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3章 王都
13 出国準備
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「仕方ないですね。私としてはマサト君たちにはこの国に骨をうずめるくらい長居してほしいのですが」
神様によって寿命すら延ばされてそうな俺は骨をうずめられるかはわからないが、この国にそこまで長いしたら神様からの依頼が果たせそうにないからごめんだな。
「神様からの依頼を無碍にすることもできないですし、厄介ごとに巻き込まれそうなら離れさせてもらいますよ」
「でしたら、この国の次には聖王国に行くのがいいでしょう」
聖王国…確か、前に聞いたこの国の近くにあるっていう国の一つだな。
他には帝国と迷宮都市があるんだったか。
「聖王国……ですか、他にも国はありましたよね?」
「まあ、単純な理由なんですが、この国と直接国境を接しているのが聖王国と迷宮都市なんですよ」
ランドールさんの説明によると、王国、聖王国、帝国の三国は聖王国を中心に北が帝国、南が王国になっているらしい。
迷宮都市は三国が共同で管理する地方都市のようなもので、三国に国境が接しているがそれゆえに難しい地帯でもあるらしい。
「それに、迷宮都市は元魔王領ですからね。魔獣や獣の強さもこの国とは段違いですから、大人数で年まで行くのならともかく、三人で行くのは厳しいでしょう」
迷宮都市に行くには三桁人数の騎士団を投入して、数十人がたどり着けたら成功といえるくらい行くのが難しいらしい。
まあ、神様の加護もあるからたどり着くのは難しくないかもしれないが、負担が大きいのは確かだろう。
「それじゃあ、レイジが成長するまではいかないほうがいいかもしれませんね」
今でも騎士団の中堅メンバー位の強さを持つレイジだ、成長すれば強いと言われる迷宮都市の魔獣も一人で倒せるようになるかもしれない。
「それに聖王国は我が国の同盟国ですからね。一応紹介状を書いておきますから、それを持って行ってください」
紹介状、確かにそういうものがあると助かるな。
「まあ、出ていくと言っても今は食堂の在庫状況も厳しいので直ぐにというわけにもいかないですけどね」
「そろそろ、シェリルバイト領からの荷馬車が到着する頃でしょうし、それを待った方がいいかもしれませんね。荷馬車が持ってくる食料はほとんどマサト君が持って行っていいので」
「いいんですか?」
確かに助かるが、それを持っていかれたらシェリルバイト家……というか、ランドールさんが困らないだろうか。
「マサト君が王都を去るというのなら私が王都にとどまるメリットもないですからね。マサト君の旅立ちを見送ったら私たちもシェリルバイト領に帰りますよ」
なるほど、それなら確かに食料もあまり必要とはしないかもしれないな。
「マサトさん、ミーナたちは」
「マサト兄ちゃん…」
「もちろん、二人は俺についてきてくれるよな。……ランドールさん、シェリルバイト領の住民ですが二人を連れて行っても構わないでしょうか?」
「もちろんですよ。というよりも、この国の国民の基準はポーションを受け取っているかどうかです。この国に来てからポーションを受け取っていないマサト君はもちろん、数年もの間ポーションを受け取っていない二人も国民とは呼べないのですよ」
なるほど、国民ではないから縛ることもできないということか。
法律としてみるとガバガバのように思えるが、この世界は成り立ち自体が歪だからそれなりの理由があるのだろう。
とはいえ、縛られないのなら助かる。
「では、荷馬車が届き次第、この国からは去ろうと思います。レイジには悪いけど、それまでの間に肉類の補充を中心にお願いしたい」
「わかったよ、マサト兄ちゃん」
「こちらも爆弾米なんかの保存がききそうな植物を集めておきますね」
レイジとライアンさんが応えてくれる。
とはいえ、この国から出るのは俺たち三人だけだから、そこそこの備蓄があれば大丈夫かな。
食堂の畑で採れる分の野菜だけでも、三人じゃもて余すくらいだし。
「では、マサト君とミーナ君にはそれまでの間だけでも食堂をお願いしますね。まだ呼んでいない周辺貴族もいますし、限界までエリックとルッカを鍛えてほしいですからね」
