ブルー・クレセンツ・ノート

キクイチ

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BY THE BOOK OF DAYS

ヴェルキエーレ

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────ケイ=リュケーオン(ヴェルキエーレ種、特異種、賢者エルダー


 我々、ヴェルキエーレは、ミクソリディアン=ティフォーニアが大地の守護を行うための先兵として新たに生み出された種族です。

 世界龍オーヴァーロードの眷属は人狼ルガル種から大幅に変更せずに分化させるのが通例ですが、ティフォーニアは、生命の自治独立を周囲から援助することを主要命題としたため、一般の人狼ルガルとは異なる少数精鋭の超長寿種族を望みました。一応、人狼ルガルから分化した種族に属しますが、生物としての特徴は大きく異なっています。

 ヴェルキエーレ開発の中心となったのは灼熱の根源世界ムスペルヘイム世界龍オーヴァーロード、ドリアン=ルークです。
 
 ヴェルキエーレの最大の特徴は、完全言語を行使できることです。代わりに人狼ルガルのような獣化はできないため、肉体の戦闘力は獣化したルガルには遠く及びません。

 しかし、光翼こうよくと呼ばれる輝く翼のような、空間に満ちている精霊力を吸収し増幅させるための受容体を体の周囲や背面に展開することで、完全言語を、長時間連続して行使することが可能になっています。そのため、遠距離、中距離、近距離問わず、オールマイティーに強力な戦闘性能を発揮できるようになったのです。

 単体の戦闘力では、ドラッケンやノスフェラトゥの始祖には及びませんが、数名で編隊を組めば、撃破可能と推測されています。ノスフェラトゥの長老メトセラクラスであれば、単体でも撃破可能ではないかと考えられています。しかし、ドラッケンやノスフェラトゥの上位世代は、情報が少ないため、あくまでも推測の域を出ません。しかし、少なくとも、ギアの大陸でヴェルキエーレの力が通用しない相手は、ほぼいないと考えられています。
 
 ただし、繁殖が困難な希少種であるため、現状、本格的な活動は行えておりません。

 個体数がとても少なく、通常種12名、特異種2名という状況です。ギアの資源調達の要所であるニーヴェルング鉱床という山岳地帯に要塞を構え、そこを守ることが当面の役割となっています。

 ヴェルキエーレは、人狼ルガル世界龍オーヴァーロードの生体情報を元に開発されました。

 ククリという一人の人狼ルガルを母体に、プロトタイプとして3名が産み落とされました。

 長女と言うべき最初のプロトタイプには、ドリアン=ルークの生体情報が組み込まれています。また、次女と三女にあたる双子には、ロクリアン=ルシーニアの生体情報が組み込まれています。

 現在、ククリさんは、ルーノ族の長老メトセラであり、ニダヴェリールの宮廷特別顧問を務めていますが、発展途上のヴェルキエーレが種族として自立できるまでは、特例としてヴェルキエーレの相談役として支援してもらっています。


 ティフォーニアの勅命により、ヴェルキエーレへのえこひいきや過度の干渉は禁止されているため、ドリアン=ルークは頻繁にティフォーニアから叱られているようです。ギア大陸と外郭世界とつなぐ唯一の転移ゲートは、堅牢なニブルヘイムにあるのですが、ドリアン=ルークは過去に幾度も利用禁止になっています。
 
 ヴェルキエーレの最高意思決定機関を〝三賢者〟といい、考え方や立場の異なる3名のヴェルキエーレが、100年ごとに選出されます。
 
 現在は、グラミア=フランヴェルジュ、クラウソラス=デュ=ランドール、そして私が三賢者を務めています。

 グラミア=フランヴェルジュ、クラウソラス=デュ=ランドールは、プロトタイプの内の2名です。グラミアはルークの、クラウソラスはルシーニアの血を引いています。彼女たちは聡明で経験豊富、人格もとてもしっかりしたヴェルキエーレであり、皆からの信頼も絶大です。私が選出されたのは特異種だからです。これから、少数派として肩身の狭い思いをしないように、強い発言権を提供されたのです。

 特異種というのは、母体としての繁殖能力に秀でたヴェルキエーレです。

 繁殖力が皆無に近いヴェルキエーレにとって、高質な受精卵を確保するのは重要な課題でした。その一つの解決策が私のような特異種でした。

 当初、全く成功しなかった受精卵の生成が、特異種の卵子を利用することで、初めて成功に至ったのです。とはいえ、何度も失敗を重ねながら、数千年もかけて気が遠くなるような時間を要して成功するといった状況です。それでも、初の成功例が出来たのは特異種のみなのです。

 プロトタイプの3名は、ムスペルヘイムとニダヴェリールからの出向扱いになっており、いずれ彼女達は帰郷することになっています。

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