2 / 6
超鳥人覚醒!!
しおりを挟む
『warning!warning!』
教室中にアラート音が響きわたる。周りの視線は一気に魁斗に集まっていく。
魁斗は腰のスマホ入れから特殊なスマホ、『バードラス』を取り出す。予想通りスマホにはwarningの文字が画面にびっしりと表示されていた。
(マジかよ!!こんな時に怪人警報かよ!!)
「鞍馬!お前授業中に携帯を鳴らすとはいい度胸だな!」
担任の鬼教師、木村が魁斗の近くまで詰め寄る。
そんな木村をよそに魁斗は鞄を持ち出し、教室を出ようとする。
「すみません、急なバイトの呼び出しが出たので今日も早退します!!」
「おい待て!お前来て早々早退って!」
「ホントすみません!今度補習でもなんでも受けますから!」
早々に教室を出ていく魁斗。
「これで何回目だよ、あいつ」「そんなにバイトが忙しいなら学校に来なくてもいいのに」「ほっとけあんなやつ、本田先輩もあんなのが幼なじみなんて可哀想にな」
魁斗がこうやって学校を抜け出すのは今回が初めてではなく今月でも3回目である。こういった行動も魁斗が学園中から嫌われている原因の一つでもある。
でも仕方がない、魁斗のバイト、もとい仕事は絶対に遅れる事が許されない。
何故なら、それは人命に関わる仕事なのだから。
校舎を出るとバードラスに着信が鳴り響き、慌てて電話に出る。
『遅いわよ魁斗君!!』
電話の相手は神崎絵凪。秘密結社(マスカレード)の秘書兼マネージャーである。
「すみません絵凪さん!授業抜け出すのに手間取って!」
「言い訳はいいからさっさと現場に急行して!いいわね、バサラーダ!!」
「了解」と叫びながら魁斗は自転車を全速力で漕ぎ続ける。
バサラーダ、それこそが魁斗に与えられた秘密結社のエージェント、超鳥人(ちょうじん)としてのコードネームなのである。
◇
たつの市の市街地、そこでとある異形の怪人が暴れ回っていた。
その姿は右手がショベルの形状に似たショベルカーがそのまま怪人となったかのようなものであった。
奴こそがたつの市内で頻繁に起きている怪事件の原因、秘密結社(マスカレード)が「クレイドル」と呼称した怪人である。
ショベルクレイドルは右手のショベルクローで次々と人々を襲いはじめる。
「………………ひっ!……」
一人の少女が悲鳴を上げながらショベルクレイドルを目の前に跪き、ショベルクレイドルの右手が彼女に振り下ろされようとする……が、
「させるかぁ!!!」
振り下ろされる前に魁斗が豪速球で自転車から飛び降り、そのままクレイドルに向かって飛び蹴りを喰らわせ、クレイドルを少女から遠ざける。
「君、大丈夫か!?」
「…………えっ?……うっうん……」
魁斗は少女の安否を確認する。どうやら怪我はないようだ。
そのことで安心するも、
「…………♡…………」
少女は魁斗の顔をじっと見つめて頬を赤らめていた事に気づき、魁斗は少女の顔に自身の顔を寄せ額をくっつける。
「ひゃ!……なにを!?……」
「あっ、悪い、顔が赤いから熱あるんじゃないかと思って、でもないみたいで良かった」
魁斗の突然の行動に少女は更に頬を赤らめる。なんだこのラブコメは?……
そんな二人をよそにショベルクレイドルは立ち上がり奇声混じりな雄叫びを上げる。
「君は逃げろ!!」
魁斗は少女を立たせて逃がそうとするも少女は魁斗の袖の裾を握りしめる。
「ダメ!……逃げるならあなたも!……」
「俺の事はいい!君だけでも逃げるんだ!!」
「……でも……」
「いいから早く!!」
魁斗に強く念を押され、少女は渋々その場を走り去っていく。
その間にもクレイドルは魁斗に攻撃を仕掛けていき、魁斗はギリギリの所で交わす。
(よし、あの子は逃げ切ったか、よかったあの子の前で変身するわけにはいかないからな)
少女が逃げ切った事を確認した魁斗は腰のスマホホルダーから特殊携帯(バードラス)を取り出す。
「ようやくコイツの出番だぜ、使いたくてウズウズしてやがったんだ」
