プロクラトル

たくち

文字の大きさ
28 / 174
砂の世界

準備期間

しおりを挟む
「あら、珍しい方もいらっしゃったわね」

 王都へと戻ったリリアナは早速シンとノアを呼び自室へと招き入れた。
しかし、初めての人物の来客に驚きの声をあげた。

「何よ、私が来ちゃいけないの!」

 珍しい方、燃えるような赤い髪の女性ユナは目を丸くするリリアナに文句を言う。
リリアナに呼ばれたシンは約束通りユナを連れて来たのだ。

「まあまあ、落ち着いて話しようぜ」

 砂の世界でも最高級の王女の自室を我が物顔で入り込み、置いてあったこれまた最高級の茶葉を使って紅茶を入れ偉そうに椅子に座るシン。

 初めは緊張していたシンだったが何度か訪れるうちに慣れ、今では何がこの部屋にあるかまで熟知していた。
 リリアナのいない間に部屋中を物色しあらゆる物を知り尽くしていた、隠されていた下着を見つけ匂いを嗅いだりしたのは極秘事項だ。

「あんた、何でそんな馴れ馴れしのよ」

 自分の宿屋の部屋に来た時よりもリリアナの部屋にいるシンがリラックスしている事に嫉妬したユナがジト目でシンを見つめている。その様子にリリアナは勝ち誇ったように話しだす。

「シン様とわたくしの仲を甘く見ないで頂きたいですわね」

「あぁん?」

 バチバチと火花を散らすユナとリリアナをノアがなだめ本題に入るよう進める。
ノアの様子が楽しそうなのは長らく1人だった為こうしたやり取りが新鮮な為だろう。

「皇国との戦争は1ヶ月後になります、まず間違いなくニグルが代行者と見て間違いないでしょう」

 皇国側の様子からニグルの扱いに困っている事がわかったリリアナは断言する。
 この間の会談での皇国への要求は賭けに近かったのだがあの対応からニグルの皇国での立場を知る事が出来た。

「ニグルは私が倒したい」

 ノエルの殺された恨みと自身の雪辱の為ユナが自分の考えを話す、ノアの瞳には決意が見て取れる。

「契を手に入れた君なら良い勝負が出来るだろう、だが確実ではない。シンと協力していきたいところだね」

 ノアの言葉に少しだけ動揺したユナ、あれから強くなったはずだがまだ確実には勝てないらしい。

「だが奴がどこに来るかわからないな、こちらから誘い出さなきゃならないが」

 シンの疑問にはリリアナが応える、すでにこの中で策を考えるのはリリアナの役目なのだ。

「確実に誘き寄せる事は難しいです。策とは言えないですが兵士達にはニグル発見の狼煙を上げさせようと思います、対応が遅れ被害が出てしまうでしょうが仕方ありません」

 リリアナの話に納得する一同、ニグル抹殺の為に戦争を引き起こしたが殲滅部隊である風帝隊がどう攻めて来るかわからないので仕方ないだろう。

「あとラーズ王国からは予想通り幻視槍が派遣されます。ですがこちらは少数です、数で抑え込めば苦戦はしません」

「赤姫なら幻視槍程度なら対処出来るわ。私達はどうするの?基本はクレアに作戦は任せてるけどあんた達に合わせた方が良いのよね?」

 王国の最大戦力の赤姫はどうするか、赤姫の運用の仕方を間違えば王国側が負ける可能性がある。

「いえ、赤姫の皆さんにはこれまで通り自由に戦場を動いてもらいます。赤姫は皇国にとったら厄介な敵です。もしかしたら風帝隊を誘き寄せる事になるかもしれませんので慣れない戦い方をするより今まで通りしていただいた方が勝率は高いでしょう」

 ユナが同意し赤姫の事は決まりだ、だが問題があった。

「副長のナナには1人で動いてもらうわ、あの子には他に仲間がいても邪魔なだけだから」

 ナナはその魔術の特性から周りを無差別に巻き込んでしまう。
本気で戦うとあちこちに武器を作り出し広範囲に渡る攻撃を行うからだ。

「わかりました、それならばナナさんには遊撃をして頂きましょう。その戦い方なら敵を混乱させるのにもってこいですから」

 すぐさまナナの行動を決めるリリアナ、味方としても厄介なナナの魔術だがリリアナは即座に利用方法を考える。

「ですがやはりニグルの対応が難しいですね、どうしても後手に回ってしまいます」

 リリアナに思い付かないならしょうがないなとシンは思っていた。
 事実ニグルはどの戦場でも突然現れてくるので予測が出来ない。
風の魔術の応用で短時間だか空を浮ける為、動きを捉えるのは困難だ。

