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第四話 悲しき銃撃超魔人、現る!
兄弟の盃
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「そういえば、君たち今日止まるところは、決まっているのかい良かったら泊まっていきなよ、アルトも疲れ切っているだろうしね」
という事なので、ビブラートの行為に甘えて泊まることになったアルトと雷人。
電気、水道、ガスはビブラートが自作の魔道具やらで何とかしているらしい。
冷蔵庫の中には自家製の野菜やら肉やらでいっぱいだ、どうやら完全に自給自足の生活をしてるらしい。
「今日の夕飯は俺に任せてよ」
その言葉に雷人は不安を覚えた。
「え?いいけどよ、お前料理できるのか?」
「一応ね、ある程度のモノなら自信あるし、それにこれがあるから」
アルトはカバンからあるモノを取り出した。
それは、人造使い魔。
薄オレンジの雷人の知らないモノだった。
「それって、ビブラートのおっさんが作ったおもちゃの新作か?」
「ん?いや、普段から使ってるやつだよ、これはちょっと特殊でね」
アルトが手慣れた手つきで模様を合わせる。
『クックブー』
変形して現れたのは、
「ブヒブヒ」
コック帽らしきものを被った小さな豚だった。
「よし!じゃあ、シチューを作って!」
「ブヒ!」
すると人造使い魔、もといクックブーは、野菜にトテトテと近づき、右手に小さな包丁を手に野菜をトントンと切り始めた。
続いて、肉を香辛料や調味料を揉み込んだり、水を張った鍋にデミグラスソースとトマト缶を入れたりする。
そんなクックブーの様子に雷人は驚きを隠せない。
「すっ、すっごく便利だなソレ」
「うん、クックブーは完全愛玩用の人造使い魔なんだ、他のモノと違って戦闘能力は皆無なんだけど、でも、ご飯を作るときはものすごく重宝してるんだよね」
アルトは牛塊肉にニンニクや塩胡椒、などを振り込み、メインディッシュのローストビーフの下拵えをしていた。
「お前も料理得意なんだな」
「まぁ、俺の場合、もう2年くらいこっちの世界にいるからね、自分のご飯は自分で用意するしかなかったから」
「そうか……えっ?」
雷人は再び驚きを隠せないでいた。
「2年前!?確かアルトって今7歳だから……」
「うん、5歳の時から旅してるよ」
「はぁ!?その間の飯は?寝床は?」
「基本的に野宿だよ、まぁ、たまにクロマルに大人に化けて宿屋に泊まることはあったけどね、ご飯は普段から自炊してたよ」
雷人は、怒りのような、それでいて切なく、情けない気持ちが溢れてきた。
(コイツは……まだ親に甘えたい盛りの頃から、こんな苦労をしてたのか?…)
こんな気のいい子供を一人ほったからかして、アルトの兄は一体どんだけクズ野郎なんだ?
怒りで腑が煮え繰り返りそうだった。
そして雷人はアルトの頭をなでながら視線を合わせた。
「アルト、グラスだしてくれるか?二つ」
「えっ?なんで?」
「いいから、ちょっとした儀式だ」
◇
アルトがコップを用意すると、雷人はカバンの中から、缶コーラを取り出し、二つのコップに注いだ。
「雷人、儀式って言ったけど、これはどういう意味なんだい?」
不思議そうに聞くと雷人は答えた。
「日本では昔から、盃を交わして義理の兄弟になるぎしきがあるんだ、まぁ、今じゃほとんど任侠映画だけの話だけどな」
「義理の兄弟?」
「あぁ、血よりも濃く、深い絆で結ばれた兄弟だ、今から俺たちは盃を交わして兄弟になる」
「えっ?」
アルトは呆然な顔で硬直する。
雷人は聞いた。
「嫌か?」
すると、アルトは、迷いをみせた。
「でも、雷人のお父さんが迷惑なんじゃ」
けど雷人は
「親父なんか知るか!あんな奴のところになんかもう戻らねぇし、そのつもりもねぇ、それ以前にあんな家に俺の居場所なんかねぇ」
と一括した。
……….だが、アルトはまだ躊躇う。
「……いいのかい?……俺なんかが、雷人の弟になって……」
雷人はアルトの肩に手をやって笑った。
「当たり前だ、今日から俺はお前の兄貴だ、一杯迷惑かけてくれてもいいし、頼ってくれていい」
「雷人」