魁斗はバードラスの画面を起動させるとアプリから「覚醒アプリ」と書かれたアイコンをタッチ。アプリを起動させるとパスコード入力画面が開く。
そのまま魁斗は手慣れた手つきで8363の4桁の数字を入力。
『STANDBY!!』
魁斗の頭上に光の粒子が現れ、それは魁斗の頭を包んでいきバイザーの形となって形成されていき魁斗の頭に装着される。
バードバイザー、バードラスと並ぶクレイドルと戦う為の切り札。
魁斗はバードバイザーの右側の円状の部分にバードラスの裏の円状の部分を横からセット。
『GET SET!!READY!』
魁斗は両手を8時と4時の方向にそれぞれ広げ、大きく時計回りに回して両腕をクロスさせ、そのままボクシングの構えらしきポーズを決め叫ぶ。
「超鳥人覚醒!!」
魁斗は右手でバイザーにセットしたバードラスをそのまま前に30度傾けるとバードラスの画面に大きく。
『BIRD GOING!!』
の文字が浮かび、電子音声が鳴り響く。
そして、
頭上から黄色い巨大な鳥が姿を現す。
バードラスとバードバイザーは粒子と化していき、魁斗の全身を覆い、甲鉄の鎧、もとい超鳥人アーマーを形成させていく。
アーマーを身に纏うと頭上の巨大な鳥が粒子となってアーマーの腕、脚、腰、頭に集まり形となっていき、変身が完了する。
『LET'S GO!!BASALARDA!!』
これこそが魁斗のもう一つの姿、秘密結社マスカレードのエージェント、超鳥人としての魁斗。
超鳥人バサラーダ
それが魁斗の超鳥人としてのコードネームである。
「超鳥人バサラーダ、さぁ、ヒーロータイムだ!!」
教室中にアラート音が響きわたる。周りの視線は一気に魁斗に集まっていく。
魁斗は腰のスマホ入れから特殊なスマホ、『バードラス』を取り出す。予想通りスマホにはwarningの文字が画面にびっしりと表示されていた。
(マジかよ!!こんな時に怪人警報かよ!!)
「鞍馬!お前授業中に携帯を鳴らすとはいい度胸だな!」
担任の鬼教師、木村が魁斗の近くまで詰め寄る。
そんな木村をよそに魁斗は鞄を持ち出し、教室を出ようとする。
「すみません、急なバイトの呼び出しが出たので今日も早退します!!」
「おい待て!お前来て早々早退って!」
「ホントすみません!今度補習でもなんでも受けますから!」
早々に教室を出ていく魁斗。
「これで何回目だよ、あいつ」「そんなにバイトが忙しいなら学校に来なくてもいいのに」「ほっとけあんなやつ、本田先輩もあんなのが幼なじみなんて可哀想にな」
魁斗がこうやって学校を抜け出すのは今回が初めてではなく今月でも3回目である。こういった行動も魁斗が学園中から嫌われている原因の一つでもある。
でも仕方がない、魁斗のバイト、もとい仕事は絶対に遅れる事が許されない。
何故なら、それは人命に関わる仕事なのだから。
校舎を出るとバードラスに着信が鳴り響き、慌てて電話に出る。
『遅いわよ魁斗君!!』
電話の相手は神崎絵凪。秘密結社(マスカレード)の秘書兼マネージャーである。
「すみません絵凪さん!授業抜け出すのに手間取って!」
「言い訳はいいからさっさと現場に急行して!いいわね、バサラーダ!!」
「了解」と叫びながら魁斗は自転車を全速力で漕ぎ続ける。
バサラーダ、それこそが魁斗に与えられた秘密結社のエージェント、超鳥人(ちょうじん)としてのコードネームなのである。
◇
たつの市の市街地、そこでとある異形の怪人が暴れ回っていた。
その姿は右手がショベルの形状に似たショベルカーがそのまま怪人となったかのようなものであった。
奴こそがたつの市内で頻繁に起きている怪事件の原因、秘密結社(マスカレード)が「クレイドル」と呼称した怪人である。
ショベルクレイドルは右手のショベルクローで次々と人々を襲いはじめる。
「………………ひっ!……」
一人の少女が悲鳴を上げながらショベルクレイドルを目の前に跪き、ショベルクレイドルの右手が彼女に振り下ろされようとする……が、
「させるかぁ!!!」
