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混沌の秩序
プロビデンス#5
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────ククリ(人狼ガルダーガ種、ルーノ族・長老、ニダヴェリール宮廷特別顧問)
「こちら観測シグマ1、シルバーリング1名がG8ポイントを通過。イエロー4名、レッド10名を引きつれて街のはずれに向かっています」
「こちらククリ、了解。陣頭指揮を、エリューデイルに引き継いで対策にむかうね。皆んな、エリューデイルを困らせちゃダメだよ」
「「「了解!」」」
ヨトゥンヘイムの腕章は兵士の練度を表している。
イエローやレッドは雑兵クラスだが、シルバーについては別格だ。
アルデバドス族のような戦闘種族に引けを取らない戦闘能力を有する精鋭中の精鋭がシルバーリングなのだ。しかも、ガルダーガは最長寿種族のため戦闘経験も含め、戦士としての練度が異常に高い。二人組で動けば、アルデバドス出身の王侯とだって互角に渡り合える奴らだ。
我々、陽動チームの役目は、彼らシルバーリングを主要施設に貼り付けておくことである。密航者討伐にシルバーリングを加えるのは異例中の異例だが、人数が人数なので、万全を期すために、一名だけ、シルバーリングを加えたのだろう。
さーて、私ごときで足止めできる相手かなー?
……
街の出口にトラップとデコイを仕掛けて、狙撃ポイントで待機。
念のため、前回のルシーニアの誕生パーティーのときに、なぜかルークからついでにプレゼントしてもらった、私専用の灼熱の精霊騎士を召喚しておく。
「ディー=トライプ、でておいで」
ルガル固有の特殊発声で彼を呼び出す。
紅の霧が集結し、血のような、深紅の鎧を身にまとった騎士の姿が形作られる。
「ごきげんよう、ククリさま」
「これから、ちょっと手強い奴くるから、死なない程度に相手してやってくれる? 銀色の腕章つけたやつね。ほかの奴らは放っておいていいから」
「その者は、ククリさまのお命をねらっているのでしょうか?」
「いあー、どーかなー? それでも、殺さないであげてね。無力化するだけでいいよ」
「我が主人は、お優しい。その不届きものに身の程をわからせて差し上げましょう」
「うん……お手柔らかに……」
ディーは、生真面目でいい奴なんだけど、やけに血生臭い性格なのだ。
ルークが私の身を案じてくれた結果なのだろうけど、正直ちょっとばかり引いてしまう。もらったばかりだから、まだ慣れてないってのもある。早くなれるために空き時間を見つけては、頻繁に召喚して色々お話してるんだけどね……。どうせなら、ルーテシアのところのニル=ギース(ニルス=ギリアム=リディアム=カース)みたいなのが欲しかったけど、さすがにそれはディーに失礼なので、彼の良さを尊重して、大切にしてあげたいと思っている。
ほんとに、殺さないであげてねー。
さて、私は狙撃に専念。
でも、狙撃は苦手なんだよね。
まあ、シルバーリングだけ足どめできれば良いので、当たらなくてもよいのだけれど。
ディー=トライプと私は、シルバーリング率いる密航者討伐隊とエンカウントした。
「うは、シルバーリング、練度たかっ! これは私の手には負えないわ……」
ディーに前衛任せて正解だった。ルークにお礼しなきゃだな。
でも、イエローくん4名を狙撃して無力化したら、レッドくんたち、この先の悪霊が怖いのか、立ち往生してる。
