ブルー・クレセンツ・ノート

キクイチ

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ラグ=ナ=ローク

DAS RHEiNGOLD#4

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────ククリ(人狼ルガルガルダーガ種、ルーノ族・長老メトセラ、ニダヴェリール宮廷特別顧問こもん


 ティフォーア、まさか、デネブ本人を送ってよこすとは思わなかったよ……。
 私、こいつ苦手なんだよね。


「ごきげんよう、ククリさま。本当にご無沙汰しております。
 フォーマルハウトから、記憶の件、耳にしております。
 本当に、残念です。私との愛欲の日々をお忘れになってしまったとは……」


「過去の捏造はやめようね。
 あと、フォーマルハウトと同じようなこと言ってるよ?」

「チッ、あいつめ、あとで研究データ消してやろうかしら……」

「フラガ=ラ=ハをやってた時に何度かあってるけど、今の君、完全に別人だよね?」

「ククリさまと存じておればそのような対応はなさらなかったのです。
 誠に申し訳ございません」

「まあいいか、で、君さ、設計資料更新してないでしょ? アシダカだけ」

「アシダカ種はワタクシの最高傑作ですから、更新を忘れることはありえません!」

「その端末つかっていいから、最新データ教えてくれる?」

「あら、かなり古い資料ですわね。どうして消えてるのかしら?
 大切に予備領域にしまっておいたのですけど……」

「あー、それか! 今、この宮殿にあるからデータ抜きだせる?
 デネブは早期に白が確定したから、大量にあったデータはそのままだったのかもね。海賊行為はけしからんけど、調査に積極的に協力してくれたから恩謝が出たのだって?」

「ええ、ライバルのデータを見るのはこういう機会じゃないと無理ですからね」

「まあ、理由はどうでもいいよ。ルフィリア、デネブのことお願いね
 最新データ取ってきてくれる?」

「……あの、私一人でデネブの相手をするのですか?」
 
「うん、問題ある?」

「すごーく、迫られて困るのですが……セクハラですよ?」

「君にしては珍しくおとなしいと思ったら、そういうことだったのね」

「変なことされたら、腕を切断してもいいからパパッと行ってきちゃって」

「ほんとにいいのです?」

「うん、止血しておげばいいよ。デネブもルフィリアに変なことしたら、ニブルヘイム送りだからね。覚悟してね」

「……はい。ククリさま以来、久々に心がトキメク方でしたのに残念です」

「……じゃ、いってきますね」


 ……


「ありがとう、変なことされなかった?」

「はい、おかげさまで、おとなしくしていましたよ。これが最新データだそうです」

 早速、データを確認する。

「だいぶ違うね。さらに性能が上がってる。
 発声の軸構成はどんな感じを想定してたの?
 このデータの範囲内におさまるかな?」

「はい、だいたいこの辺に集中するはずですわ」

「じゃ、こういうデータの子がいたら、完全に特殊な子かな?」

「これは素晴らしいですわ! もしかして孵化した子のデータでございますか?」

「まぁ、そうだね……」

「ここまでの子が産まれるなんて感激ですわ!
 私の想定した上限を超えています!
 素晴らしい、流石はワタクシ!」
 デネブはとても嬉しそうに言った。

「……。とりあえず、おかげで固有発声は特定できそうだ。たすかったよ。
 思ったより簡単にルガルの言語体系を移植できそうだ」

「いえいえ、ククリさまのお役にたてることは、至高のよろこびですわ!」

「じゃ、ルフィリア、ヘルヘイムに帰らせてあげて」

「はい、かしこまりました!」
 ルフィリアは獣化してデネブに爪を向けた。

「え!?」

「あ、ごめん、ニブルヘイムだったね。
 協力ありがとう、助かったよ、フォーマルハウトによろしく」


 当初よりスペックが上がってるから、さらに人気がでるだろうな、アシダカは。
 よくみたらハーピーやアラクネも、大幅にスペックが上がってるなー。
 それに、デネブの船の種族だけ、すべて人狼ルガル並みの平均寿命とか飛び抜けすぎだよ。
 昔のデータを参考にして他の種族選んだ子は残念がるだろうね。

 変なやつだけどシャノン学派では飛び抜けていたから、特殊なのはデネブの船の子達だけって思っていてもいいかもしれないな……。
 
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