9 / 22
八章
45話 一行、南下する
しおりを挟む
45話 一行、南下する
「カインさん、あの……」
先に客室(キャビン)に戻っていたカインにジャスティスは少し戸惑いつつ声をかけた。
「ああ悪いな、二人とも」
バツ悪そうに苦笑いを浮かべるカイン。
「いえ。少しびっくりはしましたけど」
ジャスティスもまたホッとしたように苦笑いとなるが、
「えっと。カインさんはマーベラスってところに行くの嫌なんですか?」
ジャスティスはハンモックに横たわるカインに首を傾げて聞いてみた。
「『嫌』と言うか……」
天井を見つつ呟くカイン。
「まあ俺は仮にも『賊』だからな。あまり大きな都市には近寄りたくないんだよ」
と、身体を起こし簡素な椅子に腰掛けるジャスティスの頭を少し乱暴に撫でた。
「そう、だったんですね。『マーベラス』って、四大基礎術を考案した国ですよね?」
「ほう? お前よく知ってるなぁ」
「まあ一応騎士学校にいたので……」
カインが意外そうな表情を見せると、ジャスティスは照れたのか少し視線を逸らして俯いたが、
「でもマーベラスってどこにあるんですか?」
次には、顔に疑問符を浮かべて首を傾げた。
「……お前なぁ~……」
そんなジャスティスを見てカインは溜息混じりに小さく呟いて薄く笑った。
「マーベラスは、タータルネークから南東に位置する『天帝国ドゥラコーン』を領土とする天帝国家(てんていこっか)マーベラスの事だ」
ジャスティスの疑問に答えたのは隣に座るウルーガだった。
「ウルーガお前、行った事あるのか?」
それに食い入るように片眉を少しあげるカイン。
ウルーガは小さく頷いて、
「小さい頃。まだ十(とお)にも満たないとき両親と一緒に行ったきりだ」
「へえ、そうなんですね」
ジャスティスが感心したように頷き、
「あそこは、マーベラスは四神青龍(ししんせいりゅう)が守護神としているからな」
カインがそう言うとジャスティスはまた首を傾げて、
「『四神青龍』?」
と、カインの言葉をおうむ返しする。
そのあどけない様子のジャスティスを見たカインとウルーガは互いの顔を見て吹き出したように笑った。
「え、え? 僕、おかしな事言いましたか?」
きょとんとするジャスティスは自分だけ何も分かってないみたいで、少し拗ねたように唇を尖らせる。
「四大基礎術の事は知っていて、なんで世界地理学のことは知らないんだよお前」
と、ジャスティスの頭を乱暴に撫でるカイン。
「え。だって僕別のことに興味あったから……」
「まあいい。よく聞けよ」
バカにされたと思ったジャスティスが本格的に拗ねる前に、カインはジャスティスとウルーガの向かいにテーブルを挟んで座り、地図を広げた。
「いいかジャスティス。お前がいた国は世界地図の真北にあるタータルネークだ」
言いつつ、地図の真上である北の国を指すカイン。
「はい」
ジャスティスは気を取り直し、カインに説明されるまま地図を見て頷く。
「そこから右側の国が隣国ファルガイアですよね?」
と、カインが指し示す国の右側にある国を指すジャスティス。
「そうだ。この客船が向かうはずだった国だな」
カインもまたジャスティスの言葉に短く頷いた。そしてカインの続きを受け継いだのはウルーガで、
「ファルガイアにはいけなくなった。だから、この南東にある天帝国ドゥラコーンに航路を変えた」
言いつつ、タータルネークがある大陸の南東に位置し、陸の上部が大きな湾になっている大陸を指した。
「カインさん、あの……」
先に客室(キャビン)に戻っていたカインにジャスティスは少し戸惑いつつ声をかけた。
「ああ悪いな、二人とも」
バツ悪そうに苦笑いを浮かべるカイン。
「いえ。少しびっくりはしましたけど」
ジャスティスもまたホッとしたように苦笑いとなるが、
「えっと。カインさんはマーベラスってところに行くの嫌なんですか?」
ジャスティスはハンモックに横たわるカインに首を傾げて聞いてみた。
「『嫌』と言うか……」
天井を見つつ呟くカイン。
「まあ俺は仮にも『賊』だからな。あまり大きな都市には近寄りたくないんだよ」
