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9 ユウとトキ
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「ーでな、俺の母親から名義変更しようと思って。」
「ふぅん。」
俺は夕食後の食器を洗いながら隣で食器を拭いている時宗に話す。
前は一緒にキッチンに居ることさえ避けていたのに、今はリラックスして隣にいられる。
慣れたと言えば慣れたんだろうけれど、やっぱり時宗の側は安心だったからだ。
「覚さん、ずっとここに住むの?」
「あー、、正直決めてないんだわ、、時宗が住んでる間は住むかもな。時宗はどうすんの?会社の近くに戻る気とかないの?」
「いや、どうだろ。今のとこ考えてないけど長い目で見たらわかんないな、、」
時宗はあまり深くは考えていなさそうな涼しい顔をして言う。
ー、、俺もどうするかハッキリ決めてるワケじゃないし、このままずっと時宗とここに一緒に住み続ける可能性の方がきっと低いんだよな、、
俺は先の事を考えて少し寂しい気持ちになった。
後ろの食器棚の扉をパタンと閉める音がして、すっと横から腕が伸びてくる。
「おわ!?何、、」
時宗が後ろから俺を抱きしめている。
「、、、」
「時宗?どうした?」
「別にどうもしてない」
ー、、もしかして、時宗も寂しいのか、、?
“どうもしてない”と素っ気なく答える口調と、ぎゅっと抱きしめる行動がちぐはぐすぎて戸惑う。
布団の中じゃないのに、酒を飲んでるわけじゃないのに、こんなことは今までなかった。
「おい、、?時宗?」
「、、覚さん、、俺さ、、」
更にぎゅっと俺を抱きしめて、沈んだ声音で何かを言いかけた時宗は、そのまま沈黙してやがて腕を離す。
キッチンから出て行きながら
「あー、俺欲求不満かな」
そう言って笑って話を誤魔化したのだった。
この日から、なぜか時宗は「仕事が忙しい」と言って、帰ってこない日が少しずつ増えていった。
えりなが家に現れなくなって、1人でいる時間は前ほど怖くは無かったが、時宗の雰囲気が何か変わった気がして俺はモヤモヤした思いに包まれた。
ーついこの間までの、まるで恋愛感情があるんじゃないかと思うような言動はいったいなんなんだ、、
ようやく時宗が近くにいることに慣れたのに、どうしてアイツが距離をとろうとしてんだ、、
モヤモヤする。
その日は時宗が会社に顔を出すから2、3日帰らないと言って出かけた日だった。
俺が役場での仕事を終えて家に帰って来た時だ。
家の敷地の前に車が停まっていて、誰かが玄関の方へ入って行くのが見えた。
時宗かと思い後を追うと、その人は女性のようで、玄関へは行かずに裏庭を通ると、あの通気洞の前で足を止める。
ーえりなのところへ来たと言うことは、彼女も小さい頃に遊んでいた1人だろうか?