まあ、食料を融通してもらうんだ、それくらいの仕事はしよう。
神様によって寿命すら延ばされてそうな俺は骨をうずめられるかはわからないが、この国にそこまで長いしたら神様からの依頼が果たせそうにないからごめんだな。
「神様からの依頼を無碍にすることもできないですし、厄介ごとに巻き込まれそうなら離れさせてもらいますよ」
「でしたら、この国の次には聖王国に行くのがいいでしょう」
聖王国…確か、前に聞いたこの国の近くにあるっていう国の一つだな。
他には帝国と迷宮都市があるんだったか。
「聖王国……ですか、他にも国はありましたよね?」
「まあ、単純な理由なんですが、この国と直接国境を接しているのが聖王国と迷宮都市なんですよ」
ランドールさんの説明によると、王国、聖王国、帝国の三国は聖王国を中心に北が帝国、南が王国になっているらしい。
迷宮都市は三国が共同で管理する地方都市のようなもので、三国に国境が接しているがそれゆえに難しい地帯でもあるらしい。
「それに、迷宮都市は元魔王領ですからね。魔獣や獣の強さもこの国とは段違いですから、大人数で年まで行くのならともかく、三人で行くのは厳しいでしょう」
迷宮都市に行くには三桁人数の騎士団を投入して、数十人がたどり着けたら成功といえるくらい行くのが難しいらしい。
まあ、神様の加護もあるからたどり着くのは難しくないかもしれないが、負担が大きいのは確かだろう。
「それじゃあ、レイジが成長するまではいかないほうがいいかもしれませんね」
今でも騎士団の中堅メンバー位の強さを持つレイジだ、成長すれば強いと言われる迷宮都市の魔獣も一人で倒せるようになるかもしれない。
「それに聖王国は我が国の同盟国ですからね。一応紹介状を書いておきますから、それを持って行ってください」
紹介状、確かにそういうものがあると助かるな。
「まあ、出ていくと言っても今は食堂の在庫状況も厳しいので直ぐにというわけにもいかないですけどね」
「そろそろ、シェリルバイト領からの荷馬車が到着する頃でしょうし、それを待った方がいいかもしれませんね。荷馬車が持ってくる食料はほとんどマサト君が持って行っていいので」
「いいんですか?」
確かに助かるが、それを持っていかれたらシェリルバイト家……というか、ランドールさんが困らないだろうか。
「マサト君が王都を去るというのなら私が王都にとどまるメリットもないですからね。マサト君の旅立ちを見送ったら私たちもシェリルバイト領に帰りますよ」
なるほど、それなら確かに食料もあまり必要とはしないかもしれないな。
「マサトさん、ミーナたちは」
「マサト兄ちゃん…」
「もちろん、二人は俺についてきてくれるよな。……ランドールさん、シェリルバイト領の住民ですが二人を連れて行っても構わないでしょうか?」
「もちろんですよ。というよりも、この国の国民の基準はポーションを受け取っているかどうかです。この国に来てからポーションを受け取っていないマサト君はもちろん、数年もの間ポーションを受け取っていない二人も国民とは呼べないのですよ」
なるほど、国民ではないから縛ることもできないということか。
法律としてみるとガバガバのように思えるが、この世界は成り立ち自体が歪だからそれなりの理由があるのだろう。
とはいえ、縛られないのなら助かる。
「では、荷馬車が届き次第、この国からは去ろうと思います。レイジには悪いけど、それまでの間に肉類の補充を中心にお願いしたい」
「わかったよ、マサト兄ちゃん」
「こちらも爆弾米なんかの保存がききそうな植物を集めておきますね」
レイジとライアンさんが応えてくれる。
とはいえ、この国から出るのは俺たち三人だけだから、そこそこの備蓄があれば大丈夫かな。
食堂の畑で採れる分の野菜だけでも、三人じゃもて余すくらいだし。
「では、マサト君とミーナ君にはそれまでの間だけでも食堂をお願いしますね。まだ呼んでいない周辺貴族もいますし、限界までエリックとルッカを鍛えてほしいですからね」
まあ、食料を融通してもらうんだ、それくらいの仕事はしよう。
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