39 / 150
2章 領都
02 価格設定
しおりを挟む
「ところで、ウィリアムさん。領都では食料をどのように手に入れているのですか?」
「どのようにと言われても、皆、普通に金を出して買っているが……」
なるほど、こんな世界ではあるもののやはり領都周辺には貨幣が存在するのか。
「いえいえ、あの村では必要なものはすべて村長が手に入れて村人に配っていたので他ではどうしているのかわからなかったんですよ」
「ああ、なるほど。確かにあの村ではそうでしょうね」
「ところで、領都ではこの緑菜。一つ手に入れるのにどの程度の金額が必要なんですか?」
「でしたら、貨幣価値のほうから説明させていただきますね。貨幣は鉄の産出の際にでた鉱石を加工して作られていまして、下から銅貨、銀貨、金貨があります。銅貨百枚で銀貨一枚、銀貨百枚で金貨一枚ですね」
「なるほど」
魔獣もいるこの世界では戦闘の際に必要な鉄が何より重要だから、それを掘り出す際に出てくる他の鉱石を利用しているということか。
「緑菜でしたら、様々な村で栽培している最もメジャーな野菜ですので銅貨二十枚程度で一つは買えるでしょうね。紫トマトや水瓜などなら銅貨五十枚程度、甘い果物でしたら銀貨で十枚超えるものも珍しくはありません」
まあ、緑菜は村の中でも村人に配っても余るくらい栽培されていたから価値は低いだろうな。
前の世界と比べる意味もないだろうが、銅貨一枚で十円くらいの感覚かな。
二百円で白菜、あるいはキャベツ一玉と考えればいいのだろうが、この世界の人間はそれで一日の食料になるからな。
「ポーションはどのくらいの値段になるのですか?」
「ポーションは基本的に権力者からの配給になっていますので値段は付けられないですね」
そういや、村でもポーションだけは労働力にかかわらず配っていたな。
「提供していただける野菜は緑菜になりますか?」
「そうですね。斑芋も少し受け取っていますが、こちらは領主様に確認していただかないといけないので渡せる野菜は緑菜になります」
「では、こちらとしては料理を提供する代わりに、食材の提供のほかに一人当たり一日、銅貨二十枚の支払いを要求してもよいですか?」
これから生活していく上で貨幣は重要な要素だ。
村の中なら物々交換、あるいは労働力で物資が手に入っていたが、領都に入ってしまえばそうはいかない。
「……これからの生活に不安があるのですね。ですが、マサト君たちは領主様の庇護下に置かれると思いますよ?」
「それはそうかもしれませんが、未来は不定ですからね。あまり権力者に借りを作るのも怖いですし、できるだけのことは自分たちの力だけでしたいんですよ」
「……そうですか。領主様の下にいる身としてはこちらの庇護下にいてほしいですが、仕方ないですね。ですが、値段設定のほうは看過できませんね」
「少し、高すぎたでしょうか?」
飲食店の原価率は二十~二十五パーセント程度と知識としてはあるから、原価率五十パーセントは破格だと思ったのだが。
まあ、こちらは食堂の運営に土地代も、光熱水費もかからない身だから実現できることだが。
「安すぎです。マサト君の作る料理は領都に出回っている果物並みに物珍しく、価値がある」
なるほど、こちらとしては原価率なんかを考えて値段を設定してみたが、希少価値については考えていなかったな。
「例えばですが、三食当たりの値段を銀貨一枚、一食で銅貨三十枚にするとしたら、どのくらいの人が食べられるでしょうか?」
「そうですね。一日に銀貨一枚の出費は騎士や文官、貴族なんかはたやすく出しますし、平民でも豪商や村長なんかも出せますね。普通の平民なら一食分がせいぜいかもしれませんが、貴族ですら一日に二食しか食べませんし、ポーションがあれば問題ないですよ」
こちらとしては、ポーションに頼る食生活自体を見直してもらいたいのだが、簡単にはいかないんだろうな。
「……そうですか。では、一人当たり銅貨八十枚にさせてもらいますよ。緑菜をいただいた分を差し引くということで。また、獣や魔獣が食べられる種類であった場合には差し引きさせていただくということで」
「ですが、それでは……」
「その代わりに領都についたらいろいろな食材を見せていただいてもいいですか? こちらはこの地方でどのようなものが食べられているのかわからないので」
「わかりました。でしたら、領都についたら食材を融通させていただきますよ」