「あの、あなたは?」
振り返った女性は、やはり同年代だ。俺のことをじっと見たあと、名乗らずに
「トキ、いる?」
唐突にそう聞いた。
「時宗の知り合いですか?、、彼今居ませんけど。2、3日帰りませんよ」
「え?居ないの?泊めてもらおうと思ったのに!」
彼女は目を大きくして驚いたあと、肩を落とした。
「えーと、あなた覚くんでしょ?」
「え、、は?何で、、」
急に下の名を呼ばれて俺が驚いていると、彼女は「お邪魔させて」と言って勝手に家へ向かう。
「あの、俺のこと、なんで知ってるの?小さい頃会ってる?」
とりあえずお茶を出しながら聞くと、彼女は少し気の強そうな顔を笑顔にして
「遊んだことあるよ。ユウだよ。優香」
「あ、あぁ、写真で時宗の隣に写ってた!ごめん、俺小さい頃のことあんまり覚えてないんだ」
あの写真を見せると、ユウは懐かしそうに笑って頷いた。
「うわぁ、トキが小さい」
「、、時宗と約束してた?あいつ忘れてるのかな?電話しても出ないんだけど、、」
「ううん、急に来たの。私ね、トキがココに来る前まで一緒にくらしてたの」
「え、、、?」
全く予想もしていなかったその言葉に俺の胸が何かに掴まれたようにぎゅっと苦しくなった。
「あ、彼女でも何でもないよ?単なるルームシェア。男女がってなると皆んな誤解するんだけど、トキとは幼馴染だし兄妹みたいなもんで、もちろん清い関係ね。」
あっけらかんと言うユウの言葉に、俺は複雑な気持ちになる。時宗にとって、単なるルームシェアとは、、?もしかしてアイツにとってはここでの暮らしも清い関係のうちに入るのでは?とモヤモヤしていたのが顔に出ていたのかも知れない。
「ー、、ねぇ、もしかしてトキと覚くんって、、何かある?」
勘繰るよう目で聞かれて、「あるわけない」と答えながらも少し狼狽してしまった。
「ふぅん。ま、いっか。ーあれ?じゃあトキがココに引っ越して来てから、会社に顔出す時とかはうちに居たってことも知らない?」
「、、し、らない、、」
思えば時宗は自分の事を殆ど話していない。俺も話してはいないし、お互い深く聞くこともなかったのだ。
今更になって、俺と時宗の関係が細い糸ほどの頼りないもののような気がして来た。
「私ね、トキが心配で来たの。」
「心配?」
ユウは話すか話さないか少し迷ったような表情をしてから口を開く。
「いつからかな、もう半年以上まえかな?トキの様子が急におかしくなって、、何かショックを受けたような、ものすごく怒ってるような、、詳しくは話してくれなかったけど普通じゃ無かった。同じ頃にここで1週間の半分を暮らすって言い出して、、」
「ココで暮らし始めた頃?ーもともとの時宗がわかんないけど、別に荒れてるとか不安定なこと、なかったと思うけど、、俺にすごい気使ってくれてて、、」
「そうなんだ?ートキがコッチに完全に住むようになってからもね、連絡とってたし、会社に行く時はうちに泊まってたのね。だけど、、」
そこで急に心配そうな顔をする。
「トキが急に会社やめちゃってから、連絡取れなくなっちゃって、、」
「え、、?時宗が?会社、やめた、、?」
「そう。あれ?知らなかった??いつだったっけ、、割と最近の話だよ?」
ーアイツそんな事一言も言ってない。普通に部屋に篭って仕事してたハズだし、、今日だって仕事で、、
俺は心臓の鼓動が大きくなるのを感じた。
時宗が全く知らない人のようで動揺を隠せない。
「待って、、あいつ、今日も仕事だって言って、、最近よく仕事って言って、帰ってこない、、」
「えぇ?じゃあ仕事辞めてなかったのかなぁ?私も連絡取れなくてわからないんだけど、、トキ、どうしちゃったんだろ、、?」
考えても俺たちには時宗が今どこで何をしているかは分かりようもなく、俺に至っては、もう半年以上も一緒に住んでいる自分が時宗のことを何も知らないことにただただショックを受けていた。
「もしも連絡とれたら教えてね。」
そう言って俺とユウは連絡先を交換した。
車まで見送る。
「あ、そうだ。たぶん会社辞めちゃってると思うんだけど、、コレ一応渡しておくね。じゃあまたね」
1枚の名刺を俺に渡すとユウは手をふって車を出した。それを見送って、俺は名刺に視線を落とす。
「、、、なに、、」
俺は固まった。理解できなかった。ただ心臓がバクバクと音をたて、血の気がスッとひいていく感覚。
名刺を持つ手が震えそうだった。
遊佐時宗の名刺には、俺がかつて勤めていた会社の名前が記されていた。
その日の夜遅くに、ユウから無事連絡が取れたとメッセージが来た。
俺には電話も折り返して来なかったが、俺はそんなことはもうどうでも良くて、、ただ時宗が俺と同じ会社に居た人間だったらしい事に、言い表せない衝撃を感じていた。
アイツは、俺のことを知っていてココへ来たのか?何故黙っていた?