シルバーリングが「先に行け!」とかいっても、だれも進もうとしない。
これは良い展開だ。
シルバーリングの練度がちょっと異常だけどね。
<ククリさま、この者、殺さずに無力化は時間がかかりそうです>
ディーから念波がきた。
主従間でのみ意思疎通できる灼熱の精霊騎士の能力だ。
<時間がかかるのは構わないよ、とりあえず、援護するね>
<かしこまりました>
私はディーに対し、隠遁の法術式の矢を不定期に放ち続けた。
シルバーリングには近距離の隠遁なんて一瞬しか効果ないだろけど、一瞬の攻防が重要だから、変則的な手法は、結構役に立つものだ。
いい感じにトラップの方向に追い詰められてゆく。
当然、シルバーリングもそれをわかっているので、うまく体制を整えようをしているようだが、それをやるってことは、精神的にも結構おいつめられてる証拠だ。
しかし、粘るなー。
<どう? いけそう?>
<この者の両足を切り落としてしまってもよろしければ、すぐにでも>
<腕は?>
<不要です>
<うん、いいよ、やっちゃって>
<かしこまりました、それでしたら、援護は必要ごさいません>
そう言うとディーは、容易くあのシルバーリングを無力化してしまった。
私はすかさず、金縛りの法術式を連射し、足の断面に、止血の法術式を打ち込んだ。
なるほど、私の伝え方が悪かったのか。
こればっかりは、一緒にいる時間を増やすしかないな。
ルーテシアのところみたいに出しっぱなしでも、いいのかもね。
姿だけを消してもらえば、皆んな怖がらずに済むからね。
あ! このままだと、レッドくんたち、帰投しちゃう。
<のこりの10名は5体満足のまま無力化できる?>
<はい、できます>
<では、よろしく>
<かしこまりました>
一瞬で10名が失神した。
私は、彼らに金縛りの法術式を連射した。
「こちら、ククリ、シルバーリング無力化、成功。現場を片付け次第、本部に帰投します」
「こちら、エリューデイル、了解しました。おつかれさま」
ディーの性能がやけに高すぎる気がする。
普通の灼熱の精霊騎士は、ここまで強くはない。というか、結構弱い。
少なくとも手練れのルガルが敵わない相手ではないのだ。
パーティーのときになんの説明もなく渡されただけなので、ルークに会った時にでも詳細を教えてもらおう。
私だけ、こんなに楽しちゃって良いのだろうか……?
「こちら観測シグマ1、シルバーリング1名がG8ポイントを通過。イエロー4名、レッド10名を引きつれて街のはずれに向かっています」
「こちらククリ、了解。陣頭指揮を、エリューデイルに引き継いで対策にむかうね。皆んな、エリューデイルを困らせちゃダメだよ」
「「「了解!」」」
ヨトゥンヘイムの腕章は兵士の練度を表している。
イエローやレッドは雑兵クラスだが、シルバーについては別格だ。
アルデバドス族のような戦闘種族に引けを取らない戦闘能力を有する精鋭中の精鋭がシルバーリングなのだ。しかも、ガルダーガは最長寿種族のため戦闘経験も含め、戦士としての練度が異常に高い。二人組で動けば、アルデバドス出身の王侯とだって互角に渡り合える奴らだ。
我々、陽動チームの役目は、彼らシルバーリングを主要施設に貼り付けておくことである。密航者討伐にシルバーリングを加えるのは異例中の異例だが、人数が人数なので、万全を期すために、一名だけ、シルバーリングを加えたのだろう。
さーて、私ごときで足止めできる相手かなー?
