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1章 名もなき村
07 パン作り
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肩ロースは生姜焼きなんかで使うように食べ応えがあっても容易に嚙み切れる程度の薄さに切り出し、ロースはポークステーキなんかで使えるように二センチほどの厚さに切る。
バラ肉は炒め物や鍋で使いやすいように一センチ以下で一口から二口程度の大きさに切っていく。
最後にもも肉だが、こちらは炒め物用の汎用素材として使う予定なので小間切れに近い形で切り出していけばオーケーだ。
量としてはかなりのものなのだが、いかんせん包丁の切れ味が凄すぎるのであまり疲れは感じない。
というよりも、ほとんど力を入れなくてもすいすい切れていくのでかなり楽な作業だった。
フライラットの肉も背中側や頬肉、前肩の肉が結構残っているから夕食で使う用のバラ肉の一部以外は食堂内に設置してある冷凍庫に入れておこう。
肉自体は毎日供給されているみたいだから保存しておく意味は少ないのだが、これから他の村人たちに料理を教えていく過程で肉が足りなくなった場合と冷凍庫がきちんと機能するかの検証のようなものだ。
神様がくれたものだから信用自体はしているが、包丁のように高性能すぎた場合肉が無事に冷凍されるのかと、解凍にかかる時間を調べておきたい。
一応、食堂に電子レンジも設置されているのでそちらの解凍モードを使うというのも一つの手だが、肉の解凍は熱を与えずに氷水に漬けるか冷蔵庫での解凍が一番らしいのでレンジは最終手段だ。
肉の下処理と片付けがすべて終わったので今度はパン作りへと移行する。
一日に一人当たり六個くらい食べるとして三人分だから十八個。
まあ、とりあえず小ぶりなものを三十個くらい作れる分量で作ってみるか。
異界のレシピによるとパン作りは基本的に、小麦粉、砂糖、塩、ドライイースト、お湯があればできるらしい。
もちろん、牛乳や無塩バターを使えばさらに風味がよくなるし、ドライイーストを使わずに酵母菌を育ててそれで作るのもアリらしい。
だが、無塩バターは調味料として冷蔵庫に入っていたが牛乳はなかったしドライイーストは置いてあっても酵母菌はない。
それに一番基本のレシピで成功していないのに応用のレシピに手を出すのは愚かなことだろう。
……と、いろいろ言い訳を重ねているが、正直冷蔵庫に入っていた無塩バターは結構な硬さでこれを常温で溶かしてこねくり回すのが今の俺には面倒くさかっただけというのが実情だ。
材料としては強力粉、砂糖、ドライイースト、塩の順番で量が少なくなっていく。
しかし、実際に計ってみるとパンってのはほとんど強力粉なんだなと改めて思う。
まずは材料を大きなボウルにぶち込んで軽く混ぜ合わせていく。
あ、もちろんこの時使うのは肉が入っていたボウルではない。
一応きれいに洗ったが、肉を運んで外までもっていったボウルでパンを作るのに抵抗があったからだ。
その後、四十度程度に温めたお湯を入れながら粉をヘラで混ぜていく。
結構な量を作るので生地をまとめていくのは大変だが、これが済んでしまえば少なくとも明後日くらいまでは新しくパンを作らなくてもよくなると思って自分を奮い立たせる。
ある程度まとまってきたらボウルから取り出して捏ねていく。
最初は生地の柔らかさや感触が楽しくてリアクションをとったり小さい声で歓声を上げたりしていたが、それも最初の数分だけ。
あとはただひたすら無心になって生地を捏ねていく。
一度にたくさん作ろうとした罰なのか、異界のレシピでは十分ほどでまとまると書いてあったが、表面がきれいになるまで十五分くらいかかった。
多分、俺が下手くそなのもあってそれだけかかったのだろうが、結局ヘラで捏ねていた時間も合わせれば三十分くらい捏ねていてへとへとだ。
あとは捏ねあがった生地を綺麗にまとめてボウルに移したらラップをしてオーブンに入れて発酵機能で三十分ほど放置だ。
