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氷の世界
魔族と人族
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「もうすぐスーリアね、思ったより時間がかかっちゃったわ」
一際大きな雪山から眼下に広がる景色を見渡すシン達の視線の先には白銀の世界に佇む巨大な都市が映り込んでいた。
氷の世界最大の都市スーリアへの最後の難関である山脈を登りきり、スーリアまで後は下山と半日ほどの移動が必要だ。
ティナの提案で雪山の頂上で宿泊したシン達であったが、いつ崩れるかわからない場所での宿泊に不安を抱えていたが、それは杞憂に終わっていた。
宿泊道具を片付け、下山を始めたシン達だが、スーリアに到着するのは日が落ち始める頃だろう。
さすがにスーリア周辺と言う事もあり、この辺りに魔獣の姿はない。
遠くを見渡せば数多くの冒険者達が様々な方向へと旅立っている事が伺えた。
冒険者1グループの中にそれぞれ役割があるのだろう。
同じ武器を持った者はおらず、中には数少ない魔術師の姿も必ずと言って良いほど存在する。
かつての序列4位”風帝”ニグル・ウィーゲのように近接と魔術を両方こなすであろう者はいない。
序列者と言うのはそれほど例外の存在なのだ。
だが冒険者として生きる魔術師はそれだけで貴重な存在であり、この氷の世界に来る高ランク冒険者達ならば仲間に1人は魔術師がいる。
戦争の続いていた砂の世界では魔術師はどちらかと言うと対人戦に特化しており、冒険者の魔術師達とは習得している魔術の種類が違う。
シン達が魔導具に頼っている事は全て魔術師が片手間で済ませてしまう事であり、戦闘においても前衛の剣士と共にメインアタッカーとなる。
未知の事が多いこの氷の世界では1番重要な存在だ。
「ティナ、魔力ってのは何である奴とない奴がいるんだ?」
シンの疑問は全ての世界に住む人々の疑問だ。
魔力のある人間とない人間、この2種類で人類は大きく分類される。
砂の世界では魔力のある人間は全体の1割程度である。
対して森の世界ではその特殊な性質ゆえ魔力を持つ者はいない。
魔力を持つ者は人により魔力の総量は違うが、少しでもあるならば様々なところで優遇される。
同程度の能力の持ち主同士なら必ず魔力のある者が採用されるのだ。
だが全ての人が魔力を持っている事に気が付く訳ではない。
生まれ持った魔力を知らずに死んでゆく人も少なくない。
「そうだの、あまり知られておらんが先祖に魔族と交わった者がいると、その子孫に魔力を持つ者が生まれる。現在は魔族との交わりは禁じられているが、まだ世界が1つだった頃は違う。その時に魔族と人族の混血が生まれ、今でもその血を引いている者は魔力を持つのだ。魔力の大小はその子達により変わる、親が多くても子が多いとは限らんのだ。魔力の多い者はそれだけ魔族の血に体が馴染んでいると言う事だ」
ティナの説明にユナは驚いていた。
魔術は人類が他種族に対抗する為に生み出したものとされていたからだ。
その事をティナの言葉は否定していた。
「なら魔力のない奴は魔族の血が流れてないって事か?」
ティナの言葉をシンはそういう風に解釈していた。
魔族の血が魔力をもたらしているならば魔力のない者は先祖からずっと人族の血のみを受け継いでいると考えていた。
「それは違うの。妾の説明が悪かったが、魔力がないからと言って純血の人族と言う事はない。逆に純血の方が少ないだろう。例えばユナは魔力を持たぬが並の人よりも数倍も身体能力が高いであろう?」
「そうね、私は魔力がないけどそんな事気にならないわ」
ユナには魔力は必要ないと言えるほど圧倒的な身体能力を持っている。
魔術など使わなくとも最強と呼ばれる序列者なのだ。
