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九章
47話 新大陸、天帝国ドゥラコーン2
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47話 新大陸、天帝国ドゥラコーン2
ジャスティスたちが向かう天帝国ドゥラコーンは、世界の東に位置する大陸の上部にあり、極寒の地ファルガイアのちょうど真下になる。
大陸の上のほう、天帝国家マーベラスがある場所はロンクォウ湾という大きな湾の入り江に城をかまえる。またロンクォウ湾は山岳地帯でもあり、マーベラスは海に近い割には鉄壁とも言われる自然の山岳要塞となっている。
ジャスティスたちを乗せた船は、朝日がのぼり昼頃まで真南に進んでいたが進行方向を急に左に向けた。
「お。もうすぐロンクォウ湾に入るか」
客室(キャビン)で簡単な昼食をとっていたカインが、船が左に傾くのを感じて口を開いた。
「『ロンクォウ湾』?」
おうむ返しに聞くジャスティスの前に地図を見せて、
「ほら、ここだよ」
言って、指をさすカイン。
「ベネツィ都市っていうマーベラスの城下町に停泊するんだ」
カインがそう言っているうちに船はロンクォウ湾の内側に沿うように連なった、オリエンタレム連峰(れんぽう)を右側にして東へと進み次第に舳先(へさき)の方向を右に傾けた。
ジャスティスたちが乗っている船は、汽笛を数回鳴らし入港の合図をしめし、マーベラスの城下町ベネツィ都市に停泊し、ジャスティスたちは船から降り立った。
――ジャスティスは初めて他の大陸に足を踏み入れたことに少しの不安とワクワクドキドキという期待で胸がいっぱいだった。
「よし! 俺は一足先(ひとあしさき)に街の南門に行ってるからジャスティスたちは後から来てくれ」
と、ジャスティスがなにか言いかける前にカインは足早にその場を去ってしまう。その去り際、カインはどこかで『軽食を見繕ってくれ』と無責任な事を言い姿を消した。
そんなカインの様子を、呆気に取られながら見守っていたジャスティスとウルーガはお互いの目を見てくすりと笑ったのだった。
さすがに大きな街だけあって、行商の船や客船が数隻あり、港は行き返す人たちで少し混雑していた。そんな中ジャスティスはキョロキョロとして、
「えっと。どこをどういけばいいのかな。……ウルーガさん分かる?」
隣に立つウルーガを上目遣いで見るが、ウルーガは黙って首を横に振った。
「うーん、南門に行くんだよね。誰かに聞いてみたほうがいいかな」
「その前になんか食べ物買ってこいって言ってた……」
「あ。そうだったね。とりあえず道順歩いていけばいいかなぁ」
首を傾げつつ、ジャスティスはウルーガと隣立ってその足を進める。
「おーい。ジャスティスじゃないか?!」
ジャスティスたちが歩く中、背後にかかる声。
ジャスティスとウルーガが同時に振り返ると、数メートルあとの場所で腕を大きく振っている男性の姿。
「イークさん!」
その姿を見たジャスティスの顔が少し明るくなり、イークと呼んだ男性に駆け寄っていく。
声をかけてきたのは、以前ジャスティスを助けてくれたイークの名乗る男性だった。歳の頃合いはカインと同じくらいで雰囲気もどことなくカインに似ている。
「やっぱりジャスティスか。久しぶりだな、お連れさんには会えたのか」
イークはウルーガを見るなりそう言うが、
「あ。えっとこの人はあの後知り合った人で、待ち合わせの人にはティエラ港で会えました」
ジャスティスたちが向かう天帝国ドゥラコーンは、世界の東に位置する大陸の上部にあり、極寒の地ファルガイアのちょうど真下になる。
大陸の上のほう、天帝国家マーベラスがある場所はロンクォウ湾という大きな湾の入り江に城をかまえる。またロンクォウ湾は山岳地帯でもあり、マーベラスは海に近い割には鉄壁とも言われる自然の山岳要塞となっている。
ジャスティスたちを乗せた船は、朝日がのぼり昼頃まで真南に進んでいたが進行方向を急に左に向けた。
「お。もうすぐロンクォウ湾に入るか」
客室(キャビン)で簡単な昼食をとっていたカインが、船が左に傾くのを感じて口を開いた。
「『ロンクォウ湾』?」
おうむ返しに聞くジャスティスの前に地図を見せて、
「ほら、ここだよ」
言って、指をさすカイン。
「ベネツィ都市っていうマーベラスの城下町に停泊するんだ」
カインがそう言っているうちに船はロンクォウ湾の内側に沿うように連なった、オリエンタレム連峰(れんぽう)を右側にして東へと進み次第に舳先(へさき)の方向を右に傾けた。
ジャスティスたちが乗っている船は、汽笛を数回鳴らし入港の合図をしめし、マーベラスの城下町ベネツィ都市に停泊し、ジャスティスたちは船から降り立った。
――ジャスティスは初めて他の大陸に足を踏み入れたことに少しの不安とワクワクドキドキという期待で胸がいっぱいだった。
「よし! 俺は一足先(ひとあしさき)に街の南門に行ってるからジャスティスたちは後から来てくれ」
と、ジャスティスがなにか言いかける前にカインは足早にその場を去ってしまう。その去り際、カインはどこかで『軽食を見繕ってくれ』と無責任な事を言い姿を消した。
そんなカインの様子を、呆気に取られながら見守っていたジャスティスとウルーガはお互いの目を見てくすりと笑ったのだった。
さすがに大きな街だけあって、行商の船や客船が数隻あり、港は行き返す人たちで少し混雑していた。そんな中ジャスティスはキョロキョロとして、
「えっと。どこをどういけばいいのかな。……ウルーガさん分かる?」
隣に立つウルーガを上目遣いで見るが、ウルーガは黙って首を横に振った。
「うーん、南門に行くんだよね。誰かに聞いてみたほうがいいかな」
「その前になんか食べ物買ってこいって言ってた……」
「あ。そうだったね。とりあえず道順歩いていけばいいかなぁ」
首を傾げつつ、ジャスティスはウルーガと隣立ってその足を進める。
「おーい。ジャスティスじゃないか?!」
ジャスティスたちが歩く中、背後にかかる声。
ジャスティスとウルーガが同時に振り返ると、数メートルあとの場所で腕を大きく振っている男性の姿。
「イークさん!」
その姿を見たジャスティスの顔が少し明るくなり、イークと呼んだ男性に駆け寄っていく。
声をかけてきたのは、以前ジャスティスを助けてくれたイークの名乗る男性だった。歳の頃合いはカインと同じくらいで雰囲気もどことなくカインに似ている。
「やっぱりジャスティスか。久しぶりだな、お連れさんには会えたのか」
イークはウルーガを見るなりそう言うが、
「あ。えっとこの人はあの後知り合った人で、待ち合わせの人にはティエラ港で会えました」
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