「ひでぇ兄貴の事はすぐに忘れろなんて事は言わねぇ、でも、これだけは言っとく、おれはいつだって絶対に、お前の味方たがらな」
アルトは目に涙を浮かべて、
「雷人!」
雷人に抱きついた。弟が兄に、子が父親に甘えるかのように。
そんなアルトをあやすように右手で頭を撫で、雷人は。
「まっ、とりあえず乾杯しようぜ、本当は酒らしいけど、俺たち未成年だしな」
「…….うん!」
目を赤くしながらも雷人に絵顔を向けるアルト。
その後二人は、グラスに注いだコーラを片手にとり、視線を合わせていった。
「これで俺たちは、今日から兄弟だ、この契りは永遠に解ける事はない」
「……うん!…」
グラスを合わせて、
「「乾杯!」」
そして、二人はコーラを飲み干す。
この時、誰も頼れない、味方のいない二人は、初めて兄弟となり、
アルトは、現代において、初めての家族ができたのだった。
その後、再び料理の続きをと、戻ろうとしたが、料理はすでにクックブーが完成させており、テーブルに並んでいた。
今日のメニューは、野菜のシチューとローストビーフ、シーザーサラダにパン。
洋食屋のような暖かで心地よい時間が、アルトと雷人、ビブラートを包み込んだのだった。
◇
その翌日、食料調達のため向かったスーパーの帰りに。
「なぁ、アルトは叔父貴と再会できたんだから、このままここで暮らすのか?」
と雷人がアルトに尋ねると、
「いや、まだこの国のどこかにジャークレコードを使ってる人は一杯いるからね、帰る場所はできたけど、俺は旅をまだ続けるよ」
「そうか……」と雷人は頷いた。
そんな雷人にアルトは?
「雷人はこれからどうするんだい?」
そう聞かれると、雷人は考えた。
勘当同然に家を飛び出してきた雷人。
頼れる場所はもう、あそこしかない。
「俺は……」
そう何か答えようとしたーーーその時だった。
「キャーーーー!!!」
どこからともなく声がした。
という事なので、ビブラートの行為に甘えて泊まることになったアルトと雷人。
電気、水道、ガスはビブラートが自作の魔道具やらで何とかしているらしい。
冷蔵庫の中には自家製の野菜やら肉やらでいっぱいだ、どうやら完全に自給自足の生活をしてるらしい。
「今日の夕飯は俺に任せてよ」
その言葉に雷人は不安を覚えた。
「え?いいけどよ、お前料理できるのか?」
「一応ね、ある程度のモノなら自信あるし、それにこれがあるから」
アルトはカバンからあるモノを取り出した。
それは、人造使い魔。
薄オレンジの雷人の知らないモノだった。
「それって、ビブラートのおっさんが作ったおもちゃの新作か?」
「ん?いや、普段から使ってるやつだよ、これはちょっと特殊でね」
アルトが手慣れた手つきで模様を合わせる。
『クックブー』
変形して現れたのは、
「ブヒブヒ」
コック帽らしきものを被った小さな豚だった。
「よし!じゃあ、シチューを作って!」
「ブヒ!」
すると人造使い魔、もといクックブーは、野菜にトテトテと近づき、右手に小さな包丁を手に野菜をトントンと切り始めた。
続いて、肉を香辛料や調味料を揉み込んだり、水を張った鍋にデミグラスソースとトマト缶を入れたりする。
そんなクックブーの様子に雷人は驚きを隠せない。
「すっ、すっごく便利だなソレ」
「うん、クックブーは完全愛玩用の人造使い魔なんだ、他のモノと違って戦闘能力は皆無なんだけど、でも、ご飯を作るときはものすごく重宝してるんだよね」
アルトは牛塊肉にニンニクや塩胡椒、などを振り込み、メインディッシュのローストビーフの下拵えをしていた。
「お前も料理得意なんだな」
「まぁ、俺の場合、もう2年くらいこっちの世界にいるからね、自分のご飯は自分で用意するしかなかったから」
「そうか……えっ?」
雷人は再び驚きを隠せないでいた。
「2年前!?確かアルトって今7歳だから……」
「うん、5歳の時から旅してるよ」
「はぁ!?その間の飯は?寝床は?」
「基本的に野宿だよ、まぁ、たまにクロマルに大人に化けて宿屋に泊まることはあったけどね、ご飯は普段から自炊してたよ」
雷人は、怒りのような、それでいて切なく、情けない気持ちが溢れてきた。
(コイツは……まだ親に甘えたい盛りの頃から、こんな苦労をしてたのか?…)
こんな気のいい子供を一人ほったからかして、アルトの兄は一体どんだけクズ野郎なんだ?