その日を境いにして、帰ってくる筈の時宗は忽然と姿を消した。
「ふぅん。」
俺は夕食後の食器を洗いながら隣で食器を拭いている時宗に話す。
前は一緒にキッチンに居ることさえ避けていたのに、今はリラックスして隣にいられる。
慣れたと言えば慣れたんだろうけれど、やっぱり時宗の側は安心だったからだ。
「覚さん、ずっとここに住むの?」
「あー、、正直決めてないんだわ、、時宗が住んでる間は住むかもな。時宗はどうすんの?会社の近くに戻る気とかないの?」
「いや、どうだろ。今のとこ考えてないけど長い目で見たらわかんないな、、」
時宗はあまり深くは考えていなさそうな涼しい顔をして言う。
ー、、俺もどうするかハッキリ決めてるワケじゃないし、このままずっと時宗とここに一緒に住み続ける可能性の方がきっと低いんだよな、、
俺は先の事を考えて少し寂しい気持ちになった。
後ろの食器棚の扉をパタンと閉める音がして、すっと横から腕が伸びてくる。
「おわ!?何、、」
時宗が後ろから俺を抱きしめている。
「、、、」
「時宗?どうした?」
「別にどうもしてない」
ー、、もしかして、時宗も寂しいのか、、?
“どうもしてない”と素っ気なく答える口調と、ぎゅっと抱きしめる行動がちぐはぐすぎて戸惑う。
布団の中じゃないのに、酒を飲んでるわけじゃないのに、こんなことは今までなかった。
「おい、、?時宗?」
「、、覚さん、、俺さ、、」
更にぎゅっと俺を抱きしめて、沈んだ声音で何かを言いかけた時宗は、そのまま沈黙してやがて腕を離す。
キッチンから出て行きながら
「あー、俺欲求不満かな」
そう言って笑って話を誤魔化したのだった。
この日から、なぜか時宗は「仕事が忙しい」と言って、帰ってこない日が少しずつ増えていった。
えりなが家に現れなくなって、1人でいる時間は前ほど怖くは無かったが、時宗の雰囲気が何か変わった気がして俺はモヤモヤした思いに包まれた。
ーついこの間までの、まるで恋愛感情があるんじゃないかと思うような言動はいったいなんなんだ、、
ようやく時宗が近くにいることに慣れたのに、どうしてアイツが距離をとろうとしてんだ、、
モヤモヤする。
その日は時宗が会社に顔を出すから2、3日帰らないと言って出かけた日だった。
俺が役場での仕事を終えて家に帰って来た時だ。
家の敷地の前に車が停まっていて、誰かが玄関の方へ入って行くのが見えた。
時宗かと思い後を追うと、その人は女性のようで、玄関へは行かずに裏庭を通ると、あの通気洞の前で足を止める。
ーえりなのところへ来たと言うことは、彼女も小さい頃に遊んでいた1人だろうか?
