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2章 領都
03 サンドイッチ
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「ひとまず、料金のことは領都に帰ってから支払うのでもよいかな? 流石にアイリーンのもとに荷物を運ぶだけの仕事に大金は持ってきていないからね」
そりゃあそうだ、逆に今ここで、ポンっと大金を出されても困る。
「ええ、もちろんいいですよ。ただ、食材のほうは先に提供していただけると嬉しいですね。食堂内には食材を適切な温度で保管する場所があるので、車で運ぶよりは傷まないでしょう」
「そうか、では残っている部下に運ばせるとしよう。マサト君は料理のほうをお願いしてもいいかい?」
「ええ、さっそく皆さんの料理を作らせていただきますよ」
とはいえ、下ごしらえもしていないような状態だから簡単なものになるだろうけど。
「ミーナ、料理に入ろう」
「マサトさん、お話終わったんですね。何を作ります?」
「そうだな、時間もないし手間のかかる料理は無理だな」
斑芋みたいに毒抜きに時間のかかるものやスープの類は難しいだろう。
「パンは人数分あるかな?」
「村を出発する前に大量に焼きましたので、この人数なら一人当たり、二つか三つくらいはありますね」
パンがあるなら適当に肉を焼いてサンドイッチにするのが簡単か。
とはいえ、これは明日以降には使えないから何か手を考えておかないといけないな。
いくら何でも移動しながら、二十人以上のパンを焼くのは難しい。
いや、いっそのこと丸パンではなくフランスパンなんかの一つが大きいタイプで作ればいいのか?
生地を作るのは変わらないが、成形の手間が減るだけでもだいぶ助かるかもしれない。
「じゃあ、今日の昼はサンドイッチにでもしようか。ミーナは人数分のパンを半分に切って、緑菜を千切りにしておいてくれるか?」
「わかりました」
俺はその間に肉を焼いてしまおう。
この人数に出すならデビルボアの肉がいいだろう。
他の肉だと部位が変わって不公平になるからな。
「ミーナはその作業が終わったら一番大きな鍋にコンソメスープを作ってくれるか? 夜もみんなに食事を出すから先に下ごしらえ、というか、スープだけでも作っておこう」
「そうですね、具材は白根ですか?」
「あと緑菜も入れておこう。緑菜はあとで騎士の人が持ってきてくれるからなくなる心配はないだろう」
問題は白根だが、こちらも畑に植えてある分は成長を続けているのでいずれ種をとれるだろう。
サンドイッチのほうはカツにでもすれば食べやすいかもしれないが、流石に揚げているだけの時間はないから照り焼きにしておこう。
一度作ったことのあるサンドイッチだからレイジとミーナには目新しくはないが我慢してもらおう。
夜は肉を多めに焼いて、スープを出して勘弁してもらおう。
本当は麺類を作ってスープに入れるほうがいいのだろうが、コンソメに会うような麺類はパスタになるし、パスタには卵が必要だ。
まあ、本物の味を知っている人がいないのだからコンソメスープにうどんをぶち込んでも誰も文句を言ってはこないだろうが、二十人分のうどんを捏ねるだけでも大変だ。
一応、時間ができたら候補に入れることにしよう。
「すみません、団長に言われて緑菜を持ってきましたが、どちらに置けばよろしいですか?」
「ああ、申し訳ありませんが、こちらも手が離せないので食堂の中に置いてもらえればどこでも構いませんよ」
「わかりました、では入り口の脇にまとめておきますね。他には何か手伝えることはありますか?」
