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2章 領都
11 領主館での食事作り
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「このくらいの広さの部屋でよいだろうか?」
ウィリアムさんに通してもらった部屋はレイジとミーナが村で住んでいた家より少し広いくらいの部屋で家具などの調度品は片づけられたのかがらんとした印象を与える部屋だった。
「ええ、これなら出せそうです」
レベル2の食堂は無理だがレベル1なら出しても人の出入りくらいは可能なくらいの広さがある。
設備のほうはもちろんレベル2のほうがいいのだが、レベル1と比べればレベル2のほうが高さがあるのでここは屋台サイズのレベル1がやはり妥当だろう。
「ほうほうほう、なるほどなあ、これが小さな食堂か。察するに、椅子のない側で料理を作って椅子のある方で食べるといった感じかい?」
まあ、屋台の構造を見れば一目瞭然だろう。
メニューはデビルボアのステーキ、斑芋と水瓜のポテトサラダ、白根と緑菜の紫トマトスープ、あとはミーナとレイジが作ってくれた各種パンだな。
「マサト兄ちゃん、なにをすればいいんだ?」
「ミーナも手伝いますよ」
二人はそう言ってくれるが、屋台の広さは三人が自由に動けるほどに広くはない。
とはいえ、一人で全部作るのは大変だし、一人だけ仲間外れにするのも流石に気分が悪い。
「そうだな、レイジは客席側で食材を切ってくれるか? ミーナはキッチン側でポテト皿を作る準備をしてくれ」
俺はトマトスープの準備をしよう。
ステーキはアツアツの状態で出したいから最後に焼くとして、トマトスープは初めて作るから俺が作るのが妥当だろう。
「わかったよ、マサト兄ちゃん。」
「わかりました、マサトさん」
俺の言葉に素直に従ってくれるレイジとミーナ。
「では、マサト君。私は領主様に事の次第を伝えてくるから準備のほうを進めておいてくれ。ここにはメイドを残していくから、出来たら伝えるように」
そう言って出ていったウィリアムさんと入れ違いに四人のメイド服姿の女性が部屋の中へと入ってくる。
得体のしれない人物を監視もなしに部屋に残すはずもないし、用事を言いつけられたり、言付けを伝えに行くときに人数がいないと困るからこそのこの人数だろう。
軽く鑑定してみた感じ、三十代前半から四十代前半くらいの女性で、おそらくこの領主館の中ではベテランに分類されるようなメイドのようだ。
まあ、物語じゃないんだから得体のしれない人間とはいえ、騎士団長の連れてきた客人の対応に新人は配置しないだろう。
「お客様。何かございましたら、遠慮なく申し付けください」
「ええ、おそらく皆さんが見たこともない方法で食材を使うとは思いますが驚かないでいただけたら幸いです」
この世界では野菜や果物はそのまま出すのが普通で、ウィリアムさんに聞いた限りでは貴族や王族であっても食卓に並ぶのは飾り切りがされているくらいでモノ自体は平民と変わりがないらしい。
火を扱うのは鍛冶師と調合師くらいで、食材に火を通して何かしようと考えるような人間はいない。
それもこれも、火というものが魔法でしか出せないと思われているのが原因だ。
この固定観念もどうにかしないと、料理をするには魔法使いがいなければならないなんてことになりかねない。
まあ、こんなことは今考えても仕方がないので料理に集中するか。
レイジには白根はサイコロ状に、緑菜は一口大に切ってもらうように指示をしたからそれを少量の油で炒めていく。
いろいろ足りないが、ミネストローネのようなスープを目指すことにしよう。
とはいえ、紫トマトは前の世界のものとは違って色合いが紫なのと酸味が強いので、紫色の酸っぱいスープになるだろうが本物を知らなければ違和感は覚えないだろう。
固形のコンソメキューブなんてこの世界ではないので再現は不可能だろうが仕方がない。
この世界で見つかっている食材だけで料理を作ると全てが塩味になってしまうからな。
「お兄ちゃん、水瓜は切り終わってる?」
「ああ、ミーナ。食材は全部切り終わったよ」
「じゃあ、レイジは皿やお盆を用意してくれるか? ええと、メイドさん、料理を運ぶワゴンのようなものはありますか?」
「ええ、お食事を運ぶものがございます」
「では、そちらに出来上がった料理を載せていくので準備をお願いします」
俺が言うや否や二人のメイドさんが部屋から出ていく。
おそらく、一人はカートを用意しに行って、もう一人はウィリアムさんと領主様に料理の準備ができたことを伝えに行ったのだろう。
ミネストローネもどきは紫トマトを入れたから、あとは煮込んで最後に塩コショウをぱらりと入れるだけだ。
ポテトサラダもミーナに任せておけば大丈夫だろう。
