【完結】城入りした伯爵令嬢と王子たちの物語

ひかり芽衣

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最終章:新たな国王の誕生

3:シャインブレイド②戦闘開始

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「……あったな」

「……はい、ありましたね」

アシュリーとヴィクターは、異様な輝きを放っているシャインブレイドに見入りながら言った。

「よしっ! あとはこれを無事に城まで持って帰るだけだ! 馬もないし、来た道を戻ろう!」

「はいっ!」

ヴィクターはシャインブレイドを持ち上げてそう言った。
アシュリーも元気よく言う。

(陛下! シャインブレイドをみつけましたよ! 陛下もどうかご無事で……)

心の中でそう願いながら、ヴィクターの後をついて墓を出た。



ちょうどその時、城の騎士五人が馬で現れた。
一人は誰も乗っていない馬をひいている。

「ヴィクター殿下! アダム殿下の命で迎えに参りました!」

その言葉を聞いて、ヴィクターとアシュリーは目を見合わせて微笑み合った。
二人共ホッとした顔をしている。

「城は大丈夫だったようですね」

「ああ、そのようだな。よし、馬でさっさと城へ戻ろう!」

「はい!」



"ビュン"

"ズサッ"


急に音がしたと思ったら、アシュリー達から3mほどの地面に一本の矢が突き刺さった。

「アシュリーこっちだ!」

ヴィクターはシャインブレイドを抱え、アシュリーを連れて大きな木の影へ隠れた。

再び同じ方向から矢が一本放たれる。
更にもう一本……

「殿下! 私たちがつけられていたのかもしれません! 申し訳ありません! 弓は丘のふもとの茂みから放たれておりますが、敵の姿は見えません!」

慌てている若い騎士をなだめるように、ヴィクターは落ち着いた声で言った。

「ああ。この矢の打ち方は、時間稼ぎだ。きっと、俺たちの足止めをしつつ応援が来るのを待っているのだ! 俺たちは少人数だ。敵の応援が到着する前に決着をつけよう! 全員、俺の合図でいっきに茂みへ! 準備しろ!」

「はっ!!!」

「アシュリーはこれを持って墓の中に隠れていてくれ。重くて邪魔だから」

そう言ってヴィクターは、心配そうな顔をしているアシュリーに笑顔でシャインブレイドと王族の指輪を預けた。
シャインブレイドは重厚感があり、見た目の迫力は凄いがあまり実践向きではなさそうだ。

「……はい。必ず、シャインブレイドを守ります。殿下も必ずご無事で!」

アシュリーは真っ直ぐヴィクターを見て言った。

(必ず無事に戻って来て下さい……)

そう強く心の中で願いながら。

「ああ、まだ心残りがあるから死ねない。では、また後でな! 皆、次の矢が地面に落ちたら行く!」

そう言った矢先、矢が飛んで来て地面に落ちた。

「皆、進め!!!」

ヴィクターの合図で、五人の騎士とヴィクターが一気に馬で丘を駆け降りて行く。



アシュリーもすぐに、ヴィクターがやっていたのを見よう見まねで真似し指輪で鍵を開け、再び墓の中へ入った。
一番下の棺のある部屋まで行き、シャインブレイドを抱きしめる。

(内側からは鍵がかけられないから、敵が入ってくる可能性があるわ)

アシュリーは侵入者にすぐに気が付けるように耳を研ぎ澄まして、ひたすらヴィクターと騎士たちの無事を願った。


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