「今日のところは大丈夫です。出来ましたらお呼びしますのでこの食堂の近くに集まっていただくようにお願いします」
レベル3の食堂は、カウンター八席に四人掛けのテーブルが八席あるから、都合四十人が収容可能だ。
ウィリアムさんが一人でテーブル席を使用しても全員が座れるだろう。
「了解しました、では外で待機していますので何か用事がありましたらお声がけください」
デビルボアの肉はバラ肉を使うことにして、あとは前に作った照り焼きサンドと一緒だな。
タルタルソースは外に持ち出してもいいようにあと掛けじゃなくて、最初からサンドの中にはさんでおくか。
食堂内の調味料は料理に使った状態なら外に持ち出せるが、調味料単体だと持ち出せない仕様だからな。
ミーナは、スープのほうに取り掛かってるからサンドイッチのほうは俺が作っていくか。
とはいえ、緑菜もパンもミーナが切ってくれているので俺は照り焼き肉と緑菜をパンにはさんで、間にタルタルソースをかけるだけだ。
今回はスピード重視でパンにバターは塗らなかったが、出来立てを食べるから特に問題はないだろう。
「マサト兄ちゃん、戻ってきたよ。デビルボアが一体と、よくわからない魔獣が一匹いたよ」
「おお、お帰りレイジ。デビルボアはどうしたんだ? ここまで持ってこれるほど小さいやつだったのか?」
「それがさ、騎士の兄ちゃんたちが力を合わせて持ち上げてここまで持ってきたよ。村にいたのと変わらない大きさなのに内臓抜いたら四人がかりで担いでいくから僕びっくりしちゃって……」
そらまあ、びっくりする光景だろうな。
村にいたデビルボアと遜色がないなら、内臓を抜いても体重は百キロ近くあるだろうに。
「もう一体のほうは、名前とかはわからなかったのか?」
あとで食材鑑定すれば詳細もわかるが、サンドイッチを作ってる今は見に行ってる余裕はない。
「なんか、騎士の兄ちゃんが言うにはヘビースネークって呼ばれている魔獣なんだって」
「へー、スネークか」
スネーク、つまりは蛇ってことだな、記憶がないからわからないが、毒さえなければ食べられそうな気はするな。
「マサトさん、照り焼きサンドのほうはどうですか? こっちは終わりましたよ」
おや、味付けがまだとはいえ俺のほうが遅くなってしまったか。
「あと少しだな。ミーナ、手伝ってくれ。レイジは外にいる騎士の人に伝えてみんなを食堂の中に案内してくれるか?」
「こっちからやっていきますね」
「うん、じゃあ伝えてくるね」
そりゃあそうだ、逆に今ここで、ポンっと大金を出されても困る。
「ええ、もちろんいいですよ。ただ、食材のほうは先に提供していただけると嬉しいですね。食堂内には食材を適切な温度で保管する場所があるので、車で運ぶよりは傷まないでしょう」
「そうか、では残っている部下に運ばせるとしよう。マサト君は料理のほうをお願いしてもいいかい?」
「ええ、さっそく皆さんの料理を作らせていただきますよ」
とはいえ、下ごしらえもしていないような状態だから簡単なものになるだろうけど。
「ミーナ、料理に入ろう」
「マサトさん、お話終わったんですね。何を作ります?」
「そうだな、時間もないし手間のかかる料理は無理だな」
斑芋みたいに毒抜きに時間のかかるものやスープの類は難しいだろう。
「パンは人数分あるかな?」
「村を出発する前に大量に焼きましたので、この人数なら一人当たり、二つか三つくらいはありますね」
パンがあるなら適当に肉を焼いてサンドイッチにするのが簡単か。
とはいえ、これは明日以降には使えないから何か手を考えておかないといけないな。
いくら何でも移動しながら、二十人以上のパンを焼くのは難しい。
いや、いっそのこと丸パンではなくフランスパンなんかの一つが大きいタイプで作ればいいのか?