と、身体を起こし簡素な椅子に腰掛けるジャスティスの頭を少し乱暴に撫でた。
「そう、だったんですね。『マーベラス』って、四大基礎術を考案した国ですよね?」
「ほう? お前よく知ってるなぁ」
「まあ一応騎士学校にいたので……」
カインが意外そうな表情を見せると、ジャスティスは照れたのか少し視線を逸らして俯いたが、
「でもマーベラスってどこにあるんですか?」
次には、顔に疑問符を浮かべて首を傾げた。
「……お前なぁ~……」
そんなジャスティスを見てカインは溜息混じりに小さく呟いて薄く笑った。
「マーベラスは、タータルネークから南東に位置する『天帝国ドゥラコーン』を領土とする天帝国家(てんていこっか)マーベラスの事だ」
ジャスティスの疑問に答えたのは隣に座るウルーガだった。
「ウルーガお前、行った事あるのか?」
それに食い入るように片眉を少しあげるカイン。
ウルーガは小さく頷いて、
「小さい頃。まだ十(とお)にも満たないとき両親と一緒に行ったきりだ」
「へえ、そうなんですね」
ジャスティスが感心したように頷き、
「あそこは、マーベラスは四神青龍(ししんせいりゅう)が守護神としているからな」
カインがそう言うとジャスティスはまた首を傾げて、
「『四神青龍』?」
と、カインの言葉をおうむ返しする。
そのあどけない様子のジャスティスを見たカインとウルーガは互いの顔を見て吹き出したように笑った。
「え、え? 僕、おかしな事言いましたか?」
きょとんとするジャスティスは自分だけ何も分かってないみたいで、少し拗ねたように唇を尖らせる。
「四大基礎術の事は知っていて、なんで世界地理学のことは知らないんだよお前」
と、ジャスティスの頭を乱暴に撫でるカイン。
「え。だって僕別のことに興味あったから……」
「まあいい。よく聞けよ」
バカにされたと思ったジャスティスが本格的に拗ねる前に、カインはジャスティスとウルーガの向かいにテーブルを挟んで座り、地図を広げた。
「いいかジャスティス。お前がいた国は世界地図の真北にあるタータルネークだ」
言いつつ、地図の真上である北の国を指すカイン。
「はい」
ジャスティスは気を取り直し、カインに説明されるまま地図を見て頷く。
「そこから右側の国が隣国ファルガイアですよね?」
と、カインが指し示す国の右側にある国を指すジャスティス。
「そうだ。この客船が向かうはずだった国だな」
カインもまたジャスティスの言葉に短く頷いた。そしてカインの続きを受け継いだのはウルーガで、
「ファルガイアにはいけなくなった。だから、この南東にある天帝国ドゥラコーンに航路を変えた」
言いつつ、タータルネークがある大陸の南東に位置し、陸の上部が大きな湾になっている大陸を指した。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
【新作】1分で読める! SFショートショート
Grisly
ファンタジー
❤️⭐️感想お願いします。
1分で読める!読切超短編小説
新作短編小説は全てこちらに投稿。
⭐️忘れずに!コメントお待ちしております。
甲斐ノ副将、八幡原ニテ散……ラズ
朽縄咲良
歴史・時代
【第8回歴史時代小説大賞奨励賞受賞作品】
戦国の雄武田信玄の次弟にして、“稀代の副将”として、同時代の戦国武将たちはもちろん、後代の歴史家の間でも評価の高い武将、武田典厩信繁。
永禄四年、武田信玄と強敵上杉輝虎とが雌雄を決する“第四次川中島合戦”に於いて討ち死にするはずだった彼は、家臣の必死の奮闘により、その命を拾う。
信繁の生存によって、甲斐武田家と日本が辿るべき歴史の流れは徐々にずれてゆく――。
この作品は、武田信繁というひとりの武将の生存によって、史実とは異なっていく戦国時代を書いた、大河if戦記である。
*ノベルアッププラス・小説家になろうにも、同内容の作品を掲載しております(一部差異あり)。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる