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第一話 【戻る】
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学生服のズボン、サラリーマンのスーツのズボン、スカートにスニーカーの女性の足、その女性に手を引かれて私を不思議そうな目で無遠慮に見る小さな男の子の顔
自分の視界の低さに、私は自分がベンチに座っている事を思い出す。
ぼんやりと視線を彷徨わせれば、よく知っている電車の駅のホームだ。
人のさして多くないホームで、アナウンスが電車の到着が間も無くであることを告げる。
そのアナウンスに私は弾かれるように立ち上がってフラフラとした足取りで線路側まで歩み寄る。
焦燥感。冷や汗が噴き出す。
電車の近づく音と共に線路に釘付けになった視線が離れない。
誰かの顔を一瞬思い浮かべたけれど、わからない。
焦燥感。冷や汗が顎を伝って落ちてゆく。
これから体験することをまるで分かっているかのように力を込めて目を瞑る。
頭の中に、人の悲鳴と電車の耳をつん裂くようなブレーキの音がこだました。
「おかえりなさい。朔希」
「、、あ、、わたし、、」
私を見下ろす子供の顔に、先程までの光景が記憶から急速に滑り落ちていくのを感じて頭が混乱する。
「大丈夫。また帰って来たんですよ。死後の世界に。」
性別のわからない美しい顔立ちのその子供がにっこりと微笑んで言う。
「七宝、今日って何月何日?」
ガバッと起き上がって尋ねると、今日が6月2日だと教えてくれた。
良かった。まだ日付は進んでいない。
私がここへ来たのは6月2日だ。
だけどここに来てから1度夜を越えた。
どうやら死ぬ前の世界と死んでからのここでは時間の概念が違うようだ。
「朔希、零呼んでくるね!」
七宝が部屋から出て行って、私はただ白いだけの部屋にぽつんと1人残された。
ベッドに寝そべったまま昨日の出来事をゆっくりと思い出してみる。
死んだら天国に行くと小さい頃思っていた。
死んだことはすぐに理解出来た。何があったか忘れてしまったけど、何か物凄く大きな衝撃と悲鳴や泣き声、そして自分のお葬式を見た気がする。
ハッキリ覚えている最初の出来事は、何か白く光る人物に手を引かれて上へ上へと向かっていたこと。
あぁ、天国へ行くんだな。そう思ってた矢先、今度は下へ下へと落ち始める。不思議と恐怖も何も感じずに、私はただそれまで見ていた景色が逆流して最後には真っ黒になったのを感じた。
信じられない事に、私を上へと引いていた者がうっかり手を離したらしい。
「おかえりなさい。朔希」
白い肌に薄茶色の髪の毛が肩にかかるほど長く。同じ茶色の綺麗な瞳と通った鼻梁、綺麗な形で笑みを作る唇。
ーそう、今私を覗き込んで悪びれもせず微笑んでいるこの人こそが、そもそもの元凶だ。
「何で日付が変わってないんですか?」
「ー?ちゃんと変わりますよ?」
私の疑問に絵に描いたようなきょとんとした顔で首を傾げるこの美しい人は名前を零と名乗った。
もともとは羅網と呼ばれていたらしいのだが、それは名前では無く記号のような物だと七宝が教えてくれた。
この人の仲間は皆こんなふうに人間離れした美しい見た目で、男を羅網、女を蓮華と呼ぶ。よくわからないがそういう種族で、個々の名前はない。
私としばらく過ごすために便宜上零と名乗っているということだ。
ちなみに七宝は男女の区別のない未成年の者のことをそう呼ぶのだ。
時間に関してよくわからないけど首を傾げる零に聞く気にはなれない。
そもそも私には、死ぬ前の名前や記憶も無くここがなんなのかもよくわかっていない。
七宝や零はここは天上ではなくて現世とあの世の間くらいだと私に説明した。
私は死んで成仏しきれずに今何とも中途半端な存在らしい。
「私の名前、どうなりましたか?」
部屋の一角にある衝立の影で、すぐそばに男がいることへの気まずさを感じながら渡された服に着替えると、零はまるで執事であるかのように私を食事の席に案内してくれた。
「今七宝達が探しに行っていますよ。早く見つかると良いのですが、、」
少しも困っていなさそうな言い方に私は
少々ムッとした。
「あなたは探しに行かなくて良いんですか!?そもそも零が七宝に仕事を押し付けた せいでこうなってるんでしょう!?」
「うーん、それは確かにそうです。少々忙しかったので、お迎えに行くぐらいは出来るかと七宝に行かせたのが悪かったのか、、」
「悪かったんです!完全に自分の仕事を人に押し付けた零が悪い。」
「それはそれは反省しましたよ。しかしまさか貴方を名前ごと落とすとは思いもしませんでした。」
やれやれ、とでも言いたそうに肩をすくめて、綺麗な指先で私のお皿に料理を取り分けてくれる。
ーよくわからない。
目の前の、正面から目を合わせてしまったら二度と目を離せなくなりそうな顔をじっくり盗み見ても、この人の感情がよくわからない。
天上の者、というくらいだから人間じゃない。はたして人間のような感情を持ち合わせているんだろうか??
