春からの季節

たか

文字の大きさ
3 / 5

3.部活

しおりを挟む

 それから僕たちはテストが近づき思い切って一緒に勉強しようと誘った。
 今思えばこれが初めての誘いだった。
 見事「いいよ」の答えをもらいとても嬉しかった。
 テスト1週間前から4日間一緒に勉強した!
 その時は、勉強の話だけでなく普段の生活からは知ることのできないようなことまでたくさん知った。
 こうして、また僕はもっと好きになった。

ー後日ー
 僕は、サッカー部に入ることに決めた。
 この学校はサッカーが強く、何人もスポーツ推薦というもので入学をしてくる。
 なぜか、そうやって入ってきた奴らは自信に満ち溢れててすぐ人の上に立ちたがる。
 そうやってきたある1人の男、名前は康介(こうすけ)というが僕は3組で康介は1組と離れていた。
 これといって仲良くなかったのだが、簡潔に言うと康介は由美のことが好きだった。

 皮肉にも僕はそのことに全く気がつかなかった。
 というより、毎日康介が由美に会いに来ているのは知っていていつもその事実から目をそらしていた。


 月日は流れ校内合宿というものが始まった。

 合宿の夜というのは決まりごとかのように恋の話になる。
 その時に、ある事実を知った。
 
 「やばい!彼女から電話がかかってきたわー、ごめん一回電話してくる!」
 と言ってでていく康介。

 まさかとは思った。
 確認のために他の友達に聞いた。

 「康介、誰と付き合ってるの?」

 「えっ?知らないの?お前めっちゃ仲いいのになにも聞いてなかったの?」

 もう聞きたくなかった。

 「何にも聞いてないわ。」

 必死にごまかした。

 「由美あれらしいよ。2回告られてようやく付き合ったらしいよ。」

 名前が出てきた瞬間、僕からはなにを言ったらいいかもわからず、ただただ黙ることしかできなかった。

 だけど、一つだけわかったことは由美のことが本当に好きだったということ。 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

婚約者の幼馴染って、つまりは赤の他人でしょう?そんなにその人が大切なら、自分のお金で養えよ。貴方との婚約、破棄してあげるから、他

猿喰 森繁
恋愛
完結した短編まとめました。 大体1万文字以内なので、空いた時間に気楽に読んでもらえると嬉しいです。

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

10年前に戻れたら…

かのん
恋愛
10年前にあなたから大切な人を奪った

私は貴方を許さない

白湯子
恋愛
甘やかされて育ってきたエリザベータは皇太子殿下を見た瞬間、前世の記憶を思い出す。無実の罪を着させられ、最期には断頭台で処刑されたことを。 前世の記憶に酷く混乱するも、優しい義弟に支えられ今世では自分のために生きようとするが…。

娼館で元夫と再会しました

無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。 しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。 連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。 「シーク様…」 どうして貴方がここに? 元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!

【完結】20年後の真実

ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。 マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。 それから20年。 マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。 そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。 おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。 全4話書き上げ済み。

嘘をありがとう

七辻ゆゆ
恋愛
「まあ、なんて図々しいのでしょう」 おっとりとしていたはずの妻は、辛辣に言った。 「要するにあなた、貴族でいるために政略結婚はする。けれど女とは別れられない、ということですのね?」 妻は言う。女と別れなくてもいい、仕事と嘘をついて会いに行ってもいい。けれど。 「必ず私のところに帰ってきて、子どもをつくり、よい夫、よい父として振る舞いなさい。神に嘘をついたのだから、覚悟を決めて、その嘘を突き通しなさいませ」

処理中です...