ということで、メインディッシュ……と呼ぶには品数が少ないような気もするが、デビルボアのステーキに取り掛かるとしよう。
味付けはシンプルに塩コショウだけにしておこう。
やはり最初は肉の味を知ってほしいからな。
屋台の収納空間から冷蔵庫で解凍しておいたデビルボアの肉の中からステーキに適している部位を取り出す。
焼きすぎないように、かと言って生の部分が出ないように慎重に焼いていく。
この辺りは天職持ちのミーナのほうが得意なのだが、この世界に来てから何枚も焼いているおかげかコツをつかんできているので俺でもなんとかできるようになってきている。
「あ、マサトさんもうひっくり返した方がいいですよ」
「ああ、ミーナ。ありがとう」
とはいえ、天職持ちにはかなわないので、こうやってミーナにタイミングを教えてもらうこともしばしばなのだが。
まあ、このばかりは仕方がない、いくら神様から加護をもらったとはいえ俺は料理の達人というわけではないのだから。
……まあ、記憶がないから確かめようはないのから推測だが、料理に関する手際をミーナと比べても俺が前の世界で料理はそこそこにしかやってこなかったのは明白だろう。
「ワゴンを持ってきましたが、これで大丈夫でしょうか?」
「ええ、その大きさならすべての料理が載せられそうです」
やはり、領主一家はかなりの健啖家なのかメイドさんが運んできたワゴンはかなり大きさだった。
これなら、予備の肉を置くことも、スープを鍋ごと運ぶことも可能だろう。
領主家族は四人ということなので、ステーキは十枚、スープも十人前は入りそうな鍋に作っている。
かなり多めに作っているが、残したとしても領主館で働く人間やウィリアムさんあたりが食べるだろう。
「領主様たちには食堂で待っていただいております、お食事の準備は終わりましたか?」
ワゴンをとりに行ったときに出ていったもう一人のメイドさんが戻ってきてそう告げる。
ちょうど最後のステーキが焼けたところで、見計らったようなタイミングだが、これがプロの仕事というものかもしれない。
「ええ、こちらの準備は終わりましたので給仕は任せてもよいでしょうか?」
流石に食事中の領主一家に会うのは憚られるため、メイドさんに給仕をお願いする。
その際に、料理が熱いことやスープをよそうレードルの使い方なんかを説明する。
領主一家がナイフを使い慣れているかどうかはわからなかったのでステーキは一口サイズに切ってあるのでカトラリーはフォークとスプーンだけだ。
こちらの用意した食器や鍋は食堂の備品なので必ず返してもらうように伝えてメイドさんたちに託す。
ウィリアムさんに通してもらった部屋はレイジとミーナが村で住んでいた家より少し広いくらいの部屋で家具などの調度品は片づけられたのかがらんとした印象を与える部屋だった。
「ええ、これなら出せそうです」
レベル2の食堂は無理だがレベル1なら出しても人の出入りくらいは可能なくらいの広さがある。
設備のほうはもちろんレベル2のほうがいいのだが、レベル1と比べればレベル2のほうが高さがあるのでここは屋台サイズのレベル1がやはり妥当だろう。
「ほうほうほう、なるほどなあ、これが小さな食堂か。察するに、椅子のない側で料理を作って椅子のある方で食べるといった感じかい?」
まあ、屋台の構造を見れば一目瞭然だろう。
メニューはデビルボアのステーキ、斑芋と水瓜のポテトサラダ、白根と緑菜の紫トマトスープ、あとはミーナとレイジが作ってくれた各種パンだな。
「マサト兄ちゃん、なにをすればいいんだ?」
「ミーナも手伝いますよ」
二人はそう言ってくれるが、屋台の広さは三人が自由に動けるほどに広くはない。
とはいえ、一人で全部作るのは大変だし、一人だけ仲間外れにするのも流石に気分が悪い。
「そうだな、レイジは客席側で食材を切ってくれるか? ミーナはキッチン側でポテト皿を作る準備をしてくれ」
俺はトマトスープの準備をしよう。
ステーキはアツアツの状態で出したいから最後に焼くとして、トマトスープは初めて作るから俺が作るのが妥当だろう。
「わかったよ、マサト兄ちゃん。」
「わかりました、マサトさん」
俺の言葉に素直に従ってくれるレイジとミーナ。
「では、マサト君。私は領主様に事の次第を伝えてくるから準備のほうを進めておいてくれ。ここにはメイドを残していくから、出来たら伝えるように」
そう言って出ていったウィリアムさんと入れ違いに四人のメイド服姿の女性が部屋の中へと入ってくる。
得体のしれない人物を監視もなしに部屋に残すはずもないし、用事を言いつけられたり、言付けを伝えに行くときに人数がいないと困るからこそのこの人数だろう。
軽く鑑定してみた感じ、三十代前半から四十代前半くらいの女性で、おそらくこの領主館の中ではベテランに分類されるようなメイドのようだ。