「それは妾達魔族の血によるものだ。魔族は魔術に身体能力と全てに優れておる。混血となった者はどちらかが優れて生まれる可能性が高いのだ。風帝ニグルはどちらかと言うと魔力に優れておるが、身体能力ではユナの上であろう?両方に優れているのは魔族だけだがの」
「なら天帝はどうなんだ?あいつは両方凄かったぞ?」
ティナの説明では”天帝”ラドラス・エルドラスは魔族という事になる。
「あれとお主は別だ」
ティナの言葉にシンは”天帝”ラドラス・エルドラスの正体に確信を持った。
かつてティナがラピス王国の地下牢で言っていたのは恐らく”天帝”の事と理解出来た。
「なら人族の力はほとんど魔族のおかげで持ってるんだな?」
「エルリックが魔気を使えるのもあの者の先祖に魔族がおるからだ。その名の通り魔気とは魔の気、魔力とは魔の力、魔術とは魔の術だ。全て創世に魔族が扱っていた物だ。それを羨んだ人族が魔族と交わり、その力の一端を手に入れようとした結果が今の人族達だ」
ティナの言葉には怒気が含まれていた。
魔王の怒気にシン達は体が硬直するのを感じたが、すぐにティナの怒気は収まると硬直もとれる。
魔王だけあって寛大なティナが怒気を放つと言う事は、今の説明であった人族の事は恐らく魔族は無理矢理交わらされたであろう事が伺える。
今の人族が教え伝えているほど魔族は凶暴な存在ではない。
その代表である魔王のティナがそうである様に、魔族の大半は戦闘を好まない。
抵抗をしただろうが人族の数は魔族よりも圧倒的に多い。
何かの策を弄して魔族を捕まえていたのだろう。
今の海の世界の魔族は人族を攻撃しているが、それは人族の迫害に抵抗をする為だ。
彼らも黙って殺されるほど優しくはない。
「ほれ、スーリアに着くぞ」
ティナの話に夢中になり、シン達はいつの間にかスーリアの近くまで進んでいた。
ティナの話は興味深い事が多く、シン達はついつい聞き入ってしまう。
「ギルドカードの提示をお願いします」
スーリアの門番にシン達は思わぬ言葉を発せられてしまう。
周りを見ると冒険者達は皆、何かのカードの様なものを提示して中に入っている。
「いや、俺達は冒険者じゃないからそのギルドカードってのは持ってないんだ」
シンはもちろんロイズと魔王のティナはギルドカードなど持っていない。
正直に門番に説明をするが、門番が困った様な顔をしてしまう。
「スーリアにはギルドカードがないと入れないんです。申し訳ないですが、どこか他の街の冒険者ギルドでギルドカードの発行をお願いします」
冒険者達の最終目的地であるスーリアにはギルドカード無しでは入る事は出来ない。
この都市ではギルドカードが身分証明になり、そのランクにより扱いも変わるのだ。
だが今のシン達に他の街に行っている時間などない。
なんとか入りたいと言うシンの横でユナが何かを取り出していた。
「あっ、あったよ!」
ユナが取り出したのは青色の1枚のカードだ。
そこにはユナの名前と出身の世界が書いてあった。
「では、皆さんはユナさんのお仲間と言う事でよろしいですね?」
門番の質問に答え中に入る事が出来る様になった。
仲間の中に1人でもギルドカードを持つ者がいれば入る事は出来るらしい。
それだけギルドカードを持っている者は信用出来るという事だ。
ユナだけに頼る訳にはいかないのでシン達もスーリアでギルドカードの発行をする事を決めた。
「なんで持ってるんだ?」
ユナが冒険者に憧れているのは知っているがギルドカードを持っているとは知らなかった。
「結構前に作ったのよ、でも赤姫があったから作っただけで冒険なんかしなかったけどね」
ほらね、と差し出されたギルドカードにはEランクと示されていた。
ギルドランクはSからEまであり、ユナのEは最低ランクだ。
EランクからDランクに上がるにはEランクの依頼を10件連続で成功し、昇級試験に合格しなくてはならない。
Aランクまでは同じ様な昇級の仕方たが、Sランクになるには、最低でも3つ以上の未発見遺跡などの踏破や人類に貢献する物の発見、さらには未曾有の危機と称されるほどの魔獣の討伐など、まさに人類の最終兵器と呼ばれる様な活躍をして認められなければSランクになれない。
だが今のシン達の目的はギルドランクをあげる事ではない。
桃色の髪の女性を探す為にシン達はスーリアへと足を運んだのだ。
「ねえ、あれティナじゃない?」
スーリアを歩いているとユナがおかしな事を言い出した。
ティナはシンの隣を歩いており、ユナの指差す方向にはいない。
「ほう、似ておるな」
ユナが指差すのはティナの似顔絵の描かれた大きな看板のような物だった。
だがそこにはシン達にとって良くない事が書かれている。
「生死を問わず、ってこれ手配書か?」
ティナの似顔絵の下には魔王ティナ・グルーエルの文字と生死問わずの文字。
魔王であるティナは冒険者達にとって最大の標的であり、人類にとって最強の外敵でもあるのだ。
勇者と呼ばれる者が仲間を集めて彼女の討伐に乗り切っている事もある。
その討伐報酬はありえない額が表示されており、中には好きな世界の王になれるとも書いてある。
「ティナ、変装しろ」
ティナが全世界から標的にされている事に呆れつつ、ティナにリリアナの持っていた変装用の魔導具を使わせる。
変装用の魔導具によりティナの輝く銀髪は金色になり、背丈と容姿もリリアナと同じになる。
変装用の魔導具はリリアナの影武者を作る役割の物だった。
「最大の標的がこんなとこにいるとは誰も思わないよな」
魔王の居城が水の世界にある事はほとんどの者に周知の事実だ。
その魔王が近くにいる事を知らずにキラキラした鎧に身を包んだ者が、広場に向け魔王の討伐を宣言している。
自らを勇者と称している青年は魔王についてありもしない事を言い、人々の注目を集めている。
ティナの悪口を言われユナが憤慨しているが、あまり目立ちたくないのでなだめ、その場を後にする。
シン達は冒険者ギルドを訪れるべくスーリアの街を散策する。
Sランク冒険者は数少ない、その居場所ぐらいはすぐに見つかると思われる。
一際大きな雪山から眼下に広がる景色を見渡すシン達の視線の先には白銀の世界に佇む巨大な都市が映り込んでいた。
氷の世界最大の都市スーリアへの最後の難関である山脈を登りきり、スーリアまで後は下山と半日ほどの移動が必要だ。
ティナの提案で雪山の頂上で宿泊したシン達であったが、いつ崩れるかわからない場所での宿泊に不安を抱えていたが、それは杞憂に終わっていた。
宿泊道具を片付け、下山を始めたシン達だが、スーリアに到着するのは日が落ち始める頃だろう。
さすがにスーリア周辺と言う事もあり、この辺りに魔獣の姿はない。
遠くを見渡せば数多くの冒険者達が様々な方向へと旅立っている事が伺えた。
冒険者1グループの中にそれぞれ役割があるのだろう。
同じ武器を持った者はおらず、中には数少ない魔術師の姿も必ずと言って良いほど存在する。
かつての序列4位”風帝”ニグル・ウィーゲのように近接と魔術を両方こなすであろう者はいない。
序列者と言うのはそれほど例外の存在なのだ。
だが冒険者として生きる魔術師はそれだけで貴重な存在であり、この氷の世界に来る高ランク冒険者達ならば仲間に1人は魔術師がいる。
戦争の続いていた砂の世界では魔術師はどちらかと言うと対人戦に特化しており、冒険者の魔術師達とは習得している魔術の種類が違う。
シン達が魔導具に頼っている事は全て魔術師が片手間で済ませてしまう事であり、戦闘においても前衛の剣士と共にメインアタッカーとなる。
未知の事が多いこの氷の世界では1番重要な存在だ。
「ティナ、魔力ってのは何である奴とない奴がいるんだ?」
シンの疑問は全ての世界に住む人々の疑問だ。
魔力のある人間とない人間、この2種類で人類は大きく分類される。
