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3.5章 閑話
07 料理の効果 ウィリアム視点
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彼……マサト君から聞いたことは俄かには信じられないような内容だった。
食べるものによって能力が変化するなど……。
だが、確かに言われてみれば騎士団でも剣の技量や経験は培うことができるが、単純な筋力や素早さなどは新人でもベテランでもそう変わりはない。
今までは気にもしなかったことだが、それが事実だ。
マサト君が言うには獣の肉を食べれば力がつくそうだが、新人たちにこのことを話しても半信半疑だった。
だから、マサト君に力比べを提案したのだが、彼自身は食べ物による恩恵を受けないそうでこの村に来てから食事をずっと共にしていたレイジ君が代わりに力比べをしてくれることになった。
結論から言うと、レイジ君に力比べで敵う団員は一人もいなかった。
新人ばかりだからそうなるのかと思ったのだが、私が相手をしても全くかなわなかったからマサト君の言っている内容に信ぴょう性が出てきた。
もちろん、走力でも対戦してもらったが、レイジ君のスピードについていける団員は一人もいない。
マサト君の言うように食事によってこれほど身体能力が変わるのなら、たとえそれが獣の死体や毒物でも食べようという気になる。
新人たちに確認をとっても皆同じ気持ちのようだ。
だが、マサト君の料理はやはり私の想像の上を行く。
覚悟をして食べた彼の作った料理は、アイリーンが褒めていたように食べたことの無いような複雑な味がしたものの確かに美味かったのだ。
村人や新人たちに配られたものは村で採れるモノだけで作られているらしいので、私が食べたものとは違うのだが皆一様に満足げな顔をしている。
これならば能力云々を差し引いても、食事を作ってみようという気になる。
団員の中にはそう感じたものがいたのか、自主的に村人に交じってマサト君に料理を教わっているものもいる。
マサト君が言うには本格的に料理をするのなら料理人という天職を持っている方が有利らしいが、違う天職持ちでも簡単なものならそこまで苦労なく習得できるだろうとのことだ。
しかも、獣や魔獣の解体は戦闘系の天職持ちならば簡単にできるらしい。
試してみて本当なら、こういった荷運びや護送の際には獣や魔獣を狩ってその肉を料理にするのもいいかもしれない。
騎士団内には火や土の魔法持ちも多いから、野営の際に料理を作ることも可能だろう。
どうせ、野営の際には見張り以外は暇を持て余してさっさと寝るくらいしかないしな。
だが、マサト君の作ってくれたステーキとやらは私のように果物を多く食べていた人間には少し硬かった。
平民出身で硬い野菜を多く食べていたものには問題ないようだが、あまりにも硬いと貴族にはなじまないかもしれない。
そう伝えたら、彼は肉に格子状の切れ目を入れたり、焼く部位を変えたりして肉が柔らかくなるように工夫してくれた。
これならば、領主様はもちろん、王都の貴族や王族であっても食べれるだろう。
この領の領主様は変わっているから平民が食べるようなものも少なからず食したことがあるが、王都の貴族や王族になれば食生活は甘い果物一色だからな。
マサト君に言えば、彼は食べていれば力のステータスが上がるから硬く感じなくなると思いますけどね、と言っていた。
確かに、かみ砕くにも力がいるから能力が上がればそういったことにも有利になるのか。
とはいえ、能力値が上がれば騎士団員は魔獣退治で有利になるし、これまでは退治できなかったような強力な獣や素早い魔獣にも対処できるようになるだろう。
それに平民たちに力が付けば、自分たちで対処できる幅が増えるだろうから騎士団の業務も少しは減るだろう。
自分の欲望も交えつつ、マサト君に領都に来てほしいとお願いしたら彼は少し悩みながらも了承してくれた。
彼自身、この村でやれることはやり切ったようで、違う場所に向かうことを検討していたらしい。