ウィリアムさんの方にも面子というものがあるのでこの辺が落としどころだろう。
領都で商売をするようなことになったら値段のことはもう一度考えるということで。
「あとは、移動は車を頼らせてもらいますが、俺たちはこの食堂で寝泊まりすることにします」
「ふむ、我々は野宿のつもりだから君たちだけでも屋根の下で寝られるのはいいだろうな」
「皆さんもお泊めできればよかったのですが、流石に皆さんが寝られるだけのスペースはないので」
「いやいや、我々は野宿をするのも任務の内だからな、美味しくて能力値のあがる食事を提供してもらえるだけ役得というものだ」
「あと、少し注意を。この食堂内には料理に必要な様々な調味料が存在しています。その中にはそれ単体で食事となるようなものもありますが、この食堂内の物資はこの世界とは隔絶しており、おそらく食堂内の素材では能力値が上がることはないでしょう」
「……ふむ、あくまでも能力を上げるためには食材が必要とのことか」
だからこそ、この食堂内に存在している調味料の素材も早いうちに見つけなければならないのだ。
「味付けのためやバランスのために出すこともありますが、過度な期待はしないでもらいたいということです。この食堂内で食事が豊かになってもそれは神様の意図とは違いますから」
あくまでもこの世界の食事事情がよくならなければ意味がないのだ。
最悪、この能力自体は俺が死んでしまえばこの世界には残らない。
この食堂内の調味料も同じ。
ならば、いずれ来るであろう善人のためにも調味料の作成や、食材の発見に力を入れなければならない。
「ふむ、そのあたりも領主様と相談しなければならないな。私一人では判断できない部分だ」
「まあ、さしあたってはウィリアムさんや同行している騎士の皆さんが食堂内の味付けは今のところ他では再現不能なことと、食べても能力の上昇はそこまでしないことを理解してくれれば十分です」
食堂内の味付けに依存して、他に迷惑をかけられても困るし、能力が変わらないことに対して文句を言われても困る。
「どのようにと言われても、皆、普通に金を出して買っているが……」
なるほど、こんな世界ではあるもののやはり領都周辺には貨幣が存在するのか。
「いえいえ、あの村では必要なものはすべて村長が手に入れて村人に配っていたので他ではどうしているのかわからなかったんですよ」
「ああ、なるほど。確かにあの村ではそうでしょうね」
「ところで、領都ではこの緑菜。一つ手に入れるのにどの程度の金額が必要なんですか?」
「でしたら、貨幣価値のほうから説明させていただきますね。貨幣は鉄の産出の際にでた鉱石を加工して作られていまして、下から銅貨、銀貨、金貨があります。銅貨百枚で銀貨一枚、銀貨百枚で金貨一枚ですね」
「なるほど」
魔獣もいるこの世界では戦闘の際に必要な鉄が何より重要だから、それを掘り出す際に出てくる他の鉱石を利用しているということか。
「緑菜でしたら、様々な村で栽培している最もメジャーな野菜ですので銅貨二十枚程度で一つは買えるでしょうね。紫トマトや水瓜などなら銅貨五十枚程度、甘い果物でしたら銀貨で十枚超えるものも珍しくはありません」
まあ、緑菜は村の中でも村人に配っても余るくらい栽培されていたから価値は低いだろうな。
前の世界と比べる意味もないだろうが、銅貨一枚で十円くらいの感覚かな。
二百円で白菜、あるいはキャベツ一玉と考えればいいのだろうが、この世界の人間はそれで一日の食料になるからな。
「ポーションはどのくらいの値段になるのですか?」
「ポーションは基本的に権力者からの配給になっていますので値段は付けられないですね」
そういや、村でもポーションだけは労働力にかかわらず配っていたな。
「提供していただける野菜は緑菜になりますか?」
「そうですね。斑芋も少し受け取っていますが、こちらは領主様に確認していただかないといけないので渡せる野菜は緑菜になります」
「では、こちらとしては料理を提供する代わりに、食材の提供のほかに一人当たり一日、銅貨二十枚の支払いを要求してもよいですか?」
これから生活していく上で貨幣は重要な要素だ。
村の中なら物々交換、あるいは労働力で物資が手に入っていたが、領都に入ってしまえばそうはいかない。
「……これからの生活に不安があるのですね。ですが、マサト君たちは領主様の庇護下に置かれると思いますよ?」