砂の世界では魔力のある人間は全体の1割程度である。
対して森の世界ではその特殊な性質ゆえ魔力を持つ者はいない。
魔力を持つ者は人により魔力の総量は違うが、少しでもあるならば様々なところで優遇される。
同程度の能力の持ち主同士なら必ず魔力のある者が採用されるのだ。
だが全ての人が魔力を持っている事に気が付く訳ではない。
生まれ持った魔力を知らずに死んでゆく人も少なくない。
「そうだの、あまり知られておらんが先祖に魔族と交わった者がいると、その子孫に魔力を持つ者が生まれる。現在は魔族との交わりは禁じられているが、まだ世界が1つだった頃は違う。その時に魔族と人族の混血が生まれ、今でもその血を引いている者は魔力を持つのだ。魔力の大小はその子達により変わる、親が多くても子が多いとは限らんのだ。魔力の多い者はそれだけ魔族の血に体が馴染んでいると言う事だ」
ティナの説明にユナは驚いていた。
魔術は人類が他種族に対抗する為に生み出したものとされていたからだ。
その事をティナの言葉は否定していた。
「なら魔力のない奴は魔族の血が流れてないって事か?」
ティナの言葉をシンはそういう風に解釈していた。
魔族の血が魔力をもたらしているならば魔力のない者は先祖からずっと人族の血のみを受け継いでいると考えていた。
「それは違うの。妾の説明が悪かったが、魔力がないからと言って純血の人族と言う事はない。逆に純血の方が少ないだろう。例えばユナは魔力を持たぬが並の人よりも数倍も身体能力が高いであろう?」
「そうね、私は魔力がないけどそんな事気にならないわ」
ユナには魔力は必要ないと言えるほど圧倒的な身体能力を持っている。
魔術など使わなくとも最強と呼ばれる序列者なのだ。
「それは妾達魔族の血によるものだ。魔族は魔術に身体能力と全てに優れておる。混血となった者はどちらかが優れて生まれる可能性が高いのだ。風帝ニグルはどちらかと言うと魔力に優れておるが、身体能力ではユナの上であろう?両方に優れているのは魔族だけだがの」
「なら天帝はどうなんだ?あいつは両方凄かったぞ?」
ティナの説明では”天帝”ラドラス・エルドラスは魔族という事になる。
「あれとお主は別だ」
ティナの言葉にシンは”天帝”ラドラス・エルドラスの正体に確信を持った。
かつてティナがラピス王国の地下牢で言っていたのは恐らく”天帝”の事と理解出来た。
「なら人族の力はほとんど魔族のおかげで持ってるんだな?」
「エルリックが魔気を使えるのもあの者の先祖に魔族がおるからだ。その名の通り魔気とは魔の気、魔力とは魔の力、魔術とは魔の術だ。全て創世に魔族が扱っていた物だ。それを羨んだ人族が魔族と交わり、その力の一端を手に入れようとした結果が今の人族達だ」
ティナの言葉には怒気が含まれていた。
魔王の怒気にシン達は体が硬直するのを感じたが、すぐにティナの怒気は収まると硬直もとれる。
魔王だけあって寛大なティナが怒気を放つと言う事は、今の説明であった人族の事は恐らく魔族は無理矢理交わらされたであろう事が伺える。
今の人族が教え伝えているほど魔族は凶暴な存在ではない。
その代表である魔王のティナがそうである様に、魔族の大半は戦闘を好まない。
抵抗をしただろうが人族の数は魔族よりも圧倒的に多い。
何かの策を弄して魔族を捕まえていたのだろう。
今の海の世界の魔族は人族を攻撃しているが、それは人族の迫害に抵抗をする為だ。
彼らも黙って殺されるほど優しくはない。
「ほれ、スーリアに着くぞ」
ティナの話に夢中になり、シン達はいつの間にかスーリアの近くまで進んでいた。
ティナの話は興味深い事が多く、シン達はついつい聞き入ってしまう。
「ギルドカードの提示をお願いします」
スーリアの門番にシン達は思わぬ言葉を発せられてしまう。
周りを見ると冒険者達は皆、何かのカードの様なものを提示して中に入っている。
