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15 気持ちの整理
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お兄様と話をした次の日、お父様やお母様の話を聞く前にゆっくりと一人で考えたいと思い、自分の部屋にこもっています。
今考えているのはお兄様から聞かれた私の幸せについてのことです。昨日、私が好きな人に気づきました。だから、今度は私が嬉しかったことについて考えてみたいと思いました。
私が嬉しかったことは、小さかった頃に孤児院暮らしの同じ歳の女の子を助けたことでしょうか。第一王子との関係に嫌気がさしていたときに、メイドと二人で街を見ていた時に出会った女の子。勇気を出して、私に近づいてきてくれた彼女はお腹を空かせているようでした。なので大量の食事を買い、彼女のいる孤児院に一緒に行きました。
その時に喜んでくれた孤児院の子供達の笑顔。クリス様を思い出した時に一緒に思い出すことができたけれど、どうしてこんなに嬉しかったことを思い出せなかったのでしょうか?
いいえ、思い出せたことに感謝するべきですね。漠然と王妃になるのではなく、私は王妃として、この国を民が住みやすい国にしたい。小さい子供たちが笑って暮らせるような国にしたい。
なんだ、難しく考える必要はありませんでしたね。私がしたいことは私がなりたいものと同じだったのですから。
コンコン
「フィー、入っても良いかしら?」
「はい、お母様」
「考え事は終わった?」
「はい。私はクリス様が好きです」
口に出していうと少し恥ずかしいような気がしますが、それでもお母様にはちゃんと伝えないと…
「お母様は私が小さかった頃に孤児院の問題を解決したのを覚えていますか?」
「ええ、あなたが孤児院の状況を知らせてくれたおかげで、寄付金の横領に気づくことができたもの」
「はい。私はあの時のように子供達の笑顔をこれからも守りたいと思っています」
「クリス様と一緒に。かしら?」
なんでしょう。お母様に言われると自分で言うのとは違って、より一層恥ずかしく感じます。
「はぁ、あなたにはもう王族に縛られることなく、好きにして欲しかったのだけれどねぇ。まあ、クリス様もあなたに言われて努力していたようですし、あなたが望むなら私は何も言わないわ」
「ありがとう…お母様」
クリス様は私の言葉を聞いて王になるために努力をしていてくださったのですね。その事実を嬉しく感じると共に忘れていたことの罪悪感も少し感じる。
クリス様のことを忘れてしまった私を彼はどんな気持ちで見ていたのでしょうか?私が第二王子殿下と呼ぶたびに、どのような顔をしていたでしょうか?
悲しい気持ちを私に知られないために、気持ちを押し殺していたのでしょうか?
そんなクリス様にどんな顔をして会えばいいのでしょうか。
「忘れていたことを気にしているの?」
「!…はい。少し…」
「少しどころではなさそうね、でも気にしなくていいわよ」
「それは!お兄様も言っていましたが…」
「そうね。じゃあ、第一王子が全て悪いとだけ思っていなさい」
「えっ」
「事実だし、問題ないでしょう。あなたに都合が悪いことがあれば全部そうすればいいのよ。顔を合わせるのもあと少しなのだから」
「それはどういう意味ですか?」
「お人形遊びはもうできそうにないですからね」
「お母様?」
「ごめんなさいね。もう私は行くわ。お昼ご飯は一緒に食べるのよね」
「はい…」
「それならよかった。フィー、何かあったらまた相談してね」
部屋を出ていくお母様の背中を見ながら、言っていた言葉を思い出す。お人形…たぶん、第一王子のことですよね…、遊びは第一王子を支持していた貴族たちのことだとすると、できそうにないというのは陛下がもう、クリス様を王太子と決めたということでしょうか。
今考えているのはお兄様から聞かれた私の幸せについてのことです。昨日、私が好きな人に気づきました。だから、今度は私が嬉しかったことについて考えてみたいと思いました。
私が嬉しかったことは、小さかった頃に孤児院暮らしの同じ歳の女の子を助けたことでしょうか。第一王子との関係に嫌気がさしていたときに、メイドと二人で街を見ていた時に出会った女の子。勇気を出して、私に近づいてきてくれた彼女はお腹を空かせているようでした。なので大量の食事を買い、彼女のいる孤児院に一緒に行きました。
その時に喜んでくれた孤児院の子供達の笑顔。クリス様を思い出した時に一緒に思い出すことができたけれど、どうしてこんなに嬉しかったことを思い出せなかったのでしょうか?
いいえ、思い出せたことに感謝するべきですね。漠然と王妃になるのではなく、私は王妃として、この国を民が住みやすい国にしたい。小さい子供たちが笑って暮らせるような国にしたい。
なんだ、難しく考える必要はありませんでしたね。私がしたいことは私がなりたいものと同じだったのですから。
コンコン
「フィー、入っても良いかしら?」
「はい、お母様」
「考え事は終わった?」
「はい。私はクリス様が好きです」
口に出していうと少し恥ずかしいような気がしますが、それでもお母様にはちゃんと伝えないと…
「お母様は私が小さかった頃に孤児院の問題を解決したのを覚えていますか?」
「ええ、あなたが孤児院の状況を知らせてくれたおかげで、寄付金の横領に気づくことができたもの」
「はい。私はあの時のように子供達の笑顔をこれからも守りたいと思っています」
「クリス様と一緒に。かしら?」
なんでしょう。お母様に言われると自分で言うのとは違って、より一層恥ずかしく感じます。
「はぁ、あなたにはもう王族に縛られることなく、好きにして欲しかったのだけれどねぇ。まあ、クリス様もあなたに言われて努力していたようですし、あなたが望むなら私は何も言わないわ」
「ありがとう…お母様」
クリス様は私の言葉を聞いて王になるために努力をしていてくださったのですね。その事実を嬉しく感じると共に忘れていたことの罪悪感も少し感じる。
クリス様のことを忘れてしまった私を彼はどんな気持ちで見ていたのでしょうか?私が第二王子殿下と呼ぶたびに、どのような顔をしていたでしょうか?
悲しい気持ちを私に知られないために、気持ちを押し殺していたのでしょうか?
そんなクリス様にどんな顔をして会えばいいのでしょうか。
「忘れていたことを気にしているの?」
「!…はい。少し…」
「少しどころではなさそうね、でも気にしなくていいわよ」
「それは!お兄様も言っていましたが…」
「そうね。じゃあ、第一王子が全て悪いとだけ思っていなさい」
「えっ」
「事実だし、問題ないでしょう。あなたに都合が悪いことがあれば全部そうすればいいのよ。顔を合わせるのもあと少しなのだから」
「それはどういう意味ですか?」
「お人形遊びはもうできそうにないですからね」
「お母様?」
「ごめんなさいね。もう私は行くわ。お昼ご飯は一緒に食べるのよね」
「はい…」
「それならよかった。フィー、何かあったらまた相談してね」
部屋を出ていくお母様の背中を見ながら、言っていた言葉を思い出す。お人形…たぶん、第一王子のことですよね…、遊びは第一王子を支持していた貴族たちのことだとすると、できそうにないというのは陛下がもう、クリス様を王太子と決めたということでしょうか。
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