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第四話 悲しき銃撃超魔人、現る!
超魔人の秘密
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「それじゃあ、アルトが持っている道具はアンタが?」
「あぁ、私がアルトのために開発したものだよ」
オウルノイズラァ、もとい、ビブラートがいれた紅茶を飲みながら雷人はソファに腰掛け、
アルトは泣き疲れたのか、彼にくっついたまま眠ってしまった。
「アルトは先代王であるアレグロ・レノン、私の兄上と三番目の王妃、セレナーデ殿との間に生まれた子でね、王の激務に追われている兄上に替わって私が父親代わりになっていたんだ」
「そうなのか…」
「だから、アルトは兄上より私といる時間の方が長くてね、叔父以上に私を慕ってくれたんだ、だから……私が魔法界を去る時は、辛かったなぁ」
「えっ、あっそうか、確かアルトって…」
「あぁ、他の兄弟達…特に長男のフォルテから迫害を受けてたんだよ、元々、セレナーデ殿が下民出身の出だったから、母子そろって肩身の狭い思いをしてね、兄上とセレナーデ殿が亡くなってからはより一層ひどくなってね」
「じゃあ、あんたが追放されたのって」
「フォルテにアルトへの対応を講義したら国王侮辱罪でね、もう二度と会えないと思っていたんだが、まさかこうしてまた会えるとは」
アルトの頭をやさしく撫でるビブラート。その表情は息子の慈しむ父親のようだ。
そんな彼に雷人は、
「なぁ、二つ質問したいんだ、アルトの兄弟ってそんな奴ばっかりだったのか?」
「いや、唯一長女のソプラノがアルトに優しくてね、母親代わりみたいに付きっ切りで面倒を見ていたんだ、だから私もアルトの事を彼女に任せられたんだよ」
「あぁ確かに、アルトも姉貴だけは優しくしてくれたっていってたな」
「あぁ、艶やかな金髪の綺麗な娘でね、自分の身分を全く気にせず、誰に対しても優しいんだ、君も会ってみたらきっと好きになるさ」
それは少し気になった、会ってみたい気もする、が、肝心な事はそれじゃない。
「もう一ついいかな?」
「なんだい?」
雷人は、本当に聞きたかった事をビブラートに尋ねた。
「不躾な質問を承知の上で聞く、その姿は元からなのか?」
「………」
しばらくの間、沈黙がながれる、が、ビブラートがすぐにくちを開いた。
「いいや、この姿はある実験をする際、自分を非検体にしてね」
「実験?」
「超魔人デバイスの実験だよ」
「?」
雷人はすこし訳が分からないっと言いたげな顔をしたが、ふと気が付いた。
「それってアルトがもってる、バイザーみたいな?」
「そう、それは超魔人デバイス試作三号でね、私が別れの際にアルトに護身用として渡したものだよ」
「試作三号って、一号、二号があるのか?」
「あぁ、一号は今手元にあるよ、二号は今は別の人間が持っているがね」
ビブラートはアルトをソファーに寝かせて、自らの作業机に向かう。
その鍵付きの引き出しにペンダントとして身に着けていた鍵を差し込み、ひきだしを開ける。
そこには、一つの箱がありそれを雷人の前に持ってきて、そして、雷人の前で開けた。
その中身は、マジョリーレコードが三つ。そして、どこか音楽機器を思わせるような赤い銃らしきモノが入っていた。
「これは?」
「試作一号オーディオブリッツァー、そして変身に必要なマジョリーレコード、右からヘヴィメタル、ポっプス、テクノだ」
ビブラートはオーディオブリッツァーを手に取る。
「そもそも、君は超魔人の事をどこまで知っているのかな?」
ノイズラァの顔でも分かるような、真剣な声色で雷人に問いかける。
「いや、そのことはアルトからは全く」
「だろうね、言うと君はアルトを恐れてしまうかも知れないからね」
「は?それってどういう」
「超魔人ミュージアンはね……言ってしまえばアルトのノイズラァ態なんだよ」
その真実は雷人には驚愕すぎて、しばらく茫然としてしまう。
「お、おい…ノイズァっていったいどういう」
「超魔人デバイスは、使用者の心の中にある悪意を制御した状態で身体を悪意のオーラで満たす、いわば使用者を自制心を保ったままノイズラァ化させる装置なんだよ」
ビブラートはそのまま話を、真剣に、だが、どこか気まずそうに続ける。
「これがあれば魔力を持たない人間でも魔法使い同等、いや、それ以上の力を得ることができるんだ」
「ってことは、仮に俺みたいな奴が使っても、超魔人に変身できるってことか?」
「まぁね……ただ…」
「ただ?」
「うまく心の悪意を制御できないと暴走して、手あたり次第無差別に暴れてしまうんだ」
手あたり次第暴れ狂う、それはつまり、ノイズラァ以上の危険な怪物になるという事だ。
アルトは、こんな物を常に使っていたのかと思うと、雷人は胸が痛い。
「………君、まさかと思うが、これをくれなんて言わないよね?」
「えっ?いや、そんな事は」
「そらならいいさ、悪いけどこれは精神の弱い人間が使うと暴走して手あたり次第暴れてしまうからね、誰かにそうやすやすと簡単には渡せないんだ」