……
街の出口にトラップとデコイを仕掛けて、狙撃ポイントで待機。
念のため、前回のルシーニアの誕生パーティーのときに、なぜかルークからついでにプレゼントしてもらった、私専用の灼熱の精霊騎士を召喚しておく。
「ディー=トライプ、でておいで」
ルガル固有の特殊発声で彼を呼び出す。
紅の霧が集結し、血のような、深紅の鎧を身にまとった騎士の姿が形作られる。
「ごきげんよう、ククリさま」
「これから、ちょっと手強い奴くるから、死なない程度に相手してやってくれる? 銀色の腕章つけたやつね。ほかの奴らは放っておいていいから」
「その者は、ククリさまのお命をねらっているのでしょうか?」
「いあー、どーかなー? それでも、殺さないであげてね。無力化するだけでいいよ」
「我が主人は、お優しい。その不届きものに身の程をわからせて差し上げましょう」
「うん……お手柔らかに……」
ディーは、生真面目でいい奴なんだけど、やけに血生臭い性格なのだ。
ルークが私の身を案じてくれた結果なのだろうけど、正直ちょっとばかり引いてしまう。もらったばかりだから、まだ慣れてないってのもある。早くなれるために空き時間を見つけては、頻繁に召喚して色々お話してるんだけどね……。どうせなら、ルーテシアのところのニル=ギース(ニルス=ギリアム=リディアム=カース)みたいなのが欲しかったけど、さすがにそれはディーに失礼なので、彼の良さを尊重して、大切にしてあげたいと思っている。
ほんとに、殺さないであげてねー。
さて、私は狙撃に専念。
でも、狙撃は苦手なんだよね。
まあ、シルバーリングだけ足どめできれば良いので、当たらなくてもよいのだけれど。
ディー=トライプと私は、シルバーリング率いる密航者討伐隊とエンカウントした。
「うは、シルバーリング、練度たかっ! これは私の手には負えないわ……」
ディーに前衛任せて正解だった。ルークにお礼しなきゃだな。
でも、イエローくん4名を狙撃して無力化したら、レッドくんたち、この先の悪霊が怖いのか、立ち往生してる。
シルバーリングが「先に行け!」とかいっても、だれも進もうとしない。
これは良い展開だ。
シルバーリングの練度がちょっと異常だけどね。
<ククリさま、この者、殺さずに無力化は時間がかかりそうです>
ディーから念波がきた。
主従間でのみ意思疎通できる灼熱の精霊騎士の能力だ。
<時間がかかるのは構わないよ、とりあえず、援護するね>
<かしこまりました>
私はディーに対し、隠遁の法術式の矢を不定期に放ち続けた。
シルバーリングには近距離の隠遁なんて一瞬しか効果ないだろけど、一瞬の攻防が重要だから、変則的な手法は、結構役に立つものだ。
いい感じにトラップの方向に追い詰められてゆく。
当然、シルバーリングもそれをわかっているので、うまく体制を整えようをしているようだが、それをやるってことは、精神的にも結構おいつめられてる証拠だ。
しかし、粘るなー。
<どう? いけそう?>
<この者の両足を切り落としてしまってもよろしければ、すぐにでも>
<腕は?>
<不要です>
<うん、いいよ、やっちゃって>
<かしこまりました、それでしたら、援護は必要ごさいません>
そう言うとディーは、容易くあのシルバーリングを無力化してしまった。
私はすかさず、金縛りの法術式を連射し、足の断面に、止血の法術式を打ち込んだ。
なるほど、私の伝え方が悪かったのか。
こればっかりは、一緒にいる時間を増やすしかないな。
ルーテシアのところみたいに出しっぱなしでも、いいのかもね。
姿だけを消してもらえば、皆んな怖がらずに済むからね。
あ! このままだと、レッドくんたち、帰投しちゃう。
<のこりの10名は5体満足のまま無力化できる?>
<はい、できます>
<では、よろしく>
<かしこまりました>
一瞬で10名が失神した。
私は、彼らに金縛りの法術式を連射した。
「こちら、ククリ、シルバーリング無力化、成功。現場を片付け次第、本部に帰投します」
「こちら、エリューデイル、了解しました。おつかれさま」
ディーの性能がやけに高すぎる気がする。
普通の灼熱の精霊騎士は、ここまで強くはない。というか、結構弱い。
少なくとも手練れのルガルが敵わない相手ではないのだ。
パーティーのときになんの説明もなく渡されただけなので、ルークに会った時にでも詳細を教えてもらおう。
私だけ、こんなに楽しちゃって良いのだろうか……?
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