腕が疲れ切っていたので休みたくもあったが、今のうちに作業台の上を片付けないと次の切り分けの作業でめんどくさいことになるのは目に見えているので体を叱咤しつつ片づけに入る。
発酵が終了すれば今度はガス抜きと切り分け、そして再度丸める作業だ。
ガス抜きは確かにかなりの空気が入っているようで上から押しつぶすと空気がパン生地の外側からぷくっと出てくる。
何分初めての作業だから塩梅が分かりにくかったが大きな気泡が潰せた段階で生地を切り分けていく。
作業台に広げた記事を五×六になるようにスケッパーと呼ばれるパン生地を切り分ける道具で切っていく。
知識としても知らなかった道具なので鑑定してみたところ、包丁とは違って引ききるのではなく上から押し切るようにするとわかったのでそれでやっていく。
あんまりうまくいった感覚もないし、生地の大きさも結構ばらつきが出てしまったが、まあこの世界での初めてのパンだから許されるだろう。
あとは生地をそれぞれ丸めていって一度濡らした後に固く絞った濡れ布巾をかけて生地を休ませる。
さらにもう一回ガス抜きをした後、綺麗に丸めなおしてあらかじめクッキングシートをひいておいた天板に並べもう一度オーブンの発酵機能を使って今度は十分ほど発酵させていく。
今度の発酵時間の間に作業台をまたしてもきれいにしておく。
もう作業自体はないが、今度は緑菜とバラ肉を使った鍋物を作らなきゃいけないので作業台の上が粉やら生地の残りやらで汚い状態はいただけない。
取り出した天板を室温においてさらに十分程度発酵させていく。
その間に今度はオーブンを予熱しておいて、あとは発酵終了したパン生地をオーブンに入れて十五分ほど焼いて焼き目がきれいについたら完成だ。
俺が食べたくて始めたパン作りだし、一人で食べるわけにはいかないからレイジとミーナの分まで一人で作ったが、正直これを毎回一人でやるのは無理だ。
今度は二人に手伝ってもらうことにしよう。
米さえ見つかればこんな大変な作業しなくても済むんだけどな、とも思うが米は米で稲穂から外したり精米作業が必要だったりでこっちも大変そうなんだよな。
異世界だから、果物の中に精米された米が大量に入っている植物でもなってないかな?
バラ肉は炒め物や鍋で使いやすいように一センチ以下で一口から二口程度の大きさに切っていく。
最後にもも肉だが、こちらは炒め物用の汎用素材として使う予定なので小間切れに近い形で切り出していけばオーケーだ。
量としてはかなりのものなのだが、いかんせん包丁の切れ味が凄すぎるのであまり疲れは感じない。
というよりも、ほとんど力を入れなくてもすいすい切れていくのでかなり楽な作業だった。
フライラットの肉も背中側や頬肉、前肩の肉が結構残っているから夕食で使う用のバラ肉の一部以外は食堂内に設置してある冷凍庫に入れておこう。
肉自体は毎日供給されているみたいだから保存しておく意味は少ないのだが、これから他の村人たちに料理を教えていく過程で肉が足りなくなった場合と冷凍庫がきちんと機能するかの検証のようなものだ。
神様がくれたものだから信用自体はしているが、包丁のように高性能すぎた場合肉が無事に冷凍されるのかと、解凍にかかる時間を調べておきたい。
一応、食堂に電子レンジも設置されているのでそちらの解凍モードを使うというのも一つの手だが、肉の解凍は熱を与えずに氷水に漬けるか冷蔵庫での解凍が一番らしいのでレンジは最終手段だ。
肉の下処理と片付けがすべて終わったので今度はパン作りへと移行する。
一日に一人当たり六個くらい食べるとして三人分だから十八個。
まあ、とりあえず小ぶりなものを三十個くらい作れる分量で作ってみるか。
異界のレシピによるとパン作りは基本的に、小麦粉、砂糖、塩、ドライイースト、お湯があればできるらしい。
もちろん、牛乳や無塩バターを使えばさらに風味がよくなるし、ドライイーストを使わずに酵母菌を育ててそれで作るのもアリらしい。
だが、無塩バターは調味料として冷蔵庫に入っていたが牛乳はなかったしドライイーストは置いてあっても酵母菌はない。