「それはそうかもしれませんが、未来は不定ですからね。あまり権力者に借りを作るのも怖いですし、できるだけのことは自分たちの力だけでしたいんですよ」
「……そうですか。領主様の下にいる身としてはこちらの庇護下にいてほしいですが、仕方ないですね。ですが、値段設定のほうは看過できませんね」
「少し、高すぎたでしょうか?」
飲食店の原価率は二十~二十五パーセント程度と知識としてはあるから、原価率五十パーセントは破格だと思ったのだが。
まあ、こちらは食堂の運営に土地代も、光熱水費もかからない身だから実現できることだが。
「安すぎです。マサト君の作る料理は領都に出回っている果物並みに物珍しく、価値がある」
なるほど、こちらとしては原価率なんかを考えて値段を設定してみたが、希少価値については考えていなかったな。
「例えばですが、三食当たりの値段を銀貨一枚、一食で銅貨三十枚にするとしたら、どのくらいの人が食べられるでしょうか?」
「そうですね。一日に銀貨一枚の出費は騎士や文官、貴族なんかはたやすく出しますし、平民でも豪商や村長なんかも出せますね。普通の平民なら一食分がせいぜいかもしれませんが、貴族ですら一日に二食しか食べませんし、ポーションがあれば問題ないですよ」
こちらとしては、ポーションに頼る食生活自体を見直してもらいたいのだが、簡単にはいかないんだろうな。
「……そうですか。では、一人当たり銅貨八十枚にさせてもらいますよ。緑菜をいただいた分を差し引くということで。また、獣や魔獣が食べられる種類であった場合には差し引きさせていただくということで」
「ですが、それでは……」
「その代わりに領都についたらいろいろな食材を見せていただいてもいいですか? こちらはこの地方でどのようなものが食べられているのかわからないので」
「わかりました。でしたら、領都についたら食材を融通させていただきますよ」
ウィリアムさんの方にも面子というものがあるのでこの辺が落としどころだろう。
領都で商売をするようなことになったら値段のことはもう一度考えるということで。
「あとは、移動は車を頼らせてもらいますが、俺たちはこの食堂で寝泊まりすることにします」
「ふむ、我々は野宿のつもりだから君たちだけでも屋根の下で寝られるのはいいだろうな」
「皆さんもお泊めできればよかったのですが、流石に皆さんが寝られるだけのスペースはないので」
「いやいや、我々は野宿をするのも任務の内だからな、美味しくて能力値のあがる食事を提供してもらえるだけ役得というものだ」
「あと、少し注意を。この食堂内には料理に必要な様々な調味料が存在しています。その中にはそれ単体で食事となるようなものもありますが、この食堂内の物資はこの世界とは隔絶しており、おそらく食堂内の素材では能力値が上がることはないでしょう」
「……ふむ、あくまでも能力を上げるためには食材が必要とのことか」
だからこそ、この食堂内に存在している調味料の素材も早いうちに見つけなければならないのだ。
「味付けのためやバランスのために出すこともありますが、過度な期待はしないでもらいたいということです。この食堂内で食事が豊かになってもそれは神様の意図とは違いますから」
あくまでもこの世界の食事事情がよくならなければ意味がないのだ。
最悪、この能力自体は俺が死んでしまえばこの世界には残らない。
この食堂内の調味料も同じ。
ならば、いずれ来るであろう善人のためにも調味料の作成や、食材の発見に力を入れなければならない。
「ふむ、そのあたりも領主様と相談しなければならないな。私一人では判断できない部分だ」
「まあ、さしあたってはウィリアムさんや同行している騎士の皆さんが食堂内の味付けは今のところ他では再現不能なことと、食べても能力の上昇はそこまでしないことを理解してくれれば十分です」
食堂内の味付けに依存して、他に迷惑をかけられても困るし、能力が変わらないことに対して文句を言われても困る。
5
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢に転生したので、ゲームを無視して自由に生きる。私にしか使えない植物を操る魔法で、食べ物の心配は無いのでスローライフを満喫します。
向原 行人
ファンタジー
死にかけた拍子に前世の記憶が蘇り……どハマりしていた恋愛ゲーム『ときめきメイト』の世界に居ると気付く。
それだけならまだしも、私の名前がルーシーって、思いっきり悪役令嬢じゃない!