「いや、俺達は冒険者じゃないからそのギルドカードってのは持ってないんだ」
シンはもちろんロイズと魔王のティナはギルドカードなど持っていない。
正直に門番に説明をするが、門番が困った様な顔をしてしまう。
「スーリアにはギルドカードがないと入れないんです。申し訳ないですが、どこか他の街の冒険者ギルドでギルドカードの発行をお願いします」
冒険者達の最終目的地であるスーリアにはギルドカード無しでは入る事は出来ない。
この都市ではギルドカードが身分証明になり、そのランクにより扱いも変わるのだ。
だが今のシン達に他の街に行っている時間などない。
なんとか入りたいと言うシンの横でユナが何かを取り出していた。
「あっ、あったよ!」
ユナが取り出したのは青色の1枚のカードだ。
そこにはユナの名前と出身の世界が書いてあった。
「では、皆さんはユナさんのお仲間と言う事でよろしいですね?」
門番の質問に答え中に入る事が出来る様になった。
仲間の中に1人でもギルドカードを持つ者がいれば入る事は出来るらしい。
それだけギルドカードを持っている者は信用出来るという事だ。
ユナだけに頼る訳にはいかないのでシン達もスーリアでギルドカードの発行をする事を決めた。
「なんで持ってるんだ?」
ユナが冒険者に憧れているのは知っているがギルドカードを持っているとは知らなかった。
「結構前に作ったのよ、でも赤姫があったから作っただけで冒険なんかしなかったけどね」
ほらね、と差し出されたギルドカードにはEランクと示されていた。
ギルドランクはSからEまであり、ユナのEは最低ランクだ。
EランクからDランクに上がるにはEランクの依頼を10件連続で成功し、昇級試験に合格しなくてはならない。
Aランクまでは同じ様な昇級の仕方たが、Sランクになるには、最低でも3つ以上の未発見遺跡などの踏破や人類に貢献する物の発見、さらには未曾有の危機と称されるほどの魔獣の討伐など、まさに人類の最終兵器と呼ばれる様な活躍をして認められなければSランクになれない。
だが今のシン達の目的はギルドランクをあげる事ではない。
桃色の髪の女性を探す為にシン達はスーリアへと足を運んだのだ。
「ねえ、あれティナじゃない?」
スーリアを歩いているとユナがおかしな事を言い出した。
ティナはシンの隣を歩いており、ユナの指差す方向にはいない。
「ほう、似ておるな」
ユナが指差すのはティナの似顔絵の描かれた大きな看板のような物だった。
だがそこにはシン達にとって良くない事が書かれている。
「生死を問わず、ってこれ手配書か?」
ティナの似顔絵の下には魔王ティナ・グルーエルの文字と生死問わずの文字。
魔王であるティナは冒険者達にとって最大の標的であり、人類にとって最強の外敵でもあるのだ。
勇者と呼ばれる者が仲間を集めて彼女の討伐に乗り切っている事もある。
その討伐報酬はありえない額が表示されており、中には好きな世界の王になれるとも書いてある。
「ティナ、変装しろ」
ティナが全世界から標的にされている事に呆れつつ、ティナにリリアナの持っていた変装用の魔導具を使わせる。
変装用の魔導具によりティナの輝く銀髪は金色になり、背丈と容姿もリリアナと同じになる。
変装用の魔導具はリリアナの影武者を作る役割の物だった。
「最大の標的がこんなとこにいるとは誰も思わないよな」
魔王の居城が水の世界にある事はほとんどの者に周知の事実だ。
その魔王が近くにいる事を知らずにキラキラした鎧に身を包んだ者が、広場に向け魔王の討伐を宣言している。
自らを勇者と称している青年は魔王についてありもしない事を言い、人々の注目を集めている。
ティナの悪口を言われユナが憤慨しているが、あまり目立ちたくないのでなだめ、その場を後にする。
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