振り下ろされる前に魁斗が豪速球で自転車から飛び降り、そのままクレイドルに向かって飛び蹴りを喰らわせ、クレイドルを少女から遠ざける。
「君、大丈夫か!?」
「…………えっ?……うっうん……」
魁斗は少女の安否を確認する。どうやら怪我はないようだ。
そのことで安心するも、
「…………♡…………」
少女は魁斗の顔をじっと見つめて頬を赤らめていた事に気づき、魁斗は少女の顔に自身の顔を寄せ額をくっつける。
「ひゃ!……なにを!?……」
「あっ、悪い、顔が赤いから熱あるんじゃないかと思って、でもないみたいで良かった」
魁斗の突然の行動に少女は更に頬を赤らめる。なんだこのラブコメは?……
そんな二人をよそにショベルクレイドルは立ち上がり奇声混じりな雄叫びを上げる。
「君は逃げろ!!」
魁斗は少女を立たせて逃がそうとするも少女は魁斗の袖の裾を握りしめる。
「ダメ!……逃げるならあなたも!……」
「俺の事はいい!君だけでも逃げるんだ!!」
「……でも……」
「いいから早く!!」
魁斗に強く念を押され、少女は渋々その場を走り去っていく。
その間にもクレイドルは魁斗に攻撃を仕掛けていき、魁斗はギリギリの所で交わす。
(よし、あの子は逃げ切ったか、よかったあの子の前で変身するわけにはいかないからな)
少女が逃げ切った事を確認した魁斗は腰のスマホホルダーから特殊携帯(バードラス)を取り出す。
「ようやくコイツの出番だぜ、使いたくてウズウズしてやがったんだ」
魁斗はバードラスの画面を起動させるとアプリから「覚醒アプリ」と書かれたアイコンをタッチ。アプリを起動させるとパスコード入力画面が開く。
そのまま魁斗は手慣れた手つきで8363の4桁の数字を入力。
『STANDBY!!』
魁斗の頭上に光の粒子が現れ、それは魁斗の頭を包んでいきバイザーの形となって形成されていき魁斗の頭に装着される。
バードバイザー、バードラスと並ぶクレイドルと戦う為の切り札。
魁斗はバードバイザーの右側の円状の部分にバードラスの裏の円状の部分を横からセット。
『GET SET!!READY!』
魁斗は両手を8時と4時の方向にそれぞれ広げ、大きく時計回りに回して両腕をクロスさせ、そのままボクシングの構えらしきポーズを決め叫ぶ。
「超鳥人覚醒!!」
魁斗は右手でバイザーにセットしたバードラスをそのまま前に30度傾けるとバードラスの画面に大きく。
『BIRD GOING!!』
の文字が浮かび、電子音声が鳴り響く。
そして、
頭上から黄色い巨大な鳥が姿を現す。
バードラスとバードバイザーは粒子と化していき、魁斗の全身を覆い、甲鉄の鎧、もとい超鳥人アーマーを形成させていく。
アーマーを身に纏うと頭上の巨大な鳥が粒子となってアーマーの腕、脚、腰、頭に集まり形となっていき、変身が完了する。
『LET'S GO!!BASALARDA!!』
これこそが魁斗のもう一つの姿、秘密結社マスカレードのエージェント、超鳥人としての魁斗。
超鳥人バサラーダ
それが魁斗の超鳥人としてのコードネームである。
「超鳥人バサラーダ、さぁ、ヒーロータイムだ!!」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
セーラー服美人女子高生 ライバル同士の一騎討ち
ヒロワークス
ライト文芸
女子高の2年生まで校内一の美女でスポーツも万能だった立花美帆。しかし、3年生になってすぐ、同じ学年に、美帆と並ぶほどの美女でスポーツも万能な逢沢真凛が転校してきた。
クラスは、隣りだったが、春のスポーツ大会と夏の水泳大会でライバル関係が芽生える。
それに加えて、美帆と真凛は、隣りの男子校の俊介に恋をし、どちらが俊介と付き合えるかを競う恋敵でもあった。
そして、秋の体育祭では、美帆と真凛が走り高跳びや100メートル走、騎馬戦で対決!
その結果、放課後の体育館で一騎討ちをすることに。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる


