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21話 幻の村2
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21話 幻の村2
――ジャスティスから話を聞いたササライは不思議そうに目を瞬(またた)いた。
「あんな所に村なんてあるわけねぇんだが……」
「……」
ジャスティスが不思議そうな顔をして黙っているとササライは付け足すように続けた。
――ジャスティスが訪(おとず)れたシエンタ村と言う村は、現状、『存在していない村』であること。
そしてその場所は、人はおろか、動物やモンスターさえ立ち入る事が出来ないほどの濃い霧で覆(おお)われており通称、『幻の森(ファントムフォレスト)』と呼ばれている場所だった。
「……そんな……。じゃあ僕が見たのって……」
「お前、どうやってあそこに行ったんだ?」
呆然(ぼうぜん)として呟くジャスティスに、今度はイークが口を開いた。
「……え。あのモルファルから東に続く道を歩いてきましたけど」
「ファルフォム丘陵?」
きょとんとして呟くジャスティスに確認するようにイークが聞けば、ジャスティスは素直に頷いた。
「……」
イークは顎に手をあて何かを考え込んでいる。
「ファルフォム丘陵なら、途中で左右に分かれ道があっただろ?」
「……いえ。そのまま真っ直ぐ東に行ってシエンタ村に着きました」
半ば呆れたように言うササライにジャスティスは首を横に振りながら答えた。
ササライとジャスティスが互いの話が食い違うなか二人とも困惑したような表情する。そんな二人の微妙な空気を裂いたのはイークだった。
「ーーなあ」
イークの声にジャスティスとササライが同時に彼を見た。
「だったら、実際に行ってみれば分かるんじゃないのか?」
イークがそう進言するとササライとジャスティスの二人は、
「じゃあ近くまでソリで送ってやる」
「そうですね。僕、港で人と待ち合わせしてるので」
二者二様で同時に頷き、そんな二人を見てイークは苦笑して肩を竦めた。
――雪山を軽快に駆け降りるのは狼十頭あまりに引かれた二つのソリ。
前方は手綱(たづな)を握るササライとジャスティスで後方にはイークが荷物を見守るように座っている。
雪が降り固まった斜面を滑り降りていく感覚はジャスティスにとっては初めてですごく新鮮な気分になった。
「ーージャスティス、あれが幻の森(ファントムフォレスト)だ」
隣に座るササライは眼下(がんか)に見える景色を顎で指し示した。ジャスティスがそれに倣い視線を目の前に向けると、丁度目線と同じくらいの高さに薄灰色の『靄(もや)』に覆われた光景がジャスティスの視界に入った。
距離感からして――ジャスティスが訪れた『シエンタ村』があった場所は、薄黒い煙が立ちこめており、まるで生き物を拒絶するような威圧感があった。
ソリの進行は、幻の森(ファントムフォレスト)を突き切る手前で急に横に逸れ、靄(もや)のような煙のような景色は次第に左側へと移動していく。
狼等が走る山の斜面は徐々に緩やかになっていき、雪がちらほらとまばらになって地面が顔を出した頃、ソリは動きを停止した。
「ほら、ここがファルフォム丘陵の『分かれ道』だ」
そう言ってソリから軽やかに降りるササライ。
ジャスティスは礼を言いながら地に足をつけると、ソリで来た道を振り返り、ササライとイークとはここで別れた。
――ジャスティスから話を聞いたササライは不思議そうに目を瞬(またた)いた。
「あんな所に村なんてあるわけねぇんだが……」
「……」
ジャスティスが不思議そうな顔をして黙っているとササライは付け足すように続けた。
――ジャスティスが訪(おとず)れたシエンタ村と言う村は、現状、『存在していない村』であること。
そしてその場所は、人はおろか、動物やモンスターさえ立ち入る事が出来ないほどの濃い霧で覆(おお)われており通称、『幻の森(ファントムフォレスト)』と呼ばれている場所だった。
「……そんな……。じゃあ僕が見たのって……」
「お前、どうやってあそこに行ったんだ?」
呆然(ぼうぜん)として呟くジャスティスに、今度はイークが口を開いた。
「……え。あのモルファルから東に続く道を歩いてきましたけど」
「ファルフォム丘陵?」
きょとんとして呟くジャスティスに確認するようにイークが聞けば、ジャスティスは素直に頷いた。
「……」
イークは顎に手をあて何かを考え込んでいる。
「ファルフォム丘陵なら、途中で左右に分かれ道があっただろ?」
「……いえ。そのまま真っ直ぐ東に行ってシエンタ村に着きました」
半ば呆れたように言うササライにジャスティスは首を横に振りながら答えた。
ササライとジャスティスが互いの話が食い違うなか二人とも困惑したような表情する。そんな二人の微妙な空気を裂いたのはイークだった。
「ーーなあ」
イークの声にジャスティスとササライが同時に彼を見た。
「だったら、実際に行ってみれば分かるんじゃないのか?」
イークがそう進言するとササライとジャスティスの二人は、
「じゃあ近くまでソリで送ってやる」
「そうですね。僕、港で人と待ち合わせしてるので」
二者二様で同時に頷き、そんな二人を見てイークは苦笑して肩を竦めた。
――雪山を軽快に駆け降りるのは狼十頭あまりに引かれた二つのソリ。
前方は手綱(たづな)を握るササライとジャスティスで後方にはイークが荷物を見守るように座っている。
雪が降り固まった斜面を滑り降りていく感覚はジャスティスにとっては初めてですごく新鮮な気分になった。
「ーージャスティス、あれが幻の森(ファントムフォレスト)だ」
隣に座るササライは眼下(がんか)に見える景色を顎で指し示した。ジャスティスがそれに倣い視線を目の前に向けると、丁度目線と同じくらいの高さに薄灰色の『靄(もや)』に覆われた光景がジャスティスの視界に入った。
距離感からして――ジャスティスが訪れた『シエンタ村』があった場所は、薄黒い煙が立ちこめており、まるで生き物を拒絶するような威圧感があった。
ソリの進行は、幻の森(ファントムフォレスト)を突き切る手前で急に横に逸れ、靄(もや)のような煙のような景色は次第に左側へと移動していく。
狼等が走る山の斜面は徐々に緩やかになっていき、雪がちらほらとまばらになって地面が顔を出した頃、ソリは動きを停止した。
「ほら、ここがファルフォム丘陵の『分かれ道』だ」
そう言ってソリから軽やかに降りるササライ。
ジャスティスは礼を言いながら地に足をつけると、ソリで来た道を振り返り、ササライとイークとはここで別れた。
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