「何です?そんなに見つめないで下さい。ちゃんと7日目までに名前、見つけますから」
見たことも無いよくわからない天上の食材を口に運びながら、私は無遠慮に零を見続ける。
身長は180くらいありそうで、細くしなやかな体躯だけれどその体型は女性ぽいわけじゃない。
女性の着物のような不思議な和装だが、時折見える腕や足元はちゃんと筋肉がついていて男らしい。
振る舞いは洗練されて優雅で、容姿と相まって天上人と呼ぶのに相応しい。
ただ彼は自分の事を“天上人としての禁忌をおかした落ちこぼれ”だと自己紹介した。
一方私はというと身長160くらい。筋肉があまり無いところを見るとスポーツをやっていた感じでは無い。
眉の上で切り揃えられた前髪、背中まで届く黒髪。少し気が強そうだけれど美人と言えなくもない、と思う。
年齢は見た目から20才前後か?この年齢で死んでいるんだから親はさぞかし悲しんだ事だろうと思う。
ーただ記憶が無いせいで、まるで人ごとのようだけれど、、。
「もしかして私に見惚れているんですか?」
目を少し細めて軽く結んだ口元の口角を少しだけ上げて私をからかう。
食事の手を止めていつの間にかじっと零の美しい所作や容姿を見ていた私は、からかわれて耳が熱くなるのを感じながら、
「み、見惚れてるんじゃなくて、コレは観察っていうんです!」
からかわれてムッとしてはみたものの、零がわざと作っているこの微笑はこれはこれで悪くない、なんて思うのだった。
「朔希、日付が変わりましたよ。」
零が唐突に言うので反射的に時計を見る
午前10時26分。
「え?今??」
「あなたの命が終わった時刻です。」
「ああ、そういう、、、」
「はい。人それぞれ日付けが変わる時刻はさまざまです。」
そう言いながら零は白く小さな時計を、今まであった時計の隣に並べて置いた。
その時計は0時1分を指している。私の時刻に合わせてくれたのだろう。
「零は?零の時計は?」
「私の時刻は、、天上は少し違うんです。あまり時刻にとらわれません。ーでも強いて言うなら今は夜中と言える時刻でしょうか」
「夜中!?じゃあ早く私の名前を見つけて私が成仏しないと、零も七宝もゆっくり眠ることも出来ないんですね!」
「ーえぇ、、まぁそうですね。」
感情の見えない完璧な微笑の奥に、淋しそうな光が蝋燭の炎のようにチリチリと揺れていることに、この時の私はまだ気づいていなかった。
自分の視界の低さに、私は自分がベンチに座っている事を思い出す。
ぼんやりと視線を彷徨わせれば、よく知っている電車の駅のホームだ。
人のさして多くないホームで、アナウンスが電車の到着が間も無くであることを告げる。
そのアナウンスに私は弾かれるように立ち上がってフラフラとした足取りで線路側まで歩み寄る。
焦燥感。冷や汗が噴き出す。
電車の近づく音と共に線路に釘付けになった視線が離れない。
誰かの顔を一瞬思い浮かべたけれど、わからない。
焦燥感。冷や汗が顎を伝って落ちてゆく。
これから体験することをまるで分かっているかのように力を込めて目を瞑る。
頭の中に、人の悲鳴と電車の耳をつん裂くようなブレーキの音がこだました。
「おかえりなさい。朔希」
「、、あ、、わたし、、」
私を見下ろす子供の顔に、先程までの光景が記憶から急速に滑り落ちていくのを感じて頭が混乱する。
「大丈夫。また帰って来たんですよ。死後の世界に。」
性別のわからない美しい顔立ちのその子供がにっこりと微笑んで言う。
「七宝、今日って何月何日?」
ガバッと起き上がって尋ねると、今日が6月2日だと教えてくれた。
良かった。まだ日付は進んでいない。
私がここへ来たのは6月2日だ。
だけどここに来てから1度夜を越えた。
どうやら死ぬ前の世界と死んでからのここでは時間の概念が違うようだ。
「朔希、零呼んでくるね!」
七宝が部屋から出て行って、私はただ白いだけの部屋にぽつんと1人残された。
ベッドに寝そべったまま昨日の出来事をゆっくりと思い出してみる。
死んだら天国に行くと小さい頃思っていた。
死んだことはすぐに理解出来た。何があったか忘れてしまったけど、何か物凄く大きな衝撃と悲鳴や泣き声、そして自分のお葬式を見た気がする。
ハッキリ覚えている最初の出来事は、何か白く光る人物に手を引かれて上へ上へと向かっていたこと。
あぁ、天国へ行くんだな。そう思ってた矢先、今度は下へ下へと落ち始める。不思議と恐怖も何も感じずに、私はただそれまで見ていた景色が逆流して最後には真っ黒になったのを感じた。
信じられない事に、私を上へと引いていた者がうっかり手を離したらしい。
「おかえりなさい。朔希」
白い肌に薄茶色の髪の毛が肩にかかるほど長く。同じ茶色の綺麗な瞳と通った鼻梁、綺麗な形で笑みを作る唇。
