ブルー・クレセンツ・ノート

キクイチ

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イサナミの書

一刃(ひとは)#4

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────ルナディア(人狼ルガルルーノ種、浄化の湖ウルザブルン守人もりと、ニダヴェリール宮廷第二補佐官)


 ルフィ姉たちが不毛の大地ノドから帰投したおかげて、忙しかった公務もようやく平常通りにもどった。ククリさんとリシアさまの研究もかなりはかどったとかで、みんな良い休養をすごせたようだ。


 驚いたのは、この2週間程度で、人間関係に大きな変化があったことだ。

 ルフィ姉の子飼いの弟子ミユキが、ルカの弟子に鞍替えしていたのだ。

 しかも、ルカと、とてつもなく仲がいい。

 人見知りでボッチのルカが、他人とここまで仲良しになるのは初めて見た。
 頻繁に酒場に連れ出しても友達を作れないでいたので、姉として、とても心配していたのだが、意外な友達ができて嬉しくもあり、少しだけ寂しくもあった。

 さらに驚いたのは、月影会げつえいかいなるロクシーさま公認の集会を、ルカが会長として設立していたことだ。
 メンバーは3名とのことらしいが、残りの1名がククリさんだときいて、ロクシーさまに抗議にいった。
 ロクシーさまからは、ルカとククリさんにとって、大切な一歩になるから暖かく見守るようにいわれた。
 たしかに、人付きあいを避けていた2人がミユキを交えて楽しそうに話しているのは、とても不思議な光景だった。

 ルカに対抗して、水面会みなもかいを作ろうと考えたが、純粋な水面みなもの適正があるものは、かなり希少なので、私の交友関係には1人もおらず、とりあえず設立は断念することにした。なんで少ないの?
 

 大きく変わったことはまだあった。

 リエルが、ルフィ姉の組合に正式に加入したのだ。
 しかもルフィ姉の秘書という立場らしい。

 ミユキが抜けた穴を埋めるべく、アストレアから数名の絵師を引き入れてくれたことで、ルフィ姉の組合の副官の地位を確保したらしいのだ。アストレアでの販路拡大にも貢献したらしい。

 ある意味、一番の安全地帯である。

 リエルがそこまで頭の切れる娘だとは思わなかった。
 私はリエルを、すこしだけ見直した。
 

 ククリさんの部屋には、ほぼ一日中リエルがいたが、ルカとミユキも毎日のように入り浸るようになった。
 
 ルカとミユキがククリさんの部屋にいる時は、罠を仕掛けられるので、気を抜けない。
 ミヅキも2人の罠に、かなりしてやられているようだ。

 しかし、ウルさんにはまるで通じないので、対策方法をククリさんに相談しているらしい。ウルさんは面白がって、ルカとミユキがいる時間をねらって訪問している。

 リエルは、ミヅキとハル=バードと、とても仲が良くなり、一刃会ひとはかいというものを設立した。ミヅキを会長にすえて、自分は副会長の地位を獲得したようだ。

 一刃会ひとはかいはロクシーさまとティフォーニアから公認されている集会だ。

 一刃会ひとはかいは、ハル=バードの子育ての手伝いが、今のところのおもな活動内容らしい。リエルが母親になる準備をしていることもあり、ルフィ姉の紹介でルーノ族の出産経験者を招いて話を聞かせてもらうといったこともしているそうだ。

 私の知らないところで、みんな仲良くなっていくのがちょっと許せない。
 私も混ぜて欲しい。
 というか、不毛の大地ノドで何があったの?


 家庭にも少し変化があった。

 ルカが父にやけにやさいしいのだ。

 最初のうちは父は気持ち悪がっていたが、次第に慣れてきて、ルカを特別に可愛がるようになった。

 ここまでされると、負けていられなので、優しくするしかなかった。

 だが驚くべきことに、私に優しくされた父は、「自分が不治の病にでもかかって自分が知らされていないだけなのか?」と、ロクシーさま、ウルさん、ククリさんに聞いて回ったらしい……。

 ルフィ姉は、一時的にやさしくなったが、すぐにいつもの調子にもどった。
 理由を聞いたら、ボケが心配だとか、調子に乗りすぎと言ってた。
 もちろん私も優しくするのを止めた。


 ……


 気がついたら、ルカとククリさんはすっかり同世代の友達のようになっていた。
 ミユキにいたっては、ククリさんをククリンと呼び、すっかりマブダチ状態だ。
 月影会げつえいかいは、まだ3名のまま増える様子がない。
 私も混ぜて欲しい。


 
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