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待機
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ユキヒラ達は、要塞都市スキュラでセイゲン達と合流した。
情報を取りまとめたサイゾウは、状況を報告するため、本国に戻っていった。
ユキヒラ達は、再開したばかりのスキュラの冒険者ギルドのテーブルにいた。
ユキヒラは言う。
「連合国内の情報は完全に筒抜けだな」
セイゲンが返す。
「はい、俺たちが作戦本部にいることすら短時間のうちにバレてましたから」
「ふむ……。
ウズラとイナミは、連合国の内通者の洗い出しをやってくれ。
セイゲンさんは、暗黒騎士がいる要塞都市の情報を集めてくれ」
「わかりました」
セイゲンはそう言うと、早速、出立した。
「ウズラとイナミはどうした? 早く行け」
ウズラが返答する。
「若さま、私たちを遠ざけようとしてる。私にはわかる」
イナミも返答する。
「一人くらいは、お側付きを残してください」
「一人で内通者の洗い出しは酷だろ。
二人で行けよ。
俺は大丈夫だから」
「だめなんですぅー。
一人は残さないといけないんですぅー」
「じゃ、イナ……」
イナミがユキヒラの言葉を遮る。
「ウズラが内通者の洗い出していいですよね。そういうの得意だし」
ウズラが返す。
「イナミ無能。だから無理。私がやるしかない」
イナミが反論する。
「ちょ、それ酷い!
若さま聞きました? 『無能』って言われました。
酷くないですか?
私だってそれくらいできますよ」
「じゃ、イナ……」
再びイナミがユキヒラの言葉を遮る。
「ストップ!
あやうく、ウズラにしてやられるところだった。
私が若さまの元に残るのでいいです」
「俺さ、これから大切な用事があるのだけど。
イナミ向きじゃないんだよ」
「どちらへ向かうのです?」
「要塞都市カイン」
「ちょ、それ敵の本拠地じゃないですか!?
何しに行くのです?」
「ちょっと挨拶してくる」
「だから、お側付きが必要なのですよ。
絶対にダメです。
サイゾウさんとセイゲンさんが戻ってからにしてください」
「確実に暗黒騎士がいる場所だぞ?
殺りに行くしかねぇだろうが」
「ほんとバカですよね。
ダメなものはダメですよ。
内通者探しは3人でやりましょう」
「嫌だよ面倒くさい。
他国の内通者探しなんてやってられるか」
「もぉー、それを私たちにやらせようとしてるのは、若さまでしょ」
「わかったよ。じゃ、連合のギルド長に苦情を入れてきてくれ。
内通者を潰さない限り、連合国には協力しないって。
ウズラ頼めるか?」
「了解。
でも、若さまはどうするの?」
「シャルルビル公国が、スキュラからステンノーに進軍するみたいだから、それに付き合うことにする。
大陸西部の方が暗黒騎士との遭遇率が高そうだしな」
「わかった。行ってくる」
ウズラはそう言うと、出立した。
ユキヒラは、テーブルに地図を広げ、考え事を始めた。
イナミは席を立ち、お茶のおかわりを運んできた。
……
シャルルビル公国の増援部隊の到着が遅れたため、進軍が開始される前に、ウズラがスキュラの街に戻ってきた。スキュラの酒場で合流した。
ユキヒラがウズラをねぎらう。
「おつかれ。どうだった?」
「効果覿面。協力しないっていったら大騒ぎになった」
「まぁ、今まで潰せなかったんだ。どうせ無理だろうがな」
「私も、そんな気はしてる。
公国軍は準備遅れてるの?」
「ああ、天候が悪くて足止めされてるらしい。
セイゲンさんが先に合流するかもな」
イナミが口を開く。
「あ、噂をすれば。
セイゲンさんこっちですー」
イナミが手を振る。
セイゲンがやってくる。
ユキヒラが声を掛ける。
「おつかれ、随分はやかったね」
「ええ、西部はどの要塞にも暗黒騎士がいたので、切り上げて戻りました」
「なるほど。イサナミが本格的に介入するかもしれないな」
「パンデモニアだけでなく、魔界にも遠征するかもしれませんね」
「他に収穫はあった?」
「パンデモニア・オーダーという12人の暗黒騎士の組織がこの大陸の最高機関のようです。ただ、特別顧問と呼ばれている13人目がいて、どうやらそいつがイサナミに精通しているようです」
「魔人ではない可能性もあるわけか」
「ええ。マスクしてるので正体不明らしいですが、可能性はあるでしょうね」
「そいつはカインにいるのかい?」
「おそらく。修練場がカインにあるらしいです」
「セイゲンさんが知ってるニカイドウから出た修羅で、心あたりはいるのかい?」
「数名いますね。もしかしたら全員が魔界に渡っている可能性もあります」
「だとしたら、お取り潰しとかもありうるな」
「ええ。名家も落ちぶれたものです」
「カインにいきたくなってきた」
「若、それは、流石に叱られます。
とりあえず、サイゾウさんを待ちましょう」
イナミが言う。
「ほら、やっぱり。
セイゲンさん。若さま、一人で乗り込もうとしてたのですよ」
「はっはっはっ。そりゃ若らしい。
よく止めたな。よくやった」
情報を取りまとめたサイゾウは、状況を報告するため、本国に戻っていった。
ユキヒラ達は、再開したばかりのスキュラの冒険者ギルドのテーブルにいた。
ユキヒラは言う。
「連合国内の情報は完全に筒抜けだな」
セイゲンが返す。
「はい、俺たちが作戦本部にいることすら短時間のうちにバレてましたから」
「ふむ……。
ウズラとイナミは、連合国の内通者の洗い出しをやってくれ。
セイゲンさんは、暗黒騎士がいる要塞都市の情報を集めてくれ」
「わかりました」
セイゲンはそう言うと、早速、出立した。
「ウズラとイナミはどうした? 早く行け」
ウズラが返答する。
「若さま、私たちを遠ざけようとしてる。私にはわかる」
イナミも返答する。
「一人くらいは、お側付きを残してください」
「一人で内通者の洗い出しは酷だろ。
二人で行けよ。
俺は大丈夫だから」
「だめなんですぅー。
一人は残さないといけないんですぅー」
「じゃ、イナ……」
イナミがユキヒラの言葉を遮る。
「ウズラが内通者の洗い出していいですよね。そういうの得意だし」
ウズラが返す。
「イナミ無能。だから無理。私がやるしかない」
イナミが反論する。
「ちょ、それ酷い!