「ニグルはシン様を狙っているのです、戦争中わざと皇国に情報を流すのも良いかもしれません、こちらから仮想のノア様の使徒を作り位置を教えて誘き出すのです」

 リリアナの言う事はもっともだ、こちらがニグルを狙うようにあちらもシンを探している。
それを利用し誘き出す、これにはノアも同意をする。

「ではこの事は戦争が始まり次第わたくしが実行します」

 戦争に向けての話し合いが終わりノアも姿を消す、ユナと共にリリアナの部屋を出ようとするがリリアナに引き止められる。

「シン様、少しだけ2人で大切な話がしたいのです」

 2人で大切な話と聞きドキッとするシンだったがユナに足を踏まれ地面にうずくまる。

「何よ!私には話せないの!」

 すぐさまリリアナに突っかかるユナだがリリアナも引くわけにはいかない。
立ち上がったシンになだめられユナは部屋を出る。
ユナがいなくなったのを確認して、未だドキドキしているシンにリリアナは話し始める。

「この話は他言無用でお願いします、決して他に話ではいけません」


*******

 リリアナとの話し合いが終わったシンはエルリックに会いに兵舎へ向かっていた。
 すると途中でエルリックを見つけ、レベッカの店へと連れ出した。

 個室へと案内してもらったシンはいつになく真剣な表情でエルリックに話をする。

「単刀直入に言おうと思う、エルリック俺の仲間になってくれないか?」

 いきなりの事にエルリックは戸惑うがシンは続ける。

「俺が旅をしているのは知ってるな?それについて来て欲しいんだ」

 エルリックには出会った時にシンの旅の目的を聞いている。
何が言いたいのかはエルリックはわかるのだが

「俺にこの国を捨てろと言うのか?」

 エルリックはラピス王国の兵士だ、当然シンに着いて行くと言う事は国を捨てる事になる。

「ああ、俺は戦争が終わったらこの世界から出て行く、その時に着いてきて欲しいんだ」

 エルリックを仲間にする事はノアに相談し承諾を得ている。
 この世界に来て1人では出来ない事があるとシンは実感している為、仲間を増やさなくてはならないと考えている。
 そしてその仲間にこの世界に来て初めての友人であるエルリックを選んだのだ。