怒りで腑が煮え繰り返りそうだった。
そして雷人はアルトの頭をなでながら視線を合わせた。
「アルト、グラスだしてくれるか?二つ」
「えっ?なんで?」
「いいから、ちょっとした儀式だ」
◇
アルトがコップを用意すると、雷人はカバンの中から、缶コーラを取り出し、二つのコップに注いだ。
「雷人、儀式って言ったけど、これはどういう意味なんだい?」
不思議そうに聞くと雷人は答えた。
「日本では昔から、盃を交わして義理の兄弟になるぎしきがあるんだ、まぁ、今じゃほとんど任侠映画だけの話だけどな」
「義理の兄弟?」
「あぁ、血よりも濃く、深い絆で結ばれた兄弟だ、今から俺たちは盃を交わして兄弟になる」
「えっ?」
アルトは呆然な顔で硬直する。
雷人は聞いた。
「嫌か?」
すると、アルトは、迷いをみせた。
「でも、雷人のお父さんが迷惑なんじゃ」
けど雷人は
「親父なんか知るか!あんな奴のところになんかもう戻らねぇし、そのつもりもねぇ、それ以前にあんな家に俺の居場所なんかねぇ」
と一括した。
……….だが、アルトはまだ躊躇う。
「……いいのかい?……俺なんかが、雷人の弟になって……」
雷人はアルトの肩に手をやって笑った。
「当たり前だ、今日から俺はお前の兄貴だ、一杯迷惑かけてくれてもいいし、頼ってくれていい」
「雷人」
「ひでぇ兄貴の事はすぐに忘れろなんて事は言わねぇ、でも、これだけは言っとく、おれはいつだって絶対に、お前の味方たがらな」
アルトは目に涙を浮かべて、
「雷人!」
雷人に抱きついた。弟が兄に、子が父親に甘えるかのように。
そんなアルトをあやすように右手で頭を撫で、雷人は。
「まっ、とりあえず乾杯しようぜ、本当は酒らしいけど、俺たち未成年だしな」
「…….うん!」
目を赤くしながらも雷人に絵顔を向けるアルト。
その後二人は、グラスに注いだコーラを片手にとり、視線を合わせていった。
「これで俺たちは、今日から兄弟だ、この契りは永遠に解ける事はない」
「……うん!…」
グラスを合わせて、
「「乾杯!」」
そして、二人はコーラを飲み干す。
この時、誰も頼れない、味方のいない二人は、初めて兄弟となり、
アルトは、現代において、初めての家族ができたのだった。
その後、再び料理の続きをと、戻ろうとしたが、料理はすでにクックブーが完成させており、テーブルに並んでいた。
今日のメニューは、野菜のシチューとローストビーフ、シーザーサラダにパン。
洋食屋のような暖かで心地よい時間が、アルトと雷人、ビブラートを包み込んだのだった。
◇
その翌日、食料調達のため向かったスーパーの帰りに。
「なぁ、アルトは叔父貴と再会できたんだから、このままここで暮らすのか?」
と雷人がアルトに尋ねると、
「いや、まだこの国のどこかにジャークレコードを使ってる人は一杯いるからね、帰る場所はできたけど、俺は旅をまだ続けるよ」
「そうか……」と雷人は頷いた。
そんな雷人にアルトは?
「雷人はこれからどうするんだい?」
そう聞かれると、雷人は考えた。
勘当同然に家を飛び出してきた雷人。
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