ビブラートはオーディオブリッツァーを箱にしまう。そんな代物をアルトは使っていたのかと思うと雷人は胸が痛かった。
「あぁ、私がアルトのために開発したものだよ」
オウルノイズラァ、もとい、ビブラートがいれた紅茶を飲みながら雷人はソファに腰掛け、
アルトは泣き疲れたのか、彼にくっついたまま眠ってしまった。
「アルトは先代王であるアレグロ・レノン、私の兄上と三番目の王妃、セレナーデ殿との間に生まれた子でね、王の激務に追われている兄上に替わって私が父親代わりになっていたんだ」
「そうなのか…」
「だから、アルトは兄上より私といる時間の方が長くてね、叔父以上に私を慕ってくれたんだ、だから……私が魔法界を去る時は、辛かったなぁ」
「えっ、あっそうか、確かアルトって…」
「あぁ、他の兄弟達…特に長男のフォルテから迫害を受けてたんだよ、元々、セレナーデ殿が下民出身の出だったから、母子そろって肩身の狭い思いをしてね、兄上とセレナーデ殿が亡くなってからはより一層ひどくなってね」
「じゃあ、あんたが追放されたのって」
「フォルテにアルトへの対応を講義したら国王侮辱罪でね、もう二度と会えないと思っていたんだが、まさかこうしてまた会えるとは」
アルトの頭をやさしく撫でるビブラート。その表情は息子の慈しむ父親のようだ。
そんな彼に雷人は、
「なぁ、二つ質問したいんだ、アルトの兄弟ってそんな奴ばっかりだったのか?」
「いや、唯一長女のソプラノがアルトに優しくてね、母親代わりみたいに付きっ切りで面倒を見ていたんだ、だから私もアルトの事を彼女に任せられたんだよ」
「あぁ確かに、アルトも姉貴だけは優しくしてくれたっていってたな」
「あぁ、艶やかな金髪の綺麗な娘でね、自分の身分を全く気にせず、誰に対しても優しいんだ、君も会ってみたらきっと好きになるさ」
それは少し気になった、会ってみたい気もする、が、肝心な事はそれじゃない。
「もう一ついいかな?」
「なんだい?」
雷人は、本当に聞きたかった事をビブラートに尋ねた。
「不躾な質問を承知の上で聞く、その姿は元からなのか?」
「………」
しばらくの間、沈黙がながれる、が、ビブラートがすぐにくちを開いた。
「いいや、この姿はある実験をする際、自分を非検体にしてね」
「実験?」
「超魔人デバイスの実験だよ」
「?」
雷人はすこし訳が分からないっと言いたげな顔をしたが、ふと気が付いた。
「それってアルトがもってる、バイザーみたいな?」
「そう、それは超魔人デバイス試作三号でね、私が別れの際にアルトに護身用として渡したものだよ」
「試作三号って、一号、二号があるのか?」
「あぁ、一号は今手元にあるよ、二号は今は別の人間が持っているがね」
ビブラートはアルトをソファーに寝かせて、自らの作業机に向かう。
その鍵付きの引き出しにペンダントとして身に着けていた鍵を差し込み、ひきだしを開ける。
そこには、一つの箱がありそれを雷人の前に持ってきて、そして、雷人の前で開けた。
その中身は、マジョリーレコードが三つ。そして、どこか音楽機器を思わせるような赤い銃らしきモノが入っていた。
「これは?」
「試作一号オーディオブリッツァー、そして変身に必要なマジョリーレコード、右からヘヴィメタル、ポっプス、テクノだ」
ビブラートはオーディオブリッツァーを手に取る。
「そもそも、君は超魔人の事をどこまで知っているのかな?」
ノイズラァの顔でも分かるような、真剣な声色で雷人に問いかける。
「いや、そのことはアルトからは全く」
「だろうね、言うと君はアルトを恐れてしまうかも知れないからね」
「は?それってどういう」
「超魔人ミュージアンはね……言ってしまえばアルトのノイズラァ態なんだよ」
その真実は雷人には驚愕すぎて、しばらく茫然としてしまう。
「お、おい…ノイズァっていったいどういう」
「超魔人デバイスは、使用者の心の中にある悪意を制御した状態で身体を悪意のオーラで満たす、いわば使用者を自制心を保ったままノイズラァ化させる装置なんだよ」
ビブラートはそのまま話を、真剣に、だが、どこか気まずそうに続ける。
「これがあれば魔力を持たない人間でも魔法使い同等、いや、それ以上の力を得ることができるんだ」
「ってことは、仮に俺みたいな奴が使っても、超魔人に変身できるってことか?」
「まぁね……ただ…」
「ただ?」
「うまく心の悪意を制御できないと暴走して、手あたり次第無差別に暴れてしまうんだ」
手あたり次第暴れ狂う、それはつまり、ノイズラァ以上の危険な怪物になるという事だ。
アルトは、こんな物を常に使っていたのかと思うと、雷人は胸が痛い。
「………君、まさかと思うが、これをくれなんて言わないよね?」
「えっ?いや、そんな事は」
「そらならいいさ、悪いけどこれは精神の弱い人間が使うと暴走して手あたり次第暴れてしまうからね、誰かにそうやすやすと簡単には渡せないんだ」
ビブラートはオーディオブリッツァーを箱にしまう。そんな代物をアルトは使っていたのかと思うと雷人は胸が痛かった。
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