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第三章 決意と変化
2:失礼なこと
「あ、あのっ……。私は裕福な暮らしは求めてはいないので、考え直してはもらえないかと……」
顔は下げたままだが、リリカは勇気を振り絞った。
しかし、ウィリアムは再び、わざとらしいほどの大きな溜め息をつく。
「リリカ、わかっているのか? それは、俺に対しても失礼だということを」
「えっ? それはどういう……?」
リリカは訳がわからず、思わず顔を上げた。
だが、目に入った険しい顔のウィリアムに、リリカは顔から血の気が引く。
「自分には良いところは何もないから次の相手など見つけることは出来ない、だから俺と婚姻したい」
「……っ!? その様なつもりでは……っ!!!」
「自分には良いところは何もないし、自分も自分のことは好きではない。しかし、好かれたい」
「……っ!!!」
リリカは、今度は一気に顔が真っ赤になった。
ウィリアムは真顔で続ける。
「リリカが俺との昔の約束を破棄したくない理由は、そういうことで合っているかな?」
「……違います!」
(違うのに! 私はただウィリアム様のことが好きなだけなのに……)
リリカが涙目になって狼狽しているのを見て、ウィリアムは表情を崩した。
「……すまない、意地悪なことを言ったね」
「……」
リリカは何も言えずにウィリアムの目を見ると、そこにはいつもの優しいウィリアムの瞳があった。
「俺は研究ばかりで外見に気を遣ってはこなかったし、自分の外見に自信はない。しかし自分全てを否定するようなことを思ってはいないよ」
「はい……」
リリカにはウィリアムの発言の意図が分からなかった。
今にも泣き出しそうな、捨てられた猫のような顔をしているリリカに、ウィリアムは苦笑いをする。
「リリカ、まずは自分で自分のことを好きになることだ。そうすれば、素敵な人ときっと出会えるよ」
リリカは今、改めてウィリアムにふられているのだと理解する。
先程までの厳しい言葉と冷たい態度は、リリカが諦められるようにわざとしたことだったのだと悟った。
涙が次々に込み上げてくるリリカは、嗚咽しか出て来ない。
「リリカ……いつも俺を応援してくれて、俺の話を楽しそうに瞳を輝かして聞いてくれる、そんな優しいリリカが好きだったよ。どうか幸せになって……。自ら、幸せを掴みに行ってくれ」
ウィリアムはすこし潤んだ瞳で、最後に優しくそう言ったのだった……
顔は下げたままだが、リリカは勇気を振り絞った。
しかし、ウィリアムは再び、わざとらしいほどの大きな溜め息をつく。
「リリカ、わかっているのか? それは、俺に対しても失礼だということを」
「えっ? それはどういう……?」
リリカは訳がわからず、思わず顔を上げた。
だが、目に入った険しい顔のウィリアムに、リリカは顔から血の気が引く。
「自分には良いところは何もないから次の相手など見つけることは出来ない、だから俺と婚姻したい」
「……っ!? その様なつもりでは……っ!!!」
「自分には良いところは何もないし、自分も自分のことは好きではない。しかし、好かれたい」
「……っ!!!」
リリカは、今度は一気に顔が真っ赤になった。
ウィリアムは真顔で続ける。
「リリカが俺との昔の約束を破棄したくない理由は、そういうことで合っているかな?」
「……違います!」
(違うのに! 私はただウィリアム様のことが好きなだけなのに……)
リリカが涙目になって狼狽しているのを見て、ウィリアムは表情を崩した。
「……すまない、意地悪なことを言ったね」
「……」
リリカは何も言えずにウィリアムの目を見ると、そこにはいつもの優しいウィリアムの瞳があった。
「俺は研究ばかりで外見に気を遣ってはこなかったし、自分の外見に自信はない。しかし自分全てを否定するようなことを思ってはいないよ」
「はい……」
リリカにはウィリアムの発言の意図が分からなかった。
今にも泣き出しそうな、捨てられた猫のような顔をしているリリカに、ウィリアムは苦笑いをする。
「リリカ、まずは自分で自分のことを好きになることだ。そうすれば、素敵な人ときっと出会えるよ」
リリカは今、改めてウィリアムにふられているのだと理解する。
先程までの厳しい言葉と冷たい態度は、リリカが諦められるようにわざとしたことだったのだと悟った。
涙が次々に込み上げてくるリリカは、嗚咽しか出て来ない。
「リリカ……いつも俺を応援してくれて、俺の話を楽しそうに瞳を輝かして聞いてくれる、そんな優しいリリカが好きだったよ。どうか幸せになって……。自ら、幸せを掴みに行ってくれ」
ウィリアムはすこし潤んだ瞳で、最後に優しくそう言ったのだった……
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