それに一番基本のレシピで成功していないのに応用のレシピに手を出すのは愚かなことだろう。
……と、いろいろ言い訳を重ねているが、正直冷蔵庫に入っていた無塩バターは結構な硬さでこれを常温で溶かしてこねくり回すのが今の俺には面倒くさかっただけというのが実情だ。
材料としては強力粉、砂糖、ドライイースト、塩の順番で量が少なくなっていく。
しかし、実際に計ってみるとパンってのはほとんど強力粉なんだなと改めて思う。
まずは材料を大きなボウルにぶち込んで軽く混ぜ合わせていく。
あ、もちろんこの時使うのは肉が入っていたボウルではない。
一応きれいに洗ったが、肉を運んで外までもっていったボウルでパンを作るのに抵抗があったからだ。
その後、四十度程度に温めたお湯を入れながら粉をヘラで混ぜていく。
結構な量を作るので生地をまとめていくのは大変だが、これが済んでしまえば少なくとも明後日くらいまでは新しくパンを作らなくてもよくなると思って自分を奮い立たせる。
ある程度まとまってきたらボウルから取り出して捏ねていく。
最初は生地の柔らかさや感触が楽しくてリアクションをとったり小さい声で歓声を上げたりしていたが、それも最初の数分だけ。
あとはただひたすら無心になって生地を捏ねていく。
一度にたくさん作ろうとした罰なのか、異界のレシピでは十分ほどでまとまると書いてあったが、表面がきれいになるまで十五分くらいかかった。
多分、俺が下手くそなのもあってそれだけかかったのだろうが、結局ヘラで捏ねていた時間も合わせれば三十分くらい捏ねていてへとへとだ。
あとは捏ねあがった生地を綺麗にまとめてボウルに移したらラップをしてオーブンに入れて発酵機能で三十分ほど放置だ。
腕が疲れ切っていたので休みたくもあったが、今のうちに作業台の上を片付けないと次の切り分けの作業でめんどくさいことになるのは目に見えているので体を叱咤しつつ片づけに入る。
発酵が終了すれば今度はガス抜きと切り分け、そして再度丸める作業だ。
ガス抜きは確かにかなりの空気が入っているようで上から押しつぶすと空気がパン生地の外側からぷくっと出てくる。
何分初めての作業だから塩梅が分かりにくかったが大きな気泡が潰せた段階で生地を切り分けていく。
作業台に広げた記事を五×六になるようにスケッパーと呼ばれるパン生地を切り分ける道具で切っていく。
知識としても知らなかった道具なので鑑定してみたところ、包丁とは違って引ききるのではなく上から押し切るようにするとわかったのでそれでやっていく。
あんまりうまくいった感覚もないし、生地の大きさも結構ばらつきが出てしまったが、まあこの世界での初めてのパンだから許されるだろう。
あとは生地をそれぞれ丸めていって一度濡らした後に固く絞った濡れ布巾をかけて生地を休ませる。
さらにもう一回ガス抜きをした後、綺麗に丸めなおしてあらかじめクッキングシートをひいておいた天板に並べもう一度オーブンの発酵機能を使って今度は十分ほど発酵させていく。
今度の発酵時間の間に作業台をまたしてもきれいにしておく。
もう作業自体はないが、今度は緑菜とバラ肉を使った鍋物を作らなきゃいけないので作業台の上が粉やら生地の残りやらで汚い状態はいただけない。
取り出した天板を室温においてさらに十分程度発酵させていく。
その間に今度はオーブンを予熱しておいて、あとは発酵終了したパン生地をオーブンに入れて十五分ほど焼いて焼き目がきれいについたら完成だ。
俺が食べたくて始めたパン作りだし、一人で食べるわけにはいかないからレイジとミーナの分まで一人で作ったが、正直これを毎回一人でやるのは無理だ。
今度は二人に手伝ってもらうことにしよう。
米さえ見つかればこんな大変な作業しなくても済むんだけどな、とも思うが米は米で稲穂から外したり精米作業が必要だったりでこっちも大変そうなんだよな。
異世界だから、果物の中に精米された米が大量に入っている植物でもなってないかな?
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