まあ、物語じゃないんだから得体のしれない人間とはいえ、騎士団長の連れてきた客人の対応に新人は配置しないだろう。
「お客様。何かございましたら、遠慮なく申し付けください」
「ええ、おそらく皆さんが見たこともない方法で食材を使うとは思いますが驚かないでいただけたら幸いです」
この世界では野菜や果物はそのまま出すのが普通で、ウィリアムさんに聞いた限りでは貴族や王族であっても食卓に並ぶのは飾り切りがされているくらいでモノ自体は平民と変わりがないらしい。
火を扱うのは鍛冶師と調合師くらいで、食材に火を通して何かしようと考えるような人間はいない。
それもこれも、火というものが魔法でしか出せないと思われているのが原因だ。
この固定観念もどうにかしないと、料理をするには魔法使いがいなければならないなんてことになりかねない。
まあ、こんなことは今考えても仕方がないので料理に集中するか。
レイジには白根はサイコロ状に、緑菜は一口大に切ってもらうように指示をしたからそれを少量の油で炒めていく。
いろいろ足りないが、ミネストローネのようなスープを目指すことにしよう。
とはいえ、紫トマトは前の世界のものとは違って色合いが紫なのと酸味が強いので、紫色の酸っぱいスープになるだろうが本物を知らなければ違和感は覚えないだろう。
固形のコンソメキューブなんてこの世界ではないので再現は不可能だろうが仕方がない。
この世界で見つかっている食材だけで料理を作ると全てが塩味になってしまうからな。
「お兄ちゃん、水瓜は切り終わってる?」
「ああ、ミーナ。食材は全部切り終わったよ」
「じゃあ、レイジは皿やお盆を用意してくれるか? ええと、メイドさん、料理を運ぶワゴンのようなものはありますか?」
「ええ、お食事を運ぶものがございます」
「では、そちらに出来上がった料理を載せていくので準備をお願いします」
俺が言うや否や二人のメイドさんが部屋から出ていく。
おそらく、一人はカートを用意しに行って、もう一人はウィリアムさんと領主様に料理の準備ができたことを伝えに行ったのだろう。
ミネストローネもどきは紫トマトを入れたから、あとは煮込んで最後に塩コショウをぱらりと入れるだけだ。
ポテトサラダもミーナに任せておけば大丈夫だろう。
ということで、メインディッシュ……と呼ぶには品数が少ないような気もするが、デビルボアのステーキに取り掛かるとしよう。
味付けはシンプルに塩コショウだけにしておこう。
やはり最初は肉の味を知ってほしいからな。
屋台の収納空間から冷蔵庫で解凍しておいたデビルボアの肉の中からステーキに適している部位を取り出す。
焼きすぎないように、かと言って生の部分が出ないように慎重に焼いていく。
この辺りは天職持ちのミーナのほうが得意なのだが、この世界に来てから何枚も焼いているおかげかコツをつかんできているので俺でもなんとかできるようになってきている。
「あ、マサトさんもうひっくり返した方がいいですよ」
「ああ、ミーナ。ありがとう」
とはいえ、天職持ちにはかなわないので、こうやってミーナにタイミングを教えてもらうこともしばしばなのだが。
まあ、このばかりは仕方がない、いくら神様から加護をもらったとはいえ俺は料理の達人というわけではないのだから。
……まあ、記憶がないから確かめようはないのから推測だが、料理に関する手際をミーナと比べても俺が前の世界で料理はそこそこにしかやってこなかったのは明白だろう。
「ワゴンを持ってきましたが、これで大丈夫でしょうか?」
「ええ、その大きさならすべての料理が載せられそうです」
やはり、領主一家はかなりの健啖家なのかメイドさんが運んできたワゴンはかなり大きさだった。
これなら、予備の肉を置くことも、スープを鍋ごと運ぶことも可能だろう。
領主家族は四人ということなので、ステーキは十枚、スープも十人前は入りそうな鍋に作っている。
かなり多めに作っているが、残したとしても領主館で働く人間やウィリアムさんあたりが食べるだろう。
「領主様たちには食堂で待っていただいております、お食事の準備は終わりましたか?」
ワゴンをとりに行ったときに出ていったもう一人のメイドさんが戻ってきてそう告げる。
ちょうど最後のステーキが焼けたところで、見計らったようなタイミングだが、これがプロの仕事というものかもしれない。
「ええ、こちらの準備は終わりましたので給仕は任せてもよいでしょうか?」
流石に食事中の領主一家に会うのは憚られるため、メイドさんに給仕をお願いする。
その際に、料理が熱いことやスープをよそうレードルの使い方なんかを説明する。
領主一家がナイフを使い慣れているかどうかはわからなかったのでステーキは一口サイズに切ってあるのでカトラリーはフォークとスプーンだけだ。
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