯時は飲まないのだが、僕が今日くらいは好きに食べて飲んで欲しいと言った。
すると、先生は「バースデーガールの言うことなら」と、貰ったと言っていたワインを取り出した。
何だか梱包から高そうなワインだった。ワインの種類については何も分からないが、赤ワインだ。それだけしか分からない。
「ワインと先生、似合いますね」
「何だそれ」
先生は顔を顰めるが、本当に似合っている。大人の余裕というか、色気というか。着ている服はただの白のワイシャツで、上二つのボタンは空いているのに、すごく上品に見える。
いや、先生に似合わないものの方が少ないのだが。
「烏坂、手を出してくれ」
「はい?」
「誕生日プレゼントだ」
ポンと手に置かれたのは小さな細長い箱。とても綺麗な箱で、細かい絵が描かれている。蓋を開けると、何なら見覚えはある形が見える。
「こ、これって…」
「18で、大人の仲間入りなんだろ?」
僕の手元には、口紅があった。
「か、買ったん、ですか?」
「盗むわけねぇだろ、捕まるぞ」
いや、先生が窃盗したとかそんなことを思ったわけではない。
こんな大きな男の人が女性の化粧品売り場にいたら、さぞかし目立つだろう。いや、彼女へのプレゼントを選んでるとして見られているから別に良いのか?僕、先生の彼女じゃないけど。
「初めて手に取りました…。凄い、凄いですね…、」
この口紅、僕でもわかる。高いやつだ。梱包から凄かったし、本体も凄い。細かいところまで手を抜いていないデザインで、口紅本体にも細かくデザインがされている。使うのが勿体無いくらいだ。
色は真っ赤な赤色。よく見る色だ。とても綺麗。それしか感想が出てこない。
「後で塗って先生に見せますね」
「楽しみにしている」
今はご飯中だからか塗るのは控えた方がいいだろう。僕は口紅を箱に戻すと、先生は僕をじっと見る。
「せ、先生?」
「もう、18なのか。早いな、時の流れは」
先生はしみじみと言う。
「そうでしょうか?僕は遅いと感じます」
先生と会って、本当色々なことがあった。前の僕では考えられないなど、目の回る生活で、とても楽しかった。こんな生活が待っているなんて、出来るなんて、昔の僕が知ったらどんな反応をするのだろうか。
ずるいと思うだろう。羨ましいとか言って、怒って、悲しむかな。いや、意外と冷たい反応もしそうだ。そもそも、信じなさそうだ。
昔の自分を俯瞰して考える。思えば、僕はすごく変わった。それは、先生の影響だ。
「烏坂」
「何でしょうか?」
「ー生まれてきてくれて、ありがとう」
母以外に、初めて言われた言葉。
こんな僕でも、生まれた意味はあったのだ。
「お前が居たから、今の俺がある」
先生は優しく笑う。その顔は本当に穏やかで、その瞳に嘘は無い。
先生は、何か愛しいものを見る顔で、僕を見ていた。
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