ーそう、今私を覗き込んで悪びれもせず微笑んでいるこの人こそが、そもそもの元凶だ。
「何で日付が変わってないんですか?」
「ー?ちゃんと変わりますよ?」
私の疑問に絵に描いたようなきょとんとした顔で首を傾げるこの美しい人は名前を零と名乗った。
もともとは羅網と呼ばれていたらしいのだが、それは名前では無く記号のような物だと七宝が教えてくれた。
この人の仲間は皆こんなふうに人間離れした美しい見た目で、男を羅網、女を蓮華と呼ぶ。よくわからないがそういう種族で、個々の名前はない。
私としばらく過ごすために便宜上零と名乗っているということだ。
ちなみに七宝は男女の区別のない未成年の者のことをそう呼ぶのだ。
時間に関してよくわからないけど首を傾げる零に聞く気にはなれない。
そもそも私には、死ぬ前の名前や記憶も無くここがなんなのかもよくわかっていない。
七宝や零はここは天上ではなくて現世とあの世の間くらいだと私に説明した。
私は死んで成仏しきれずに今何とも中途半端な存在らしい。
「私の名前、どうなりましたか?」
部屋の一角にある衝立の影で、すぐそばに男がいることへの気まずさを感じながら渡された服に着替えると、零はまるで執事であるかのように私を食事の席に案内してくれた。
「今七宝達が探しに行っていますよ。早く見つかると良いのですが、、」
少しも困っていなさそうな言い方に私は
少々ムッとした。
「あなたは探しに行かなくて良いんですか!?そもそも零が七宝に仕事を押し付けた せいでこうなってるんでしょう!?」
「うーん、それは確かにそうです。少々忙しかったので、お迎えに行くぐらいは出来るかと七宝に行かせたのが悪かったのか、、」
「悪かったんです!完全に自分の仕事を人に押し付けた零が悪い。」
「それはそれは反省しましたよ。しかしまさか貴方を名前ごと落とすとは思いもしませんでした。」
やれやれ、とでも言いたそうに肩をすくめて、綺麗な指先で私のお皿に料理を取り分けてくれる。
ーよくわからない。
目の前の、正面から目を合わせてしまったら二度と目を離せなくなりそうな顔をじっくり盗み見ても、この人の感情がよくわからない。
天上の者、というくらいだから人間じゃない。はたして人間のような感情を持ち合わせているんだろうか??
「何です?そんなに見つめないで下さい。ちゃんと7日目までに名前、見つけますから」
見たことも無いよくわからない天上の食材を口に運びながら、私は無遠慮に零を見続ける。
身長は180くらいありそうで、細くしなやかな体躯だけれどその体型は女性ぽいわけじゃない。
女性の着物のような不思議な和装だが、時折見える腕や足元はちゃんと筋肉がついていて男らしい。
振る舞いは洗練されて優雅で、容姿と相まって天上人と呼ぶのに相応しい。
ただ彼は自分の事を“天上人としての禁忌をおかした落ちこぼれ”だと自己紹介した。
一方私はというと身長160くらい。筋肉があまり無いところを見るとスポーツをやっていた感じでは無い。
眉の上で切り揃えられた前髪、背中まで届く黒髪。少し気が強そうだけれど美人と言えなくもない、と思う。
年齢は見た目から20才前後か?この年齢で死んでいるんだから親はさぞかし悲しんだ事だろうと思う。
ーただ記憶が無いせいで、まるで人ごとのようだけれど、、。
「もしかして私に見惚れているんですか?」
目を少し細めて軽く結んだ口元の口角を少しだけ上げて私をからかう。
食事の手を止めていつの間にかじっと零の美しい所作や容姿を見ていた私は、からかわれて耳が熱くなるのを感じながら、
「み、見惚れてるんじゃなくて、コレは観察っていうんです!」
からかわれてムッとしてはみたものの、零がわざと作っているこの微笑はこれはこれで悪くない、なんて思うのだった。
「朔希、日付が変わりましたよ。」
零が唐突に言うので反射的に時計を見る
午前10時26分。
「え?今??」
「あなたの命が終わった時刻です。」
「ああ、そういう、、、」
「はい。人それぞれ日付けが変わる時刻はさまざまです。」
そう言いながら零は白く小さな時計を、今まであった時計の隣に並べて置いた。
その時計は0時1分を指している。私の時刻に合わせてくれたのだろう。
「零は?零の時計は?」
「私の時刻は、、天上は少し違うんです。あまり時刻にとらわれません。ーでも強いて言うなら今は夜中と言える時刻でしょうか」
「夜中!?じゃあ早く私の名前を見つけて私が成仏しないと、零も七宝もゆっくり眠ることも出来ないんですね!」
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