生地を作るのは変わらないが、成形の手間が減るだけでもだいぶ助かるかもしれない。
「じゃあ、今日の昼はサンドイッチにでもしようか。ミーナは人数分のパンを半分に切って、緑菜を千切りにしておいてくれるか?」
「わかりました」
俺はその間に肉を焼いてしまおう。
この人数に出すならデビルボアの肉がいいだろう。
他の肉だと部位が変わって不公平になるからな。
「ミーナはその作業が終わったら一番大きな鍋にコンソメスープを作ってくれるか? 夜もみんなに食事を出すから先に下ごしらえ、というか、スープだけでも作っておこう」
「そうですね、具材は白根ですか?」
「あと緑菜も入れておこう。緑菜はあとで騎士の人が持ってきてくれるからなくなる心配はないだろう」
問題は白根だが、こちらも畑に植えてある分は成長を続けているのでいずれ種をとれるだろう。
サンドイッチのほうはカツにでもすれば食べやすいかもしれないが、流石に揚げているだけの時間はないから照り焼きにしておこう。
一度作ったことのあるサンドイッチだからレイジとミーナには目新しくはないが我慢してもらおう。
夜は肉を多めに焼いて、スープを出して勘弁してもらおう。
本当は麺類を作ってスープに入れるほうがいいのだろうが、コンソメに会うような麺類はパスタになるし、パスタには卵が必要だ。
まあ、本物の味を知っている人がいないのだからコンソメスープにうどんをぶち込んでも誰も文句を言ってはこないだろうが、二十人分のうどんを捏ねるだけでも大変だ。
一応、時間ができたら候補に入れることにしよう。
「すみません、団長に言われて緑菜を持ってきましたが、どちらに置けばよろしいですか?」
「ああ、申し訳ありませんが、こちらも手が離せないので食堂の中に置いてもらえればどこでも構いませんよ」
「わかりました、では入り口の脇にまとめておきますね。他には何か手伝えることはありますか?」
「今日のところは大丈夫です。出来ましたらお呼びしますのでこの食堂の近くに集まっていただくようにお願いします」
レベル3の食堂は、カウンター八席に四人掛けのテーブルが八席あるから、都合四十人が収容可能だ。
ウィリアムさんが一人でテーブル席を使用しても全員が座れるだろう。
「了解しました、では外で待機していますので何か用事がありましたらお声がけください」
デビルボアの肉はバラ肉を使うことにして、あとは前に作った照り焼きサンドと一緒だな。
タルタルソースは外に持ち出してもいいようにあと掛けじゃなくて、最初からサンドの中にはさんでおくか。
食堂内の調味料は料理に使った状態なら外に持ち出せるが、調味料単体だと持ち出せない仕様だからな。
ミーナは、スープのほうに取り掛かってるからサンドイッチのほうは俺が作っていくか。
とはいえ、緑菜もパンもミーナが切ってくれているので俺は照り焼き肉と緑菜をパンにはさんで、間にタルタルソースをかけるだけだ。
今回はスピード重視でパンにバターは塗らなかったが、出来立てを食べるから特に問題はないだろう。
「マサト兄ちゃん、戻ってきたよ。デビルボアが一体と、よくわからない魔獣が一匹いたよ」
「おお、お帰りレイジ。デビルボアはどうしたんだ? ここまで持ってこれるほど小さいやつだったのか?」
「それがさ、騎士の兄ちゃんたちが力を合わせて持ち上げてここまで持ってきたよ。村にいたのと変わらない大きさなのに内臓抜いたら四人がかりで担いでいくから僕びっくりしちゃって……」
そらまあ、びっくりする光景だろうな。
村にいたデビルボアと遜色がないなら、内臓を抜いても体重は百キロ近くあるだろうに。
「もう一体のほうは、名前とかはわからなかったのか?」
あとで食材鑑定すれば詳細もわかるが、サンドイッチを作ってる今は見に行ってる余裕はない。
「なんか、騎士の兄ちゃんが言うにはヘビースネークって呼ばれている魔獣なんだって」
「へー、スネークか」
スネーク、つまりは蛇ってことだな、記憶がないからわからないが、毒さえなければ食べられそうな気はするな。
「マサトさん、照り焼きサンドのほうはどうですか? こっちは終わりましたよ」
おや、味付けがまだとはいえ俺のほうが遅くなってしまったか。
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「こっちからやっていきますね」
「うん、じゃあ伝えてくるね」
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