「時間を貰えるか?」

 生まれ育った国を出る事に決心が付かないエルリック、戸惑いもあるので時間が欲しいと言う。

「いきなりこんな話をして悪いな、エルリックはここに来て初めての友人だ。だからこれからも一緒に旅がしたいと思ったんだ」

 エルリックは友人と面と向かって言われたのは初めての事だった。
 思えばエルリックにとってもシンは初めての同年代の友人だ。

「構わないさ、俺はシンに初めてのあった時に目的をもらった。ここまで成長出来ているのもシンのお陰だ、そんなお前に必要とされているんだこれでも結構嬉しいんだ」

「そうか、なら良いが返事は戦争の後に聞くよ」

「ああ、待たせてすまない」

「そうだ、これ持っててくれるか?」

シンが渡すのはノアの腕輪だ。

「これは?」

「俺が付けてるのとは少し違うがノアの腕輪だ、前に言っただろ?ノアは俺の神だ、まあ持っててくれ」

 腕輪を手に取り左腕に着けるエルリック、だが腕輪からは何も感じない。

「意味はあるのか?」

 なぜ、渡されたのかわからないエルリックはシンに問いかける。

「いや、それは言わない事にする、楽しみだからな」

 だがシンは答えを言わなかった。
 何が楽しみなのか知りたかったがこの様子だと教えてはくれないだろう。

「まあ着けておくよ、お守りの代わりだ」

 そのあとはいつも通り2人でバカのように話をした。
 相変わらず好みなどは合わないが、それが2人の仲が良い証拠でもあった。

「そうだエルリック、皇国との戦争でリリアナを守ってくれないか?」

 唐突に告げるシン、だがシンの頼みをエルリックは断らない。

「当たり前だ、リリアナ様はこの国の総大将だぞ、俺が必ず守り通す」

*******

 ラピリア王城の会議室にて王国の重鎮たちは軍事会議を行っていた。
そこにはウェンズ共和国国王デウメス王やドナート将軍の姿もある。

「では赤姫の皆様は今まで通りクレアさんの指揮のもと動いて下さい、ナナさんには敵陣に切り込み敵の兵力を分断して頂きます」

 ノア達との会議通りの話をする。ユナには言ってあるので承諾されるのだが

「ナナ殿は子供ではないか、単身では危険だ!」

 共和国でナナと面識のあるドナート将軍だがやはり子供を1人では納得できないようだ。

「ナナには必要ないわ、余計な死体が増えるだけよ」

 だが赤姫の団長ユナの説得で無理矢理納得させる。
 共和国も無駄死にはさせたくないので、納得するしかない。

「共和国の皆様は左に展開、リーグ将軍と協力し皇国軍を引き止めて下さい」

「わかった」

 会議はリリアナを中心に進んでいく、彼女はもう王国の中心を物にしていた。

「共和国の戦力はどうなのですか?」

 今回の戦争では共和国はかなり協力的な姿勢だ。
 皇国に恨みもある為軍と傭兵団を多数引き連れる予定だ。

「ここにいるドナートの率いる1万の兵と砂塵を中心とした3万ほどの傭兵団を派遣する」

「砂塵⁉︎それは本当か?」

 リーグが声をあげる、ウェンズ共和国の砂塵と言う傭兵団はリーグが傭兵時代に所属していた傭兵団だ。

「これは心強いな、サラドさんは元気か?」

「ああ、お前と共闘できると楽しみにしていたぞ」

 リーグの問いにドナートが答える、嬉しそうなリーグの顔を見る限り頼りになる戦力なのだろう。

「風帝隊ですが、これは基本的に赤姫に担当してもらいます。あの部隊に太刀打ち出来るのは彼女達ぐらいですから」

「隊長はどうする?序列4位は強敵だ」

「私がやるわ」
 
 そう宣言するユナからは凄まじい殺気が溢れ出す、他の面々は自分に向いていないとわかりながらも恐怖を覚えてしまう。

「ラーズの援軍はどうする?幻視槍は無視できないぞ」

 ユナの殺気に当てられる中言葉を出せるドナートは相当な実力を持っているのだろう。
 しかし、汗の量からしてかなり無理はしている事が伺える。

「それも赤姫に担当して頂きたいのですが厳しいでしょう。ラーズの援軍は数が多くありません数をあて足留めに徹します」

 幻視槍の対応も決めていたのですぐに答えは出せる。
 先にほとんどの事項を決めていたのでこの会議はリリアナにとって作戦を伝えるだけの物だ。

「本陣はエルリックに守護をお願いします、彼ならば守り通してくれるでしょう」

 これには反対の意見は出ない、エルリックの才能を知っているここの人達からしたら反論などないのだ。

「では細かくは追々に致しましょう、1か月後必ず勝利を」

 1度目の会議は終了する。
これから1か月リリアナは物資の確保や輸送、武器の調達や練兵など休む事なく働き続ける。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる

あっとさん
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。 でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。 でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。 その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。 そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。

おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう

お餅ミトコンドリア
ファンタジー
 パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。  だが、全くの無名。  彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。  若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。  弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。  独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。  が、ある日。 「お久しぶりです、師匠!」  絶世の美少女が家を訪れた。  彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。 「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」  精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。 「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」  これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。 (※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。 もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです! 何卒宜しくお願いいたします!)

Re:Monster(リモンスター)――怪物転生鬼――

金斬 児狐
ファンタジー
 ある日、優秀だけど肝心な所が抜けている主人公は同僚と飲みに行った。酔っぱらった同僚を仕方無く家に運び、自分は飲みたらない酒を買い求めに行ったその帰り道、街灯の下に静かに佇む妹的存在兼ストーカーな少女と出逢い、そして、満月の夜に主人公は殺される事となった。どうしようもないバッド・エンドだ。  しかしこの話はそこから始まりを告げる。殺された主人公がなんと、ゴブリンに転生してしまったのだ。普通ならパニックになる所だろうがしかし切り替えが非常に早い主人公はそれでも生きていく事を決意。そして何故か持ち越してしまった能力と知識を駆使し、弱肉強食な世界で力強く生きていくのであった。  しかし彼はまだ知らない。全てはとある存在によって監視されているという事を……。  ◆ ◆ ◆  今回は召喚から転生モノに挑戦。普通とはちょっと違った物語を目指します。主人公の能力は基本チート性能ですが、前作程では無いと思われます。  あと日記帳風? で気楽に書かせてもらうので、説明不足な所も多々あるでしょうが納得して下さい。  不定期更新、更新遅進です。  話数は少ないですが、その割には文量が多いので暇なら読んでやって下さい。    ※ダイジェ禁止に伴いなろうでは本編を削除し、外伝を掲載しています。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました

佐倉穂波
恋愛
 転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。  確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。 (そんな……死にたくないっ!)  乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。 2023.9.3 投稿分の改稿終了。 2023.9.4 表紙を作ってみました。 2023.9.15 完結。 2023.9.23 後日談を投稿しました。

処理中です...