少しの準備期間を置いたのちに領都に向かうことになるのだが、その道中でも彼には驚かされることを今の私は知らない。
食べるものによって能力が変化するなど……。
だが、確かに言われてみれば騎士団でも剣の技量や経験は培うことができるが、単純な筋力や素早さなどは新人でもベテランでもそう変わりはない。
今までは気にもしなかったことだが、それが事実だ。
マサト君が言うには獣の肉を食べれば力がつくそうだが、新人たちにこのことを話しても半信半疑だった。
だから、マサト君に力比べを提案したのだが、彼自身は食べ物による恩恵を受けないそうでこの村に来てから食事をずっと共にしていたレイジ君が代わりに力比べをしてくれることになった。
結論から言うと、レイジ君に力比べで敵う団員は一人もいなかった。
新人ばかりだからそうなるのかと思ったのだが、私が相手をしても全くかなわなかったからマサト君の言っている内容に信ぴょう性が出てきた。
もちろん、走力でも対戦してもらったが、レイジ君のスピードについていける団員は一人もいない。
マサト君の言うように食事によってこれほど身体能力が変わるのなら、たとえそれが獣の死体や毒物でも食べようという気になる。
新人たちに確認をとっても皆同じ気持ちのようだ。
だが、マサト君の料理はやはり私の想像の上を行く。
覚悟をして食べた彼の作った料理は、アイリーンが褒めていたように食べたことの無いような複雑な味がしたものの確かに美味かったのだ。
村人や新人たちに配られたものは村で採れるモノだけで作られているらしいので、私が食べたものとは違うのだが皆一様に満足げな顔をしている。
これならば能力云々を差し引いても、食事を作ってみようという気になる。
団員の中にはそう感じたものがいたのか、自主的に村人に交じってマサト君に料理を教わっているものもいる。
マサト君が言うには本格的に料理をするのなら料理人という天職を持っている方が有利らしいが、違う天職持ちでも簡単なものならそこまで苦労なく習得できるだろうとのことだ。
しかも、獣や魔獣の解体は戦闘系の天職持ちならば簡単にできるらしい。
試してみて本当なら、こういった荷運びや護送の際には獣や魔獣を狩ってその肉を料理にするのもいいかもしれない。
騎士団内には火や土の魔法持ちも多いから、野営の際に料理を作ることも可能だろう。
どうせ、野営の際には見張り以外は暇を持て余してさっさと寝るくらいしかないしな。
だが、マサト君の作ってくれたステーキとやらは私のように果物を多く食べていた人間には少し硬かった。
平民出身で硬い野菜を多く食べていたものには問題ないようだが、あまりにも硬いと貴族にはなじまないかもしれない。
そう伝えたら、彼は肉に格子状の切れ目を入れたり、焼く部位を変えたりして肉が柔らかくなるように工夫してくれた。
これならば、領主様はもちろん、王都の貴族や王族であっても食べれるだろう。
この領の領主様は変わっているから平民が食べるようなものも少なからず食したことがあるが、王都の貴族や王族になれば食生活は甘い果物一色だからな。
マサト君に言えば、彼は食べていれば力のステータスが上がるから硬く感じなくなると思いますけどね、と言っていた。
確かに、かみ砕くにも力がいるから能力が上がればそういったことにも有利になるのか。
とはいえ、能力値が上がれば騎士団員は魔獣退治で有利になるし、これまでは退治できなかったような強力な獣や素早い魔獣にも対処できるようになるだろう。
それに平民たちに力が付けば、自分たちで対処できる幅が増えるだろうから騎士団の業務も少しは減るだろう。
自分の欲望も交えつつ、マサト君に領都に来てほしいとお願いしたら彼は少し悩みながらも了承してくれた。
彼自身、この村でやれることはやり切ったようで、違う場所に向かうことを検討していたらしい。
少しの準備期間を置いたのちに領都に向かうことになるのだが、その道中でも彼には驚かされることを今の私は知らない。
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