若さま聞きました? 『無能』って言われました。
酷くないですか?
私だってそれくらいできますよ」
「じゃ、イナ……」
再びイナミがユキヒラの言葉を遮る。
「ストップ!
あやうく、ウズラにしてやられるところだった。
私が若さまの元に残るのでいいです」
「俺さ、これから大切な用事があるのだけど。
イナミ向きじゃないんだよ」
「どちらへ向かうのです?」
「要塞都市カイン」
「ちょ、それ敵の本拠地じゃないですか!?
何しに行くのです?」
「ちょっと挨拶してくる」
「だから、お側付きが必要なのですよ。
絶対にダメです。
サイゾウさんとセイゲンさんが戻ってからにしてください」
「確実に暗黒騎士がいる場所だぞ?
殺りに行くしかねぇだろうが」
「ほんとバカですよね。
ダメなものはダメですよ。
内通者探しは3人でやりましょう」
「嫌だよ面倒くさい。
他国の内通者探しなんてやってられるか」
「もぉー、それを私たちにやらせようとしてるのは、若さまでしょ」
「わかったよ。じゃ、連合のギルド長に苦情を入れてきてくれ。
内通者を潰さない限り、連合国には協力しないって。
ウズラ頼めるか?」
「了解。
でも、若さまはどうするの?」
「シャルルビル公国が、スキュラからステンノーに進軍するみたいだから、それに付き合うことにする。
大陸西部の方が暗黒騎士との遭遇率が高そうだしな」
「わかった。行ってくる」
ウズラはそう言うと、出立した。
ユキヒラは、テーブルに地図を広げ、考え事を始めた。
イナミは席を立ち、お茶のおかわりを運んできた。
……
シャルルビル公国の増援部隊の到着が遅れたため、進軍が開始される前に、ウズラがスキュラの街に戻ってきた。スキュラの酒場で合流した。
ユキヒラがウズラをねぎらう。
「おつかれ。どうだった?」
「効果覿面。協力しないっていったら大騒ぎになった」
「まぁ、今まで潰せなかったんだ。どうせ無理だろうがな」
「私も、そんな気はしてる。
公国軍は準備遅れてるの?」
「ああ、天候が悪くて足止めされてるらしい。
セイゲンさんが先に合流するかもな」
イナミが口を開く。
「あ、噂をすれば。
セイゲンさんこっちですー」
イナミが手を振る。
セイゲンがやってくる。
ユキヒラが声を掛ける。
「おつかれ、随分はやかったね」
「ええ、西部はどの要塞にも暗黒騎士がいたので、切り上げて戻りました」
「なるほど。イサナミが本格的に介入するかもしれないな」
「パンデモニアだけでなく、魔界にも遠征するかもしれませんね」
「他に収穫はあった?」
「パンデモニア・オーダーという12人の暗黒騎士の組織がこの大陸の最高機関のようです。ただ、特別顧問と呼ばれている13人目がいて、どうやらそいつがイサナミに精通しているようです」
「魔人ではない可能性もあるわけか」
「ええ。マスクしてるので正体不明らしいですが、可能性はあるでしょうね」
「そいつはカインにいるのかい?」
「おそらく。修練場がカインにあるらしいです」
「セイゲンさんが知ってるニカイドウから出た修羅で、心あたりはいるのかい?」
「数名いますね。もしかしたら全員が魔界に渡っている可能性もあります」
「だとしたら、お取り潰しとかもありうるな」
「ええ。名家も落ちぶれたものです」
「カインにいきたくなってきた」
「若、それは、流石に叱られます。
とりあえず、サイゾウさんを待ちましょう」
イナミが言う。
「ほら、やっぱり。
セイゲンさん。若さま、一人で乗り込もうとしてたのですよ」
「はっはっはっ。そりゃ若らしい。
よく止めたな。よくやった」
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