超鳥人C'NE バサラーダ -CHOUJIN CODENAME BASALARDA-

黒鉄ライドウ

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超鳥人覚醒!!

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『warning!warning!』

教室中にアラート音が響きわたる。周りの視線は一気に魁斗に集まっていく。

魁斗は腰のスマホ入れから特殊なスマホ、『バードラス』を取り出す。予想通りスマホにはwarningの文字が画面にびっしりと表示されていた。

(マジかよ!!こんな時に怪人警報クレイドルアラートかよ!!)

「鞍馬!お前授業中に携帯を鳴らすとはいい度胸だな!」

担任の鬼教師、木村が魁斗の近くまで詰め寄る。

そんな木村をよそに魁斗は鞄を持ち出し、教室を出ようとする。

「すみません、急なバイトの呼び出しが出たので今日も早退します!!」

「おい待て!お前来て早々早退って!」

「ホントすみません!今度補習でもなんでも受けますから!」

早々に教室を出ていく魁斗。

「これで何回目だよ、あいつ」「そんなにバイトが忙しいなら学校に来なくてもいいのに」「ほっとけあんなやつ、本田先輩もあんなのが幼なじみなんて可哀想にな」

魁斗がこうやって学校を抜け出すのは今回が初めてではなく今月でも3回目である。こういった行動も魁斗が学園中から嫌われている原因の一つでもある。

でも仕方がない、魁斗のバイト、もとい仕事は絶対に遅れる事が許されない。

何故なら、それは人命に関わる仕事なのだから。

校舎を出るとバードラスに着信が鳴り響き、慌てて電話に出る。

『遅いわよ魁斗君!!』

電話の相手は神崎かんざき絵凪えな。秘密結社(マスカレード)の秘書兼マネージャーである。

「すみません絵凪さん!授業抜け出すのに手間取って!」

「言い訳はいいからさっさと現場に急行して!いいわね、バサラーダ!!」

「了解」と叫びながら魁斗は自転車を全速力で漕ぎ続ける。

バサラーダ、それこそが魁斗に与えられた秘密結社のエージェント、超鳥人(ちょうじん)としてのコードネームなのである。



たつの市の市街地、そこでとある異形の怪人が暴れ回っていた。

その姿は右手がショベルの形状に似たショベルカーがそのまま怪人となったかのようなものであった。

奴こそがたつの市内で頻繁に起きている怪事件の原因、秘密結社(マスカレード)が「クレイドル」と呼称した怪人である。

ショベルクレイドルは右手のショベルクローで次々と人々を襲いはじめる。

「………………ひっ!……」

一人の少女が悲鳴を上げながらショベルクレイドルを目の前に跪き、ショベルクレイドルの右手が彼女に振り下ろされようとする……が、

「させるかぁ!!!」

振り下ろされる前に魁斗が豪速球で自転車から飛び降り、そのままクレイドルに向かって飛び蹴りを喰らわせ、クレイドルを少女から遠ざける。

「君、大丈夫か!?」

「…………えっ?……うっうん……」

魁斗は少女の安否を確認する。どうやら怪我はないようだ。

そのことで安心するも、

「…………♡…………」

少女は魁斗の顔をじっと見つめて頬を赤らめていた事に気づき、魁斗は少女の顔に自身の顔を寄せ額をくっつける。

「ひゃ!……なにを!?……」

「あっ、悪い、顔が赤いから熱あるんじゃないかと思って、でもないみたいで良かった」

魁斗の突然の行動に少女は更に頬を赤らめる。なんだこのラブコメは?……

そんな二人をよそにショベルクレイドルは立ち上がり奇声混じりな雄叫びを上げる。

「君は逃げろ!!」

魁斗は少女を立たせて逃がそうとするも少女は魁斗の袖の裾を握りしめる。

「ダメ!……逃げるならあなたも!……」

「俺の事はいい!君だけでも逃げるんだ!!」

「……でも……」

「いいから早く!!」

魁斗に強く念を押され、少女は渋々その場を走り去っていく。

その間にもクレイドルは魁斗に攻撃を仕掛けていき、魁斗はギリギリの所で交わす。

(よし、あの子は逃げ切ったか、よかったあの子の前でするわけにはいかないからな)

少女が逃げ切った事を確認した魁斗は腰のスマホホルダーから特殊携帯(バードラス)を取り出す。

「ようやくコイツの出番だぜ、使いたくてウズウズしてやがったんだ」

魁斗はバードラスの画面を起動させるとアプリから「覚醒アプリ」と書かれたアイコンをタッチ。アプリを起動させるとパスコード入力画面が開く。

そのまま魁斗は手慣れた手つきで8363の4桁の数字を入力。

『STANDBY!!』

魁斗の頭上に光の粒子が現れ、それは魁斗の頭を包んでいきバイザーの形となって形成されていき魁斗の頭に装着される。

バードバイザー、バードラスと並ぶクレイドルと戦う為の切り札。



魁斗はバードバイザーの右側の円状の部分にバードラスの裏の円状の部分を横からセット。

『GET SET!!READY!』

魁斗は両手を8時と4時の方向にそれぞれ広げ、大きく時計回りに回して両腕をクロスさせ、そのままボクシングの構えらしきポーズを決め叫ぶ。

超鳥人覚醒ちょうじんかくせい!!」

魁斗は右手でバイザーにセットしたバードラスをそのまま前に30度傾けるとバードラスの画面に大きく。

『BIRD GOING!!』

の文字が浮かび、電子音声が鳴り響く。
 
そして、

頭上から黄色いが姿を現す。

バードラスとバードバイザーは粒子と化していき、魁斗の全身を覆い、甲鉄の鎧、もとい超鳥人アーマーを形成させていく。



アーマーを身に纏うと頭上の巨大な鳥が粒子となってアーマーの腕、脚、腰、頭に集まり形となっていき、変身が完了する。

『LET'S GO!!BASALARDA!!』

これこそが魁斗のもう一つの姿、秘密結社マスカレードのエージェント、超鳥人ちょうじんとしての魁斗。

超鳥人バサラーダ

それが魁斗の超鳥人としてのコードネームである。

「超鳥人バサラーダ、さぁ、ヒーロータイムだ!!」

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