しかもルーシーは魔法学園卒業後に、誰とも結ばれる事なく、辺境に飛ばされて孤独な上に苦労する事が分かっている。
……あ、だったら、辺境に飛ばされた後、苦労せずに生きていけるスキルを学園に居る内に習得しておけば良いじゃない。
魔法学園で起こる恋愛イベントを全て無視して、生きていく為のスキルを習得して……と思ったら、いきなりゲームに無かった魔法が使えるようになってしまった。
木から木へと瞬間移動出来るようになったので、学園に通いながら、辺境に飛ばされた後のスローライフの練習をしていたんだけど……自由なスローライフが楽し過ぎるっ!
※第○話:主人公視点
挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点
となります。
猫好きのぼっちおじさん、招かれた異世界で気ままに【亜空間倉庫】で移動販売を始める
遥風 かずら
ファンタジー
【HOTランキング1位作品(9月2週目)】
猫好きを公言する独身おじさん麦山湯治(49)は商売で使っているキッチンカーを車検に出し、常連カードの更新も兼ねていつもの猫カフェに来ていた。猫カフェの一番人気かつ美人トラ猫のコムギに特に好かれており、湯治が声をかけなくても、自発的に膝に乗ってきては抱っこを要求されるほどの猫好き上級者でもあった。
そんないつものもふもふタイム中、スタッフに信頼されている湯治は他の客がいないこともあって、数分ほど猫たちの見守りを頼まれる。二つ返事で猫たちに温かい眼差しを向ける湯治。そんな時、コムギに手招きをされた湯治は細長い廊下をついて歩く。おかしいと感じながら延々と続く長い廊下を進んだ湯治だったが、コムギが突然湯治の顔をめがけて引き返してくる。怒ることのない湯治がコムギを顔から離して目を開けると、そこは猫カフェではなくのどかな厩舎の中。
まるで招かれるように異世界に降り立った湯治は、好きな猫と一緒に生きることを目指して外に向かうのだった。
ヒロインですが、舞台にも上がれなかったので田舎暮らしをします
未羊
ファンタジー
レイチェル・ウィルソンは公爵令嬢
十二歳の時に王都にある魔法学園の入学試験を受けたものの、なんと不合格になってしまう
好きなヒロインとの交流を進める恋愛ゲームのヒロインの一人なのに、なんとその舞台に上がれることもできずに退場となってしまったのだ
傷つきはしたものの、公爵の治める領地へと移り住むことになったことをきっかけに、レイチェルは前世の夢を叶えることを計画する
今日もレイチェルは、公爵領の片隅で畑を耕したり、お店をしたりと気ままに暮らすのだった
少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?
はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、
強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。
母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、
その少年に、突然の困難が立ちはだかる。
理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。
一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。
それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。
そんな少年の物語。
転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。
克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります!
辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。
異世界の片隅で引き篭りたい少女。
月芝
ファンタジー
玄関開けたら一分で異世界!
見知らぬオッサンに雑に扱われただけでも腹立たしいのに
初っ端から詰んでいる状況下に放り出されて、
さすがにこれは無理じゃないかな? という出オチ感漂う能力で過ごす新生活。
生態系の最下層から成り上がらずに、こっそりと世界の片隅で心穏やかに過ごしたい。
世界が私を見捨てるのならば、私も世界を見捨ててやろうと森の奥に引き篭った少女。
なのに世界が私を放っておいてくれない。
自分にかまうな、近寄るな、勝手に幻想を押しつけるな。
それから私を聖女と呼ぶんじゃねぇ!
己の平穏のために、ふざけた能力でわりと真面目に頑張る少女の物語。
※本作主人公は極端に他者との関わりを避けます。あとトキメキLOVEもハーレムもありません。
ですので濃厚なヒューマンドラマとか、心の葛藤とか、胸の成長なんかは期待しないで下さい。
男爵家の厄介者は賢者と呼ばれる
暇野無学
ファンタジー
魔法もスキルも授からなかったが、他人の魔法は俺のもの。な~んちゃって。
授けの儀で授かったのは魔法やスキルじゃなかった。神父様には読めなかったが、俺には馴染みの文字だが魔法とは違う。転移した世界は優しくない世界、殺される前に授かったものを利用して逃げ出す算段をする。魔法でないものを利用して魔法を使い熟し、やがては無敵の魔法使いになる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる