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4章 聖王国
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クリームシチューも食べ終えて、いざブラックカウを選ぶって段階になったので、レイジとミーナにはブラックカウに見てもらってた子供たちを引き連れて村人たちにクリームシチューを振舞ってもらうことにした。
ブラックカウと話す様子は村人たちには忌避されていること、共存しているだけとはいえ村周辺にいてこれから食料を出してくれるようになるであろうブラックカウを連れていく算段をすること、この二つの観点から村人たちには積極的に知らせない方針になったからだ。
「リリー、どうだ? 付いてきてくれそうなブラックカウは居そうか?」
「ちょっと待ってー……なんかみんなどんな場所でどんなことをさせられるか気にしてるみたいー」
「場所は食堂の裏手にある家畜小屋だが、安全と毎日の食事は保証する。仕事はミルクを出すときには特定の場所で出すことと、こっちが定期的にミルクを搾ることがあるくらいだな」
移動中はもちろん、戦闘中だろうが街中だろうが裏庭畑の家畜小屋にいる限り危険は有り得ない。
しかも、裏庭畑には契約した人間でないと入ることは出来ないから人的被害も絶対に起こらない世界で最も安全な場所の一つだろう。
しかも、守っているのは世界で最もステータス値の高い戦闘系の天職持ちのレイジ……これで安全が保障できなければこの世に安全な場所など存在しないと言っても過言ではないだろう。
食事に関しても家畜小屋内は自動給餌装置とでも言えばいいのか、毎日適量の飼料と水が補充される仕組みになっているようなので小屋内の掃除以外に人手はかからない。
小屋の掃除自体はキラーバードで手慣れたのもあってレイジやミーナに手伝ってもらえば一時間もかからずに済むし、旅の途中でも簡単に清掃ができる。
食料に関しても神様印の動物用飼料だからこの世界の一般的な食用の草木よりも栄養価が高いのか、キラーバードも王国にいた時よりも成長してるくらいだ。
「……条件はこの村にいるよりもいい感じなんだねー……うーん、どうだろー……」
「まあ、動物は状況の変化を嫌うからな。ミルクは欲しいけど無理強いはしなくてもいいぞ」
ミルクがあれば料理の幅は広がるし、この先、帝国に行った時にも役に立ちはするだろうが、帝国には帝国でそこでしか採れない食材があるだろうから、そこまでこだわりはしない。
それに聖王国で牧畜がさかんになれば技術が、いずれ王国や帝国にも伝わるようになるだろう。
「……お兄さん……ついていってもいいって子がいるよー。……他の子たちは家族や恋人がしり込みしてるからいけないって子が多いけどー……この子達は恋人同士で一緒に行きたいんだってー」
「恋人同士ってことは雄と雌が一頭ずつってことでいいんだよな?」
「あー、……いや、ちょっと違うかなー……。恋人同士が二組だから二頭ずつだねー」
ブラックカウは妊娠出産してなくても、地面にミルクをまき散らすらしいから雌であれば一頭でもいいかもしれないが、あわよくば数を増やしていきたいしな……二頭ずつなら好都合かもしれない。
「ってことは、あわよくば安全な場所で子供を産んで家族を増やしていきたいと」
「そだねー……流石に四頭は多いかなー……?」
「いや、キラーバードが数十頭入っても問題ないくらいの広さだし、四頭くらいなら問題ないだろ」
というか、神様の作り出した家畜小屋だし、手狭になったら勝手に広がっていきそうなんだよな。
まあ、かなり便利だし、食堂内の調味料ともども神様に感謝だな。
「じゃあ、この子達をお兄さんに預けるねー」
「ふむ、じゃあ早速食堂内に入ってもらうか」
レイジとミーナがクリームシチューを村人に振舞ってる間は、この辺には近寄ってこないだろうしな。
「さっきも聞いたけどー、どうやって連れていくのー?」
「まあ、待て。先に食堂を展開する」
リリーには説明しておかなければならないし、食堂の展開から見せたほうがいいだろう。
「……お兄さん……今、何もないところから家が出てきたんだけど……」
流石にリリーでも言葉を間延びできないくらいには驚いたみたいだな。
「これは俺が神様からもらった能力で、いつでもどこでも食堂を作り出せるってものだ」
「……さっき連れて行ってもらったところだよね……え? 神様から……?」
「ああ、俺は神様からこの世界で料理を広めてほしいと言われて旅をしている。神様を信仰している聖王国の人間には受け入れがたいことだろうからあんまり話していなかったけどな」
「……料理……でも、なんで?」
「神様が言うにはこの世界の人間はポーションに頼った生活をしているから能力が低いんだと。食材には人間の能力を上げる効果があるのに、腹が減ってもポーションで状態異常を治せば空腹が治るのが問題らしい」
