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22話 無意識な救済1
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22話 無意識な救済1
ジャスティスは、再びソリで雪山を駆け上がっていくササライとイークの背中を見送って目線を少し上げると、うっすらと雪が積もる斜面にソリでひかれた道が一本浮き出ていた。
そのまま視線を右に向けると今度は、天まで届きそうな白く霞んだ霧(きり)ような景色――幻の森 (ファントムフォレスト)がその全貌(ぜんぼう)を明確に表していた。
自分が来た道を背にすると南に続く、【デセンタ街道・北】と称している道にいる事が分かった。
このままこの道を行けば港にたどり着くとイークやササライに言われジャスティスは歩き出した。
道は次第に鬱蒼(うっそう)とした森の中に差し掛かろうとしている。ジャスティスはふと歩みを止めた。これまで、イヨーカの森や幻の森 (ファントムフォレスト)と言った少し変わった森に出くわしていたので、ジャスティス自身の足が躊躇(ちゅうちょ)したのだった。
軽い溜息を吐いて目の前の森をジッと見つめる。霧(きり)が立ちこめてたり、ましてや隣に級友がいるわけでもない――ジャスティスは少し安堵した面持ちで再び歩みを進めた。
道が森の中に差し掛かり、そのまま進んでいくと奥の方から数人の男達がこちらへやってくる。
「……?」
ジャスティスが足を止め何だろうと首を傾げていると、
「……坊主、お前こんな所で何をやってる?」
一人の男――服装からして、どこかの正規ハンターのようで、彼は少し威嚇(いかく)するように声をかけてきた。
「……あの僕、一人旅をしてて。港に行きたいんです……」
ジャスティスは咄嗟(とっさ)に『旅人』を装った。こちらがあれこれ詮索するべきではないし、何より早く港に行きたい。
「港ならこの道を南に真っ直ぐだ」
最初に話しかけてきた男が言うと、
「脇道には入らないほうがいいぞ」
別の男が続けて口を挟んできた。この男性もまたハンターのようだ。
「……余計な事は言うな。ーーほら、早く行け」
最初に話しかけてきた男が、ジャスティスの行くべき方を顎で指し、
「あ、ありがとうございます……」
ジャスティスは頭を下げ道なりにを進んでいく。
ジャスティスが道を進む中、ハンター達はジャスティスの一挙一動(いっきょいちどう)を見届けるように見ている。
背筋にゾワゾワとする異様な気配を受けつつジャスティスの足はゆっくりと前に進んでいた。
「……」
しばらく歩みを進めたのち、ようやくハンター達の視線が消えたのが分かったジャスティスは立ち止まり後ろを振り返った。
何だったのだろうか。
何か隠さなきゃいけない事でもあるのか――?
そんな思いと同じく、自分ではダメだと分かっているのにどうしても【好奇心】には抗(あらが)えない自分もいる。
ジャスティスは先程のハンター達に見つからないようゆっくりと気配を確かめつつ身を屈ませながら道を戻っていった。
――歩数からしてこの辺りがハンター達と出会った地点。
辺りをキョロキョロと見回すジャスティス。森としては少し拓けていて旅人が使う旅道から少し外れたところに人為的に踏み慣らされた跡がある。
(……ちょっとだけ、様子を見てみよう。何もなかったらすぐに引き返せばいいし)
少し迷いつつも気楽に考えたジャスティスはそこへ足を踏み入れた。
先程のハンター達は『何か』を隠している。それが何なのか、無関係の自分が知るべきではないだろうけれど、好奇心が先立ってしまう。
人為的な道を進んでいくと、道ではない道――森の中へと誘われているようで、もしかしたらここで迷ってしまうのではないかという不安が頭によぎる。
しかし森は次第に拓け、ジャスティスの不安は杞憂に終わった。
ジャスティスは、再びソリで雪山を駆け上がっていくササライとイークの背中を見送って目線を少し上げると、うっすらと雪が積もる斜面にソリでひかれた道が一本浮き出ていた。
そのまま視線を右に向けると今度は、天まで届きそうな白く霞んだ霧(きり)ような景色――幻の森 (ファントムフォレスト)がその全貌(ぜんぼう)を明確に表していた。
自分が来た道を背にすると南に続く、【デセンタ街道・北】と称している道にいる事が分かった。
このままこの道を行けば港にたどり着くとイークやササライに言われジャスティスは歩き出した。
道は次第に鬱蒼(うっそう)とした森の中に差し掛かろうとしている。ジャスティスはふと歩みを止めた。これまで、イヨーカの森や幻の森 (ファントムフォレスト)と言った少し変わった森に出くわしていたので、ジャスティス自身の足が躊躇(ちゅうちょ)したのだった。
軽い溜息を吐いて目の前の森をジッと見つめる。霧(きり)が立ちこめてたり、ましてや隣に級友がいるわけでもない――ジャスティスは少し安堵した面持ちで再び歩みを進めた。
道が森の中に差し掛かり、そのまま進んでいくと奥の方から数人の男達がこちらへやってくる。
「……?」
ジャスティスが足を止め何だろうと首を傾げていると、
「……坊主、お前こんな所で何をやってる?」
一人の男――服装からして、どこかの正規ハンターのようで、彼は少し威嚇(いかく)するように声をかけてきた。
「……あの僕、一人旅をしてて。港に行きたいんです……」
ジャスティスは咄嗟(とっさ)に『旅人』を装った。こちらがあれこれ詮索するべきではないし、何より早く港に行きたい。
「港ならこの道を南に真っ直ぐだ」
最初に話しかけてきた男が言うと、
「脇道には入らないほうがいいぞ」
別の男が続けて口を挟んできた。この男性もまたハンターのようだ。
「……余計な事は言うな。ーーほら、早く行け」
最初に話しかけてきた男が、ジャスティスの行くべき方を顎で指し、
「あ、ありがとうございます……」
ジャスティスは頭を下げ道なりにを進んでいく。
ジャスティスが道を進む中、ハンター達はジャスティスの一挙一動(いっきょいちどう)を見届けるように見ている。
背筋にゾワゾワとする異様な気配を受けつつジャスティスの足はゆっくりと前に進んでいた。
「……」
しばらく歩みを進めたのち、ようやくハンター達の視線が消えたのが分かったジャスティスは立ち止まり後ろを振り返った。
何だったのだろうか。
何か隠さなきゃいけない事でもあるのか――?
そんな思いと同じく、自分ではダメだと分かっているのにどうしても【好奇心】には抗(あらが)えない自分もいる。
ジャスティスは先程のハンター達に見つからないようゆっくりと気配を確かめつつ身を屈ませながら道を戻っていった。
――歩数からしてこの辺りがハンター達と出会った地点。
辺りをキョロキョロと見回すジャスティス。森としては少し拓けていて旅人が使う旅道から少し外れたところに人為的に踏み慣らされた跡がある。
(……ちょっとだけ、様子を見てみよう。何もなかったらすぐに引き返せばいいし)
少し迷いつつも気楽に考えたジャスティスはそこへ足を踏み入れた。
先程のハンター達は『何か』を隠している。それが何なのか、無関係の自分が知るべきではないだろうけれど、好奇心が先立ってしまう。
人為的な道を進んでいくと、道ではない道――森の中へと誘われているようで、もしかしたらここで迷ってしまうのではないかという不安が頭によぎる。
しかし森は次第に拓け、ジャスティスの不安は杞憂に終わった。
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