「あの、あなたは?」
振り返った女性は、やはり同年代だ。俺のことをじっと見たあと、名乗らずに
「トキ、いる?」
唐突にそう聞いた。
「時宗の知り合いですか?、、彼今居ませんけど。2、3日帰りませんよ」
「え?居ないの?泊めてもらおうと思ったのに!」
彼女は目を大きくして驚いたあと、肩を落とした。
「えーと、あなた覚くんでしょ?」
「え、、は?何で、、」
急に下の名を呼ばれて俺が驚いていると、彼女は「お邪魔させて」と言って勝手に家へ向かう。
「あの、俺のこと、なんで知ってるの?小さい頃会ってる?」
とりあえずお茶を出しながら聞くと、彼女は少し気の強そうな顔を笑顔にして
「遊んだことあるよ。ユウだよ。優香」
「あ、あぁ、写真で時宗の隣に写ってた!ごめん、俺小さい頃のことあんまり覚えてないんだ」
あの写真を見せると、ユウは懐かしそうに笑って頷いた。
「うわぁ、トキが小さい」
「、、時宗と約束してた?あいつ忘れてるのかな?電話しても出ないんだけど、、」
「ううん、急に来たの。私ね、トキがココに来る前まで一緒にくらしてたの」
「え、、、?」
全く予想もしていなかったその言葉に俺の胸が何かに掴まれたようにぎゅっと苦しくなった。
「あ、彼女でも何でもないよ?単なるルームシェア。男女がってなると皆んな誤解するんだけど、トキとは幼馴染だし兄妹みたいなもんで、もちろん清い関係ね。」
あっけらかんと言うユウの言葉に、俺は複雑な気持ちになる。時宗にとって、単なるルームシェアとは、、?もしかしてアイツにとってはここでの暮らしも清い関係のうちに入るのでは?とモヤモヤしていたのが顔に出ていたのかも知れない。
「ー、、ねぇ、もしかしてトキと覚くんって、、何かある?」
勘繰るよう目で聞かれて、「あるわけない」と答えながらも少し狼狽してしまった。
「ふぅん。ま、いっか。ーあれ?じゃあトキがココに引っ越して来てから、会社に顔出す時とかはうちに居たってことも知らない?」
「、、し、らない、、」
思えば時宗は自分の事を殆ど話していない。俺も話してはいないし、お互い深く聞くこともなかったのだ。
今更になって、俺と時宗の関係が細い糸ほどの頼りないもののような気がして来た。
「私ね、トキが心配で来たの。」
「心配?」
ユウは話すか話さないか少し迷ったような表情をしてから口を開く。
「いつからかな、もう半年以上まえかな?トキの様子が急におかしくなって、、何かショックを受けたような、ものすごく怒ってるような、、詳しくは話してくれなかったけど普通じゃ無かった。同じ頃にここで1週間の半分を暮らすって言い出して、、」
「ココで暮らし始めた頃?ーもともとの時宗がわかんないけど、別に荒れてるとか不安定なこと、なかったと思うけど、、俺にすごい気使ってくれてて、、」
「そうなんだ?ートキがコッチに完全に住むようになってからもね、連絡とってたし、会社に行く時はうちに泊まってたのね。だけど、、」
そこで急に心配そうな顔をする。
「トキが急に会社やめちゃってから、連絡取れなくなっちゃって、、」
「え、、?時宗が?会社、やめた、、?」
「そう。あれ?知らなかった??いつだったっけ、、割と最近の話だよ?」
ーアイツそんな事一言も言ってない。普通に部屋に篭って仕事してたハズだし、、今日だって仕事で、、
俺は心臓の鼓動が大きくなるのを感じた。
時宗が全く知らない人のようで動揺を隠せない。
「待って、、あいつ、今日も仕事だって言って、、最近よく仕事って言って、帰ってこない、、」
「えぇ?じゃあ仕事辞めてなかったのかなぁ?私も連絡取れなくてわからないんだけど、、トキ、どうしちゃったんだろ、、?」
考えても俺たちには時宗が今どこで何をしているかは分かりようもなく、俺に至っては、もう半年以上も一緒に住んでいる自分が時宗のことを何も知らないことにただただショックを受けていた。
「もしも連絡とれたら教えてね。」
そう言って俺とユウは連絡先を交換した。
車まで見送る。
「あ、そうだ。たぶん会社辞めちゃってると思うんだけど、、コレ一応渡しておくね。じゃあまたね」
1枚の名刺を俺に渡すとユウは手をふって車を出した。それを見送って、俺は名刺に視線を落とす。
「、、、なに、、」
俺は固まった。理解できなかった。ただ心臓がバクバクと音をたて、血の気がスッとひいていく感覚。
名刺を持つ手が震えそうだった。
遊佐時宗の名刺には、俺がかつて勤めていた会社の名前が記されていた。
その日の夜遅くに、ユウから無事連絡が取れたとメッセージが来た。
俺には電話も折り返して来なかったが、俺はそんなことはもうどうでも良くて、、ただ時宗が俺と同じ会社に居た人間だったらしい事に、言い表せない衝撃を感じていた。
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