これだけ聞けばポーションから状態異常の回復効果を失くせばって思うかもしれんが、おそらくそれをすると問題が起こるんだろうな。
ブラックカウと話す様子は村人たちには忌避されていること、共存しているだけとはいえ村周辺にいてこれから食料を出してくれるようになるであろうブラックカウを連れていく算段をすること、この二つの観点から村人たちには積極的に知らせない方針になったからだ。
「リリー、どうだ? 付いてきてくれそうなブラックカウは居そうか?」
「ちょっと待ってー……なんかみんなどんな場所でどんなことをさせられるか気にしてるみたいー」
「場所は食堂の裏手にある家畜小屋だが、安全と毎日の食事は保証する。仕事はミルクを出すときには特定の場所で出すことと、こっちが定期的にミルクを搾ることがあるくらいだな」
移動中はもちろん、戦闘中だろうが街中だろうが裏庭畑の家畜小屋にいる限り危険は有り得ない。
しかも、裏庭畑には契約した人間でないと入ることは出来ないから人的被害も絶対に起こらない世界で最も安全な場所の一つだろう。
しかも、守っているのは世界で最もステータス値の高い戦闘系の天職持ちのレイジ……これで安全が保障できなければこの世に安全な場所など存在しないと言っても過言ではないだろう。
食事に関しても家畜小屋内は自動給餌装置とでも言えばいいのか、毎日適量の飼料と水が補充される仕組みになっているようなので小屋内の掃除以外に人手はかからない。
小屋の掃除自体はキラーバードで手慣れたのもあってレイジやミーナに手伝ってもらえば一時間もかからずに済むし、旅の途中でも簡単に清掃ができる。
食料に関しても神様印の動物用飼料だからこの世界の一般的な食用の草木よりも栄養価が高いのか、キラーバードも王国にいた時よりも成長してるくらいだ。
「……条件はこの村にいるよりもいい感じなんだねー……うーん、どうだろー……」
「まあ、動物は状況の変化を嫌うからな。ミルクは欲しいけど無理強いはしなくてもいいぞ」
ミルクがあれば料理の幅は広がるし、この先、帝国に行った時にも役に立ちはするだろうが、帝国には帝国でそこでしか採れない食材があるだろうから、そこまでこだわりはしない。
それに聖王国で牧畜がさかんになれば技術が、いずれ王国や帝国にも伝わるようになるだろう。
「……お兄さん……ついていってもいいって子がいるよー。……他の子たちは家族や恋人がしり込みしてるからいけないって子が多いけどー……この子達は恋人同士で一緒に行きたいんだってー」
「恋人同士ってことは雄と雌が一頭ずつってことでいいんだよな?」
「あー、……いや、ちょっと違うかなー……。恋人同士が二組だから二頭ずつだねー」
ブラックカウは妊娠出産してなくても、地面にミルクをまき散らすらしいから雌であれば一頭でもいいかもしれないが、あわよくば数を増やしていきたいしな……二頭ずつなら好都合かもしれない。
「ってことは、あわよくば安全な場所で子供を産んで家族を増やしていきたいと」
「そだねー……流石に四頭は多いかなー……?」
「いや、キラーバードが数十頭入っても問題ないくらいの広さだし、四頭くらいなら問題ないだろ」
というか、神様の作り出した家畜小屋だし、手狭になったら勝手に広がっていきそうなんだよな。
まあ、かなり便利だし、食堂内の調味料ともども神様に感謝だな。
「じゃあ、この子達をお兄さんに預けるねー」
「ふむ、じゃあ早速食堂内に入ってもらうか」
レイジとミーナがクリームシチューを村人に振舞ってる間は、この辺には近寄ってこないだろうしな。
「さっきも聞いたけどー、どうやって連れていくのー?」
「まあ、待て。先に食堂を展開する」
リリーには説明しておかなければならないし、食堂の展開から見せたほうがいいだろう。
「……お兄さん……今、何もないところから家が出てきたんだけど……」
流石にリリーでも言葉を間延びできないくらいには驚いたみたいだな。
「これは俺が神様からもらった能力で、いつでもどこでも食堂を作り出せるってものだ」
「……さっき連れて行ってもらったところだよね……え? 神様から……?」
「ああ、俺は神様からこの世界で料理を広めてほしいと言われて旅をしている。神様を信仰している聖王国の人間には受け入れがたいことだろうからあんまり話していなかったけどな」
「……料理……でも、なんで?」
「神様が言うにはこの世界の人間はポーションに頼った生活をしているから能力が低いんだと。食材には人間の能力を上げる効果があるのに、腹が減ってもポーションで状態異常を治せば空腹が治るのが問題らしい」
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