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混沌の秩序
アストレア#1
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────ルナディア(人狼ルーノ種、浄化の湖の守人)
新都アストレアは、ヘルヘイム、ニブルヘイム、ムスペルヘイム、ニダヴェリールの四外界が、ユグドラシルを支援するために建設した、ギア大陸復興の新拠点である。
建設は秘密裏に進められていたため、ほとんどが未開拓状態であるが、悪霊対策の必要性もあり、外郭部についてはすでに強固な堅牢性を備えている。
これからこの都市は急速に発展してゆくことだろう。
我が主、ロクリアン=ルシーニアは、この度のアルビオン諸島沈没の際の島民に対する非道と、大陸に渡りついた生存者に密航者討伐隊を差し向ける等のヨトゥンヘイム側の執拗なまでに無慈悲な対応に激怒し、大陸に残るアルビオン=ルーノ族のルーノ族への復帰とニダヴェリールへの帰還を宣言した。
旧都に取り残されていたアルビーノたちは、ガルダーガ族から奴隷扱いされることを恐れ、こぞってニダヴェリールへ避難することになった。そのため、旧都のほとんどの区画はゴーストタウン化してしまった。
島民とダーイン達、アストレア組は、祝宴を終え、予想を遥かにこえる成功報酬を受け取った後、数日ほど休息をとった頃にロクシー様の宣言を聞くことになった。そして彼らは仮設の転移ゲートをつかって、初めての外界、新たな故郷ニダヴェリールへと帰還した。
その後、彼らと入れ替わるように、ニブルヘイムとムスペルヘイムから、アストレアを守護するための兵士が大量に配備された。休戦状態にあった両外界は、かなりの戦力を持て余しており、それらがまとめて配備されたために、アストレア外郭部は、必要以上に物々しい警備体制になった。
ニダヴェリールの皆も、ほとんど帰還してしまったが、私とククリさん、数名のルーノのシャーマン達は、後片付けのため、まだアストレアに残っていた。
「みんな! そろそろ休憩しよう。お茶入れたからあつまってー」
ククリさんの掛け声で、皆、作業を止め、集まってきた。
「何もなくなっちゃいましたね……」
なにもない街なので、仮設の設備がなくなると、本当に外郭部だけになるのだ。
「だねー、でも、これからティフォーニアのラフィノス族が、どんな街をつくるのか楽しみでもあるね」
「ですね。あーあ、しばらくこの空ともお別れかー」
「そうだね、ニダヴェリールにもこれほしいよね」
「ククリさんから、ロクシーさまにお願いすればどうにかなるんじゃないの?」
「それは無理だよ。これはユグドラシル特有の空なんだから」
「そっか……」
「でも、この空を見たくて、休暇を見つけては、こっちに来ちゃいそうな気がしないでもないかな」
「あ! そうだ! ゼディーさんにお願いして、温泉旅館つくってもらいましょーよ! それで、ウルザブルンのシャーマンの慰安旅行を企画して数日宿泊とかってどうですか? もちろんククリさんが引率で」
「ウルザブルン限定旅行? ならゆっくりできそうだから、いいかもね、それとなくゼディーに伝えておく。多分、ルーテシアもこの空見たら同じこと言いそうだしね」
「やったー! 露天風呂は必須ですよ? 露天風呂にはいって、この空見ながら、お酒をのむ。サイコーの休日じゃないですかっ!」
「まだ決まったわけじゃないから、期待しないでね」
「どーしてです? 決まったようなものでしょ?」
「だって、こればかりはティフォーニアとラフィノス族が決めることだからね」
「リエルくんには、私からいっておきますから、エリューデイルさんのほうはよろしくお願いしますね」
「まぁ、期待せずに待っててね、できるだけのことはするから」
「お願いしますね!」
「はいはい」
新都アストレアは、ヘルヘイム、ニブルヘイム、ムスペルヘイム、ニダヴェリールの四外界が、ユグドラシルを支援するために建設した、ギア大陸復興の新拠点である。
建設は秘密裏に進められていたため、ほとんどが未開拓状態であるが、悪霊対策の必要性もあり、外郭部についてはすでに強固な堅牢性を備えている。
これからこの都市は急速に発展してゆくことだろう。
我が主、ロクリアン=ルシーニアは、この度のアルビオン諸島沈没の際の島民に対する非道と、大陸に渡りついた生存者に密航者討伐隊を差し向ける等のヨトゥンヘイム側の執拗なまでに無慈悲な対応に激怒し、大陸に残るアルビオン=ルーノ族のルーノ族への復帰とニダヴェリールへの帰還を宣言した。
旧都に取り残されていたアルビーノたちは、ガルダーガ族から奴隷扱いされることを恐れ、こぞってニダヴェリールへ避難することになった。そのため、旧都のほとんどの区画はゴーストタウン化してしまった。
島民とダーイン達、アストレア組は、祝宴を終え、予想を遥かにこえる成功報酬を受け取った後、数日ほど休息をとった頃にロクシー様の宣言を聞くことになった。そして彼らは仮設の転移ゲートをつかって、初めての外界、新たな故郷ニダヴェリールへと帰還した。
その後、彼らと入れ替わるように、ニブルヘイムとムスペルヘイムから、アストレアを守護するための兵士が大量に配備された。休戦状態にあった両外界は、かなりの戦力を持て余しており、それらがまとめて配備されたために、アストレア外郭部は、必要以上に物々しい警備体制になった。
ニダヴェリールの皆も、ほとんど帰還してしまったが、私とククリさん、数名のルーノのシャーマン達は、後片付けのため、まだアストレアに残っていた。
「みんな! そろそろ休憩しよう。お茶入れたからあつまってー」
ククリさんの掛け声で、皆、作業を止め、集まってきた。
「何もなくなっちゃいましたね……」
なにもない街なので、仮設の設備がなくなると、本当に外郭部だけになるのだ。
「だねー、でも、これからティフォーニアのラフィノス族が、どんな街をつくるのか楽しみでもあるね」
「ですね。あーあ、しばらくこの空ともお別れかー」
「そうだね、ニダヴェリールにもこれほしいよね」
「ククリさんから、ロクシーさまにお願いすればどうにかなるんじゃないの?」
「それは無理だよ。これはユグドラシル特有の空なんだから」
「そっか……」
「でも、この空を見たくて、休暇を見つけては、こっちに来ちゃいそうな気がしないでもないかな」
「あ! そうだ! ゼディーさんにお願いして、温泉旅館つくってもらいましょーよ! それで、ウルザブルンのシャーマンの慰安旅行を企画して数日宿泊とかってどうですか? もちろんククリさんが引率で」
「ウルザブルン限定旅行? ならゆっくりできそうだから、いいかもね、それとなくゼディーに伝えておく。多分、ルーテシアもこの空見たら同じこと言いそうだしね」
「やったー! 露天風呂は必須ですよ? 露天風呂にはいって、この空見ながら、お酒をのむ。サイコーの休日じゃないですかっ!」
「まだ決まったわけじゃないから、期待しないでね」
「どーしてです? 決まったようなものでしょ?」
「だって、こればかりはティフォーニアとラフィノス族が決めることだからね」
「リエルくんには、私からいっておきますから、エリューデイルさんのほうはよろしくお願いしますね」
「まぁ、期待せずに待っててね、できるだけのことはするから」
「お願いしますね!」
「はいはい」
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