刺朗

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可能性⑤

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後藤は息をつき
「捜査は託されているのです。誰かが、まだ全貌を現していない巨大な事件の捜査を、長い時間をかけ、さまざまな事件を起こして、我々に託しているのです」
と、呟いたが、それはおそらく、会場には届いていなかった。
いや、届けていなかったのかも知れない。
今になって後藤は、平井の姉の件が理解出来る気がしていた。平井はこの事件は、姉の経験から常識、いや現実で割り切れるものではないと嗅ぎ取っていた。
だからこの事件は、平井とふたりで解決したいと思った。

(川原、お前は何を仕組んだんだ…)

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